サマリー
2015年10月日本公開のアメリカSF映画、1作目「メイズ・ランナー」の続編である。監督はウェス・ポール、主な配役はディラン・オブライエン、カヤ・スコデラーリオ、トーマス・ブローディ・サングスター、キー・ホン・リーと1作目同様である。
さらに、新メンバー ジェイコブ・ロフランド(エリス)、ローサ・サラザール(ブレンダ)が加わる。そしてWCKDの冷酷な女ボスにパトリシア・クラークソン(エヴァ)、その部下にエイダン・ギレン(ジャンソン)、WCKDに敵対する組織ライト・アームのボスにバリー・ペッパー(ヴィンス)、ブレンダの保護者にジャンカルロ・エスポジート(ホルヘ)が出演している。
WCKDとはWorld In Catastrophe : Killzone Experiment Depatment(世界的大災害:殺人地帯の実験部門)の略らしい。
昨日娘と一緒に映画を観てまいりました。
賛否両論が出るだろーなという感じで、次から次へと息をつかせない展開は評価するが、目新しさ不足と若者たちの単調な描き方に疑問を感じる。
一作目は独創的なストーリーと迷路に捕らわれた若者達の個性のぶつかりあいが描かれ、彼らが生き生きと演技していた・・・・・僕は仲間が協力しながら迷路を攻略する姿が気に入っていた。
今回目立つのはトーマス役のディラン・オブライエンだけで、あとは彼に金魚のフンみたいにくっ付いて行く無個性集団になり下がってしまっている。
さらに最悪なのが紅一点のヒロイン カヤ・スコデラーリオ(テレサ役)が裏切って「WCKD」側についてしまう・・・・・・そんなのありーと驚くし、あれだけ苦労して迷路を抜け出して来たのに何で今更、トーマス君を振っちゃったのと言う感じである。
迷路を抜け出したメンバー達はWCKDに対抗する組織に救出されたと思っていた。ところが彼らもWCKDの仲間で、しかも研究室の中で信じられない物を見てしまう。
トーマス達はセキュリティーカードを盗み、この施設から脱出する。彼らはWCKDの執拗な追跡を振り切り、クランク(病原菌に冒され変貌した人間:ゾンビ)に襲われながら、砂漠を横断する。
そしてWCKDに敵対する組織ライト・アーム(RA)の存在を知る。果たしてRAとはどんな組織なのか、どこにあるのか、観てのお楽しみである。
「お薦めSFパニック映画ベスト20-将来人類は滅亡するかも知れない」もアップしたよ。
ストーリー
トーマス(ディラン・オブライエン)達は迷路から脱出し、WCKDに対抗する組織に救出され、施設に収容される。施設には沢山の若者が収容されていた。迷路は一つだけではなかったのか?
施設の責任者ジャンソン(エイダン・ギレン)は、トーマスを別室に呼び「君はいったいどちらの味方か」と質問を浴びせる、トーマスはかつてWCKDの一員であったことを知っているようだ。
トーマスはここでエリス(ジェイコブ・ロフランド)と言う若者と知り合う。彼はかなり前からこの施設にいて、換気口をつたわって、施設内を調べていた。
トーマスはセキュリティーカードを盗みエリスと立ち入り禁止の研究室に入り込む。そこには仮死状態の若者達がチューブにつながれ、彼らの体液から「免疫物質」と思われる液体が採取されていた。
さらにグリーバーの幼生と思われる生物が、ガラス容器の中で培養され、ジャンソンがテレビモニターで死んだと思われていたWCKDの責任者エヴァ(パトリシア・クラークソン)から指示を受けているところも見てしまう。
トーマスとエリスはガクゼンとし、我々はまだWCKDの中にいることを認識する。
部屋に戻ったトーマスは仲間にこのことを打ち明け、早くここから逃げなくてはならないと皆を説得する。彼はテレサ(カヤ・スコデラーリオ)を施設の中で見つけ彼女も連れて逃走する。
彼らを執拗に追ってくるWCKDの兵士たちを振り切り、砂漠へと向かう。途中廃墟となったショッピング・モールのような建物があり、ここで食料や水・衣類などの生活用品を調達する。
ところがここは、クランク(病原菌に冒され変貌した人間:ゾンビ)達の巣になっており、凄い勢いで追いかけてくる彼らを振り切り、砂漠へと逃げ延びる。
仲間の一人がクランクに噛みつかれ、フレアと呼ばれる脳を犯してゾンビ化させる病気になってしまう。若者すべてがフレアに対する免疫を持っているとは限らないことが分かる、彼は拳銃で自殺する。
トーマス達は行けども行けども続く砂漠をさまよう。ある日、日が暮れた時に砂漠の向こうに灯りが見えるのを発見する。そしてそこに向かって進む。
廃屋にたどり着くとブレンダ(ローサ・サラザール)と言う少女が現れた。そしてホルヘ(ジャンカルロ・エスポジート)と言うボスに率いられた一団が潜んでいた。
WCKDに対抗するライト・アーム(RA)と言う組織の情報をホルヘは持っているらしい。ライト・アームは一か所には留まらず絶えず居場所をかえているとのことであった。
ホルヘはトーマス達がWCKDから逃れてきたと聞いて、彼らを捕えてしまう・・・・・どうするつもりなのか。彼らは逃げ切ることが出来るのか、そしてライト・アーム(RA)と呼ばれる組織を見つけることが出来るのか・・・。
ネタバレ
<ここから先はネタバレするから映画を観てから読んでね>
ホルヘの部下の一人が、WCKDにトーマス達のことを密告してしまう。夜にWCKDの兵士たちが廃屋に押し寄せる。ホルヘは万一に備え、廃屋に爆薬を仕掛けていた。
トーマス達は拘束から自分たちで縄を解き必死に逃げる。兵士たちが向かってくると同時に爆弾が破裂し、この騒動に紛れ逃走する。
トーマスは仲間とはぐれブレンダと地下道に逃げ込む。そこにはやはり植物に寄生されたと思われるクランク達の巣窟で、必死の思いで逃げ切るが、彼女が噛まれてしまう。
トーマスは仲間と運よく合流出来、ホルヘの情報を頼りに、車に乗り込みRAが潜んでいると思われる山に向かう。
山への通り道がふさがれ、そこから歩くが銃撃を受け足止めを食う。しかしWCKDではないことが相手に分かりアジトに案内される。
RAのリーダー ヴィンス(バリー・ペッパー)はトーマス達を暖かく迎えてくれる。ブレンダはクランクに噛まれたことで、病気が発症してしまう。
そこに昔WCKDに属していてトーマスとも顔なじみのメアリー(リリ・テイラー)が居て、トーマスの血液から抗体を分離し、ブレンダに注射することによって危機を脱する。
ところがテレサがWCKDにRAの居場所を密告してしまう。何故か・・・・彼女は世界を救うためにはWCKDのやり方が多少残酷ではあるが確実であると考えていた。
WCKDの飛行部隊が押し寄せ銃撃戦となる。この騒動の中でトーマスは仲間のミンホとテレサが飛行艇で連れ去られるのを目撃する。
そして彼は必ず仲間をWCKDから取り戻すと誓う・・・・・・・。
レビュー
冒頭にも書いたが、一作目があまりにも良かったため、二作目は凡庸に感じる。
WCKDは迷路をいくつか作っているようである。その中には女性だけの迷路もあったようで、こんなところに男が一人でも放り込まれたら天国で、決して脱獄しようとは考えないかもしれない・・・・・少し考えすぎか。
迷路が何の為の施設なのか、被験者の脳が正常に働いているのかを調べるためなのか、あまり明確になっていないが厳密に考える必要はないのかな。
選別された若者を生かさず殺さず状態ににして、血液からフレアの抗体を分離するとは、あまりにも非人間的だね。またWCKDの女ボスがあまりにも冷酷だ。
映画の初めに、子供のトーマスが母親から引き離され施設に入れられるシーンがある・・・・・・このシーンはいったい何のために挿入されたのか良く分からない。
砂漠の様な廃墟の中には、まだまだ人々が暮らしている。WCKDはこの中から若者たちをさらってくるのかな。そして迷路で選別するのか、それにしては抗体を持っていない若者も多い・・・・・これっておかしいよね。
WCKDに対抗するRAと言う組織が明らかとなったが、あまりにも戦力の違いがあるので、何か隠し玉でも持っているのかな。
話しの流れから、三作目はWCKDとRAの戦いになるね、普通の筋書きから言えばトーマスの属するRAが勝つことになるんだが、フレア対策はどうするのかな・・・・・・できれば「あっと」思わせる展開が欲しいね。
僕が考えると、WCKDの親玉エヴァは宇宙人で、わざと地球を壊滅させフレア菌をまき散らし地球人の生命エキスを盗み取ろうとしている。
トーマスは実は地球で育てられたスーパーマンで最後には覚醒し、悪者宇宙人をみんなやっつけてしまうストーリーはどうかな・・・・・ばかばかしいって。
まさか、三作目がバカ当たりして四作目が作られはしないだろうね・・・・・・まあ次回作がコケないことを祈るばかりだね。
辰々
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