サマリー
2013年のアメリカ・スペイン合作のサイコミステリー映画、監督はホルヘ・ドラド、主演はタイッサ・ファーミガ、マーク・ストロング(裏切りのサーカス、ゼロ・ダーク・サーティ、イミテーション・ゲーム)である。
主人公の少女が実は飛び切りIQの高いモンスターなのだが、残念ながら彼女の怖さがあまり伝わってこない、もう少し結末を考えて欲しかった、あと一歩映画である。
マーク・ストロングが演じる記憶探偵とは他人の記憶の中に入り込んで、記憶の奥底にあるトラウマを探り、それを治療する職業のことである。
他人の記憶の中にはいることをセッションと言う、真実の記憶は細部まで鮮明に記憶探偵の脳に伝わる、しかし偽の記憶は細部があやふやで、記憶の中の情景で時計が止まっているとか窓の外の景色が欠落しているなど不完全である。
彼は実にハゲ頭がよく似合う、僕も髪の毛が年々ヤバくなってきている、将来彼の様にハゲの似合う男になれたらいいねと思っている。(ちなみに彼は「ゼロ・ダーク・サーティ」ではCIAの幹部職員をカツラをかぶって演技している、ハゲもカツラも良く似合う俳優なんてそういるものではない。)
ストーリー
ストーリーを少し紹介すると、ジョン・ワシントン(マーク・ストロング)は妻の自殺で引退状態にあったが、上司のセバスチャン(ブライアン・コックス)から楽な仕事を請け負う。
その仕事とは、大富豪の一人娘アナ・グリーン(タイッサ・ファーミガ)の精神治療をすることであった。彼女は監視カメラ付きの部屋に監禁させられていた、そして食事を取らないハンガーストライキをしていた。
彼の役割はアナの記憶の奥底からトラウマを取り除き、食事を取らせることにあった。彼にとっては簡単な仕事であると思われたが、彼女の記憶を探って行くと恐ろしい出来事が隠されていた。
彼女は学生時代に三人の同級生に毒を盛っていたことが判明する、女学生たちは血を吐いて苦しむがどうやら一命は取り留めたようである。(ジョンは女学生の一人を訪ねるが、重い後遺症のためきれいな声を失っていた。)
更にアナはその学校の教師ともただならぬ関係になり、教師は少女に不適切な行為をしたかどで刑務所に入れられていた。(ジョンはその教師も尋ねるが、アナに騙され人生をぼうに振ってしまったと彼は後悔していた。)
アナの専属看護師ジュディスが二階から突き落され大ケガをする。アナの継父ロバートはアナが突き落したに違いないと考えていた、そして来週の月曜日にアナを施設に収容することをジョンに話した。
ジョンはアナを問い詰めるが、ジュディスを突き落したのはロバートであり、彼はメイドやジュディスに言い寄るふとどきもので母親の財産を狙っていると話した・・・・・どちらの話が正しいのか。
ジョンはアナの記憶の中に再び入り込むが、その中には今までの映像と異なるものが出てくる、彼女の継父ロバートとアナの専属看護師ジュディスの関係を暗示するような映像や、自分の妻の自殺を物語る映像、さらに彼の上司セバスチャンも出てくる。
アナとのセッションが上手く行ったのか、アナは食事を取るようになった。そしてジョンに大切なカギ(アナの話では生まれた家のカギらしい)をお礼に渡す。
一連の精神治療が終了し、ジョンは家に戻る・・・・・・・ところが夜中にアナから緊急の電話が入る、見知らぬ男に殺されそうだと・・・・・・ジョンはあわてて駆け付ける。
ネタバレ
ジョンはアナの大邸宅に駆け付ける、玄関のドアは開いており、アナの監禁室はもぬけの空であった。そして突然ジョンは監禁室のモニタールームに閉じ込められてしまう。
モニターには館の主であるグリーン夫妻が倒れているのが映されている、その時誰かが電源を落としたのか真っ暗闇となる。(あとからグリーン夫妻は睡眠薬で眠らされていることが分かる、また電源を切ったのは監視カメラに写
りたくないためであった。)
あわてて懐中電灯をつけると不思議にドアが開いていた、ジョンは警察に電話をかける。そして侵入者を追って森を駆け抜ける。
しばらく探しているうちに、アナが近寄りジョンの両手を握り「ごめんなさいね」と囁き、暗闇に消えてゆく。
呆然と見渡しているところに警察が駆け付け、ジョンは何故か逮捕される、そして両手にはべっとりとアナの血が付いていた。(さらにジョンの近くには血の付いたペーパーナイフが落ちていた、またアナからもらったカギはモニター室のカギであった。)
ジョンはアナの殺人容疑で逮捕され、留置場に入れられてしまう・・・・・・・彼は16才の少女にまんまとはめられてしまったのだ。
全てアナの狂言であった、アナから彼女の生存を証明する写真と一本の真っ赤なバラが送られてきてジョンは釈放される。
レビュー
アナはジョンとのセッションを利用して、ジョンを自分の意のままにコントロールしていたのだ・・・・・・ジョンの妻の自殺のトラウマをうまく利用していたようだ。
結局モンスター少女を野に放ってしまった・・・・・・・・今後どれだけの不幸な人間が彼女によって作られてゆくのか・・・・・彼女は他人の不幸などなんとも思っていない・・・・・怖いことだね。
世の中には近づく人間全てを不幸にする人がいますよね、その逆に周りを幸せにする人もいますね・・・・・・時にはよく人を見極めて付き合うことも必要だね。
辰々
2015-03-04
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