はじめに
「湯を沸かすほどの熱い愛」
大作映画やアクション映画、SF映画、コミック映画に飽きるときがあるよね。そんな時には地味だけどあとから心にジワーッとくるドラマがお薦めだ。
派手さは無いんだけど、見たあとに心に沁み込むような満足感が得られる。わざわざ映画館に行かなくったって、ホットコーヒーを片手に家で見るのもオーケーだ。
恋人やファミリーと一緒に観たら、後で感想が聞けたりと最高だと思う。そんな映画を20本ほど集めてみた、この中から気に入った1本を見つけてもらえば有難いね。
洋画が多くなっちゃってるけど、邦画も字幕を見なくていいからホッとする。
「異人たちとの夏」
「心が温かくなるクリスマスにぴったりの映画ベスト30」も見てね。
第23位 こんな夜更けにバナナかよ
2018年12月公開のヒューマンドラマ
監督 前田哲(ブタがいた教室、こんな夜更けにバナナかよ)
原作 渡辺一史「こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち」
出演 ●大泉洋(探偵はBARにいる、晴天の霹靂、アイアムヒーロー、こんな夜更けにバナナかよ)
●高畑充希(怒り、DESTINY鎌倉ものがたり、こんな夜更けにバナナかよ)
●三浦春馬(永遠の0、進撃の巨人、こんな夜更けにバナナかよ)
主題歌のポルノグラフィティ「フラワー」
障害者の常識を遥かに覆した鹿野靖明(大泉洋)。彼の壮絶で楽しく、最高の人生の映画化だ。彼は筋ジストロフィー(筋ジス)で動かせるのは首と指だけ。そんな状態だが普通の人のように「人生を精一杯楽しむ」。
鹿野は1959年12月26日に札幌に生まれる。12才の時に筋ジスと診断される。20才まで生きられないと言われるが24才の時にリハビリ施設や病院から出てアパートで自立を始める。
27才の時に結婚するも32才の時、離婚も経験している。彼は死ぬまで静かに施設で余生を送ることの出来ない男だ。
彼はとにかく「わがままし放題」。真夜中なのに「バナナが食べたい」と無理を言う。ボランティアの安堂美咲(高畑充希)は街を駆けずり回ってバナナを探す。
美咲の恋人、田中久(三浦春馬)はそんな鹿野を「あの人のわがままは命がけ」と擁護する。鹿野は「おれは一日、一日が勝負なんだ」と我を通す。
とにかく障害者らしくない障害者なのだ。彼はアメリカに行く夢を持っている。そのためには英検二級を取らないとと必死だ。それに旅行したい、焼肉喰いたい、カラオケ行きたい、恋愛したい、結婚したいと・・・欲望は留まることを知らない。詳細は「こんな夜更けにバナナかよ」を見てね。
第22位 フローズン・タイム
2008年日本公開のイギリス製作エロ・コメディ&ロマンス・ドラマ
監督・脚本 ショーン・エリス(フローズン・タイム、ハイドリヒを撃て!)
出演 ●ショーン・ビガースタッフ(ハリー・ポッターシリーズ、フローズン・タイム)
●エミリア・フォックス(フローズン・タイム)
●ショーン・エバンス(フローズン・タイム、刑事モース~オックスフォード事件簿~)
●ミシェル・ライアン(フローズン・タイム)
https://youtu.be/0qypk2iyTqU
最初はつまらないエロ・コメディだと思ったけど意外と面白い。隠れた「秀作」と言える、お薦めだ。とにかく映像がキレイ、音楽も素晴らしい。それもそのはず、監督のショーン・エリスは写真家出身だ。
この映画は第78回アカデミー賞短編実写賞にノミネートされた「CASHBACK」の長編化だ。最近ではもの凄く残酷な映画[ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦]も撮っている。才能豊かな監督だ。
フローズン・タイムは女性のヌード(じじいのヌードも出て来るから要注意)がけっこう出て来るがあまりやらしくない。それどころか、女性の美しさを監督の感性で上手く映像化している、だから女性にもお薦めだ。
主人公のベン(ショーン・ビガースタッフ)は彼女のスージー(ミシェル・ライアン)にフラれたことによって不眠症になってしまう。人生一日8時間も増えたことになる。これは人生のキャッシュバックだ・・・お金に変えない手はない。
彼は真夜中のスーパーマーケットで働く。2週間も眠れず現実と幻想の間をさまよう。そして時間を止めたいと強く思った。そうしたら、自然と時間を止める能力を手に入れてしまう。
何時でも時間を止められる、時間が止まっている間、誰にも気づかれず動き回る。女性を裸にすることだって可能だ。でも女性を裸にしても、その美しさをスケッチするだけでいい。とにかく片っ端から女性の曲線美を描いてゆく。詳細は「フローズン・タイム」を見てね。
第21位 奇跡の2000マイル
2015年オーストラリア製作 ヒューマンドラマ
監督 ジョン・カラン
原作 ロビン・デヴィットソン「Tracks」
出演 ミア・ワシコウスカ(アリス・イン・ワンダーランド、クリムゾン・ピーク)
アダム・ドライバー(スター・ウォーズ/フォースの覚醒)
地味な映画なんだけど不思議な魅力を持っていて、気が付いたら最後まで見てしまう。
興行的にはほとんどヒットせず、製作費(1200万ドル)の半分も稼ぐことが出来なかった。
でも10年に一度めぐり合うかどうかの名作だと言う批評家もいる。
僕はけっこう気に入ったけど、皆さんはどうかな。
ロビン・デヴィッドソン(ミア・ワシコウスカ)はオーストラリアのアリススプリングスから砂漠を横断してインド洋まで一人でしかも徒歩で踏破する計画を立てる。
彼女が頼れるのは4頭のラクダと1頭の犬だけだ。
旅の記録係としてカメラマンのリック(アダム・ドライバー)が時々励ましてくれる
そして死ぬほどの苦労をして彼女は2,700Kmの距離を195日間かけて歩き切ってしまう・・・凄い精神力だね。
でも愛犬ディギティを途中で失ってしまう。彼女にとっては最も辛く悲しい出来事もあったんだ。
彼女は事業を失敗した父との別れ、母親の自殺・・・「どこに行っても居場所のない」トラウマを抱えて人生を過ごしてきた。
この旅を終えることによって、人生最大の経験と、良き理解者リック(アダム・ドライバー)を得ることが出来た。
この映画で彼女と一緒に砂漠の旅を経験するのもいいかも。そして彼女の冒険はまだまだ続く、人生と言う冒険には終わりはないから。
詳しいレビューは「奇跡の2000マイル」を見てね。
第20位 リスボンに誘われて
2014年日本公開のドイツ・スイス・ポルトガル合作のヒューマンドラマ
監督 ビレ・アウグスト
原作 パスカル・メルシエの小説「リスボンへの夜行列車」
出演 ジェレミー・アイアンズ(運命の逆転、バットマンvsスーパーマン)
マルティナ・ゲデック(マーサの幸せレシピ、善き人のためのソナタ)
シャーロット・ランプリング(愛の嵐、エンゼル・ハート)
ジャック・ヒューストン
アウグスト・ディール
メラニー・ロラン(複製された男)
この映画は人生にとって本当に有意義な時間とは何かを考えさせてくれるドラマだ。
心の奥底に響いてくるね。
地味な映画なんだけど、美味しいコーヒーを飲むように大人の上質な時間を堪能してみてはどうだろうか。
スイスのベルンで教師をしているライムント(ジェレミー・アイアンズ)は橋から飛び降りようとした女性を助ける。
彼女は学校の教室にコートを残して消えてしまう。そしてそのコートの中には一冊の本とリスボン行の切符があった。
彼女を見つけようと彼は駅に急いだが見つからない。リスボン行の列車は動きだし、迷ったライムントは衝動的に乗り込んでしまう。
そして彼女がのこした世界に百冊しかない本「言葉の金細工師」を読み始める。
彼はこの本の中に自分の思っていたことが全て書かれており、大きな感銘を受ける。
ライムントは作者のアマデウ(ジャック・ヒューストン)に是非会いたくなり訪ねるが、彼の妹アドリアーナ(シャーロット・ランプリング)が応対してくれた。
アマデウはすでに亡くなっていた。アマデウは1974年まで続いたポルトガルにおける「独裁政権時代」に反体制派として活動した男であった。
彼は親友ジョルジェ(アウグスト・ディール)の恋人エステファニア(メラニー・ロラン)を愛してしまう苦い経験も本には綴られていた。
しかし彼らはこの「独裁政権時代」に精一杯生きた証を残しており、ライムントは彼らがうらやましくもあった。
初老のライムントは妻に去られ、自分は退屈でつまらない男だと思い込んでいた。ところがこの地でマリアナ(マルティナ・ゲデック)とめぐり合う。
彼にとって、この衝動的な旅は自分の人生を大きく変える出来事が待っていたんだ。
詳しいレビューは「リスボンに誘われて」を見てね。
第19位 海街diary
2015年公開の日本 ヒューマン映画
監督 是枝裕和(誰も知らない、そして父になる)
原作 吉田秋生「海街diary」
出演 綾瀬はるか
長澤まさみ
夏帆
広瀬すず
けっこう地味な作品だけど綾瀬はるかの演技に助けられたね。
吉田秋生のマンガの実写化だ。舞台はあこがれの海街「鎌倉」、海と山の自然の情景がドラマに溶け込んでくる。
3姉妹が幼いころに離婚して家を出て行った父親の訃報が入る。
長女 幸田幸(綾瀬はるか)、次女 佳乃(長澤まさみ)、三女 千佳(夏帆)は山形まで出かけて父の葬式に出席する。
そこで初めて異母妹の浅野すず(広瀬すず)に会う。
すずはしっかりした中学一年生だ、実の父は再々婚していて義理の母親とはなじめない様子だ。
幸はそんな状況を見かねて、「鎌倉に来て4人で一緒に暮らそう」と提案する。
そして鎌倉での4人姉妹の生活が始まる。
3人姉妹は実の母 都にも捨てられていた。彼女らを育てたのは祖母なんだね。
でも4人は明るく助け合って毎日を過ごして行く。
ドラマの中には葬式が何回も出てきて、日々の暮らしの中にも生と死があることを印象付ける。
詳しいレビューは「海街diary」を見てね。
第18位 マイ・インターン
2015年日本公開のアメリカ コメディ映画
監督 ナンシー・マイヤーズ(ハート・オブ・ウーマン、恋愛適齢期)
出演 ロバート・デ・ニーロ(ヒート、リミットレス、マイ・インターン、レッド・ライト)
アン・ハサウェイ(インターステラー、マイ・インターン、パッセンジャーズ)
ホンワカしたコメディだ、楽しく最後まで見られるから癒しが必要な人にはお勧めだね。
70才のベン(ロバート・デ・ニーロ)は会社を引退し、悠々自適な生活だ。ところが妻に先立たれ、ゴルフ・読書・映画・トランプ・ヨガ・料理教室・・・何でもトライしてみたが寂しい。
彼は思い切ってシニア・インターンとして、人気ファッションサイトを経営する女社長ジュールズ(アン・ハサウェイ)の部下として働き始める。
彼はインターネットの世界はチンプンカンプンだが、人生経験の豊かさと周りを包み込む包容力のおかげで皆から頼られる存在になる。
ジュールズ社長の夫マットは会社を退社して、妻のために専業主夫として幼い娘ペイジの面倒と家事全般を受け持っている。
ベンはたまたまマットの浮気現場を見てしまう。
ジュールズもこのことは薄々知っていた。自分が忙しすぎるから夫や娘との時間が足りないことを痛感する。
彼女はこのままでは家庭が崩壊してしまうと考え自分に代わる「社長」を雇おうとする。
そしてベンにアドバイスを求めるのだが・・・果たしてベンはどんな意見を述べるのか。
ところでベンは仕事を始めることによってフロイトの言葉「愛と仕事が人生のすべて」を二つとも手に入れてしまう。彼は新しい恋人フィオナ(レネ・ルッソ)とも知り合うことが出来たんだ。
詳しいレビューは「マイ・インターン」を見てね。
第17位 あなたを抱きしめる日まで
2014年日本公開のイギリス・アメリカ・フランス合作 ヒューマン映画
監督 スティーヴン・フリアーズ(危険な関係)
原作 マーティン・シックススミス「The Lost Child of Philomena Lee」
出演 ジュディ・デンチ(007シリーズ、ショコラ)
スティーヴ・クーガン
実話の映画化だね。感動で胸が締め付けられる思いだ。
フィロミナ・リー(ジュディ・デンチ)は若かりし頃、過ちを犯し妊娠してしまう。
彼女はカトリック教会の厳しい戒律によって修道院に入れられ、そこでアンソニーを出産する。
ところがアンソニーは養子に出されてしまう。
それから50年の月日が経ち、彼女は死ぬまでに息子に会いたいと思うようになる。
彼女は娘のジェーンにこの話をしたところ、ジャーナリストのマーティン・シックススミス(スティーヴ・クーガン)を紹介され、取材を条件に息子探しを始める。
フィロミナは修道院に行くが、記録は火事で燃えてしまってないと言う・・・怪しいが諦めるしかない。
彼女はマーティンと一緒に息子を探すが、アンソニーはアメリカに養子に出されていたことが分かる。
彼女とマーティンは飛行機でアメリカに飛ぶ。
彼の人脈で、色々と調査を行ってゆくと、アンソニーはマイケル・ヘスと名付けられていることが分かった。
ところがマイケル・ヘスはすでに死亡していた・・・彼女は大いに落胆した。彼はゲイでエイズで亡くなっていたのだ。
マイケルはレーガン政権下とブッシュ政権下で法律顧問を務めた人物だったんだ。
フィロミナは自分が育てたらこんなに出世することはなかったと、自分を納得させる。
ところが後になって修道院の無慈悲さを知ることになる。
フィロミナを悲しみのどん底に突き落としたその出来事とは・・・。そして修道院が隠し続けた秘密とは。
ジュディ・デンチとフィロミナ・リー
フィロミナは自分と似た境遇の人が、自分と同じ目に合わないように実名でこの取材を公表するんだ。
勇気ある行動だ、それにしても教会の対応はひどすぎる。
詳しいレビューは「あなたを抱きしめる日まで」を見てね。
第16位 チョコレートドーナツ
2014年日本公開のアメリカ ヒューマン映画
監督 トラヴィス・ファイン
出演 アラン・カミング(スパイキッズ、X-MEN2)
ギャレット・ディラハント(LOOPER/ルーパー、それでも夜は明ける)
アイザック・レイヴァ
この映画もこころ揺さぶられるドラマだ。
ゲイのカップルが育児放棄された障害児を引き取り育てようとするドラマだ。実話をモデルにしているとのことだね。
1979年のカルフォルニアが舞台だ。昨今では同性愛者に対して理解が深まってきたが、この時代のゲイに対しては相当に風当たりが強かったと思う。
ショーパブのダンサーとして日銭を稼ぐルディ(アラン・カミング)は恋人の弁護士ポール(ギャレット・ディラハント)にダウン症のマルコ(アイザック・レイヴァ)の面倒をみたいと言う。
マルコの母親マリアンナは薬物の常習者で施設に隔離されてしまい残されたマルコは部屋から出て、行くあてのない街をふらつき回る日々だ。
見かねたルディとポールはマルコを自宅に呼んで面倒をみる。マルコはチョコレートドーナツが大好きだ夕食だってこれがいいと言う。
ルディとポールは正式にマルコを養子にしようと動き出す。
ところがこれに対し司法が立ちはだかる。ゲイのカップルでは子供の教育上よろしくないと言うことだ。
しかし、粘り強く周囲を説き伏せうまくゆきかけたところ、司法は奥の手を出してくる母親を施設から出所させたのだ。
ルディとポールは司法によって強引にマルコから引き離され、あきらめるしかない。
マルコの母親はまた薬物に手をだし彼をほったらかしにする。マルコは三日三晩街をさまよい歩く・・・・。
ルディとポールはこの惨劇を手紙に書き、司法関係者に送る。
本来人を守るべき司法が人間を殺す・・・反省してほしいと・・・。その惨劇とは・・・。
詳しいレビューは「チョコレートドーナツ」を見てね。
第15位 グッド・ライ~いちばん優しい嘘~
2015年日本公開のアメリカ ヒューマン映画
監督 フィリップ・ファラルドー
出演 リース・ウィザースプーン(ウォーク・ザ・ライン、わたしに会うまでの1600キロ)
アーノルド・オーチェン
ゲール・ドゥエイニー
コリー・ストール
1983年に勃発したスーダンの内戦で何万人にも及ぶ子供たちが難民キャンプに収容される。それから十数年後「ロストボーイズ」と呼ばれた彼らをアメリカに移住させる計画がスタートする。
4人兄弟がアメリカに来ることになった。ところが兄弟でただ一人の女性は受け入れ先が異なっていた。
マメール(アーノルド・オーチェン)、ジェレマイア(ゲール・ドゥエイニー)、ポール(エマニュエル・ジャル)はカンザスシティーに住むことになり、職業紹介所のキャリー(リース・ウィザースプーン)が面倒をみることになった。
彼らの姉のアビタルはボストンに住むことになってしまって、離ればなれだ。
3人の兄弟はカルチャーショックにあいながらもなんとか生活してゆく。ところが純真だった彼らはアメリカと言う国に蝕まれてゆく・・・本当の現実を嫌と言うほど突きつけられる。
マメールは医者を目指しているが、学費が高くて学校に行けない。ジェレマイアは就職先のボスとの折り合いが悪く辞めてしまう。ポールは自分たちはアメリカでは「クズ」だと自信をなくす。
マメールはスーダンに一時帰国し、離ればなれになった兄を見つける。そして兄をアメリカに呼び戻せるように奔走するが9.11以降、アメリカへの入国が困難になってしまう。
マメールが兄をアメリカに入国させるためにつく嘘とは・・・思わず涙が出る。
詳しいレビューは「グッド・ライ」を見てね。
第14位 最高の人生の見つけ方
2008年日本公開のアメリカ ヒューマン映画
監督 ロブ・ライナー(スタンド・バイ・ミー、恋人たちの予感)
出演 ジャック・ニコルソン(カッコーの巣の上で、バットマン、アバウト・シュミット、シャイニング)
モーガン・フリーマン(トランセンデンス、LUCY/ルーシー、ラスト・ナイツ、セブン)
余命6か月と宣告されたエドワード(ジャック・ニコルソン)とカーター(モーガン・フリーマン)は病院の同室のよしみで人生の最後にやりたいことをやって死のうと考える。
カーターは自動車修理工で45年間真面目に働いてきた。それとは対照的にエドワードは金が全ての大富豪だ。
やりたいことをカーターは「棺桶リスト」にまとめていた
●スカイダイビングをする
●世界一の美女にキスをする
●泣くほど笑う
●見ず知らずの人に親切にする
●荘厳な景色を見る
●刺青を入れる
●ピラミッドを見る
●マスタングに乗る
●香港に行く・・・・など等だ
エドワードは大金持ちだ彼に出来ないことはない。そして二人はリストを実現させてゆく。
カーターはエドワードが娘からを絶縁されていたことを知り、仲直りさせようと画策する。ところが、それが逆に彼の反感をかってケンカ別れしてしまう。
しかしエドワードは勇気を出して娘に会いに行く。そして親子の絆を取り戻す。
妻のもとに戻ったカーターは容体が急変し亡くなる。しばらくしてエドワードも亡くなる。
2人の遺灰はエベレストの頂上に撒かれ永遠の眠りにつく。
エドワードは「人は生き、人は死ぬ、世の中それの繰り返し」だと言う。
でも二人とも愛する人に看取られて死ぬことが出来て「最高の人生を見つけた」ようだ。人生における最高の生き方とは・・・参考になるドラマだ。
第13位 あん
2015年日本公開のヒューマン映画
監督 河瀬直美
原作 ドリアン助川「あん」
出演 樹木希林
永瀬正敏
内田伽羅
市原悦子
浅田美代子
心にジーンと来る秀作だ、是非おすすめだね。
「どら春」の雇われ店長 千太郎(永瀬正敏)はつらい過去を背負いながら毎日どら焼きを焼いている。
ある日 手の不自由な老婆 徳江(樹木希林)が現れ雇ってほしいと言う。
千太郎は一旦断ったが、徳江が持ってきた「あん」のあまりの美味しさにびっくりし雇うことにした。
徳江は小豆を煮込み水あめと混ぜて美味しい「あん」を一から手作りする。彼女は50年も「あん」を作り続けてきたベテランだ。
千太郎は「あん」の作り方を徳江から教わって行く。そしてどら焼きの「あん」の美味しさが評判を呼び、店は大繁盛する。
ところが誰が流したか分からないが、徳江が過去にハンセン病患者であったと噂が流れる。それとともにぱったりと客足が落ちる。
徳江は寂しく店をやめてゆく。ある日どら春常連の中学生ワカナ(内田伽羅)と千太郎は療養所に徳江を訪ねる。
徳江はその時二人に壮絶な過去を話し始める。彼女はこの療養所に兄に連れられて来たのが16才のころだ、それから60年間ここで外界と隔離された生活を送ってきた。
ここで結婚し、子供も出来たが生むことは許されなかった。人間として生まれながら人間扱いされなかったつらく哀しい人生だ。
徳江は寂しそうなまなざしをした千太郎に、生むことの出来なかった自分の息子を見たようだ。
次に二人が療養所を訪ねたときには、徳江は肺炎で亡くなっていた。仙太郎に形見の「あん」作りの道具がのこされてあった。
仙太郎は徳江の生きてきた証を胸に刻み自分の人生を再びスタートさせるのだろうか・・・。
詳しいレビューは「あん」を見てね。
第12位 ONCE ダブリンの街角で
2007年日本公開のアイルランド ヒューマン映画
監督 ジョン・カーニー(はじまりのうた)
出演 グレン・ハンサード
マルケタ・イルグロヴァ
こころにぐっと来る音楽ドラマだ、是非観てほしいし、聞いてほしい。
製作費が150,000ドルとほとんどお金がかかっていない、でも世界中で大ヒットして100倍以上の興行収入を稼ぎ出している。
美男美女が出ているわけではないし、平凡なストーリーなのに、グレン・ハンサードとマルケタ・イルグロヴァの歌声が心に沁みる。
舞台はアイルランドのダブリンだ。プロの歌手を目指す男(グレン・ハンサード)はストリート・ミュージシャンだ。
彼は昼間 小銭を稼ぐため誰でも知っている曲を演奏する。でも夜は自分のオリジナルを歌うが、聞いてくれる人はほとんどいない。
チェコ移民の女(マルケタ・イルグロヴァ)は花を売っている。偶然通りかかった彼女は、男と話をする。
男は掃除機の修理をやっていて、女の掃除機を直してあげると言う。
そして二人は顔見知りとなるが女もミュージシャンだった。でも彼女は恋人に去られ母親と自分の幼い娘とアパートに住んでいる。
男はデモテープを作ってロンドンに行きプロ歌手になることを考えている。
そして彼は彼女に手伝ってもらい、彼の仲間たちとデモテープを作る。
男と女は惹かれあっているが、それぞれの境遇の違いから二人の距離は縮まらない。
男は女にピアノをプレゼントして、ロンドンを目指してゆく。彼にはどんな人生が待っているのか・・・。
詳しいレビューは「ONCE ダブリンの街角で」を見てね。
第11位 あと1センチの恋
2014年日本公開のイギリス・ドイツ合作 恋愛コメディ映画
監督 クリスチャン・ディッター
出演 リリー・コリンズ(プリースト、白雪姫と鏡の女王)
サム・クラフリン(ハンガー・ゲームシリーズ、スノーホワイト/氷の王国)
ハッピイエンドの恋愛コメディだ、気楽に見られて楽しいし、カップルで観るのもお薦めだね。
ロージー(リリー・コリンズ)とアレックス(サム・クラフリン)は幼馴染で何でも話せるけど、仲が良すぎてどうしても恋愛へと進展しない。
それぞれ付き合う相手も別々だ、でもお互い毎日連絡を取り合っている。
2人とも将来の夢を持っており、アメリカの大学に留学することも一緒だ。
ところがダンスパーティでロージーはクラスの人気者グレッグと一夜を共にしてしまう。そして妊娠しロージーの夢は閉ざされる。
彼女は女の子を出産し、ケイティと名付け、一人で娘を育てる。
アレックスは別の女性と結婚してしまう。そしてロージーも娘の本当の父親グレッグと一緒になる。
でも運命とは不思議なもので、ロージーとアレックスはまだ赤い糸で繋がっている。
果たして12年間もすれ違っていた二人だけど結末はどうなるのか。
詳しいレビューは「あと1センチの恋」を見てね。
第10位 英国王のスピーチ
2011年日本公開のイギリス・オーストラリア合作のコメディ映画
監督 トム・フーパー(レ・ミゼラブル、リリーのすべて)
出演 コリン・ファース(裏切りのサーカス、マジック・イン・ムーンライト、リピーテッド、キングスマン)
ヘレナ・ボナム=カーター(ハリー・ポッターシリーズ、天才スピヴェット、アリス・イン・ワンダーランドシリーズ)
ジェフリー・ラッシュ(パイレーツ・オブ・カリビアンシリーズ、鑑定士と顔のない依頼人)
イギリス王ジョージ6世(コリン・ファース)と彼の吃音を直すために雇われた言語療法士ライオネル(ジェフリー・ラッシュ)との友情を史実に基づいてドラマ化した映画だ。
コリン・ファースと無礼なジェフリー・ラッシュとのやり取りが実に面白い、二人とも真剣に演技するのだがついつい笑ってしまう。
ジョージ6世の吃音を直すためにライオネルが実施する治療法が実に楽しいね、本当にこんな治療が施されたのかな。
ジョージ6世は王位継承評議会での宣誓が散々な結果に終わり、心配したエリザベス妃(ヘレナ・ボナム=カーター)は言語療法士ライオネルに吃音治療をゆだねることを提案する。
ライオネルは王に対し無礼な態度を取るが、彼の治療法はユニークで効果的だ。王は自分の吃音が克服できそうな手ごたえを掴む。
そして国王は彼の治療のおかげで自分の演説に自信と勇気を持つまでになる。
そんな中ドイツのポーランド侵攻を受けて、1939年9月イギリスはドイツに対し宣戦布告をする。
果たして国王はイギリス国民を鼓舞するスピーチを完璧にこなすことが出来るのか・・・。
第9位 アバウト・タイム~愛おしい時間について~
2014年日本公開のイギリス・アメリカ合作SF恋愛コメディ映画
監督 リチャード・カーティス(ラブ・アクチュアリー)
出演 ドーナル・グリーソン(レヴェナント:蘇えりし者、スター・ウォーズ/フォースの覚醒、エクス・マキナ)
レイチェル・マクアダムス(きみに読む物語、シャーロック・ホームズシリーズ、誰よりも狙われた男、リトルプリンス)
ビル・ナイ(ラブ・アクチュアリー、アイ・フランケンシュタイン)
マーゴット・ロビー(スーサイド・スクワッド)
楽しい映画だ、映像もきれいだし音楽もいい、しかも人生や時間の使い方についても考えさせてくれる。
お薦めの映画だ、人生に行き詰ったらこのドラマを見てリフレッシュしてね。
ティム(ドーナル・グリーソン)は21才の誕生日に父さん(ビル・ナイ)から我が家系の男は「過去に行くことが出来る能力」を持っていることを打ち明けられる。
暗いところに入り、こぶしに力を入れれば好きな時代の過去に戻れる。
ティムは昨日フラれた初恋の彼女(マーゴット・ロビー)に時を遡ってもう一回アタックするがやはりフラれた・・・特殊能力は彼女の心まで変えることは出来ないようだ。
恋人が欲しいティムは友人と暗闇バーに行く、話し相手になってくれたメアリー(レイチェル・マクアダムス)と店を出るが彼女の可愛さに一目ぼれしてしまう。
ところがティムは友人の窮地で特殊能力を使ったため、メアリーとの出会いが吹っ飛んでしまった。
あわてた彼は彼女を必死に探すが、やっと見つけた彼女には彼氏がいた。ティムは急いで過去に戻り彼女が彼氏に巡り合う前にメアリーと仲良くなる。
ティムはメアリーと結婚し温かい家庭を築いてゆく、可愛い女の子ポージーも生まれた。もう特殊能力を使う必要はないと考えてたが、ティムの妹のキット・カットが交通事故を起こす。
キット・カットの彼氏ジミーとのケンカが事故の原因のようだ、ティムとキット・カットは過去に戻りジミーとの出会いを無くしてしまう。
ところが帰ってみると、可愛いポージーが男の子に変わってしまっていた。ティムは急いで父さんのところに飛んでゆく。
果たして可愛いポージーは戻ってくることが出来るのか・・・。
この映画は最後に「人は誰しも人生と言う時間を旅している、その旅が素晴らしいものになるようベストを尽くすしかない」と言っている・・・その通りだ。
詳しいレビューは「アバウト・タイム」を見てね。
第8位 モーターサイクル・ダイアリーズ
2004年日本公開のアルゼンチン・アメリカ・チリ・ペルー・ブラジル・イギリス・ドイツ・フランス合作のヒューマン映画
監督 ウォルター・サレス(セントラル・ステーション)
出演 ガエル・ガルシア・ベルナル(アモーレス・ペロス、バベル)
ロドリゴ・デ・ラ・セルナ
革命家チェ・ゲバラの若き日の南米旅行記(1952年)だ。
ロバート・レッドフォードが製作をし、新鋭ガエル・ガルシア・ベルナルを起用している。
アルゼンチンのブエノスアイレスの医学生エルネスト・ゲバラ23才(ガエル・ガルシア・ベルナル)は先輩のアルベルト・グラナード29才(ロドリゴ・デ・ラ・セルナ)と南米大陸縦断の旅に出かける。
距離は12,000キロと気が遠くなるほどだが、頼りはおんぼろバイク「怪力号」だけだ。
旅は楽しいときや、厳しい時もある。バイク事故にあったり、6000メートルのアンデス山脈をバイクを押して登ったり、徒歩やヒッチハイク、イカダにも乗らなければならない。
旅先で会う多くの人々、インディオ・チリ銅山の最下層労働者・ペルーのマチュ・ピチュの人たち・ハンセン病患者・・・南米社会の厳しい現実を目の当たりにする。
そしてエルネストは「生きることは闘いなのか?」と自問自答する。
彼はこの長い旅で自分の中の何かが変わって行くのを感じたんだ。
そして同時に世界が目覚める音を聞く。
革命家チェ・ゲバラ
この映画を見ていると旅とはいいもんだ、色んな景色を見ることが出来るし、色んな人々に会うことも出来る・・・暇を見つけて旅行でも行こうかな。
第7位 サイドウェイ
2005年日本公開のアメリカ ヒューマン・コメディ映画
監督 アレクサンダー・ペイン(アバウト・シュミット、ファミリー・ツリー)
原作 レックス・ピケット「サイドウェイ」
出演 ポール・ジアマッティ(プライベート・ライアン、コングレス未来学会議)
トーマス・ヘイデン・チャーチ(スパイダーマン3、ジョン・カーター)
ヴァージニア・マドセン(デューン/砂の惑星、赤ずきん)
サンドラ・オー(グレイズ・アナトミー)
「サイドウェイ」とは脇道と言う意味で、「人生の寄り道」のことなのかな?
地味な映画なんだけど、何故か心に残るね。目立つ俳優が出ているわけでもないし、ストーリーも単純でたいしたことない。
でもダメ男のロード・ムービーと言うところに親近感を感じる。それにコメディタッチの気取らない内容が心を癒すのかもしれない・・・大人の休憩時間だ。
この映画は日本人のキャストで「サイドウェイズ」としてリメイクされている。
バツイチで国語の先生マイルス(ポール・ジアマッティ)と親友でもうすぐ結婚する売れない俳優ジャック(トーマス・ヘイデン・チャーチ)はカルフォルニア州サンタバーバラのワイナリー巡りに出かける。
マイルスはジャックの結婚を祝し、ワインとゴルフで独身最後を楽しもうと計画を立てるのだが、ジャックは結婚前に女性を口説くことしか考えてない。
2人はワイナリーのマヤ(ヴァージニア・マドセン)、ステファニー(サンドラ・オー)と知り合いピクニックに行ったり、他愛もない話をしたりと時間を過ごす。
ジャックはステファニーと一夜を共にしてしまうが、彼が近々結婚することを知って彼女は激怒する・・・彼は彼女に殴られる。
マイルスはマヤを気に入ってるのに、何もできない自分が情けない・・・旅は終わり家路を急ぐ。
次の日マイルスはジャックの結婚式で別れた妻と再会する。彼女は再婚し、妊娠していることにマイルスはショックを受ける。
そんな彼のところにマヤから手紙が届く。手紙の内容は、そしてマイルスの彼女への思いは・・・。
第6位 ハドソン川の奇跡
2016年日本公開のアメリカ ヒューマン映画
監督 クリント・イーストウッド(硫黄島からの手紙、アメリカン・スナイパー)
出演 トム・ハンクス(プライベート・ライアン、グリーン・マイル、ブリッジ・オブ・スパイ)
アーロン・エッカート(アイ・フランケンシュタイン)
ローラ・リニー(真実の行方、エミリー・ローズ)
導入部分は記録映画かと思うほど地味な出だしで少々退屈したけど、ドラマが進んでゆくにしたがって感動がじわじわこみ上げてくる・・・そんな映画だ。
クリント・イーストウッド監督らしい、派手さはないが自然な演技指導とCGをほとんど使わない本物の映像がかえって感動を呼ぶ。
皆さんおなじみの2009年のニューヨーク上空で起こった飛行機トラブルが映画のベースになっている。離陸したジェット旅客機の2基のエンジンがバードストライクによって停止してしまう。
管制官は近くの空港に着陸しろと指示を出すが、サリー機長(トム・ハンクス)は空港まで間に合わないと判断し、冬のハドソン川に着水する。そして乗員・乗客155人全員の生還を果たす。
ところが、国家運輸安全委員会(NTSB)は「何故管制官の指示に従い近くの空港に戻らなかったのか」「本当に2基のエンジンが停止したのか」と機長を責めたてて来る。
NTSBは何度もコンピューターによる飛行シュミレーションを実施し基本データーを持っている。彼らは人間よりもコンピューターを信用してしまった。
サリー機長はNTSBの判断に欠けている部分があると反論をする。彼は長年の経験からくる自分の判断の方が正しいと主張する。果たして客観的に彼の判断は正しいのか、そして2基のエンジンは本当に停止してしまったのか・・・。詳しいレビューは「ハドソン川の奇跡」を見てね。
第5位 マンチェスター・バイ・ザ・シー
2017年5月日本公開のアメリカ ヒューマンドラマ映画
監督・脚本 ケネス・ロナーガン(ユー・キャン・カウント・オン・ミー、マーガレット、マンチェスター・バイ・ザ・シー)
出演 ●ケイシー・アフレック(グッド・ウィル・ハンティング、オーシャンズシリーズ、ジェシー・ジェームズの暗殺、マンチェスター・バイ・ザ・シー)
●ミシェル・ウィリアムズ(ブロークバック・マウンテン、マリリン7日間の恋、マンチェスター・バイ・ザ・シー)
●カイル・チェンドラー(地球が静止する日、ゼロ・ダーク・サーティ、マンチェスター・バイ・ザ・シー)
●ルーカス・ヘッジズ(ゼロの未来、マンチェスター・バイ・ザ・シー)
●グレッチェン・モル(13F、マンチェスター・バイ・ザ・シー)
いい映画なんだけど、初めから最後まで暗い!落ち込んでいる時にはあまりお勧めできない映画だ。でも泣きたいときにはこの映画はベストだ。出来ればハッピイエンドにして欲しかったね。
第89回アカデミー賞に6部門ノミネートされケイシー・アフレックが主演男優賞、監督のケネス・ロナーガンが脚本賞を獲得している。映画の質は非常にいいと感じる。
主人公のリー(ケイシー・アフレック)は心が完全に折れてしまっている。自殺しないのがせめてもの救いだ。彼はボストンに住んでアパートの管理人をしながらひっそりと暮らしていた。
彼に兄ジョー(カイル・チェンドラー)の訃報が入る。リーは久しぶりに港町マンチェスター・バイ・ザ・シーに里帰りするが、昔の記憶が呼び戻され、とてもここには住めないと今だに感じる。
ところが亡きジョーは息子パトリックの後見人としてリーを決めていた。兄は弟に大事な息子を託していたのだ。そして兄はリーに息子と一緒にここで暮らしてほしいとお金を用意していた。
リーはパトリックをボストンに連れてゆこうと考えるが、パトリックは了解しない。リーはこの港町で過去に何があったのか、そして兄の遺言をどのようにしてゆくのか・・・・。
第4位 ライオン25年目のただいま
2017年4月日本公開のオーストラリア・アメリカ・イギリス合作のヒューマンドラマ
監督 ガース・デイヴィス(ライオン25年目のただいま)
原作 サルー・ブライアリー「25年目のただいま 5歳で迷子になった僕と家族の物語」
出演 ●デーヴ・パテール(スラムドッグ$ミリオネア、エアベンダー、チャッピー、ライオン25年目のただいま、奇跡がくれた数式)
●ルーニー・マーラ(ドラゴン・タトゥーの女、ソーシャル・ネットワーク、her/世界でひとつの彼女、キャロル、ライオン25年目のただいま)
●デビッド・ウェナム(ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔、ヴァン・ヘルシング、300〈スリーハンドレッド〉、ライオン25年目のただいま)
●ニコール・キッドマン(バットマン フォーエヴァー、アイズ・ワイド・シャット、めぐりあう時間たち、リピーテッド、ライオン25年目のただいま)
アカデミー賞に6部門ノミネートされているだけあって、平日の昼下がりなのにけっこう人が入ってた。女性の観客が多かった。
監督のガース・デイヴィスはこの映画がデビューとのことで将来が楽しみだ。日ごろ涙を流したことが少ない人は、さあこのドラマで思いっきり泣いてください・・・実話がベースになっている。
主人公のサルーは5才で迷子になる。そして彼が収容されたインドの孤児院からオーストラリア タスマニア島の夫婦のもとに引き取られる。そして彼は里親の愛情に育まれ25年の歳月が経つ。
ある日彼はインドの揚げ菓子「ジャレビ」を見て昔を思い出し涙を流す。そして小さいときの記憶が甦ってくる。彼は何としてでも生みの母と兄に会いたいと思うようになる。
彼はおぼろげな5才の時の記憶を頼りに、グーグル・アースやSNSを使って自分が住んでいた場所を探そうとする。果たして彼は住んでいた場所と生みの母に会うことが出来るのか・・・。
第3位 この世界の片隅に
2016年公開の日本アニメ映画 ヒューマンドラマ
監督・脚本 片渕須直(名犬ラッシー、アリーテ姫、BLACK LAGOON、マイマイ新子と千年の魔法、この世界の片隅に)
原作 こうの史代 漫画「この世界の片隅に」
音楽 コトリンゴ
声の出演 のん(北條すず)
細谷佳正(北條周作)
稲葉菜月(黒村晴美)
尾身美詞(黒村径子)
小野大輔(水原 哲)
潘めぐみ(浦野すみ)
牛山 茂(北條円太郎)
新谷真弓(北條サン)
岩井七世(白木リン)
小山剛志(浦野十郎)
津田真澄(浦野キセノ)
派手な演出は無いけど「胸にぐっとくる」映画だ、1944年(昭和19年)当時の人々の暮らしぶりが克明に伝わってくる・・・当時を詳細に調査し丁寧に仕上げた血の通った傑作アニメだ。
監督・脚本の片渕須直はこの作品を創るにあたってクラウドファンディングも活用している。資金集めに苦労したようだ、当初全国63スクリーンでのスタートだったが、口コミによって異例のロングランとなった。
最終的には全国200以上のスクリーンに拡大している。いい映画は派手な宣伝をしなくても広がって行くものだと感じる。
昭和16年に開戦となった太平洋戦争が背景にある。素朴でおっとりした性格のすず(声:のん)は北條家の周作(細谷佳正)にみそめられ広島から呉にお嫁に来る。
すずは夫の周作とその父の円太郎、母のサン、そして疎開してきた周作の姉 黒村径子、娘の晴美と暮らしていた。呉は東洋一の軍港で「戦艦大和」が建造されたところだ。
日増しに激しくなる空襲のなか、逞しく家族は生きてゆくが、すずは爆弾の破裂によって晴美と右手を失ってしまう。そしてすずの実家の広島に新型爆弾が投下される・・・。
けっして悲しいだけの映画ではなく、すずと周作の愛の物語とも言える。
第2位 ドリーム
2017年9月日本公開のアメリカ製作ヒューマン映画
監督・脚本・製作 セオドア・メルフィ(ヴィンセントが教えてくれたこと、ドリーム)
原作 マーゴット・リー・シェタリー「Hidden Figures(隠れた人物たち)」
出演 ●タラジ・P・ヘンソン(ベスト・キッド、ベンジャミン・バトン 数奇な人生、ドリーム、PERSON OF INTEREST、Empire 成功の代償)
●ジャネール・モネイ(ムーンライト、ドリーム)
●オクタヴィア・スペンサー(スノーピアサー、ドリーム)
●ケビン・コスナー(アンタッチャブル、ダンス・ウィズ・ウルブス、JFK、ボディーガード、ウォーターワールド、エージェント:ライアン、バットマンVSスーパーマン)
映画がヒットするのは色々な要素がある。お金のかかった大作と宣伝、ハリウッドスターの共演、大人気映画の続編など・・・。でも、もの凄くいい映画は口コミで広がる。
この映画もその中の一つだ。「NASA(アメリカ航空宇宙局)」を陰で支えた、三人の黒人女性の物語だ。この三人の女性は数学などの分野において天才級の頭脳を持っている。
でも1960年代当時のアメリカは、有色人種への差別が残っていた時代だ。米ソの宇宙開発競争が激しい時代背景があり、アメリカは有人宇宙飛行に於いてソ連に一歩先を越されていた。
彼らは政府からの強力なプレッシャーのなか、マーキュリー計画(アメリカの有人宇宙飛行計画)を無事達成させることが出来るのか。
この当時、宇宙船の軌道計算などは手計算だ、しばらくしてIBMのコンピューターが導入されるが、やはり頼りになるのは人間だ。主人公のキャサリンたちは差別と偏見に負けず、自分たちの能力を信じ夢を切り開いてゆく・・・目頭が熱くなるからハンカチは必需品だ。
第1位 グリーンブック
2019年3月日本公開のアメリカ製作コメディドラマ
監督・脚本 ピーター・ファレリー(グリーンブック)
出演 ●ヴィゴ・モーテンセン(ロード・オブ・ザ・リングシリーズ、イースタン・プロミス、グリーンブック)
●マハーシャラ・アリ(ムーンライト、ドリーム、アリータ:バトル・エンジェル、グリーンブック)
●リンダ・カーデリーニ(グリーンブック)
久々に心温まるヒューマンドラマを見た、お薦め映画だ。1962年のアメリカ、人種差別が色濃く残る南部。何かを変えようと演奏旅行に旅立つ黒人の天才ピアニスト。彼はガサツで無教養、腕っぷしだけ強いイタリア系用心棒を運転手に雇う。
二人はまさに水と油ほどタイプが違う。黒人の天才ピアニストにはマハーシャラ・アリ、イタリア系用心棒にはヴィゴ・モーテンセンが扮し、絶妙なコンビネーションを見せる。用心棒は黒人を嫌っている。しかし、旅の終盤には生涯の友と言えるほどのキズナが芽生える・・・ここがこの映画のキモだ。どんな出来事が待っているのか?
主演のヴィゴはこの映画の為に20キロ太って「ロード・オブ・ザ・リング」のハンサムなアラルゴンの面影が無い。いつも何かを食っているかタバコをふかしている。
マハーシャラ・アリはピアノが弾けないらしいが特訓の成果と編集によって、天才ピアニストを難なく演じている。このドラマを見ているとつくづく俳優とは「凄いね」と感じる。
「グリーンブック」とは南部を旅する黒人が泊まれる宿が載っているガイドブックだ。このドラマは実話をベースにしている。主役のトニー・バレロンガの息子ニック・バレロンガが脚本と製作に参加している。
第91回アカデミー賞に5部門ノミネート、作品賞・助演男優賞(マハーシャラ・アリ)・脚本賞を獲得している。たまにはこんなドラマでもいかが、涙がポロリと出ちゃうよ。詳しくは「グリーンブック」を見てね。
まとめ
シッピングニュース
ホラー、サンペンス、アクション映画は派手で楽しいが、たまには地味だけど心に沁みる映画も見たくなるね。
このジャンルの20作品をまとめみたけど、まだまだ載せきれない。
最強のふたり
仕事や生活に疲れたら、こんな映画を見て気分転換することをお薦めする。人生を有意義にしたり、忘れていた貴重な時間の使い方なんかも参考になる。
「生きることは闘いなのか?」なんて深刻に考えている人もいれば「人は誰しも人生と言う時間を旅している・・・ベストを尽くしていい人生を過ごそう」と言う人もいる。
「愛と仕事が人生のすべて」と考える人もいる・・・いろいろあっていいんじゃない。
若いうちは無限の時間があると考えるが、僕のように60を過ぎてしまうと残り時間を気にするようになる。
だから僕は時間の使い方が最近変わってきたようにも感じる。まあ、死ぬまでに出来るだけ多くの映画が観れれば文句は言わないけどね。
TATSUTATSU
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