SF

映画「アイ・アム・マザー」感想・評価:AIロボットに育てられた少女は人類再生の切り札なのか

サマリー


★★★☆☆(お薦め)

2019年日本公開のオーストラリア・アメリカ合作のAIロボットドラマ
監督 グラント・スピュートリ(アイ・アム・マザー)
出演 ●ヒラリー・スワンク(インソムニア、ザ・コア、ミリオンダラー・ベイビー、リーピング、アイ・アム・マザー)
●ローズ・バーン(インシデアスシリーズ、X-MEN:アポカリプス)
●クララ・ルガアード(アイ・アム・マザー)

I AM MOTHER | Official Trailer | Netflix

 

けっこう中身の深いSFドラマだ。一体のAIロボット・マザー(声:ローズ・バーン)、娘(クララ・ルガアード)、女性(ヒラリー・スワンク)の3人しか出てこない。それでいて、ミステリー、ホラー、大どん伝返しと最後までハラハラする。お薦めだ。

人類が死滅してしまった遠い未来、人類を再生させる全自動システムが起動する。冷凍保存された人間の胎児(胎芽)を人工子宮にセットし子供が生まれる。ここは再増殖施設と呼ばれる。

生まれた赤子はAIロボットに育てられる。娘はロボットをマザーと呼び、ロボットは娘と呼ぶ。名前はない。マザーは娘を育て教育をほどこす。ところがこの娘は最初の娘ではない。この研究施設が起動してから38年も経っている。娘の年齢は16~18歳くらいだ。

つまり、AIロボット・マザーは何人かの娘を育てているのだ、しかし今いる娘は一人だけだ。後はどうなったのか・・・無機質のマザーの顔が怖い。他の娘は追放されたのかそれとも殺されたのか。

AIロボットは人類が二度と過ちを犯さないように、人間を選別している。規格に会った人間しか育てないのか?人間の命を重んじるような良い人間を育てるのが目的だ。

研究施設の中にネズミが紛れ込む。娘は外の世界は汚染され、出てはならないとマザーから言われている。しかし、それは信じていいのか・・・外部には生き物はいる。ネズミはマザーに見つかり焼却されてしまう。焼却炉の灰を調べていると子供の歯が見つかる。それを見た娘は血の気が引く、マザーが信じられなくなる。

娘はマザーのテストに最高点で合格し、お祝いに弟を作ることになる。弟は24時間で生まれる。しばらくして、施設の外から女が現れ、中に入れとほしいと懇願する。女は腹を撃たれているようだ。

娘はマザーに内緒で女性を中に入れる。ところがこれがマザーに見つかり女性は監禁される。女性は娘にここから逃げようとそそのかす。果たして外の世界は・・・。

その後のストーリーとネタバレ

女性は娘によって弾を摘出され回復に向かう。娘は弟を連れて逃げようと考える。何故ならマザーが信じられなくなっていたからだ。マザーが何を考えているのか分からない・・・自分も焼却炉の子供のように殺されるのか。

そんな時に女性は娘を人質に取って施設外に逃げる。外は娘が考えていたような理想郷ではなく木々が枯れ、殺伐とした場所だった。しばらく歩くと頭上にドローンが現れ、急いでとうもろこし畑に逃げ込む。この畑はドロイドたちが作り上げたものらしい。半年前から畑が出来たと女性は言っている。

女性は娘と海岸に向かう。海には巨大なコンテナ船が座礁しそこらにコンテナが散乱していた。娘が海を見るのは初めてだ。そして犬がやってくる。でも女性は嘘をついていた、彼女が住んでいるのは鉱山ではなく海辺のコンテナの中だ。しかも、仲間がいると言っていたのに誰もいない。

娘は茫然とし、施設に戻る。施設の入り口には警備用のドロイドがひしめき合っていた。「マザーに会いたい」と叫ぶとドロイドたちは道を開け、施設の中に入れた。娘は斧を持ち、出口がしっかりロックすると子供の泣き声がする方に向かう。

そこには弟を抱いたマザーがいた。マザーから弟を奪い逃げる。マザーはドアに足を挟まれて動けない、この時マザーは緊急事態を発動する。もはやドロイドたちは敵だ。

娘は銃を持ってマザーの処に戻ってくる。「弟を私に育てさせて」「もう一度チャンスが欲しい」とマザーに懇願する。マザーは娘の銃を自分の胸に向けて撃てとうながす。娘は銃によってマザーのCPUを破壊する。緊急事態は回避された。これからは娘がCPUだ。

娘は弟を抱き、多くの子供たちを育ててゆく決意を新たにする。コンテナに隠れていた女性の処にドロイドが現れる。カバンの中に発信機が入っていたようだ。ドロイドは女性に向かって「母を覚えている?」と尋ねる。そして「あなただけが生き延びた」「何か理由があったのね、今までは」とコンテナの扉を閉める。

レビュー

戦争によって世界中の人類が滅ぶ。その時、再増殖施設が稼働する。この施設には人の胎児が6300人も保管されている。施設の稼働とともにAIロボット(ドロイド)が組み立てられ、これが人間の子供を育てる。

このドラマのミソは施設が起動してから38年も経つのに人間は一人だけだ。娘と呼ばれる16~18歳くらいの女の子だ。2番目の子供は「失敗」で幼いころに焼却されている。病気かなにかアクシデントがあったと思う。

現在施設にいる娘は3番目以降に育てられたと考えられる。順調に育ち、将来母親として子供を育てる能力がある。では、1番目の子供は誰になるのか?ストーリーから考えると、女性(ヒラリー・スワンク)ではないかと思う。

女性は施設から外部に興味を持ち逃げ出したのか?女性は一人で逃げたのか、それとも弟(サイモン)を連れて逃げたのか・・・それは分からない。逃げた女性は彷徨っている間にジェイコブとその妻レイチェルに保護される?

そして「鉱山」と言うところで暮らしていたが食料が切迫し、仲間どおしの殺し合いから逃げ出し施設の近くに戻った?犬がいたり、居住にしているコンテナの中には人類の文明的な物(缶詰、フライパン、キリストの置物など・・・)があることから予想される。拳銃も持っていた。

ところが女性はドロイドに襲われ、施設に助けを求めた・・・そしてこの物語へと繋がり急展開する。女性は娘を引き連れて外部に逃げ出すことに成功したが、彼女の意思に反して娘は戻る。そしてこの娘は人間の恐ろしさを知ることとなる。正しい行いをする人間のみを育てることを娘は決意する。

結局、これらはすべてAIロボット・マザーが仕組んだものだと推測できる。そして最後のシーンで女性はドロイドに抹殺されることになるのか・・・。また、少数生き残っていた人類もドロイドに皆殺しにされたのかも・・・人間をばい菌に例えれば、地上をクリーンにしてから新たな人類社会を作れとプログラミングされていたのか?疑問点は多い。

なんとも、サスペンス要素が盛り込まれた大どんでん返し系SFドラマだ。今後の展開として娘は子供を次々と育て、平和で理想的な人間社会をつくるだろうと締めくくっている。

TATSUTATSU

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