サマリー
★★★☆☆(お薦め)
2018年11月日本公開のイギリス製作ラブストーリー
監督・脚本 ダニエル・ギル(モダンライフ・イズ・ラビッシュ)
出演 ●ジョッシュ・ホワイトハウス(モダンライフ・イズ・ラビッシュ)
●フレイア・メーバー(モダンライフ・イズ・ラビッシュ)
●イアン・ハート(モダンライフ・イズ・ラビッシュ)
映画のテーマ曲「リコリス・ガール」
とにかく女々しい男が大好きな女性にお薦めだ。僕なんか主人公のリアム(ジョッシュ・ホワイトハウス)の繊細さと女々しさにはとてもついてゆけない。
じゃあ、どうして観に行ったと言われれば「魔が差した」としか言いようがない。でもテーマ曲「リコリス・ガール」は素晴らしい。主人公が歌の途中で泣き出してしまうんだ。だから副題は「ロンドンの泣き虫ギタリスト」になっちゃってる・・・最後まで曲を聞きたかったね。全編に音楽が流れ、ミュージックビデオを見ているようだ。
映画の題名「Modern Life Is Rubbish」の意味は「現代の生活はクズ」となる。主人公のリアムはアナログ男だ。iPhoneやiPodが大嫌い。音楽はレコードやCDを好む・・・アナログ的な古いものが好きなんだ。
逆に恋人のナタリー(フレイア・メーバー)は現代のデジタル社会に適応していて、進歩的で合理的な生き方も理解する。考え方の違う二人だけどレコードショップで出会いお互いに惹かれあう。
リアムは売れないバンドのボーカル&リーダーだ。UKロック(イギリスのロック)を追い求め「ブラー」などのバンドを愛している。(映画の題名はブラーのアルバムから取られている)
リアムはベースのオリー(ウィル・メリック)とドラムのガス(マット・ミルトン)の3人で「ヘッドクリーナー」と言うバンドを組んでいる。いい曲を作るのだが一向に売れない。
ナタリーはCDやレコードのジャケットをデザインするデザイナーを目指していたがタワーレコードやCDショップが店じまいする昨今では仕事が無い。そんな二人が出会い一緒に暮らし始める。
リアムとは一緒にコンサートに行ったりディスコなどで楽しく過ごすが彼には生活力が無い。ナタリーは仕方なくIT企業に勤め、リアムを支えてゆく。
生活は苦しくなるばかりで、二人の心の中に隙間風が吹くようになる。リアムはバンドに熱が入らない、しかも働こうとしない。言い争いが増えナタリーは去って行く。二人ともこのまま終わってしまうのか・・・。
その後のストーリーとネタバレ
リアムは母親の家に転がり込むがナタリーのことが忘れられない。彼女を思い、曲を作り始める。誕生日に母親がiPhoneをプレゼントしてくれた。出会い系サイトで彼女を見つけようとするが上手く行かない・・・ナタリーへの思いが消えないのだ。
ナタリーはIT会社で順調に仕事をこなして行く。彼女は生活力があり優しく包容力のある同僚、エイドリアン(トム・ライリー)に惹かれてゆく。
リアム達は伝説の音楽プロデューサー、ザ・カーブ(イアン・ハート)に出会う。カーブは「君たちの音楽は悪くない、成功するかどうかは君たちしだいだ」「私の役目は君たちを微調整することだ」と言う。
「ヘッドクリーナー」にもチャンスが巡ってくる。大切なステージに立ったリアムは最後の曲として、ナタリーを思って作った曲「リコリス・ガール」を歌う。
この曲で会場が盛り上がる。最高潮に達したときに、客席にナタリーが見えた。もの凄く近くに見えた瞬間に涙が止まらず、リアムは歌を中断してしまう。この動画がSNSで拡散されバズル。「ヘッドクリーナー」は一躍人気者になる。そして、この映像を見たナタリーは胸が張り裂けそうになる。
リアムはナタリーにプレゼントを贈る。箱の中身は彼女との思い出の品物ばかりだ。そして彼女はリアムもところに戻ってくる・・・。
レビュー
リアムがあれだけ嫌っていたiPhoneで撮影されだ動画が拡散する。結果的にアナログ的な生き方をしていたリアムがデジタルに助けられるとは・・・。
彼も結局、アナログも大事だがデジタル的な生活も受け入れるようになる・・・皮肉だね。監督のダニエル・ギルはこれが初めての長編映画だ。粗削りなところはあるが今後楽しみだ。
監督は一般的なラブストーリーは作りたくないとのことで、今回のやや中途半端なストーリーになっている。しかし、最後はハッピイエンドだ。
主演のジョッシュ・ホワイトハウスがキュートだ。きっと日本でも女性ファンがほっておかないと思う。彼はインディーズバンド「MORE LIKE TREES」でリードボーカルを務めているミュージシャンだ。そしてバーバリーのキャンペーンモデルにも起用されている。
また、ヒロインのフレイア・メーバーも2011年のTVシリーズ「スキンズ」でデビューし、順調にキャリアアップしている。今後が期待される若手が出ている点がこの映画の魅力の一つかもしれない。
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TATSUTATSU
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