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映画「ピエロがお前を嘲笑う」感想・評価‐大どんでん返し系ハッカードラマだ

サマリー


このトリックを見破れるか!?映画『ピエロがお前を嘲笑う』予告編

大ドンデン返し系と言うことで、それを頭のスミに置きながら映画を見て観ると、当たらずしも遠からずだったね。

ハッカーの世界はIT用語がいっぱいで分かりにくいかなと思っていたが、ITオンチの僕でも比較的理解しやすかった。

映画の中には伏線がいっぱい転がっており、これを拾い集めながら結末に向かって推理を働かせて行くのが観るコツだね。でも一回観ただけでは、伏線かどうかなんて分らないよね。

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天才ハッカー ベンヤミン(トム・シリング)

ひ弱な天才ハッカーがある事件を契機に逞しく変貌してゆく。彼は3人のハッカー集団と知り合うことから、自分の能力を100%発揮出来る新たな世界へと旅立つ。

物語はユーロ・ポール(欧州刑事警察機構)に自首してきた1人の若者が、事件の全容を語り始めるところからスタートする。彼のハッカーチーム(クレイ)は愉快犯が目的で、大手企業や政治団体のサイトに侵入しては喜んでいた。

ところが彼らのハッキングは次第にエスカレートしてゆき、盗み取ったある重要なリストが原因で殺人事件が起こってしまう。そしてカリスマハッカー「MRX」と「フレンズ」と呼ばれるロシアのサイバーマフィアから命を狙われる。

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ベンヤミン(トム・シリング)のダークネット内での仮の姿

彼は当局に助けを求め証人保護プログラムを約束させ、サイバーマフィアの捜査に協力するが、果たして彼の言っていることは真実なのか、それとも嘘の自白なのか、是非映画を観て頂きたい。

2015年日本公開のドイツ製作サスペンスドラマ、監督・脚本はバラン・ボー・オダー、主演はトム・シリングである。

本場ドイツで大ヒットとし、ドイツアカデミー賞に多くの部門でノミネートされている。またハリウッドでのリメイクが決定している秀作である。

泣く子も黙るハッカー映画ベストテン-サイバー戦争に勝ち残れ」もアップしたよ。

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ベンヤミン(トム・シリング)と捜査責任者ハンネ・リンドベルグ(トリーヌ・ディルホム)

ストーリー

天才ハッカー ベンヤミン(トム・シリング)はユーロ・ポール(欧州刑事警察機構)に自首し、ある殺人事件にかかわったことを告白する。

彼を事情聴取するのは欧州サイバー犯罪センターの捜査責任者ハンネ・リンドベルグ(トリーヌ・ディルホム)であった。

ベンヤミンは自分の生い立ちから話し始める。彼の父親はフランスに逃亡し会ったこともない、母は自殺し祖母に育てられた。曽祖父は第二次大戦で戦死、唯一の形見が戦友が持ち帰った3つの薬きょうであった。

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彼は14才でコンピューターにはまりプログラミング言語をマスターし、ハッキングも覚えた。ネットの世界ではメキメキと頭角を現すことが出来たが、現実世界ではいつまでたっても「変人」「負け犬」であった。

彼の憧れはダークネット(一般人のネットとは違う、ハッカー集団の集まり)に現れる「MRX」と呼ばれるハッカー界のスーパーヒーローであった。

「MRX」の教えは3つある、ベンヤミンは常にこれに挑戦し続けてきた。

その1 安全なシステムは無い

その2 不可能に挑め

その3 サイバー世界と現実世界を楽しめ

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マックス、シュテファン、パウル、ベンヤミン

そんな時にマックス(エリアス・ムバレク)と知り合った。彼はベンヤミンと真逆の性格だった。そして彼の友人シュテファン(ヴォータン・ヴィルケ・メーリング)とパウル(アントニオ・モノー・Jr)にも紹介された。

ベンヤミンは秘密のパーティーで、初恋の相手マリ(ハンナー・ヘルツシュプルンク)に出会う。今でも彼女のことが忘れられない・・・・・・でも彼女はつれないそぶりを見せる。

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マリ(ハンナー・ヘルツシュプルンク)

世の中には安全なものなど無い、一般人は世の中は安全だと思い込まされている。それを僕らハッカーが目を覚まさせてやるのさとマックスは、ハッカーになったいきさつをベンヤミンに話す。そして彼らはベンヤミンの目の前でハッカー行為を行い、人々を混乱に陥れる。

責任者のハンネ・リンドベルグはベンヤミンの話を聞いて、今までの話が真実か証拠を出せと追求してきた。彼は彼女の住民登録番号から、生い立ちまで正確に語ってみせた・・・・・ハッキングしないと分らない情報ばかりだ。

ベンヤミン達のハッカーグループは「アノニマス」「ラルズセック」を真似て、名前を「クレイ:CLAY」とする。意味は「Clowns Laughing At You :ピエロがお前を嘲笑っている」の頭文字から取った。

彼らは、金融業界から大手製薬会社までハッカー攻撃を行った・・・・・全て軽犯罪であった。ネットの世界で「クレイ」は一躍有名となる。

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ところがそんな彼らはスーパーヒーロー「MRX」から全く無視された。そんな時に「フレンズ:FR13NDS」と呼ばれる、ロシアのサイバーマフィアが現れ、欧州中央銀行やドイツ連邦軍のサーバーが襲われた。そしてデーターが闇サイトで販売されていた。

ハンネ捜査官とマルティン捜査官(シュテファン・カンプヴィルト)は協力して「フレンズ」を追っていた。彼らの4つのハンドルネームの内3が判明していた。それらは「セクデット」「トウボート」「クリプトン」であと一つが不明であった。

ベンヤミン達は「MRX」から無視されたことに腹を立て、最もハッキングの難しい「連邦情報局」のサーバーから情報を盗むことを計画する。

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ダークネットの世界を擬人化したもの、中央がベンヤミン周りはハッカー達

連邦情報局へのハッキングは困難を極めた。情報局のゴミの山から手がかりをつかむ。これをもとに入館証の発行を申請し、当局への潜入に成功する。

ベンヤミンは情報局のサーバールームの中へ直接踏み込み、サーバーから情報をぬきとってしまう。ところがこの情報には職員の個人情報のみならず「クリプトン」の情報が含まれていた。

彼は勝ち誇ったように、この成果を「MRX」に渡してしまう。

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次の日、モーリッツ・L ハンドルネーム「クリプトン」が死体で発見される。クリプトンは「フレンズ」の一員であったが、同時に連邦情報局の犬(情報提供者)でもあった。

ベンヤミンが「MRX」に渡した「クリプトン」の情報が、ロシアのサイバーマフィアに流れていた。つまり「MRX」が情報をマフィアに売ってしまったようだ。こうなると「クレイ」のメンバーも、命が危ない。

果たしてベンヤミンをはじめ「クレイ」メンバーはマフィアに殺されてしまうのか、続きは映画を観てね。

ネタバレ

<ここから先はネタバレするから映画を観てから読んでね>

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結局「MRX」は「フレンズ」の最後の一人だったのだ。しかも犯行声明を出したのは「クレイ」になっていた、そして最悪なのが「クリプトン」殺しの犯人にまで仕立て上げられていた。

ベンヤミン達は公衆回線を使い、「MRX」を見つけることを試みた。フー・アム・アイ(ベンヤミン)が「MRX」に接触し、何か次の仕事をやらせてほしいと訴える、そして彼から仕事をもらうことに成功した。

ところがこのやり取りは連邦情報局に感知され、彼らは危うく捕まりそうになる。

今回の一件(「クリプトン」にお金を与え情報提供者として使ったが、殺されてしまったこと)で、ハンネは責任を取らされ、ユーロ・ポールを定職となる。

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ベンヤミンが「MRX」から請け負った仕事とは、ユーロ・ポールに「トロイの木馬」(マルウェアの一種)を仕込めと言うことであった。つまり「フレンズ」は当局の捜査を監視したかったようである。

ベンヤミン達はこれを逆手に取り「妊婦の木馬」と呼ばれるマルウェアをユーロ・ポールに仕込み、「MRX」が当局にアクセスした時に、彼の端末に入り込み「MRX」の正体を掴むことが出来る。

ベンヤミン達はハーグにあるユーロ・ポールに向かい、侵入を試みたが全て失敗に終わった。下水からの侵入も失敗し、マックスは右手にクギを貫通させ怪我を負う。

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仮想世界におけるベンヤミンとMRX

ダメかと思われたとき、ちょっとしたきっかけ(訪問者が落とした入館証)で、ベンヤミンはユーロ・ポールの建屋に侵入し、「パウルの箱」(マルウェア悪魔の双子につながる偽のアクセスポイント)を仕込むのに成功した。

ユーロ・ポールに「トロイの木馬」を仕込み、「MRX」とダークネットで接触し木馬を渡そうとしたところ、奴はベンヤミンのたくらみを全て見抜いていた。

逆にベンヤミンが持たされたキーにはIPアドレスを伝送する細工がほどこされていた。ベンヤミンのいる場所が特定され、マフィアの暗殺者に追われる羽目になってしまったが逃げ切った。

しかしマックス、シュテファン、パウルはマフィアに全員殺されていた。三人が撃たれた薬きょうを証拠としてハンネに手渡す。

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ハンネはベンヤミンの話を信じたようだ。彼は「MRX」「フレンズ」の情報を渡す代わりに、証人保護を求めた。

ベンヤミンは奴らを簡単に捕まえることが出来ると言う、しかし彼女は信じられなかった。ベンヤミンは「MRX」の最大の弱点(高いプライド)を突くトリックを考えていた。

ハッカー連中に「MRX」が仲間を売った政府の犬であると偽情報を流す。ハッカー達は「MRX」を一斉に「裏切り者」「警察の犬」と非難する。

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これに「MRX」は逆上し、冷静さを無くす。「MRX」は1人仲間外れされ、ある場所に閉じ込められる。そしてこの場所から脱出する為にキーを使う。

ところが「MRX」が掴んだキーには、ベンヤミンに使ったのと同じ方法で、IPアドレスを伝送する細工がほどこされていた。

場所が特定され「MRX」はアメリカのFBIに身柄を拘束される。「MRX」の正体は、ニューヨーク在住のショーン・ダナム 19才であった。

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ハンネはベンヤミンの右手にクギが貫通したと思われるキズを見つける・・・・・キズを負ったのは彼の仲間マックスであったはず。

彼女はベンヤミンの告白はほとんどが偽物で、ハッカーチームなど存在しないと考える。すべてがベンヤミンの独り芝居なのか・・・・・。

彼女はベンヤミンの実生活を調べる、燃えたはずの家が無傷で残っている。ベンヤミンの彼女マリにも話を聞くが彼とはしばらく会っていないと言う。さらにベンヤミンの母親の精神病は多重人格で遺伝する可能性があると医師は言っていた。

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そしてベンヤミンから受け取った薬きょうは第二次大戦のものであることが鑑定結果から分かった。全てを総合すると彼は多重人格と言う精神病を患っていることに行きつく。

ハンネはベンヤミンに精神病患者には証人保護は適応出来ないと通告する。ベンヤミンはマフィアに殺されると泣き叫ぶ。

彼を見ていたハンネは同情する。そして彼女は彼がユーロ・ポールのサーバールームへ入室するのを5分間だけ許す。つまり証人保護とはコンピュータープログラムのことで、ベンヤミンは自分の痕跡をサーバーから消し去る。

彼女はベンヤミンを逃がす「あなたは小物だから大目に見てくれる」と言う理由で・・・・。最後に角砂糖のトリックの種明かしをしてほしいと彼女から言われる。

ベンヤミンは「人は見たいものしか見ない」と言って去って行く。彼女は彼の最後の言葉が妙に引っ掛かる。

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ベンヤミンは髪の毛を金髪に染め、洋上を走る船の上にいた。彼の周りにはマリ、マックス、シュテファン、パウルが居た。彼はまんまとハンネをワナにかけたが、彼女も既に気づいているかも知れない。

ベンヤミンは新たな出生証明書を手に入れていた。ハッキングはトリックと同じ、人を欺く。

実は、ベンヤミン、マリ、マックス、シュテファン、パウルの皆でハンネをダマすシナリオを考えた。精神疾患者は証人保護に不適格である・・・・・この盲点をうまく使う。そして右手の傷も釘を打ち込み新たに作った。

でも、ハンネはきっとわかってくれるに違いない・・・・・・もうトリックはいらない。

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レビュー

ベンヤミンは結局ハンネをダマし、自分を指名手配の人間から再び自由で透明な人間に戻すことが出来た。でも凶悪ハッカーと言われる「MRX」「フレンズ」を捕まえる手助けをしたから帳消しだね。

物語が二転三転して、一回観たぐらいでは良く分からないよね。伏線として、薬きょう、手の傷、角砂糖、母の精神病、リタリン・・・・・・などなどけっこうあるね、探してみたら面白いかも。

角砂糖のトリックを1つ紹介すると、ベンヤミンは右手に角砂糖を4コ握り、左手にそれを全部移し替える動作をする。ところが左手を開けると角砂糖は1コしかない。実は右手の親指で角砂糖3コを手のひらに押し付け隠し持っている。

つまり、実際のハッカーグループは4人だが3人を隠し、あたかもベンヤミン1人が4人を演じているように見せかけるトリックである。これによって彼は精神分裂症を病んでいるようにみせかけることが出来る。

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この映画でハッカー集団の事が少し分った気がするね「MRX」を捕まえてみれば19才の若者とは・・・・・ネット社会では男でも女でも、年寄りでも若者でも、何にでもなれるところが面白いし、怖いね。

ダークネットの世界を地下鉄の中の仮面を被った人たちで擬人化するところが分かり易いし、ハッキングには色々な手法があることも分かるね。

会社では色々なシステムを使って、インターネットの安全性を高めているけど、「安全なシステムは無い」と言うことがこの映画の教訓かな。こんなハッキングを題材とした映画は近年多いね「ブラック・ハッカー」「ブラック・ハット」も参考にしてね。

ハリウッドでリメイクされると言うことだが、誰が主役をやるのか、どんなストーリーにいじられるのかが楽しみだね。

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最初から大ドンデン返し系と言うことで先入観を持ってみました。結局主人公が嘘をついてるわけだが、その嘘が全部ではなく、真実も入りまじっているところがミソだね。でもマリがベンヤミンにくっ付いてきているのが良く分からない、あっちこっちの男といちゃついていたのにね。

この映画では冷静で、氷の様に冷たいおばさん(ハンネ)をダマしてしまうんだが、彼女が涙を流すところが印象的だね。外見が冷たく見える人ほど本当は暖かいものを持っているかも知んないね。

辰々

天才ハッカー海外ドラマ「MR.ROBOT/ミスター・ロボット」も見てね。

ところで怖い映画を4連発で紹介するね。是非見てね「死霊館エンフィールド事件
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