サマリー
★★★★☆(見るべき名作)
2018年日本公開のイギリス・アメリカ合作「クイーン」フレディ・マーキュリーの伝記
監督 ブライアン・シンガー(Dr.HOUSE、レギオン、ユージアル・サスペクツ、X-MEN:フューチャー&パスト、X-MEN:アポカリプス、ボヘミアン・ラプソディ)
出演 ●ラミ・マレック(ナイトミュージアムシリーズ、MR.ROBOT/ミスター・ロボット、MR.ROBOT/シーズン2、ボヘミアン・ラプソディ)
●ルーシー・ボイントン(オリエント急行殺人事件、ボヘミアン・ラプソディ)
●グウィリム・リー(ボヘミアン・ラプソディ)
●ベン・ハーディ(オンリー・ザ・ブレイブ、ボヘミアン・ラプソディ)
●ジョゼフ・マゼロ(ボヘミアン・ラプソディ)
●エイダン・ギレン(メイズ・ランナー2:砂漠の迷宮、メイズ・ランナー:最期の迷宮、ゲーム・オブ・スローンズ、ボヘミアン・ラプソディ)
クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」だ。
ライブエイドの映像だ。
凄い映画だ、久しぶりに時間を忘れた。一食抜いてでも音響の良い劇場へ駆けつけてほしい、お薦め映画だ。ロックの好きな人も嫌いな人も4オクターブの音域をもつ「クイーン」のボーカリスト フレディ・マーキュリーの歌声に触れれば鳥肌が立つ。
スーパースターとか天才とかはこういう人のことを言うのか。会場を埋め尽くす7万2000人のファンを右腕一本で惹きつけシンクロさせてゆく。そしてこのライブエイドの映像は全世界15億人に配信される。
1985年に行われたライブエイドとはアフリカ難民救済を目的とした20世紀最大のチャリティーコンサートだ。イギリス郊外のウェンブリー・スタジアムで行われたコンサートではクイーンは6曲披露し多くのミュージシャンが参加した。この時の寄付は100万ポンド(1億5000万円)を遥かに超えた。
フレディ・マーキュリーはこの時既にエイズに侵されていた。彼は1946年生まれ、彼の両親はインド人である。彼は両性愛者と言われている。メアリー・オースティンとは長い付き合いがあるが同棲生活は破たんしている。そして1984年から付き合い始めたジム・ハットンが最後の恋人としてフレディの死を看取る。
フレディは45才で亡くなる(1991年)。彼を支え続けたジム・ハットンも2010年に同じ病気で後を追っている。この映画ではクイーンの結成からライブエイドまでをドラマチックに描く。主演のラミ・マレックにはフレディ・マーキュリーがまるで乗り移ったようだ。
とにかくクイーンのコンサート場面が凄い、それもそのはず音楽総指揮はクイーンのメンバー、ブライアン・メイとロジャー・テイラーが担当している。監督はブライアン・シンガー、製作はグレアム・キング他・・・企画から完成までに8年を費やしている。
話のスジを少し紹介すると。1970年ロンドン、音楽好きなフレディ(ラミ・マレック)は無名のバンドにボーカルとして参加する。バンドの名前を「クイーン」と変更する。メンバーはギターのブライアン・メイ(グウィリム・リー)、ドラマーのロジャー・テイラー(ベン・ハーディ)、ベースのジョン・ディーコン(ジョゼフ・マゼロ)だ。
フレディはロックにオペラ、ゴスペル、ロカビリー、へヴィメタル、ディスコ・・・と何でも融合させ独特のサウンドを作る。そしてシングル「キラー・クイーン」が大ヒットする。彼らはイギリス本国だけでなく全米や世界各地のコンサートツアーで頭角を現しのし上がって行く。
また、フレディはメアリー(ルーシー・ボイントン)に一目ぼれ、一緒に暮らすようになる。「クイーン」がどんどん世界的に有名になるにしたがってフレディの独善的で横暴な態度が目立つようになってゆく。彼はメンバーと衝突し、婚約者のメアリーにも去られる。
孤独とプレッシャーに押しつぶされるようにフレディは自分を見失ってゆく・・・。
その後ストーリーとネタバレ
彼はあるレコード会社からソロ活動を依頼される。契約金は400万ドルだ。そしてアルバムを2枚出すことが条件だった。彼は曲作りに没頭してゆくが、プレッシャーのあまり酒・ドラッグ・女・男に溺れてゆく。
心配したメアリーはフレディに会いにゆき、生活を改善し昔のメンバーともう一度やり直せと助言する。近々ライブエイドが行われる、これに「クイーン」として参加すべきとも提案する。最後に自分は妊娠したと告げる(別のボーイフレンドの子供)。
フレディは胸が張り裂けそうだったが自分を抑え「おめでとう」と祝福する。頭を殴られたように衝撃を受けた彼は、自分を偽っていたことに気付く。
フレディは「クイーン」のメンバーに謝罪し、皆のどんな条件も飲むからもう一度やり直したいと懇願する。そして新生クイーンの再出発だ。彼はメンバーに自分が「エイズ」であることを告げる。
彼はライブエイドのステージに駆け上がって行く・・・。
レビュー
フレディは親日家で大の猫好きだ。自宅や別宅でたくさんの猫を飼っているとのことで微笑ましい。彼の才能は「クイーン」で開花し、「ボヘミアン・ラプソディ」「輝ける7つの海」「キラー・クイーン」「伝説のチャンピオン」・・・などの大ヒット曲を次々と作っている。
彼のステージでのパフォーマンスはユーチューブを見ると凄いの一語に尽きる。完全に観客をひきつけ一体化させる能力に秀でている。また、映画「フラッシュ・ゴードン」の音楽を「クイーン」が担当しているのも見逃せない。
独特の彼らのサウンドは前衛的で異次元の世界に連れ行ってくれるようだ。彼のような天才はもう出て来ないかもしれない。
フレディ・マーキュリーのパフォーマンスを研究しつくしたラミ・マレックの演技も異次元だ。「ミスター・ロボット」のハッカー エリオットでの演技を一段と進化させている。今後が楽しみだ。
監督のブライアン・シンガーが降板させられたりとアクシデントはあったが無事公開にこぎつけたのは幸運と言う他ない。
「歌手が主人公の音楽映画ベストテン」もアップしました、楽しんでね。
TATSUTATSU
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