はじめに
世界のサイバー攻撃の約4割が中国によるものと言われている。中国では上海を本部とするサイバー軍を保持している。さらに民間のハッカーをスカウトしたり支援したり、その全貌を明らかにするのは困難らしい。
三菱電機がサイバー攻撃を受けたと新聞紙上をにぎわせている。中国系ハッカー集団Tickの仕業なのか?最新情報では中国のサイバー組織は22万人といわれてきたがその数が劇的に増加、一説には数百万人に拡大しているとも言われている。
中国はダークウェブでロシア、イラン、北朝鮮などと繋がり、情報の交換を行っている。これらが束になって日本を攻撃すれば、果たしてこれを跳ね返す力が我が国にはあるのだろうか。オリンピックを控え頭の痛い話だ。
近年北朝鮮も力をつけてきておりサイバー軍にかなり力を入れている、その規模については5000人から1万人と情報がばらついているが、毎年かなりの増員がなされている。特に資金獲得を目的としており、欧米から年間10億ドルの金を奪っているとも言われている。
とにかくサイバー攻撃は安上がりだから多くの国がサイバー部隊を持っている。しかしサイバー部隊の規模や技術レベルの評価は闇の中だ。ある情報によるとサイバー部隊のトップ5はアメリカ、中国、ロシア、イスラエル、北朝鮮らしい。
しかし何と言ってもアメリカが断トツだ、アメリカを本部として世界中に拠点を有する。日本にも横田基地や青森などよく知られている。年1兆円以上の予算が投入されていて、その規模や能力は毎年増加傾向にある。日本は同盟国だが、もしアメリカから離反するようなことがあれば、日本の都市機能は瞬時に麻痺する(スノーデンが暴露している)。
今後、益々水面下でサイバー戦争は拡大してゆく。もう僕らもこの戦争にいつ巻き込まれるか分からない。企業ばかりでなく個人も攻撃対象になっている。朝起きたら銀行の預金が無くなっていたなんてことが無いように気を付けよう・・・と言ったって何にも防御方法はない。(タンス貯金もコソ泥が狙っているから危ないし・・・)
第10位 ザ・ハッカー
2000年アメリカ製作のハッカードラマ
監督 ジョー・チャペル(ザ・ハッカー)
出演 ●スキート・ウールリッチ(ザ・ハッカー)
●ラッセル・ウォン(ザ・ハッカー)
●アンジェラ・フェザーストーン(ザ・ハッカー)
●ドナルド・ローグ(ザ・ハッカー)
●トム・ベレンジャー(プラトーン、戦争の犬たち、メジャーリーグ、ザ・ハッカー)
この映画は実在する天才ハッカー ケビン・ミトニックを捕まえるまでの物語だ。彼はコンピューター会社のデーターを盗んで逮捕され、保護観察中に逃走する。そして色々なハッカー行為を行いFBIを最も恐れさせた男と言われている(特にFBIの電話盗聴が有名だ)。
ケビン・ミトニック
彼はカルフォルニア大学に勤務する下村努の協力によってFBIに捕まり禁固5年の有罪判決が出ている。現在ではホワイトハッカーとして世の中に貢献している。
下村脩と下村努
コンピューターセキュリティの専門家 下村努の経歴も面白い、彼の父は有名なノーベル化学賞を受賞した下村脩(生物発光の研究で受賞)で1才の時に父と渡米している。
ミトニック(スキート・ウールリッチ)はアイスブレーカーと名乗るハッカーから情報交換したいと接触を受ける。しかしミトニックと彼の友人のアレックス(ドナルド・ローグ)はアイスブレーカーを怪しむ。実はアイスブレーカーの正体はFBI捜査官ランスであった。
ミトニックはFBIの電話を盗聴していたのだ。彼はFBIに協力するコンピューターセキュリティの専門家 下村努(ラッセル・ウォン)を知り、敵意を持つ。そして彼の研究情報やメールを始め何千ものファイルを盗む。
ミトニックが盗んだファイルの中には、ワクチンを作る為の最強のコンピューターウイルスがあった。このウイルスがもし使われるとどんなセキュリティも突破できてしまう。下村は青ざめる、果たしてこのウイルスは使われてしまうのだろうか・・・。
少々古くて、今ではドンクサイ映画になっちゃってるけど、実話がベースだからそこに魅力を感じるね。
第9位 ソードフィッシュ
2001年日本公開のアメリカ製作アクション・サスペンス映画
監督 ドミニク・セナ(60セカンズ、ソードフィッシュ、デビルクエスト)
出演 ●ジョン・トラボルタ(サタデー・ナイト・フィーバー、グリース、パルプ・フィクション、フェイス/オフ、ソードフィッシュ)
●ヒュー・ジャックマン(X-MENシリーズ、ヴァン・ヘルシング、リアル・スティール、レ・ミゼラブル、チャッピー、LOGAN/ローガン)
●ハル・ベリー(チョコレート、007ダイ・アナザー・デイ、X-MENシリーズ、ソードフィッシュ、クラウドアトラス)
「ソードフィッシュ」とはメカジキのことだ。ここではDEA(麻薬取締局)の極秘作戦「ソードフィッシュ計画」の暗号名になる。
この極秘作戦で残った裏金95億ドルを盗すもうとする物語だ。ガブリエル(ジョン・トラボルタ)と言う得体の知れない男がリーダーだ。彼は悪人なのかそれとも善人なのか、ガブリエルの片腕がジンジャー(ハル・ベリー)と呼ばれる魅力的な女性なんだ(ハルベリーの胸がおがめるだけでも見る価値はある)。
でも彼女の正体はDEAの潜入捜査官なんだけど、ガブリエルは知らないふりをしている。そしてこの計画のために世界ナンバー1と言われるハッカー スタンリー(ヒュー・ジャックマン)が雇われる。
彼は今、落ちぶれていて肉体労働者として働いている。別れた妻から奪われた娘の親権を取り戻したいのと巨額の報酬に惹かれ悪に手を染める。
ストーリーは全編にわたってどんでん返しの連続で、何が何だかよく分からない。ダマされないように目を凝らしてみてもきっとダマされてしまう・・・あなたはどうかな。
ガブリエルは装甲車とバスを使って銀行強盗を始める。銀行員を人質にして彼ら全員に爆弾を取り付けたジャケットを着せ、銀行から逃げると自爆するようにセットされている。
この銀行を警官達が何重にも取り囲む、FBIのロバーツ捜査官(ドン・チードル)は彼らを逮捕しようと躍起になる。
ところが銀行強盗は見せかけで銀行の端末をハッキングして95億ドルを別口座に移そうとする。スタンリーは世界一と言われるハッキング技術を駆使して強奪に成功するのだが・・・果たしてどうやって逃げるのか。ハッカー映画と言うよりド派手なアクション映画と言った方が正解なのかな。
第8位 スニーカーズ
1993年日本公開のアメリカ製作ハッカー映画
監督 フィル・アルデン・ロビンソン(フィールド・オブ・ドリームス、スニーカーズ)
出演 ●ロバート・レッドフォード(明日に向かって撃て、スティング、追憶、華麗なるギャッツビー、スニーカーズ)
●ダン・エクロイド(ゴースト・バスターズ、スニーカーズ)
●ベン・キングズレー(ガンジー、スニーカーズ、シンドラーのリスト、エクソダス:神と王、スティール・ワールド、アサイラム、ザ・ウォーク)
●メアリー・マクドネル(スニーカーズ、インデペンデンス・デイ)
●リヴァー・フェニックス(スタンド・バイ・ミー、マイ・プライベート・アイダホ、スニーカーズ)
●シドニー・ポアチエ(野のユリ、夜の大捜査線、スニーカーズ)
●デヴィッド・ストラザーン(スニーカーズ、L.A.コンフィデンシャル、ボーン・アルティメイタム)
https://youtu.be/p9aiyD8CPnU
ロバート・レッドフォードを始めシドニー・ポワチエ、ダン・エクロイド、若くて亡くなってしまったリバー・フェニックス(ホアキン・フェニックスの兄)など凄いメンバーがそろった豪華なサスペンス作品だ。
当時は大ヒットしたけど25年近く前の作品だから、コンピューター機器などを見ると古めかしい。それにハッカーに対する世間の認識がそれほど悪くないし、NSA(アメリカ国家安全保障局)に至っては正義の味方のように描かれている。
時代が変われば認識も変わるもんだね、NSAは今ではあまり良くとらえられていない。国民を監視するダークな組織と言うイメージだ。
「スニーカーズ」とはホワイトハッカー集団で、依頼された会社のセキュリティーが正しく機能しているか調査をすることが仕事だ。
ストーリーはあるチップを天才数学者から盗み出すことをNSAから依頼される。このチップはどんな暗号でも解いてしまう凄いものだ。これさえあれば全てのサーバーがハッキング出来てしまう。
チップは入手できたが依頼者のNSAは偽者であった。このチップが悪人にわたれば世の中が大変なことになる。リーダーのマーティン(ロバート・レッドフォード)は悪人にわたったチップを取り戻そうとする。ところが悪の黒幕はかつての親友コズモ(ベン・キングズレー)だった・・・。
第7位 ザ・インターネット
1996年日本公開のアメリカ製作ハッカーサスペンス映画
監督 アーウィン・ウィンクラー(ザ・インターネット)
出演 ●サンドラ・ブロック(スピード、デンジャラス・ビューティー、ザ・インターネット、ゼロ・グラビティ、)
●ジェレミー・ノーサム(ザ・インターネット、ミミック、カンパニー・マン、奇跡がくれた数式)
今見てもスピーディでなかなか面白い。サーバーが乗っ取られれば機密情報にアクセスでき、自分の素性が全て書き換えられてしまう。最悪世の中に自分が存在しないことにされてしまう、ある面では恐ろしい映画だ。
インターネットの発達によってもの凄く便利な世の中になっているけど、自分の財産や貯金なんかはすべて電子データーだ。ある日、電子データーが消えましたと言われたら目の前が真っ暗だ。
やっぱり、現金を箪笥や金庫に隠しておくか金塊に変えて保管しておかないといけないかな・・・最近そんなことをよく考える。
物語のスジを少し紹介すると、アンジェラ(サンドラ・ブロック)はソフトのバグを見つけ、修正する仕事を自宅で請け負っている。
彼女は独身だけど、ほとんど家から出ないから近所づきあいもない。身寄りはアルツハイマーの母親だけと言う典型的な「引きこもり生活」だ。
ある日、彼女のところに一枚のフロッピーディスク(昔よく使ったね、懐かしい)が送られてくる。何のへんてつもない音楽ライブのWEBサイトだけど、パソコン画面右下のΠ(パイ)のマークをクリックするとびっくりすることが起こる。
それは通常アクセス出来ない政府の機密情報にアクセスすることが出来てしまうのだ。このことを知った彼女に危険が迫る。
彼女は殺し屋に狙われたり、自分の名前や経歴が書き換えられて犯罪者に仕立て上げられたりと次から次へと不幸が襲う・・・果たして彼女はどうなってしまうのか。
第6位 ブラックハット
2015年日本公開のアメリカ製作ハッカー・サスペンス映画
監督 マイケル・マン(ヒート、ラスト・オブ・モヒカン、コラテラル、ブラックハット)
出演 ●クリス・ヘムズワース(マイティ・ソーシリーズ、アベンジャーズシリーズ、スノーホワイトシリーズ、ブラックハット、白鯨との闘い、ゴーストバスターズ、ドクター・ストレンジ)
●ワン・リーホン(ブラックハット)
●タン・ウェイ(捜査官X、ブラックハット)
この映画の怖さは、これが現実に起こり得ると言う事だ。香港の原子力発電所がブラックハット(凶悪なハッカー)に襲われる。冷却ポンプの操作が乗っ取られ、オーバーロードによって破壊される。しかも温度センサーも操作されピクリとも動かない。
気づいた時には炉は水蒸気爆発を起こしメルトダウン一歩手前だった。ハッキングコードはかつて中国軍のチェン大尉(ワン・リーホン)と今は刑務所に服役している天才ハッカー ニコラス(クリス・ヘムズワース)が作ったものだった。
ブラックハットを逮捕するため、司法取引によってニコラスを捜査に協力させることをチェン大尉はFBIに提案する。
チェン大尉とニコラスそして大尉の妹でかつてニコラスの恋人であったリエン(タン・ウェイ)の三人は協力してハッカーを追ってゆく。
ところが株もハッキングされ、さらに大豆の暴騰までもが起こる。犯人達の狙いは一体何であろうか。捜査を続けることによって新事実が分かってきた。ブラックハットの本当の狙いは別にあることが判明してくる・・・果たしてそれは何なのか、彼らに防ぐ事が出来るのか?
詳しいレビューは「ブラックハット」を見てね。
第5位 SCORPION/スコーピオン
2014年9月から始まったアメリカCBS放送のテレビドラマ
製作総指揮 アレックス・カーツマン他
出演 ●エリス・ガベル(ワールド・ウォーZ、インターステラー)
●キャサリン・マクフィー(SCORPION/スコーピオン)
●ロバート・パトリック(ターミネーター2、Xファイル)
シーズン2だ。
天才ハッカー ウォルター(エリス・ガベル)を中心に計4人の天才が「スコーピオン」と言う会社を作り上げる。
ウォルター(エリス・ガベル):天才ハッカー、リーダー
トビー(エディ・ケイ・トーマス):天才行動心理学者
ハッピー(ジェイデン・ウォン):機械工学の天才
シルベスター(アリ・スティダム):天才数学者
ところが彼ら天才は一般人との意思疎通が出来ない。そこで9才の息子ラルフ(ラリー・B・スミス)を持つシングルマザー ペイジ(キャサリン・マクフィー)を交渉係として雇う。(実はラルフも天才であることが分かる。)
彼らはアメリカ合衆国国土安全保障省 特別捜査官ケイブ(ロバート・パトリック)から要請を受け、国家の危機を救うよう活動する。
第一話は、ロサンゼルス空港のコンピューターシステムがダウンする。飛行中の旅客機が56機あり、これらは燃料が切れれば墜落する。果たしてチーム「スコーピオン」はどのように立ち向かうのか。
ウォルターは実在の天才をモデルにしている。彼のIQは197で世界の5本の指に入るらしい。(アインシュタインのIQは160と言われている。)ドラマは結構、奇想天外なストーリーが多いがそれを解決してゆく天才達の発想力が面白い、是非お薦めだ。
詳しいレビューは「SCORPION/スコーピオン」を見てね。スコーピオンとはウォルターのハンドルネームのことだよ。
第4位 ブラック・ハッカー
2014年日本公開のスペイン製作 ハッカー・サスペンス映画
監督 ナチョ・ビガロンド
出演 イライジャ・ウッド(ロード・オブ・ザ・リング、ホビット)
B級映画なんだけど、あのロード・オブ・ザ・リングに出ていた、イライジャ・ウッドが主演なんだ。迫力には欠けるけど全編パソコン画面による映像が斬新だ。
内容は大どんでん返しストーリーだからダマされないように。誰でもブラック・ハッカーに狙われてしまえば犯罪者に仕立て上げられる・・・恐ろしいことだ、気を付けましょうね。
ニック(イライジャ・ウッド)は人気女優ジル(サーシャ・グレイ)のファンサイトを運営している。彼は新作映画のキャンペーンでジルとの会食に選ばれる。
彼はホテルでジルを待っていたが、そこにコードと呼ばれる謎の男から「会食は中止になった」と連絡が入る。お詫びにニックのパソコンにURLが送られてくる。このURLをクリックすると、ジルの盗撮映像が出て来る。
ニックはコードによって悪質なハッカーに仕立て上げられてしまう。コードの要求はどんどんエスカレートしてゆく。最終的にはジルはさらわれ、彼女は仕掛けられた爆弾によって死んでしまう(実はトリックで彼女は生きている)。
ニックはジルを殺害した殺人犯として警察に追われる。果たしてニックの運命は・・・。ここに出て来るサーシャ・グレイはナンバーワンポルノ女優の過去を持つ、なまめかしさが残るハッカードラマだ。
詳しいレビューは「ブラック・ハッカー」を見てね。
第3位 MR.ROBOT/ミスター・ロボット
2015年から全米公開のハッカーを中心としたサイバー・サスペンス
製作者 サム・イスマイル(MR.ROBOT/ミスター・ロボット、MR.ROBOT/シーズン2、MR.ROBOT/シーズン3、MR.ROBOT/シーズン4)
出演 ●ラミ・マレック(ナイトミュージアムシリーズ、MR.ROBOT/ミスター・ロボット、MR.ROBOT/シーズン2、ボヘミアン・ラプソディ、MR.ROBOT/シーズン3、MR.ROBOT/シーズン4)
●クリスチャン・スレーター(薔薇の名前、トゥルー・ロマンス、インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア、MR.ROBOT/ミスター・ロボット、MR.ROBOT/シーズン3、MR.ROBOT/シーズン4)
●カーリー・チャイキン(MR.ROBOT/ミスター・ロボット、MR.ROBOT/シーズン4)
●ポーシャ・ダブルデイ(her/世界でひとつの彼女、MR.ROBOT/シーズン4)
●マルティン・ヴァルストロム(MR.ROBOT/ミスター・ロボット、MR.ROBOT/シーズン4)
●B・D・ウォン(MR.ROBOT/ミスター・ロボット、MR.ROBOT/シーズン2、MR.ROBOT/シーズン3、MR.ROBOT/シーズン4、ジュラシック・ワールド、ジュラシック・ワールド/炎の王国)
シーズン1の予告編だ。
シーズン2の予告編もある。
2015年6月から始まったUSAネットワークによるアメリカ テレビドラマだ。第73回ゴールデングローブ作品賞を獲得している。ゲーム・オブ・スローンズやアウトランダーを抑えての受賞だから凄い。
現代の混沌とした裏社会を浮き彫りにした意欲作だ。ただこのようなTVドラマは日本に受け入れられるか疑問はある、でもはまってしまったら抜け出せないから責任は持てないよ。
エリオット(ラミ・マレック)はニューヨークでセキュリティ・エンジニアとして「オールセーフ」と言う会社で働いている。
ところが裏の顔はハッキングの天才で、身近な人々の個人情報を盗み見たり、ネット上の犯罪などを通報したりしている。
彼の精神は壊れかかっており、極端に人づきあいが悪く、自分自身に話しかけるなど夢と現実をさまよい辛うじて平静を保っている。
彼は「オールセーフ」の最大の顧客である、世界を牛耳る複合企業「E-コープ」のサーバー攻撃をすんでのところで救う。彼は会社からも「E-コープ」からも一目置かれる。
「E-コープ」を襲ったサイバー攻撃は「f-ソサエティ」と呼ばれるハッカー集団で、リーダーは「MR.ROBOT」(クリスチャン・スレーター)と呼ばれる男だ。
「MR.ROBOT」はエリオットに「f-ソサエティ」に入るようすすめる。「f-ソサエティ」の目的は世の中のすべてのローンをチャラにすること、つまり富の再分配だ。
このドラマはエリオットの視点で描かれるから、見てる僕らは完全にダマされてしまう。なんてたって彼の頭はイカレテいるからね。詳しいレビューは「MR.ROBOT/ミスター・ロボット」をご参考に。
海外ドラマ「MR.ROBOT/ミスター・ロボット シーズン2」レビューと徹底解説:エリオットの真の目的が明らかになるそれは何か?
第2位 ピエロがお前を嘲笑う
2015年日本公開のドイツ ハッカー・サスペンス映画
監督 バラン・ボー・オダー
脚本 バラン・ボー・オダー他
出演 ●トム・シリング
●エリアス・ムバレク
●ヴォーダン・ヴィルケ・メーリング
●アントニオ・モノー・Jr
●ハンナー・ヘルツシュプルング
ハッカードラマを見るならこの映画がお薦めだ。素人にも分かり易くハッキング方法が描写されている(現実に出来るかどうかは別にして)。このドラマはドイツ・アカデミー賞に6部門でノミネートされるほどの秀作で、大ヒットしている。
この映画もやっぱり大どんでん返し系だ、ダマされないようにじっくり見ることをお薦めする。物語には伏線がいっぱいばらまかれているから2回見ないとよく分からないよ。ハリウッドでリメイクされることが決まっている、楽しみだ。
最近ダークネットの運営者が逮捕されている。ダークネットとは誰にでもアクセスできるネットではなく、特殊なパスワードを持った者のみがアクセスできる闇のサイトだ。ここでは個人情報からコンピューターウイルス、麻薬やドラッグ、非合法な物が何でも手に入る・・・恐ろしい世界だから、決して踏み込んじゃあダメだよ。
ダークネットの世界を地下鉄の中のように上手く表現している。ここでは乗客は皆、仮面をかぶっていて正体を明かさない、もし仮面がはがれれば、警察に逮捕されるか、マフィアに殺される危険性がある。
物語はユーロポール(欧州刑事警察機構)に自首してきた一人の若者ベンヤミン(トム・シリング)の話から始まる。彼は4人組のハッカーチーム「クレイ」のうちの一人だ、彼らは大手企業や政治団体のサイトに侵入し、内容を卑猥に書き換えたりして喜んでいた。
しかし彼らの活動はどんどんエスカレートしてゆき、あるサイトから盗み取った情報をダークネットに流したところ殺人事件が起こってしまう。さらに彼らもカリスマハッカー「MRX」とロシアのサイバーマフィア「フレンズ」から命をねらわれる。
ベンヤミンはサイバーマフィアの捜査に協力する代わりに証人保護プログラムを当局に約束させる。ところがユーロポールの捜査官ハンネ(トリーヌ・ディルホム)はベンヤミンの話を信じてよいものか悩む。
彼女は独自の調査によって、ベンヤミンのハッカーチーム「クレイ」は存在しない事、彼は多重人格者であることなどが判明する。果たしてベンヤミンの話しが正しいのかハンネの調査が正しいのか・・・。
詳しいレビューは「ピエロがお前を嘲笑う」をご参考に。
第1位 スノーデン
2017年1月日本公開のアメリカ製作ヒューマンドラマ
監督 オリバー・ストーン(プラトーン、ウォール街、7月4日に生まれて、JFK、ウォール・ストリート、スノーデン)
出演 ●ジョセフ・ゴードン=レヴィット(G.I.ジョー、インセプション、ダークナイト ライジング、ザ・ウォーク)
●シャイリーン・ウッドリー(ファミリー・ツリー、ダイバージェントシリーズ、きっと、星のせいじゃない、スノーデン)
●メリッサ・レオ(フローズン・リバー、ザ・ファイター、オブリビオン、プリズナーズ、スノーデン)
●ザカリー・クイント(HEROES/ヒーローズ、スター・トレックシリーズ、スノーデン)
●トム・ウィルキンソン(真珠の耳飾りの少女、グランド・ブダペスト・ホテル、スノーデン)
●スコット・イーストウッド(インビクタス/負けざる者たち、フューリー、スノーデン)
●ニコラス・ケイジ(リービング・ラスベガス、キック・アス、ザ・レジェンド、NEXT-ネクスト-、ワールド・トレード・センター)
2017年に発表された長編ドキュメンタリー映画「シチズンフォー/スノーデンの暴露」も参考にして。米国政府による「国民監視システム」について詳しく描かれている。
オリバー・ストーン監督によるこの映画「スノーデン」はドキュメンタリータッチではあるがサスペンス映画としても面白い、お薦めだ。しかもこれが現実とは・・・。
この映画を撮る時には勇気がいったと思うよ、アメリカを敵にまわす可能性があるからね。監督はNSA(アメリカ国家安全保障局)の妨害を心配して主要な撮影をドイツで行っている。
「彼は英雄なのか犯罪者なのか」この映画を見てじっくり考えるのも面白い。エドワード・スノーデン(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)はアメリカ政府による「国民監視」が行われていることを広く世界に暴露したが、彼はアメリカの情報を中国やロシアに流したこと?も否定できない。彼の行った行動がどのように評価されるのか、もうしばらく時間がかかるかもしれない。
2013年6月にエドワード・スノーデンはNSAの情報をイギリスの大手新聞社「ガーディアン紙」に暴露した。さらに「ワシントン・ポスト紙」にも記事が載った。
この「国民監視システム」はテロの未然防止にも役立つと思うけど、問題は、このシステムが罪のない人々やアメリカの同盟国にまで拡大してしまっていると言う事だ。まさに「サイバー空間を制する者は世界を制する」ということなんだろう。
詳しいレビューは「スノーデン」を見てね。びっくりすることばかりだ・・・恐ろしい世の中になったもんだ。
まとめ
今回ハッカー映画をまとめてみた、大昔ハッカーは凄い奴だと英雄視されることがあったように思う。しかし現代では個人レベルのハッカーの話ではなく、スーパーコンピューターの発達や電子機器などのレベルアップで世界中の人々の一人ひとりが特定され、プライバシーが裸同然になっている。
恐ろしいことに国ぐるみ、組織ぐるみ、軍隊ぐるみのサイバー攻撃はもう何でも出来るレベルまで来てしまっている。まさに「サイバー空間を制する者は世界を制する」と言う事だ。
スノーデンがアメリカ政府による「国民監視システム」を暴露したけど、膨大な金と時間をかけて作ったシステムを停止するはずがない。実質的には何も変わらないような気がする。
僕らはこんな時代にどうやって自分を守るべきか、全てのIT機器やカード、スマホを捨てない限り電子データーは残ってしまうけどもうそんな生活には戻れない。
「プライバシーより安全重視」と言えなくもないが、もし自分の経歴が改ざんされ犯罪者に仕立て上げられたら逃げるすべはない。日本では個人情報を改ざんすることはないだろうが、世界を見渡せばそんな国がちらほら見受けられる。
ある会社では日に何万・何十万と言う攻撃メールが来ている。これらのメールのほとんどはセキュリティーで捕捉されるが、一部はそれをもすり抜ける。恐ろしいことにウイルスに感染する被害が絶えない。
かといって悩んでもしょうがないから、メールの開封なんかを注意してやるしかない。それに少しでも財産があるならそれを銀行から下ろして金の延べ棒に変えて箪笥貯金するしかないのかな?
小市民的なことを言っちゃったけど、結局 僕ら個人ではどうにもできない時代になっちゃったのかな、そのうちコンピューターがAI(人工知能)によって管理される日が必ず来る・・・もうSFの世界ではない現実だ。
TATSUTATSU
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