邦画

テレビドラマ「孤独のグルメ」感想・評価‐お腹が空いている時は見てはだめだよ


サマリー

孤独のグルメ

お腹が空いている時には、大変体に悪いテレビドラマだ・・・・思わずお腹が鳴ってよだれが出る。

僕はこんな食い物ドラマや映画が大好きだ、このドラマを観ながら次は何を食べようかな・・・なんて考えるのが実に楽しいね。

和食、洋食、ラーメン、焼き鳥、おでん・・・・何でも出てくる、値段もお手ごろだ、それにお店の場所も何となくわかるところもある。ドラマを観終わったらすぐに飯食いに飛び出したくなるね。

下町情緒あふれる、まるで自分の家の隣にあるような食堂が舞台だ、だからフレンチレストランみたいに気取る必要は全くない。

こころが癒されて、元気の出るドラマだね、自分の気に入ったお店を見つけるのもけっこういいかも・・・。

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原作は久住昌之、作画は谷ジローによるマンガだが、これを2012年からテレビ東京系においてテレビドラマとしてシリーズ化されている。

井之頭五郎(松重豊:百日紅)は個人で貿易商の仕事をしている。彼は仕事の傍ら下町のB級グルメを探しながら食べるのが趣味だ。

たまにはハズレもあるが、当たった時にはこの上ない幸せを感じる。彼は独身である、そして誰にも束縛されずに一人で飯を食うのを至上の喜びとしている。

腹が減ったら飯を食う・・・・・この単純な行為が人間に与えられた最高の癒やしだ。

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松重豊さんが美味しそうに毎回毎回食事する風景が何とも言えず、サマになっている。そしてドラマのあと原作者の久住昌之さんが登場し、料理を解説してくれる・・・・ありがたいね。

現在シーズン5(2015年)まで続いている。ただ放送の時間帯が遅いので残念ながら僕は夢の中だ。だからDVDを借りてきて見るしかないね。

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ストーリー

第一話 江東区門前仲町の焼き鳥と焼き飯

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五郎は仕事で門前仲町にやってきた、この街に来るのは久しぶりだ。路地に入るとおばあさんが道路にみかんを誤ってばらまいていた。

彼は直ぐに拾うのを手伝ってあげる。おばあさんはみかんを一個「おれい」だと言って五郎に手渡してくれた。

彼はあるカフェに輸入物のコーヒーカップを届けに来た。お店の女主人に大変気に入ってもらい仕事は上手くいったが、彼女の長話に付き合わされて、心身ともに疲れた。

彼はアーリイアメリカンテイストのアンティークショップに立ち寄る。味のある品物がいっぱいある「こんな店が持てたらいいな」と彼は思うが、結婚と同じで店を持ったら人生の重荷になる・・・・男は身一つでいるのがいいと思い直す。

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富岡八幡宮でお参りをして、美味しい店を探すことにした。そして彼は「やきとり」を食べることに決める。

彼は小さな焼き鳥屋に入る。あまりきれいとは言えない店の中はこじんまりとしていて、カウンターごしに女将がいた。

焼き鳥はネギま、軟骨、かわ、砂肝、手羽先、レバー、つくねの七種類で全部塩焼きだと言う。

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一本ほおばると、何とも言えない美味しさで自然と笑みが浮かぶ、あっという間に全部食べてしまった。

ほっけスティックと信玄ぶくろ(油揚げの中にほたてとおくらの入ったもの)を頼む、これも実に美味しい。

次に半分に切った生ピーマンの中につくねを押し込み食べる、こんな食べ方があったなんて、苦いけど美味し過ぎる。

最後に焼き飯(しらすと梅肉のはいった和風あっさり味)を注文する。こんな焼き飯初めてだ、酸っぱいが美味しい。

今日はついていると、満足して店を出る。

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原作者の久住昌之さん

第二話 豊島区駒込の煮魚定食

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今日は駒込駅を降り、古くからの得意客 画廊のオーナーに会いに行く、5年ぶりだ。オーナーから別の画廊にカフェを併設することになったので、そのコーヒーカップを頼まれたのだ。

駅向うのアザレア通りを進むと、家庭料理の「和食亭」ののれんが見える、今日はここにしよう。

本日の煮魚はタラがお薦めだと言うことで、それを注文した。前菜にシチューが出るとのことでびっくりした。

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前菜のシチューが出て来た、ニンジン・玉ねぎ・じゃがいものゴロゴロ感がたまらない。体が温まって誠に美味しい。

煮魚定食が出て来た、なめこの味噌汁とひじきの煮物、ホウレンソウの胡麻和え、タラの煮魚だ。

タラによく味がしみて美味しい、心にもしみてくるようだ。煮魚は白いご飯にピッタリだ、なめこの味噌汁も絶品だ。定食があまりにも美味しいのでご飯のお代わりをしてしまった。

ご飯が美味しいのは幸せだ、食後の一服をして店を出る・・・・ああ満足だ。次に来るときには肉の定食を食ってみるか。

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第三話 豊島区池袋の汁なし担々麺

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北関東に対する東京の玄関 池袋、少しあか抜けなくて散漫な雑多さがある。この池袋を五郎は最近好きになってきている。

彼はマンションの展示場に打ち合わせに来た。ワイングラスやリキュールグラスを女性の部屋向けに合ったものを紹介する。

五郎は仕事を終え、池袋に来たときにいつも寄る雑貨屋で買い物をする。ココナッツミルクのジュースを飲みながらさあ、次の仕事だ。

それにしても池袋は中華料理店が多い。昼飯は当然中華だ、広東・上海・北京・四川・・・・よし四川に決めた。飯屋との出会いも一期一会、これも宿命かもしれない。

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ここの中華料理店は汁なし担々麺がウリのようだ。接客のお兄ちゃんが水を持ってきてくれた、汁なし担々麺を注文すると、「辛いよ、いい?」「初めてのお客さんは普通の辛さがお薦め」だと言う。

更にバンサンスーと焼餃子を追加にオーダーした。バンサンスーとは豆腐の皮にニンジン・きゅうりをドレッシングであえたもので酸味が持ち味だ。

まず、バンサンスーと焼餃子が来た。バンサンスーはあっさりして美味しい、焼餃子は丸餃子とも言われ、はしで羽を崩しながら食べる。皿の中に餃子が何個あるか分らない、黒酢とラー油をつけて食べる、なかなか美味しい。

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バンサンスー

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焼餃子(丸餃子)

さあ汁なし坦々麺を食べてみる、まず麺と山椒をよくからませて口に運ぶ。美味しいがしばらくすると舌がひりひりしてきた・・・・これは凄い辛さだ、でも美味しい、思わず水をがぶ飲みする。

食事を全て平らげ店を出る・・・舌がしびれた、でもしばらくするとまた食べたくなってしまいそうだ。

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第四話 千葉県浦安市の静岡おでん

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五郎は新浦安駅に初めて降りた。街の作りがゆったりしている・・・・何故かアメリカの西海岸を思い出させる。

今日、結婚式場に来たのは、ここのインテリア・雑貨類のアドバイスをするためである。

彼はフランスに住んでいた時に、知り合いの女性から結婚をほのめかされたことを思い出した。でも彼女とは残念ながら別れてしまった。

お腹が空いた、通りがかりにカフェを見つける、入ってみよう。

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カフェの女主人は静岡出身で、この店が開店したときから「静岡おでん」の定食を出しているとのことであった。

せっかくだから、その「静岡おでん定食」を注文した。

おでんは卵、ダイコン、はんぺん、厚揚げ、なると、を注文した。カフェでおでんか・・・・完全に意表をつかれた。

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静岡おでん、青のりのふりかけが特徴だ

定食を食べる前に、ジャスミンの工芸茶をたのんでみた。お茶の中にお花が入っていてそれがお湯で蒸されて花が開くとのことであった。

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ジャスミンの工芸茶

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黒はんぺんに黒卵、味がよくしみて美味しい、さらに追加で牛筋を注文した。

この牛筋は口の中で溶ける、本当によく煮込んである、牛筋がこんなに柔らかくなるとは驚きだ。ご飯がすすむ、またダイコンのおしんこも実に美味しい。

満足して五郎は店を出て駅に向かう。

第五話 杉並区永福の親子丼と焼うどん

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五郎は今月ついてなかった、4件の仕事のキャンセルと商品の納期遅れ、あまりのどん底で近くの神社に厄除けに行く。

帰りに時間があるので釣り堀に寄って一時間ほど釣りをするが全く釣れない。

そうこうしている間に腹が減ってきた。五郎はもう歩くのも面倒なので、釣り堀にあるレストランで親子丼と焼うどんをたのんだ。

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仕事も釣りもおんなじで、やはり邪念があっては上手く行かない。

五郎は気持ちを切り替え、注文した料理を食う。

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まず、焼うどんから食べてみる。焼そばよりもふくよかで美味しい・・・注文して正解であった。

次に久しぶりの親子丼を食べる。ご飯を口に入れたところ卵が甘くて美味しい、体が温まってくる。

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焼うどん

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親子丼

親子丼は冬に似合う実に美味しい、焼うどんをおかず代わりに親子丼を食べるのもアリだ。

漬物のたくあんも美味しいし、もやしの入った味噌汁も料理によく合う。

デザートにおしるこを追加注文する。ほどよい甘みとお餅がドーンと入っている。身も心もリセットされたようですがすがしく店を出た・・・・くよくよしてたら仕事もうまく行かない、気分転換も必要だ。

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デザートのおしるこ

第六話 中野区鷺宮のロースにんにく焼

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五郎は鷺宮に来ていた、ここに来た目的は二つあり、一つは仕事、もう一つは旧友に会うためだ。

一つ目の仕事は、美容院の改装で店内をパリ風にしたいそうだ・・・これは難題だぞ、五郎は頭を悩ます。

道を歩いていると「栗大福」の文字が目に入る、五郎は思わず店に入って栗大福を店内で食べる・・・うまい、鷺宮で美味しい大福に巡り合えたのは幸せだ。

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栗大福

旧友に会ったが、彼は驚くことに「おかま」になっていた。人生、色々あるようだ、俺は自分の人生を生きてゆくと五郎はちかう。

旧友と別れた後無性に腹が減ってきた。とんかつやに入って、お薦めのロースにんにく焼を注文する。ご飯に にんにく焼を乗せて食べると、格段に美味しい、味は甘辛だ。

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五郎は大満足して、鷺宮を後にする・・・・いいお店だ。

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第七話 武蔵野市 吉祥寺 喫茶店のナポリタン

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五郎はお客さんのところに行く前に、行列の出来るお店で揚げたてのメンチカツを買う。テニスボールくらいのマン丸だ、塩味が付いていてそのまま食べても美味しい。

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いつも行列が出来ている吉祥寺のステーキハウス さとう

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さとうのマン丸メンチカツ

路地裏のハーモニカ横丁を横切って、あっちこっちとあるに回るが、昼のメニューが決まらない、こんな日もある。

ふと見ると喫茶店風の食堂が目に入る、メニューが多いから、何となく店に入ってしまう。

店に入っても、決まらない・・・・ナポリタンとハンバーグのワクワクセットにやっとのことで決まった、こんな日も珍しい。

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五郎はナポリタンを口に運ぶ、懐かしい味だ美味しい、この味は時々無性に食べたくなる。

サイドメニューの少し小ぶりのハンバーグを食べる。たっぷりソースの味は男の子向きだ・・・美味しい。

ケチャップ、ソース、マヨネーズ、そして味噌汁、この取り合わせに五郎は大満足だ、さらにご飯もたのんでしまう。

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ナポリタンとハンバーグのワクワクセットのカヤシマ

第八話 神奈川県川崎市八丁畷 の一人焼肉

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五郎はお客さんを羽田空港まで送った帰り、川崎に寄る。

お腹が凄く空いてきた、今日は焼肉でも食べよう。黄色時に赤の焼肉の看板が目立つ焼肉屋に入る、一人焼肉だいいねー。

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まず最初にカルビ、ハラミ、コプチャン(小腸)、ライスとキムチをたのんだ。まずドレッシングをかけた千切りのキャベツが出て来た・・・・・めずらしーな。

キャベツとドレッシングが合い、実に美味しい、焼肉を食べる前にはこれがいい。そのうちに肉が来た。

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まずはカルビから食べる、うまい・・・タレがいいね、食欲がモリモリわいてくる。

やっぱり焼肉には白いご飯がピッタリだタレに、にんにくを入れたら、味がガツーンとくる。キャベツを肉でくるんでご飯と食べるのもいいねー。

一人焼肉っていそがしいけど、なんだか幸せになれる。第二弾にジンギスカンとチャンジャ、シビレ(胸腺)、小盛りキャベツをたのむ。

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チャンジャ(タラの胃袋を塩漬けにして熟成させ、キムチ風の薬味につけた一種の塩辛)

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チャンジャが実に美味しい。ジンギスカンは焼肉とは違う世界だ・・・・うまい。シビレを食べる、なるほどシビレる味だ。

五郎の体は肉を食べるごとに溶鉱炉のように熱くなってくる。ご飯をお代わりし、額に汗をかき焼肉を食べ続ける。

彼は調子に乗って食べ過ぎてしまった、焼肉は工場の街 川崎が良く似合う。

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レビュー

このテレビドラマは松重豊さんが主役だが、でもやはり料理が主役だね。出てくる料理が実に美味しそうだ、それに知らない料理や、変わった食べ方なんかも出てくる。

僕はシジイだけど、結構 食べたことの無い料理が出てくる、世間は広いなーと感じるね。老い先短い僕だからこのドラマを参考にさせて頂いて、食べ歩きをしたいなと思っている。

ここに出てくる料理は値段もリーズナブルだ、僕はお酒が飲めないから夜の街にはあまり縁がないけど、ランチならオーケーだね。

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僕は料理を題材にした映画やドラマが大好きだ、だから今まで「大統領の料理人」「マダムマロリーと魔法のスパイス」「シェフ」「深夜食堂」「あん」をこのブログに載せているから読んでみてね。

人間は食べるために生まれてきたと言える。だから胃を壊さない程度に、食事を堪能してゆきたいね。

ところでワンちゃん、猫ちゃんは毎日同じ食事で満足している。しかも薄味だ・・・・つくづく人間は食べること、つまり「味覚」「臭覚」「食感」「視覚」「食事の雰囲気」に対して貪欲な生き物だと思うね・・・・。

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東京 有楽町・銀座界隈お薦めラーメン店をご紹介、一度食べてみてね

名古屋 創業140年 あつた「蓬莱軒本店」でひつまぶしを喰らう、ああ絶品

 

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