邦画

映画「さかなのこ」感想・評価:物語が進むうちにはまってしまうさかなクンの自叙伝

サマリー

 


★★★☆☆(お薦め)

2022年9月1日公開 さかなクンの半生を描いた自叙伝
監督・脚本 沖田修一
原作 さかなクン「さかなクンの一魚一会~まいにち夢中な人生!~」
出演 ●のん
●柳楽優弥
●夏帆
●磯村優斗
●岡山天音
●さかなクン

 

さかなクンの半生を沖田修一監督で映画『さかなのこ』予告編

 

こんな不思議なドラマ見たことない。はっきり言ってノーマークだった。でも経済新聞のコラムに載ってたり、映画評論家が絶賛するので、ダメ元で見に行った。

139分の長い映画なんだけど、この「脱力感」が物凄く心地いい・・・あれよあれよと思う間にハマって最後まで見てしまった。これはひとえに「のんちゃん」の魅力と、沖田修一監督のクラゲのような掴みどころのない時間差ジョーク(後でじんわり分かる)に惑わされた結果だと思う。

 

「のんちゃん」はNHK朝ドラ「あまちゃん」でブレイクしたんだけど、今回もこの「中性的」な魅力をぞんぶんに発揮している。彼女が主役をやっていなければ、これだけ評価の高い作品に仕上がったどうか分からない。

彼女は独特の「ボケ」(天然か?)を持っている。あの可愛い顔で「ボケ」をかまされると、僕のようなジジイでもメロメロになっしまう。

さかなクンが変質者っぽい役でゲスト出演している。ちょっとかわいそうなんだけどピッタリ合うところが怖い。「夏帆」のダメ女、「柳楽優弥」「磯村優斗」の不良少年がはまりすぎていて実にいい。お薦めだね。騙されたと思ってDVDでも見てね。

ストーリーを紹介すると。おさかなが大好きなミー坊(のん)は周りの子とちょっと違う。将来はおさかな博士になりたいと考えている。とにかく「おさかなさんがかっこいい」と訳の分からないことを言う。

おさかなさんの干からびた標本を作ったり、おさかなさんの絵を描いたりの毎日だが本人としては真剣に生きている。おさかなさんの仕事がしたいけどドジやヘマばっかりで水族館の飼育員は務まらない。

でも町の小さな熱帯魚店に勤めながらおさかな博士を目指す。あるテレビ番組の出演を機に、その特異なキャラクターでブレイクする。ミー坊は子供たちにも大人気だ。

映画の中で僕の気に入ったエピソードは、さかなクンはフグを飼っている。毎朝、エサをあげる・・・エサは高級なエビだ。フグはよくなついていて、パクパク食べる。

食後にフグの歯磨きをして上げる、フグは喜んでいるようにも見える。ほんとなのかなーなんて思ってしまう・・・このシーンは好きだね。僕なんか、フグを見るとフグ刺しぐらいしか思いつかない。

「のんちゃん」はマルチタレントだ。俳優だけでなく、声優もやっている。アニメ「この世界の片隅に」で北条すず役をやっている。必見だね。声優もこんなにうまいとは・・・シリアスな役も出来る。

歌も歌うし、テレビ・ラジオ出演、詩の朗読、さらにユーチューブなんかにも出ている。外見とは似つかないくらい才能豊かだ。だから仕事のオファーが絶えない、昨今こんな俳優は少ないね。

彼女の次回作は「天間壮の三姉妹」が既に放映されている。僕は見てないけど見たかったね。

TATSUTATSU

アニメ映画「この世界の片隅に」感想・評価‐戦時下の呉で懸命に生きるすずに涙

 

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