サマリー
2015年日本公開のオーストラリア近未来SF映画、監督はジョージ・ミラー(マッドマックスシリーズ)、主演はトム・ハーディ(ブラックホーク・ダウン、インセプション、裏切りのサーカス)、シャーリーズ・セロン(モンスター、イーオン・フラックス、プロメテウス)である。
ジョージ・ミラーと言えばメル・ギブソンと組んだ「マッドマックスシリーズ」で世界を席巻した監督である。そしてメル・ギブソンを大スターの座に押し上げた。
僕は「マッドマックスシリーズ」を全部観ている。世紀末の独特の世界観は、多くのマニアの共感を呼んでいる。若いメル・ギブソンが600馬力のV8インターセプターを高速で疾走させているシーンは実にカッコイイ。
マッドマックス サンダードーム
「マッドマックス怒りのデス・ロード」は前作「マッドマックス/サンダードーム」以来27年ぶりに製作されたとのことである。主役のマックスはメル・ギブソンからトム・ハーディーに代わっている。
世界的な大ヒット作になり、改めてジョージ・ミラーの凄さを感じる。さらに次回作(マッドマックス ザ・ウエイストランド)も決まっているらしい。
「なに、この映画気持ち悪いだけじゃない」「どこが面白いの」と女性から厳しい指摘を受けるかも知れないが、今回の物語は女性が主役である。
大国の核戦争によって世界が崩壊する、そして放射能によって人類の寿命が半分になる。生き残った人々は「石油」と「水」の奪い合いに明け暮れる。
大量の地下水を蓄えた砦は独裁者イモータン・ジョー(ヒュー・キース・バーン)によって統治されていた。彼の右腕的存在のフュリオサ(シャーリーズ・セロン)は彼を裏切り5人の若い女を乗せたタンクローリーで、緑の大地をめざす。
成り行きでマックス(トム・ハーディ)が途中から彼女に協力する。追っ手と死闘を繰り広げ猛スピードで目的地に向かうが、行けども行けども荒野であった。
マックスは一か八か砦に戻る事を提案する、砦に戻る途中にある岩山の隙間をトレーラーで塞げば追っ手たちは戻る事が出来ない。そして手薄になった砦を女たちが占領する。
果たして荒くれ男達を相手に、計画が上手く行くのだろうか、是非映画を観て頂きたい。
「お薦めSFパニック映画ベスト20-将来人類は滅亡するかも知れない」もアップしたよ。
ストーリー
ストーリーを紹介すると、マックスは過去の亡霊と共に長い旅を続けていた。突然暴徒達に襲われ、シタデル(砦)に連れ去られてしまう。
これらの暴徒は「ウォーボーイズ」と呼ばれ、シタデルを支配する独裁者イモータン・ジョーの部下である。マックスは愛車インターセプターを奪われ「血液袋」にされてしまう。
シタデルは放射能によって汚染され、住民のほとんどは病気(癌や白血病など)を患っている。そして彼らは常に新鮮な血液を輸血することによって体力を維持しようとする。
マックスは「ウォーボーイズ」の一人ニュークス(ニコラス・ホルト)の「血液袋」として彼と輸血用チューブで繋がれる。
ある日、ジョーの右腕とも言われるフュリオサは彼の「子産み女」5人を連れて「ウォー・タンク(巨大な石油を積むためのトレーラー)」で逃走を図る。
彼女達の逃走に気付いたジョーは部下の「ウォーボーイズ」や仲間の「人食い男爵」「武器将軍」の協力を得て追いかける。
マックスはニュークスの「血液袋」として追撃車両に括り付けられ、出撃するが途中砂嵐に遭遇し、車両の大破
によって自由の身になる。
マックスはウォー・タンクに飛び乗り、フュリオサを一旦拘束するが、彼女達の「夢の計画(緑の大地で楽しく暮らす夢)」を知り同行することになる。
また、車同士の戦いにおいて、ジョーの子供を身ごもった女を助けることが出来なかったニュークスはシタデルに帰ることが出来ず仲間として彼女らと同行することになる。
激しい車同士のぶつかり合いの後、何とか追撃車両を振り切る。
一昼夜ウォー・タンクを走らせるも「緑の大地」は何処にも見当たらないどころか、行けども行けども砂の荒野が続くばかりであった。途中かつての仲間「鉄馬の女達」に会い、既に「緑の大地」はなくなってしまったことを知り彼女は途方に暮れる。
マックスはシタデルに戻ることを提案する。彼の作戦は途中にある岩山の隙間をウォー・タンクで塞げば追撃者たちはシタデルに戻ってこられない。
そして手薄になったシタデルを女たちで占領すれば、ジョーの圧政に苦しまずに自由平等の社会が築けるとフュリオサを諭す。
勝算は厳しいかも知れないが、この計画に賭けることになる、果たして彼女らはシタデルに戻り理想の社会を築くことが出来るであろうか・・・・是非この先は映画を観てね。
ネタバレ
フュリオサ達と「鉄馬の女達」はシタデルへ引き返す。途中ジョーと「ウォーボーイズ」が襲ってくる、マックスは追撃車両を撃破するが、次々と彼女の仲間に犠牲者が出る。
フュリオサも深手を負ってしまう、そしてジョーとの死闘が始まる、・・・・・彼女は最後の力を振り絞ってジョーを倒す。
ニュークスは死を覚悟し、ウォー・タンクを運転して岩に激突する。そして岩と岩の間の通り道を塞ぐ、彼はタンクローリーとともに最後を迎える。
フュリオサは出血多量で意識を失うが、マックスは自分の血液を彼女に輸血し、危機を救う。
彼女はシタデルに凱旋し、ジョーの死体を群衆に見せる。群衆は彼女が政権を取ったことを理解する。
そんな彼女の晴れ晴れしい姿をマックスは横目で見て、砦をあとにする。
レビュー
もうはっきり言って、すじがき単純なハチャメチャ映画である。違法改造車両が猛スピードで疾走し、全編ヘビー アクションの連続だ(150名のスタントマンを集めたらしい)。改造車両を見るだけでも楽しいが、これらの車が激突し合う場面は迫力満点である。
トレーラーの前にぶら下がりながら、火を噴くエレキギターを鳴り響かせる・・・・こんなシーンをよく考え付くものだと思う。まあこの映画は、頭をカラにして何も考えずに見るのが最高だね。
シタデル(砦)は地下に大量の水を蓄えており、この資源が政権を支えている。そしてさらに面白いのが、人間の女の乳を搾った母乳も特産品として、この砦の外貨稼ぎのひとつになっている。
若者は短命なので、ジョーの為に死ぬことしか考えていない・・・・恐ろしい教育方針だ。女達の地位は低く、子供を産ませることと乳搾りだけの道具になってしまっている。
アフリカのナミビアでロケが行われたとのことだが、果たして世紀末にはこんな荒廃した世界がやって来るのだろうか・・・・恐ろしいことである。
今回の主役はシャーリーズ・セロン演じるフュリオサだが、彼女を助け影のように去って行くマックスの演出が心憎い・・・・・次回作はどんなになっちゃうんだろー楽しみだね。
辰々
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メル・ギブソン
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