サスペンス

映画「裏切りのサーカス」感想・評価‐観れば見るほど味が出るスルメのような映画だね

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【サマリー】

日本での公開が2012年のイギリス・フランス・ドイツ合作スパイ映画である。原作はジョン・ル・カレの1974年「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」の40年以上前の小説であり、イギリスでは古典的作品といえる。

監督はトーマス・アルフレッドソン、主役はゲイリー・オールドマンである。

僕は当時東京に通っていたので、仕事を早く片付け、コンビニでおにぎりを買って、映画館に駆け付けた記憶がある。

映画では、字幕を追わなければならず、内容が充分理解できずに消化不良のまま終わっている。それから暫くしてDVDを吹き替えで見た。今回3度目の鑑賞である。

この映画はある程度、原作を理解しておくか、予備知識を事前に入れておかないと理解しづらい作品である。僕は3回見ることによってやっと内容が把握出来、楽しく観れた。

内容の詳細については、伊藤敏明さんのブログを参考にすればよいと思う。

ゲイリー・オールドマンの演技が素晴らしい。また、シャーロックのカンバーバッチ(イミテーション・ゲーム)がゲイの中間管理職諜報員を熱演しており、新たな一面を見せている。かなりシビアーな役柄をこなして面白い。

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【ストーリー】

ストーリーは、東西冷戦の時代イギリスの諜報機関(MI6:通称サーカス)とソ連の諜報機関(KGB)は情報戦を展開していた。

サーカスの責任者コントロール(ジョン・ハート)は組織の幹部にKGBのもぐら(二重スパイ)がいることを確信していた。

もぐらの情報を得るため、ジム・プリドー(マーク・ストロング)をハンガリーに派遣したが、射殺されてしまった。(あとで生存していることが分かる。)

この責任を取って、コントロールと右腕のジョージ・スマイリー(ゲイリー・オールドマン)が辞職する。退職後コントロールは不可解な死を遂げる。

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サーカス実働部隊のリッキー・ター(トム・ハーディ)はもぐらの情報を持つ女イリーナ(スヴェトラーナ・コドチェンコワ)と接触し、愛するようになる。

ターはもぐらの情報を本部にながすものの、相手にされず、逆にKGBに寝返ったとされてしまう。また、イリーナもKGBに拉致される。

ターは政府の情報機関監視役レイコン次官に真相を告げる。

レイコンの命により引退したスマイリーがもぐら探しを始める。スマイリーは協力者にピーター・ギラム(ベネディクト・カンバーバッチ)とロンドン警視庁公安部の警部メンデルを選ぶ。

まず、コントロールの自宅を調査したところ、5名の容疑者がいることが分かりそれぞれにコードネームが付けられていた。5名の容疑者は・・・・・・。

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1.「ティンカー(鋳掛屋)」   → アレリン(トビー・ジョーンズ)

2.「テイラーー(仕立て屋)」  → ヘイドン(コリン・ファース)

3.「ソルジャー(兵隊)」    → ブランド(キーラン・ハインズ)

4.「プアマン(貧乏人)」    → エスタヘイス(デヴィッド・デンシック)

5.「ベガーマン(乞食)」    → スマイリー

何とスマイリーは自分も容疑者の一人とされていた。

スマイリーは大昔、現KGBのトップであるカーラを寝返らせようとしたことがあった。

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カーラはスマイリーを良く知っているのである。カーラの目的はサーカスに東側のガセネタを流し信用させ、イギリスと提携しているアメリカの情報を入手することにあった。

この後スマイリーの妻アンとヘイドンの不倫、ヘイドンとプリドーとの恋愛関係など複雑な人間関係が絡んでいく。

【レビュー】

印象に残った場面は

・ターとイリーナが愛し合うシーン、イリーナは出演者として紅一点である。彼女が出てくることによって、画面に彩りを添える。彼女がいないと男ばかり、ゲイ臭だけが漂う映画になりかねない。

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・サーカスの家族同伴パーティーの余興で、皆でソ連国家を合唱するシーン、これほどのジョークはないと思う。

・スマイリーが寒いのに、池で泳ぐシーン、噂ではこの池はゲイのたまり場だとか。

・コントロールの若い時の軍服を着た凛々しい写真を見る場面。国家に人生と命を捧げてきたが、末路は酒とた
ばこ、ストレスによってぼろぼろになり、誰にも看取られずに死んでゆく。

・スマイリーが妻アンの不貞を観て、動揺するシーン。スマイリーは冷静な自分を見失ってしまう。(後にこれはカーラの陰謀だったことが分かる。)

・プリドーとヘイドンの学生時代の写真・・・二人の仲がただならぬ関係であるのが分かる。プリドーは泣く泣く
ヘイドンを射殺する。

・ギラムがスマイリーの忠告によって、同棲相手(男)と別れるシーン・・・・・名演技です。

Tinker-Tailor-Soldier-Spy

何故、コントロールはスマイリーをベガーマンと呼んだのかまた自分と一緒に何故退職させたのか、もぐ
らのコードネームがどこから漏れたのか、自分自身の死は自殺なのか良く分からない。

観ていて疑問は残るが、それは映画を観る人によって判断してくれと言うことか?

結局、もぐらは判明しスマイリーがサーカスのトップとして復権する。そしてカーラと対決してゆくところでエンディングを迎える。

現代でも形は変わっても諜報活動は続いている。スパイ衛星、盗聴、ハッキング、監視カメラ・・・・・・・。

少し前、重要人物の電話盗聴が大きな話題となった。いつの世の中になっても諜報戦は続くのか、怖いことである。
                           辰々

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関連 「猿の惑星:新世紀」

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