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映画「コングレス未来学会議」感想・評価‐実写とアニメの何とも不思議な物語だ

サマリー


『コングレス未来学会議』劇場予告編

こんな不思議な映画はあんまり観たことがない。

前半は実写だが、後半はアニメ映画になっている。間違って後半からこの映画を観てしまった人はアニメ映画と勘違いするだろーね。

しかしアニメだからと言って子供向きの映画ではない、エロチックな場面もあるのでれっきとした大人のアニメだね。

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ドラマはSFだが、あまりに特殊な内容なので、好き嫌いが大きく分かれる映画かもしんない・・・・僕としてはけっこう面白く観させてもらった。

ロビン・ライト(ロビン・ライト)と言う、20代に映画界でスーパースターに登りつめた女優が、40代半ばになって芸能界から忘れ去られてゆく。

ところがある映画会社が大金で彼女の肖像権を買いたいと申し入れてくる。

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彼女の肉体としぐさ・感情(笑顔・涙・絶頂・幸福・絶望・恐怖・・・)全てをスキャンし、デジタルデーターとしてコンピューターに保存する。

そしてデジタル化された彼女を使ってCG(コンピュータグラフィックス)で映画を作るんだねー。つまりフィルム撮影による映画作りは時代遅れとなってしまう。

現実でもこんな映画はけっこうある・・・・・近い将来、俳優はいなくなってデーターさえあればパソコン上だけで映画が作れる時代がくるかもね・・・・でもこんな映画、世の中に受け入れられるのかな?

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さらに、20年経てばこんなデジタル映画も時代遅れとなってしまう。

次のエンターテイメントの時代は、特殊な薬品を嗅ぐことによって、自分自身がアニメ上でどんな俳優にでもなることが出来る・・・・つまり薬品が脳を刺激して幻覚を見させ続けるんだね。

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そして夢の中で楽しい毎日を過ごし、死んでゆく。ところが単調な現実世界に残る人達も少数ではあるが存在している・・・・どちらの人生が果たしていいのか考えさせられるね。

一見アニメの夢の中に漂っている人々は幸せそうに見える。ところが彼らの真の姿はぼろをまとい夢遊病者のように街をさまよう。

彼らアニメの住人達が行きつく先には何が待っているのかな・・・・。

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2013年イスラエル・フランス合作のSF映画、監督はアリ・フォルマン(戦場でワルツを)、主な出演者はロビン・ライト(フォレスト・ガンプ、ドラゴン・タトゥーの女誰よりも狙われた男)、ハーヴェイ・カイテル(レッド・ドラゴン、ピアノ・レッスン、グランド・ブダペスト・ホテル)、ポール・ジアマッティ(サイドウェイ、リトルプリンス 星の王子さまと私:声の出演)などである。

原作はスタニスワフ・レム「泰平ヨンの未来学会議」(ソラリスの陽のもとに)であり、この映画は第66回カンヌ国際映画祭の監督週間部門でプレミア上映されている。

なお、原題のコングレス(CONGRESS)とは大会議とか学術大会などの意味がある。ここでは未来学会議と訳されている。



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ストーリー

ロビン・ライト(ロビン・ライト)は空港近くの飛行機の格納庫を住居に改造し娘のサラ(サミ・ゲイル)と難病の息子アーロン(コディ・スミット=マクフィー)と住んでいた。

彼女は20代のころ女優として絶頂期を迎えたが、40代半ばとなった今では忘られつつある存在になってきている。

ミラマウント映画会社のCEOジェフ・グリーン(ダニー・ヒューストン)が彼女の肖像権を大金で買い取りたいと言ってきた。そうなれば彼女は映画・演劇などいっさいのマスコミ媒体には出演出来なくなる。

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ミラマウントはロビン・ライトの肉体と感情(笑顔・涙・絶頂・幸福・絶望・恐怖・・・)全てをスキャンし、デジタル化された彼女のCG(コンピュータグラフィックス)によって映画を作りたいようだ。

ジェフが言うには、今後の映画作りにはもう俳優はいらない、俳優の完全なデジタルデーターさえあれば何の制約もなく、どんな役柄をやらせることが出来るし、どんな映画でも作ることが出来る。

フィルムで映画を撮っていた時代はもう終わったのだ、これからは新しい時代になる・・・・と。

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肉体と感情(笑顔・涙・絶頂・幸福・絶望・恐怖・・・)全てをスキャンされるロビン・ライト

彼女はいったん断ったが、代理人アル(ハーヴェイ・カイテル)から説得されしぶしぶ承諾するはめになる。彼女は気が変わらないうちにスキャンを実施する・・・・契約は20年間だ。

アーロンはアッシャー症候群(遺伝的疾患で目と耳が少しずつ悪くなってゆく病気)と言われる難病で、主治医のバーカー先生(ポール・ジアマッティ)のところに定期的に通っている。

少しずつ病状が悪化しているようだ。ロビンはそのことが唯一心配でしょうがない。

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アーロンの聴力を検査するロビンとバーカー先生

ロビンが芸能界を引退してから20年の歳月が流れる。

彼女はミラマウント社の未来会議にゲストとして招かれ、アブラマシティに車で出掛ける。

アブラマシティはアニメ専用の街である、ここに入る為にはある特殊な薬を吸引しなければならない。吸引すれば自分自身ばかりでなく、景色もすべてアニメとして脳に認識される。

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アブラマシティの全体像

ミラマウントホテルに到着したロビンはロボット達に出迎えられる。

見る物、出会う人々が全てアニメ化されて見える。特殊な薬を嗅げば、誰だってロビン・ライトやマリリン・モンロー、ジョン・ウェインになることが出来る。

もう映画などの映像を見て頭の中で夢を想像する時代ではなく、自分そのものが憧れの人物になりきる事が出来る時代が来ようとしていた。

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アニメ化されて見えるロビン・ライト

この世界では自分の気持ちによって、見る景色が変わって行く・・・・心が暗くなれば周りの景色も暗く見える。

彼女はミラマウント映画会社のジェフに呼ばれ、肖像権契約の延長の署名をさせられる。ところがジェフもこの会社に冷遇されていた。

ジェフがCGによって映画を作ってきた時代も終わろうとしていた。

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どうもミラマウント映画会社は製薬会社のナガサキと合併し、ミラマウント・ナガサキと言う名前の会社になっていたらしい。

そしてロビンが長い引退生活をおくっている間に、CGの彼女は「革命の永遠のシンボル」としてスーパースター以上の存在に祭り上げられていた。

ミラマウント・ナガサキ会社の社長リーヴ・ボブスはCGによる映画作りの時代は終わった、これからは薬品を体内に取り込むことによって誰でも好きな人間を演じることが出来る時代になったと宣言する。

ロビンは女優⇒CGによるデジタル女優⇒彼女になることの出来る薬品に進化していた。つまりロビンと言う薬品を体内に入れれば、ロビンになることが出来る。

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クリント・イーストウッド、エルヴィス・プレスリー、CG俳優としてのロビン・ライト

彼女は未来会議(新製品=薬品の発表会)にゲストとしてスピーチの機会が与えられる。彼女はそこで自分の本心を述べる。

彼女はたくさんの聴衆に向かって「目を覚ませ、科学者が作る薬品の裏には必ず犠牲者がいる」「薬品による自由と引き換えに良心を手放さないで欲しい」と訴える。

ところがそんな会議の真っ最中に反乱分子(革命軍)が会議を邪魔しようと襲ってくる。

ロビンはディラン・トゥルーリナー(ジョン・ハム)と言う男に連れられて逃げる。果たしてロビンはどうなってしまうのか是非映画を観てほしい。

ネタバレ

<ここから先はネタバレするから映画を観てから読んでね>

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ディラン・トゥルーリナーとロビン

ロビンはディランに導かれて巨大施設の地下に逃げる。

ディランは未来会議の内容を知って、今日会社を辞職したらしい。彼はロビン専属のアニメーターとして20年間この会社で働いてきたそしてスクリーン上のロビンを愛し始めた。

ロビンは革命軍が噴霧した幻覚剤によって、さまざまな幻覚を見る。それ以来幻覚のアニメ世界をディランとさまよう。

彼女は4か月間幻覚の世界をさまよい、救助隊に殺してくれと頼んだそうだ。病状回復の見込みがないため彼女は20年間(医療の進歩した未来に希望を託す)凍結保存されることになった。

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20年後にロビンが目覚めた時、ディランが面会に来てくれた。彼は20年の間彼女を思って待っていてくれた。

ディランは彼女を病院から連れ出し、優しくしてくれた、そしてお互いに愛し合った。しかし彼女は我が息子アーロンのことが頭から離れない・・・・彼女はここから出てアーロンに会いたいと願う。

ディランはロビンに薬を止めれば真実の世界に戻る事が出来る。幻覚を消し去る薬があると言う、そして彼が持っていた修正液と言われる薬をロビンは飲む。

幻覚が次第に消え、彼女が見た真実は・・・ボロボロの服を着たうつろでみすぼらしい人々の群れであった。

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ロビンと幻覚剤を服用して幻覚を見ている人々の真の姿

彼女は空に浮かぶ飛行船へゴンドラに乗って登って行く。そして飛行船の中でバーカー先生に会う。

彼は「よく帰ってきた」とロビンを抱きしめてくれた。彼女は息子アーロンの行方を尋ねる。

アーロンは19年間ロビンを待っていたが、つい半年前に向うの世界(幻覚に支配された世界)に行ってしまったことを告げる。

ロビンはバーカー先生に向うの世界に行くための薬を調合してもらう。そして元いた場所に戻ろうと決心する。

彼女は自分の姿をアーロンに変え幻覚の中の息子アーロンにめぐり合う。

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レビュー

この映画のテーマの様にCGが盛り込まれた映画はものすごい勢いで増えてきている。1982年にウォルト・ディズニー・ピクチャーズが世界で初めて全面的にCGで作った「トロン」が有名だ。(実際にはフルCGシーンは15分くらいらしい、当時のフルCGは膨大なお金と時間がかかった)

「トロン」を僕はわざわざ映画館に観に行った記憶がある。当時は最先端の技術で凄い画像だったが、今見返してみるとややチャチな感じがする。映像技術の発展のスピードは速すぎるね・・・・。

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2010年に続編「トロン:レガシー」が作成されている。28年ぶりの続編で昔を懐かしみながら観たよ・・・第一作目と比較して映像の素晴らしさに格段の差があるね。

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将来、この映画のように俳優はいらない時代が来るだろーね。そうすれば衣装代も小道具・大道具・巨大なセットの費用もいらなくなるね・・・・・映画監督はコンピューター技師になるかもしれない。

また、「アニマトリックス」のような主人公ネオにキアヌ・リーブスをモデルにしたアニメも作られている。ただこの映画の様に自分が主人公になることは出来ない・・・・・自分自身が映画に取りこまれて主役を演じることのできる日が来るかもしれない。

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ところで、この映画には色々な大スターがアニメ出演している。どのアニメが誰なのか当ててみたらどうかな、トム・クルーズ、マイケル・ジャクソン、マリリン・モンロー他多数でているよ。

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ロビンの横はトム・クルーズらしいね

映画の中のヒーローやヒロインはいつまでたっても歳を取らない。本物はどんどん老いて行くのに、映画と現実のギャップが広がって、特に大スターの晩年はつらいだろーね。

また、この映画のロビンは「革命の永遠のシンボル」にされてしまっている、自分の知らないうちに、さらに自分の意思など無視されて、そして映画の中の自分と本物の自分が同じようにみなされてしまう・・・・芸能界って恐ろしいところだね。

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人々は自分をアニメ世界の主人公として幻想を見続ける、毎日楽しく過ごせれば、真実の姿はボロボロの服をまというつろのな顔で街をさまよったとしても、単調な現実世界よりいいかもしれない。

この映画を観たあなたは夢を見続けて野たれ死にか、あるいは単調でつまらない現実世界を死ぬまで、ほそぼそと生き続けるのか・・・どちらがいいか考えてみたら面白いよ。

ところで僕は老い先短いから、夢の世界でヒーローになって野たれ死にしたいね・・・・。

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アリ・フォルマン監督

 

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