サマリー
★★★☆☆(お薦め)
監督 ティム・ミラー(デッドプール、ターミネーター:ニュー・フェイト)
原作・製作 ジェームズ・キャメロン(ターミネーター、ターミネーター2、エイリアン2、タイタニック、アバター、ターミネーター:ニュー・フェイト)
出演 ●リンダ・ハミルトン(ターミネーター、ターミネーター2、ターミネーター:ニュー・フェイト)
●アーノルド・シュワルツェネッガー(ターミネーターシリーズ、プレデター、トータル・リコール、エクスペンダブルズシリーズ、プレデター、ターミネーター:ニュー・フェイト、ターミネーター:新起動/ジェニシス)
●マッケンジー・デイヴィス(ブレードランナー2049、ターミネーター:ニュー・フェイト)
●ナタリア・レイエス(ターミネーター:ニュー・フェイト)
●ガブリエル・ルナ(ターミネーター:ニュー・フェイト)
アメリカ公開では出足がやや悪いと言われているがそんなに悪い作品ではない。料金の価値は充分ある。72歳のシュワちゃんと63歳のリンダが老体に鞭打ってのアクションシーンには涙が出る。年をとってもこれだけ稼げれば年金なんていらないね。
シリーズ最高の興行収入520億円をたたき出した「ターミネーター2」の正当な続編だ。だから事前に「ターミネーター」「ターミネーター2」を見ておけば分かりやすいが見なくても問題ない。ニュー・フェイトは「ターミネーター1、2」の懐かしいテイストと新たな試みを併せ持つハイブリッド作品と言える。
参考までに、「ターミネーター1、2」のあらすじを少し紹介しておくと。人工知能スカイネットが人類に反旗を翻した近未来、人類は滅びようとしていた。そこに救世主ジョン・コナーが現れる。彼は軍隊を組織しスカイネットを追い詰める。
スカイネットは過去にターミネーターT-800(アーノルド・シュワルツェネッガー)を送り込み、ジョン・コナー(エドワード・ファーロング)を産むことになるサラ・コナー(リンダ・ハミルトン)を抹殺しようとする。
同じ未来から過去にジョン・コナーから送り込まれたカイル・リース軍曹(マイケル・ビーン)によってサラは守られる。しかし、カイルは亡くなってしまう。実はジョンの父親はカイルだったのだ。⇒「ターミネーター」
「ターミネーター2 3D」の予告編だ。今見ても凄い迫力。
サラ・コナーはジョンを産むが今度は未来から最新のターミネーターT-1000(ロバート・パトリック)が二人を殺害しにやってくる。ジョンは敵から捕獲したT-800を再プログラミングして二人を守らせるために過去に送る。二人は助かるがT-1000を倒したT-800も溶鉱炉の中に沈んでゆく。⇒「ターミネーター2」
そして今回の「ターミネーター:ニュー・フェイト」に続く。ニュー・フェイトとは「新たな運命」と言う意味だ。原題はDark Fate「暗い運命」になっている。監督は「デッドプール」のティム・ミラーだ。ジェームズ・キャメロンは「アバター2」が忙しく、製作にまわっている。
いままで出てきたターミネーターはT-800(一般的な金属骨格を持つAIロボット)⇒ T-1000(どんな形にも変身できるリキッドメタルAIロボット)⇒ T-3000(ナノマシンで作られたAIロボット)と進化してきた。
今回、最強の敵はREV-9(ガブリエル・ルナ)と呼ばれるカーボンメタルの骨格とリキッドメタルの体を持ったターミネーターだ。骨格と表皮が分裂し2体にもなれる。これに対し強化人間グレース(マッケンジー・デイヴィス)が立ち向かう。
話のスジを少し紹介すると。ジョン・コナーは生き延びたと思われたが過去からまた、ターミネーターT-800が現れ殺害されていた。それから22年後再びターミネーターREV-9が現れた。奴の目的は21歳の女性ダニー(ナタリア・レイエス)の殺害だ。
ダニーはメキシコシティの自動車工場で働いている。REV-9は容赦なく彼女を殺害しようとする。そこに現れたのが未来から来た強化人間グレースだった。グレースはダニーを連れて逃げるがREV-9に追い詰められる。
そこに現れたのが年老いたがまぎれもないサラ・コナーだった。窮地を救われた彼女たちはサラと一緒に逃げ回る。サラはグレースから未来は人工知能「リージョン」の反乱によって何十億の人間が犠牲になっていることを聞く。
そしてダニーが奴らに対抗できる唯一の救世主であることも知る。サラはある人物から「ジョンのために」と言う文面でターミネーターが現れる時間と場所の連絡が来るという。サラはそこに現れるターミネーターたちを破壊することに生涯を費やしてきた。
そのある人物とはテキサス州にいることが分かる。彼女らはREV-9に追われつつもテキサスに向かう。そしてそこで待っていたのは年老いたターミネーターT-800だった。彼は果たして敵なのか味方なのか・・・。
その後のストーリーとネタバレ
サラは自分の息子ジョンを殺された怒りが爆発しT-800にライフルを向ける。それをグレースはやめさせる。T-800を撃っても決して殺せはしない。実は彼がサラに情報を送っていたのだ。
T-800はジョンを殺害した後20年以上にわたって人間社会で暮らしてきた。彼のAIは進化を遂げ、疑似家族を持つまでになっていた。今では人間と言っていいのかもしれない。
サラは軍とのつながりがある。新たなターミネーターREV-9を倒すために電磁パルス(EMP)爆弾を用意していた。そこにREV-9が現れる。銃撃戦でEMPが破壊されてしまう。
サラたちは間一髪、ヘリに乗って逃げる。そして軍の施設に到着すると大型の輸送機に軍用車両を乗せ飛び立つ。執拗に追いかけるREV-9も輸送機を奪い追いかけてくる。そして輸送機に体当たりを試みる。
サラたちはパラシュートが装備された軍用車両で降下を始める。降りた先は巨大なダムの近くだ。このダムの中にある水力発電施設で奴を待ち受ける。
サラ、グレース、ダニーさらにT-800が協力して奴に立ち向かう。発電施設の高速で回る発電機に奴を誘い込みローターに押し付ける。奴の体は溶けてゆく。
ところが奴の骨格は破壊できない、サラ、グレース、T-800も痛手を負いこのままではダニーが殺されてしまう。グレースは自分の体の中にあるエネルギープラグを抜き取り、奴の頭の中に突き刺せば電子頭脳を破壊出来るとサラに言う。
サラは言われたとおりにプラグを抜き取り奴の頭に突き刺す。REV-9の電子頭脳は破壊される。近くにいたT-800も影響を受け機能を停止してしまう。そしてグレースは息を引き取る。
グレースは息を引き取る前にダニー本人が救世主だと言い。自分が幼いころ彼女に助けられたと・・・そして自分は大人になって戦士となる。「リージョン」との戦いで重傷を負い「強化人間」になるしか生きる方法がなかったことも。
戦いはこれらかだ。サラとダニーは決意する。
レビュー
1985年に日本で公開された「ターミネーター」は低予算でありながら世界中で大ヒットし、映画界に強烈なインパクトを与えた。そして1991年「ターミネーター2」は100億円を超える製作費でシリーズ最高の興行成績(約650億円以上)を獲得した。
この2作品共にジェームズ・キャメロンが監督・脚本を担当している。彼の中ではこのシリーズは「ターミネーター2」で終了していると言っている。
ところが、ジェームズ・キャメロン抜きで「ターミネーター3」「ターミネーター4」が作られた。2003年「ターミネーター3」は280億円の製作費をかけているが興行成績は「ターミネーター2」に及ばなかった。
さらに2009年「ターミネーター4」も280億円の莫大な製作費をかけたのにもかかわらず大コケしてしまった。その後はもう作られないかもしれないと思われたが2015年にリブート版「ターミネーター:新起動/ジェニシス」が作られ527億円の興行収入を上げた。
2019年に「ターミネーター:ニュー・フェイト」が封切られた。この作品にはジェームズ・キャメロンが製作で参加している。実に35年間も続いているオールドシリーズだ。
シュワちゃん72才、リンダ63才を考えると彼らの出番はもうないかもしれない。この二人が見たくて劇場に駆けつけた。僕としては面白かったし、シュワちゃんの存在感も充分感じた。
今ではCG技術が進化しているからひょっとしたらまだまだ90才のシュワちゃんが出てくるかもしれないね。このシリーズの魅力の一つとして旧型のT-800が最新型のREV-9やT-1000、T-3000を苦戦しながら倒すところだ。
じじいが元気な若者に立ち向かってゆくイメージだね。まともに戦っては負けてしまう。これを何とかやりくりして頑張るところなんか僕らじじいの胸にグッとくる・・・元気が出て来るね。
TATSUTATSU
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