サマリー
★★☆☆☆(そこそこ面白い)
2018年4月公開の日本SFスーパーヒーロー映画
監督 佐藤信介(GANTZ、図書館戦争、アイアムアヒーロー、いぬやしき)
原作 奥浩哉 コミック「いぬやしき」
出演 ●木梨憲武
●佐藤健
●斉藤由美
●本郷奏多
●二階堂ふみ
●濱田マリ
●福崎那由也
●三吉彩花
●伊勢谷友介
最強のじじいと高校生のバトルだ。普通、じじいと高校生が戦ったら、当然じじいが負ける。ところがここに出て来る犬屋敷じじい(木梨憲武)は地球でも滅ぼしてしまいそうなスーパーじじいだ。
実は彼は知らないうちにロボットにされてしまう。同時に同じ場所にいた高校生 獅子神(佐藤健)もしかりだ。しかし、屈折した心を持つ彼は殺人鬼に変貌し、人々を殺しまわる。逆に犬屋敷は正義の味方となる。
二人は新宿の都庁舎周辺をロケットを背負い、飛び回って戦う。果たして同じ能力を持つ彼らのうちで生き残るのは誰なのか?ロボットになる前の犬屋敷は実に頼りない、そして社会や家庭からつまはじきにされる・・・僕もじじいだから身につまされるね。
監督の佐藤信介は「アイアムアヒーロー」のように一風変わったヒーローものが得意だ。今回はこれにすごいVFX(Visual Effects:視覚効果)が加わる。
どのようにして250mの高さのビル群の間を飛び回る二人を撮影したのか・・・日本のCGやVFXも凄いレベルまで来たことを感じさせる。もうこれらの技術なしではSF映画は作れない。「シン・ゴジラ」しかりだ。
但し、残念ながら物語に深みが足りない。それに何故、二人はロボットになったのか、そして彼らをロボットにしたのはどんな宇宙生命体なのか・・・原作を知らない人たちのためにもう少し捕捉が欲しかった。しかし、それを除けば見応えがある。バトルシーンはハリウッドにも劣らない、SFマニアは必見だ。
話の筋を少し紹介すると。初老の犬屋敷壱郎は会社では年下の上司にいじめられリストラ候補の筆頭だ。そして家に帰れば、娘の麻理(三吉彩花)は父親を汚物を見るような目で見る。妻の万里江(濱田マリ)も息子の剛史(福崎那由也)も壱郎に関心がない。
そして彼は末期がんだ。唯一、彼の心を癒してくれるのは捨て犬のはな子だ。彼は絶望のあまり小高い公園に行くがそこでまぶしい光に見舞われ気を失い、しばらくして気が付く。隣には名前も知らない高校生がいた。
宇宙船が着陸に失敗して、彼らの上に落ちてきた。人間の文明よりはるかに進んだ異星人たちは、地球上の2つの生命体を偶然にも破壊してしまったのだ。慌てた彼らは二人のコピーをロボットで作り何事もなく去って行く。
犬屋敷は無性に水が飲みたくなる・・・これが彼のエネルギー源か、ただし塩水には弱いようだ。そして自分が最強の武器で固められた戦闘用ロボットであることを知る。
そのころ獅子神皓も覚醒してゆく。彼は親友の安藤直行(本郷奏多)通称チョッコーに自分の秘密を打ち明ける。そして最強の能力をコントロールする術を磨く、神のような力を得た獅子神は殺人を繰り返して行く。
片や、犬屋敷は病院回りをして、医者もさじを投げた重症患者を治療してゆく。二人は新宿の都庁舎周辺で激突し音速で飛び回る。獅子神と犬屋敷は互角の戦いをするが犬屋敷の娘 麻理がたまたま都庁舎に来ていた。果たして、どちらが勝つのか、麻理は戦いに巻き込まれてしまうのか・・・。
その後のストーリーとネタバレ
獅子神によって都庁舎が破壊される。たまたまここに見学に来ていた犬屋敷の娘 麻理が瓦礫によってケガをする。そして獅子神に捕まり、上階から落とされる。
犬屋敷は背中のロケットの能力を最大限に引き出し、落下している麻理を助ける。最後は犬屋敷と獅子神の一騎打ちだ。能力が最高レベルに覚醒した犬屋敷は獅子神の体を砕く。勝負はあったのか・・・。
暫くして犬屋敷は平穏な生活に戻る。片腕を失った獅子神はチョッコーの家に現れる。今回の出来事は何事もなく収束した。獅子神や犬屋敷と警察の間で超法規的な手打ちが行われたのか・・・テレビでは一連の事件の収束が警察庁から国民に報告された。
レビュー
何のとりえもないじじいが地球上で最強の力を持ってしまう。この逆転現象的なストーリーが面白い。本来なら、周りからいじめられているじじいが世間に復讐すべきかもしれないがヒーローになってしまう。
ただ、結末の終わり方があっけなさすぎる。これだけ世の中を騒がせてきたのに、原因も説明せず、警察が幕引きを図るところは物足らない。
それに殺人鬼として多くの人間を抹殺してきた獅子神も好青年に戻ってしまう。続編を考えているのではないだろうか、ただ残念ながら映画は今一の人気だったようだ。
空中を飛ぶだけではやはり面白くない、冒頭に述べたようにもう少しストーリーに深みが欲しかったね。
TATSUTATSU
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