サスペンス

映画「グッドライアー偽りのゲーム」感想・評価:名優同士の騙し合いさて軍配はどちらに上がるのか

サマリー


★★★☆☆(お薦め)

2020年日本公開のアメリカ製作サスペンスドラマ
監督 ビル・コンドン(Mr.ホームズ名探偵最後の事件美女と野獣、グッドライアー偽りのゲーム)
原作 ニコラス・サール「老いたる詐欺師」
出演 ●ヘレン・ミレン(マダム・マロリーと魔法のスパイス黄金のアデーレ名画の帰還、グッドライアー偽りのゲーム)
●イアン・マッケラン(X-MENシリーズ、ロード・オブ・ザ・リングシリーズホビットシリーズキャッツ、グッドライアー偽りのゲーム)
●ラッセル・トーヴィー(グッドライアー偽りのゲーム)

映画『グッドライアー 偽りのゲーム』本予告 2020年2月7日(金)公開

 

最初、僕はハイセンスでコメディタッチの騙し合いドラマかと思っていた。ところが見てゆくうちに結構ダークで深い闇のあるサスペンス・ストーリーに変わってゆく。そして結末まで引き込まれた。

主演はイギリスのアカデミー賞女優ヘレン・ミレン、彼女は今年75才になる。今だに衰えない人気、美貌に貫禄ある演技力を見せている。

そして相手役はロードオブザリング、ホビット、X-MENで有名なイアン・マッケラン。彼は80才になる、その演技力はいまだに健在だ。そして監督はあの「美女と野獣」のビル・コンドンだ。

この映画のテーマは「人は最後まで嘘をつく」だ。そして真実を知るのは「神」「悪魔」「死者」。誰しも今までの人生で「嘘」をついたことがあると思う。その「嘘」を自分につくならまだしも相手を傷つけるような「嘘」はいけない。

僕自身もついた嘘によって相当苦しんだことがある。また、他人の嘘によっても苦しめられた。動物は嘘をつかないから好きだと言う人が多い。よく「因果応報」=「善いのも悪いのも自分が受ける結果のすべては自分が作る」と言われる。嘘も方便とはゆうものの、出来れば死ぬまで嘘をつきたくないね。

話のスジを少し紹介すると。主人を亡くした富豪の婦人ベティ(ヘレン・ミレン)、彼女の資産は300万ポンド(約4億円)以上と言われている。これに目を付けた老境のベテラン詐欺師ロイ(イアン・マッケラン)、彼は出会い系サイトを通じて彼女に接近する。

夫を亡くして孤独な生活を送る世間知らずなベティ。彼女はロイに会い、デートを重ねるごとに好感を持ってゆく。ロイは彼女を偽装した自宅に招いたり、膝が悪いと彼女の家に厄介になるなど急接近する。

唯一の問題はベティには孫のスティーヴン(ラッセル・トーヴィー)がいることだ。彼は胡散臭いロイに疑念を持っている。そして「あの男は危険」だと交際を止めるように進言する。

ある日、ロイは「君に資産を残したい」と共同投資の提案をする。この投資案件は5年で倍額になると嬉しそうに彼は語る。しかし、全財産をこの投資に回すのは心配と慎重なベティ。

ベティはロイとベルリン旅行に出かける。心配しているスティーヴンとは現地で合流だ。彼はロイを問い詰める。目の前の建物はかつてロイがナチの重要人物ガイガーを逮捕しようとした場所だ。

果たしてロイは何者なのか、そしてベティは老詐欺師に騙されてしまうのか?

その後のストーリーとネタバレ

ロイの本当の名前はハンス・タウブ、ドイツ人だ。彼は軍人としてナチ狩りの任務に就く。そして英国陸軍のロイ・コートネイと知り合う。二人は背格好も風貌もよく似ていた。

ナチの指名手配人物マルティン・ガイガーを逮捕するために二人は奴のアジトに踏み込む。ところがロイは奴に射殺され逃げられてしまう。天涯孤独のハンスは英国人ロイになりきってその後の人生をやり直すことを決断する。そして詐欺師として数々の悪事に手を染めてゆく。

その場所が今回、旅行で訪れたこの建物だ。ベティも別の建物を一人で訪問していた。そしてその建物の床下から何かを取り出していた。

国に戻ったベティの処にロイは自分の膝が悪化したと嘘をつき、居候を決め込む。ロイは彼女に共同出資の提案をする。「5年でお金が倍になる」と嘘をついて彼女の遺産を全額盗み取るつもりだ。

ベティはスティーヴンの忠告を聞かずロイの話に乗ってしまう。そして全額ロイとの共同口座にお金を預ける。彼は詐欺が成功したとトンズラする。そして全額お金を引き出そうとしたところ、キーパッドが見当たらない。

慌ててベティの家に戻るが彼女の家は引っ越ししたように家具類がなんにもない。そこにはベティが一人で待っていた、キーパッドを抜き取ったのは彼女だったのだ。つまり、ロイは彼女の罠にはまっていたことになる。

彼女は自分の正体を明かす。自分の本名はドイツ人リリーだった。裕福な家庭に育ったリリーは英語の家庭教師ハンス(当時15歳、今のロイ)を好きになる。ところが彼はリリーの姉たちに不埒な行いをしたばかりか、彼女をレイプする。

ハンスは家庭教師を解雇される。これを腹いせにナチにあらぬことを密告する。彼女の父は絞首刑となり、財産はすべて没収される。その後姉たちは戦争に巻き込まれ死んでしまう・・・ハンスによって家庭が崩壊させられたのだ。

長い年月が経ち、人生の晩年に差し掛かったリリーはロイに復讐することを考える。優秀な調査員スティーヴンを雇い、ロイの身辺を洗う。そして、ロイの髪の毛からDNA鑑定により、間違いなくハンスであることをつきとめる。

ベルリン旅行に立ち寄った建物はかつて彼女の家だった。床下からロケットペンダントを取り出す。15歳のハンスの毛髪がその中に入っていた・・・そしてこれを照合した。

ハンスは突然リリーを襲おうとするがそこにかつて彼に騙された男たちが現れる。男たちはハンスを半殺しに合わせる。彼は今では自分一人で水も飲めない体となって養老院にいる。

レビュー

最初はコメディタッチで楽しい映画かなと思ったが結末は非常に重いドラマに変わってゆく。これに近い実話はひょっとしたら、あったのかもしれない。

冒頭にも書いたが、この映画のテーマは「人は最後まで嘘をつく」だ。いったん嘘をつき始めるとそれを上塗りして隠すようにどんどん膨れ上がってゆく。そのうちそれが盛り上がって誰の目からも隠せなくなる。

世の中、見渡してみるとこんな人があまりに多いのにうんざりだ。人間の本性は「欲」なのか、こんな人間は政財界のトップにも数多くいる。しかし、僕は「因果応報」=「善いのも悪いのも自分が受ける結果のすべては自分が作る」を信じている。

結果的に、嘘はバレ自分を追い詰める。つまらない嘘で晩年を汚すことだけはしたくないね。

TATSUTATSU

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