はじめに
僕は43年間もサラリーマンを続けている。朝早く起きて満員電車に揺られ、仕事を終えて遅く帰宅、寝たら朝だという日々を過ごしてきた。給料はなかなか上がらず、上がったと思ったら税金をしっかり取られている。ボーナスだってローン返済と教育費に消えてゆく。
つくづくサラリーマンは金持ちになれないシステムだと気付かされる。まさに国の「取り易いところから取る」政策の一翼を担っている。辛いことも多かったがそんな時にいい映画に巡り合い、勇気づけられたことが多い。
新宿で見た「ロッキー」これは凄かった。映画館の中が熱狂に包まれ、観客が外に溢れるほどだった。この映画を見て、鳥肌が立ったことを今でも覚えている。ロッキーのテーマが聞こえてくるといまだにあの感覚が戻ってくる。
それから、「ボーン・アイデンティティー」これは名古屋で見たけど、アクションの凄さに圧倒された。マット・デイモンが若く体のキレの鋭さが今でも記憶に残っている。ハッピイエンドだから心が温まるね。
ここには20本の元気が出て来る映画をピックアップした。哀しいときや、疲れた時や、人生の転換期に「勇気」をもらえると思う。是非、この中から気に入った作品を見つけてもらえれば嬉しい。人生に華を持たせてくれること請け合いだ。
第20位 GOAL!
2006年日本公開のイギリス・アメリカ合作のサッカー映画
監督 ダニー・キャノン
出演 ●クノ・ベッカー(GOAL!シリーズ)
●アレッサンドロ・ニヴォラ(GOAL!シリーズ)
●スティーヴン・ディレイン(GOAL!シリーズ、ゼロ・ダーク・サーティ)
●アンナ・フリエル(GOAL!シリーズ、リミットレス)
「GOAL!2 ヨーロッパ・チャンピオンへの挑戦」の予告編だ
「GOAL!3 ワールドカップの友情」の予告編だ
FIFA(国際サッカー連盟)公認の3部作映画だ。サッカーは世界で最もファンの多いスポーツだ。しかしトップに立てるのはほんの一握りの才能ある人間だけだね。120億円の金をつぎ込んだシリーズだけど興行的には今一だった(1部以外は見るのをパスしてもいいかも?)。
メキシコの貧しい街に生まれたサンティアゴ(クノ・ベッカー)は両親とアメリカに密入国しロサンゼルスで育つ。彼にはサッカーの才能があり、イングランド「ニューカッスル・ユナイテッドFC」のスカウト グレン(スティーヴン・ディレイン)の目に留まる。
サンティアゴはイングランドにわたり入団テストを受ける。ところがテストの出来が今一で、入団もおぼつかない。ダメかと思われたとき有名選手ガヴァン(アレッサンドロ・ニヴォラ)が推薦してくれ、辛うじて練習生として入団が許可される。
彼は必死で練習に打ち込む、でも時には羽目を外し過ぎて恋人のロズ(アンナ・フリエル)に叱られる。やっと補欠として出場した試合でゴールを決め、少しずつ頂点に向かって登って行く。
この映画のいいとこは現役のベッカムをはじめ有名プロサッカー選手がゲスト出演しているところだ。「夢をあきらめてはいけない全ての人に贈る」が映画のキャッチフレーズだ。
どんなに才能が有ってもケガで脱落していくものや、もらったチャンスを生かせないまま去って行く人間がいる。でもスポーツは正直だ、結果を残した者のみが生き残って行く。そこには、家柄、学歴、コネ、派閥、・・・何にもない純粋な競争社会だから、そこに魅力を感じるね。
第19位 キングダム・オブ・ヘブン
2005年日本公開のアメリカ・イギリス・ドイツ・スペイン合作の史劇スペクタクル戦争映画
監督 リドリー・スコット(エイリアン、ブレード・ランナー、ブラック・レイン、ブラックホーク・ダウン、プロメテウス、エクソダス:神と王)
出演 ●オーランド・ブルーム(ロード・オブ・ザ・リング、ホビット)
●リーアム・ニーソン(シンドラーのリスト、スター・ウォーズシリーズ、キングダム・オブ・ヘブン、96時間シリーズ、フライト・ゲーム、沈黙サイレンス、誘拐の掟)
●ジェレミー・アイアンズ(リスボンに誘われて、バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生、アサシンクリード)
●ブレンダン・グリーソン(トロイ、キングダム・オブ・ヘブン、推理作家ポー最後の5日間、オール・ユー・ニード・イズ・キル、白鯨との闘い、アサイラム、アサシンクリード)
●エヴァ・グリーン(キングダム・オブ・ヘブン、007カジノ・ロワイヤル、シン・シティ復讐の女神、ミス・ぺレグリン)
●エドワード・ノートン(レッド・ドラゴン、キングダム・オブ・ヘブン、グランド・ブダペスト・ホテル、バードマン)
https://youtu.be/r51AMCv4QTM
映画館に駆け付けたけど、凄い映画だったね。当時のお金で1億3000万ドル、エキストラ3万人を使って史実を忠実に再現しながら大スペクタクルドラマに仕上げている。この映画は見なきゃ死ねない。それにリーダーシップについて考えさせられる。
12世紀、当時のエルサレムはキリスト教徒の王ボードゥアン4世(エドワード・ノートン)の統治下にあった。エルサレムは皆さんご存知のようにイスラム教徒にとっても聖地なんだ。
イスラム教徒の指導者はサラディン(ハッサン・マスード)なんだけどこの両者は均衡を取りながら一時的な平和が保たれていた。ところがボードワン4世が亡くなると、後を継いだギーが戦闘を開始してしまう・・・ハッティンの会戦。
主人公のバリアン(オーランド・ブルーム)はフランスで鍛冶屋をやっていたが、そこに領主のゴッドフリー(リーアム・ニーソン)が現われる。
彼はバリアンが自分の息子であると打ち明ける。バリアンは自殺した妻の罪を償うため父と十字軍に参加する。ところがエルサレムに着くまでに父は亡くなってしまう。
バリアンはボードワン4世に謁見するが、その時王の妹シビラ(エヴァ・グリーン)に恋をする。キリスト教徒の軍勢は約3万、それに対しイスラム教徒はそれをはるかにしのぐ軍勢で城に押し寄せる。果たして城を守ることが出来るのか。
第18位 マイ・ボディーガード
2004年日本公開のアメリカ・メキシコ合作アクション・サスペンス映画
監督 トニー・スコット(トップ・ガン、マイ・ボディガード、デジャヴ、アンストッパブル)
出演 ●デンゼル・ワシントン(トレーニングデイ、フライト、マイ・ボディガード、デンジャラス・ラン、イコライザー)
●ダコタ・ファニング(マイ・ボディガード、宇宙戦争、シャーロットのおくりもの)
●クリストファー・ウォーケン(ディア・ハンター、戦争の犬たち、デッド・ゾーン、マイ・ボディガード)
●ラダ・ミッチェル(ピッチブラック、マイ・ボディガード、ネバーランド、サイレントヒルシリーズ)
●マーク・アンソニー(マイ・ボディーガード)
●ジャンカルロ・ジャンニーニ(イノセント、ミミック、ハンニバル、マイ・ボディガード)
デンゼル・ワシントンがもの凄くカッコイイ大ヒット映画だ。共演のダコタ・ファニングは子供なんだけど天才少女と言われているだけあって演技がすごいね。
トニー・スコット監督の細かいカット割りの連続と特殊撮影の映像美がサスペンスを盛り上げ、スピード感にも溢れる。彼は巨匠リドリー・スコットの弟なんだけど残念ながら自殺してしまった。
舞台はメキシコ、ここでは誘拐が多発しており、金持ちは子供のためにボディーガードを雇うのが一般的だ。
主人公のジョン・W・クリーシー(デンゼル・ワシントン)はかつて米軍対テロ暗殺部隊に属する凄腕の殺し屋なんだ。でも今はアル中で精神を病んでいる。
彼は昔の友人レイバーン(クリストファー・ウォーケン)の口利きでボディーガードを引き受けることになる。
サミュエル・ラモス(マーク・アンソニー)と妻のリサ(ラダ・ミッチェル)が雇い主で、守るのは9才娘ピタ(ダコタ・ファニング)だ。クリーシーはピタと接するうちに彼女に父親のような愛情を抱くようになってくる。
ところが彼女をピアノ教室に迎えに行った時、不審な車から銃撃を受け、クリーシーは4人射殺したものの自分も重傷を負ってしまう。さらにピタは連れ去られる。
ピタは誘拐犯から身代金と交換との連絡が入り、金を用意して交渉するが、トラブルが発生し交換が立ち消えてしまう。
病院から逃げ出したクリーシーはレイバーンの力を借り、誘拐犯達を皆殺しにしようと命を懸けて立ち向かう。果たして誘拐犯の黒幕は誰なのか・・・。
第17位 きみに読む物語
2005年日本公開のアメリカ製作 純愛映画
監督 ニック・カサヴェテス(きみに読む物語、ダメ男に復讐する方法)
原作 ニコラス・スパークス小説「The Notebook」
出演 ●ライアン・ゴズリング(きみに読む物語、ドライヴ、ラ・ラ・ランド、ブレードランナー2049)
●レイチェル・マクアダムス(きみに読む物語、アバウト・タイム、シャーロック・ホームズシリーズ、誰よりも狙われた男、リトルプリンス、TRUE DETECTIVE)
●ジーナ・ローランズ(こわれゆく女、グロリア、きみに読む物語)
●ジェームズ・ガーナー(かわいい女、スペースカウボーイ、きみに読む物語)
実に心温まる「純愛映画」だね。人生は将来どうなるか分からない、「お金」なのか「愛情」なのかどちらを取るべきか。両方あるのがベストだ・・・でも世の中そう上手くゆかない。
デューク(ジェームズ・ガーナー)は認知症の女性(ジーナ・ローランズ)に物語を読んで聞かせる。
物語の舞台は1940年のアメリカ南部シーブルックだ。この地で暮らすノア(ライアン・ゴズリング)は夏休みに別荘に遊びに来た16才のアリー(レイチェル・マクアダムス)に一目ぼれしてしまう。
ノアは強引にアリーとデートの約束をし、二人の仲は接近してゆく。彼の夢は古い屋敷を買い取って農場を経営することだ。
彼はその古い屋敷にアリーを誘い、彼女に夢を語る。彼女の両親はノアと付き合うことを好ましく思っていない。何故なら彼は父親と二人暮らしでとても裕福とは言えないからだ。
アリーの母アン(ジョアン・アレン)はノアのことをクズ呼ばわりし、娘を幸せにすることは出来ないと交際を認めない。そして一夏が過ぎ去りアリーは大学生となる。
ノアは彼女のことが忘れられず毎日、彼女に手紙を書く。彼女は金持ち弁護士のロンと婚約をしてしまうのだが、二人の運命の糸は繋がっていた・・・。
第16位 サタデー・ナイト・フィーバー
1978年日本公開のアメリカ製作ディスコ・ダンス映画
監督 ジョン・バダム(サタデー・ナイト・フィーバー、ショート・サーキット)
音楽 ビー・ジーズ
出演 ●ジョン・トラボルタ(サタデー・ナイト・フィーバー、グリース、パルプ・フィクション、フェイス/オフ)
●カレン・リン・ゴーニイ(サタデー・ナイト・フィーバー)
バラード調のMORE THAN A WOMANだ。
別バージョンだ。
日本でも社会現象になるほどヒットした映画だ。この映画でジョン・トラボルタの名前が世界中に知れ渡った、彼の出世作だね。
当時、週休二日制は少なかったから、土曜の夜が若者たちのエネルギー発散の時間だ。今ならフライデイ・ナイト・フィーバーだ。
ビー・ジーズ
音楽が素晴らしかった、ビー・ジーズの曲がダンスに合ってて、最高だった。彼らの曲は世界中で大ヒットしていて、僕もカセットを買ってしまった(当時CDが無かったからね)。
ジョン・バダム監督はさりげなく「格差社会」を皮肉っている。これがこの映画のテーマだから単なるディスコ映画ではなく、社会派ドラマとして世界中に受け入れられたと思う。
あこがれのマンハッタン
主人公のトニー(ジョン・トラボルタ)はブルックリンで働くペンキ職人だ。家は貧しく、両親はしょっちゅうケンカばっかりしている。彼はそんな日常にウンザリだ。
彼の生きがいは土曜の夜にディスコで踊ることぐらいだ。ディスコでは彼は誰からも一目置かれるスーパースターだ。
ある夜、彼はディスコで会った年上女性のステファニー(カレン・リン・ゴーニイ)に惹かれる。彼女はあこがれのマンハッタンで働いているし、将来設計と自立心を持っている。
トニーの周りにはいないタイプだ。彼はステファニーと組んでダンスコンテストに出ようとする。彼は彼女を好きになって行くが、彼女はつれない態度を取る。でもトニーは彼女に影響されて変わって行く。
ダンスコンテストに向かって二人は一生懸命練習するが、果たしてコンテストで優勝することが出来るのか・・・。紙のように薄っぺらいトニーが目的を持った男に成長してゆくところがいいね。
第15位 ロード・オブ・ザ・リング
2002年日本公開のニュージーランド・アメリカ合作SFアドベンチャー映画
監督 ピーター・ジャクソン(ロード・オブ・ザ・リングシリーズ、ホビットシリーズ)
原作 J・R・R・トールキン「指輪物語」
出演 ●イライジャ・ウッド(ブラック・ハッカー、ロード・オブ・ザ・リング、ホビット)
●イアン・マッケラン(X-MENシリーズ、ロード・オブ・ザ・リングシリーズ、ホビットシリーズ)
●ウィゴ・モーテンセン(ロード・オブ・ザ・リングシリーズ、ヒストリー・オブ・バイオレンス、イースタン・プロミス)
●ショーン・アスティン(グーニーズ、ロード・オブ・ザ・リングシリーズ)
●オーランド・ブルーム(ロード・オブ・ザ・リング、ホビット)
●ジョン・リス=デイヴィス(ロード・オブ・ザ・リングシリーズ)
●ショーン・ビーン(ロード・オブ・ザ・リングシリーズ、トロイ、サイレントヒル、ゲーム・オブ・スローンズ、オデッセイ)
●ケイト・ブランシェット(ロード・オブ・ザ・リング、ホビット、ブルージャスミン)
●クリストファー・リー(ロード・オブ・ザ・リングシリーズ、ホビットシリーズ、リスボンに誘われて)
●ヒューゴ・ウィーヴィング(マトリックスシリーズ、ロード・オブ・ザ・リングシリーズ、ホビットシリーズ、クラウド アトラス、ハクソー・リッジ)
●リヴ・タイラー(アルマゲドン、ロード・オブ・ザ・リングシリーズ)
●イアン・ホルム(エイリアン、フロム・ヘル、ホビット、ロード・オブ・ザ・リングシリーズ)
第一部ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間
第二部ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔
第三部ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還
世界中で記録を塗り替えるほどの大ヒットしたシリーズだ。アカデミー賞では13部門ノミネートされ、撮影賞など4部門を獲得している。
素晴らしいシリーズだ、僕は第一話が特に好きだ。壮大なスケールで「愛」と「友情」を描いている。三話ぶっ続けで見ることをお薦めする、劇場版でも9時間以上かかるから疲れるけどね。
俳優陣も凄い世界中から有名な俳優を集めている。監督のピーター・ジャクソンは映像化が困難と言われていた物語をよくここまで仕上げたと感心する。
当初指輪は19個あって、人間・エルフ族・ドワーフ族が持っていた。ところが闇の冥王サウロンが世界を征服してしまうほど強力な1つの指輪を作ってしまう。
そしてこの指輪の力によって次々と世界(中つ国)を征服してゆく、しかしこれに立ち向かった勇者イシルドゥがサウロンの指を切り落とし、中つ国の窮地を救う。
ところがイシルドゥはサウロンの切り落とした指から、指輪をはずし自分の物にしてしまう。また世界は混とんとし、指輪は行方知れずとなってしまう。
いつしか魔法の指輪はホビット族のビルボ・バギンズ(イアン・ホルム)の手に渡る。彼は魔法の指輪を養子のフロド(イライジャ・ウッド)に預け旅に出る。
魔法使いのガンダルフ(イアン・マッケラン)はサウロンの手下どもが必死に指輪をを探している事を知る。このままではフロドが危ないと判断し、指輪を破壊してしまうことを考える。
指輪はモルドール国の滅びの山の火口に投げ込むしか破壊する方法がない。この任務を担うことが出来るのは小さく非力で純真なホビット族のフロドしかいない。
彼以外の者が指輪を持ってしまえば、サウロンの邪悪な精神に心が犯される危険性がある。フロドは相棒のサム(ショーン・アスティン)を連れて長い旅に出る。果たして彼らは目的を達成することが出来るのか・・・。
この物語の前日譚として「ホビットシリーズ」も作られている、これも参考にしてね。詳しいレビューは「ロード・オブ・ザ・リング」「ホビット」を見てね。
第14位 レオン
1995年日本公開のフランス・アメリカ合作の殺し屋アクション映画
監督 リュック・ベッソン(サブウェイ、グラン・ブルー、レオン、フィフス・エレメント、LUCY/ルーシー)
出演 ●ジャン・レノ(グラン・ブルー、レオン、ミッション:インポッシブル、クリムゾン・リバー、ダ・ヴィンチコード)
●ナタリー・ポートマン(レオン、スター・ウォーズシリーズ、ブラック・スワン、マイティ・ソー)
●ゲイリー・オールドマン(ドラキュラ、裏切りのサーカス、ロボコップ、猿の惑星、パワー・ゲーム)
ナタリー・ポートマンとジャン・レノの出世作だ。今は大女優になってしまったナタリーが可愛い殺し屋を演じている。当初は期待されていない作品だったらしいけど、予想に反して大ヒットだ。
リュック・ベッソン監督らしいテンポのいいストーリー展開と激しい銃撃戦がウリだね。舞台はニューヨーク、イタリア移民のレオン(ジャン・レノ)はレストランを経営している。ところが裏の顔は腕利きの殺し屋だ。
彼は自分の部屋の隣に住んでいる少女マチルダ(ナタリー・ポートマン)と顔なじみになる。彼女は両親や姉から虐待され居場所がない。でも幼い弟マイケルだけは心が通じ合っている。
ある日マチルダの父ジョセフが商品の麻薬をくすねていることが、麻薬密売組織にバレてしまう。
表向きは麻薬取締局の捜査官であるスタンスフィールド(ゲイリー・オールドマン)は手下を連れて現れ、ジョセフ一家を惨殺する。スタンスフィールドの裏の顔は麻薬密売組織の元締めだ。彼はトニー(ダニー・アイエロ)配下の殺し屋(レオン)を使って邪魔者を消していた。
自分の家族を皆殺しにされたマチルダは隣のレオンの部屋に逃げ込む。それから二人の奇妙な共同生活が始まる。彼女はレオンが殺し屋であることを知り、自分も殺し屋となって弟の仇を取りたいとレオンに頼み込む。
彼女は幼い弟を殺したのはスタンスフィールドであることを知る。単身彼を殺しに麻薬取締局に乗り込むが逆に捕まってしまう。
マチルダの書置きを見たレオンは彼女を救い出す。ところが今度はスタンスフィールド達にレオンの素性と居場所がバレてしまい、部屋は包囲されてしまう。
果たして二人は逃げ出すことが出来るのか・・・。
第13位 アイアンマン
2008年日本公開のアメリカ製作SFサスペンス映画
監督 ジョン・ファヴロー(アイアンマン1、アイアンマン2、シェフ三ツ星フードトラック始めました、ジャングル・ブック)
原作 マーベルコミック「アイアンマン」
出演 ●ロバート・ダウニー・Jr(アイアンマンシリーズ、シャーロック・ホームズシリーズ)
●テレンス・ハワード(アイアンマン1、プリズナーズ、Empire成功の代償)
●ジェフ・ブリッジス(クレイジー・ハート、トロン:レガシー、トゥルー・グリット、ギヴァー記憶を注ぐ者、リトルプリンス 星の王子様)
●グウィネス・パルトロー(セブン、恋に落ちたシェイクスピア、アイアンマンシリーズ)
アンアンマン1の予告編。
アンアンマン2の予告編。
アンアンマン3の予告編。
アイアンマンは3作 作られ世界中で大ヒットだ。でも僕は第1作目が一番好きだ、2作目、3作目はマンネリしてきちゃって残念だ。
第1作目でアイアンマンが完成するんだけど、出来上がるまでの過程が楽しい。何回も失敗を重ねながら最強のアーマードスーツに仕上げてゆく。ロボットマニアにはこたえられないシーンが続く。
巨大軍需産業の社長トニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)はアフガニスタンで自分が開発したクラスターミサイル「ジェリコ」のプレゼンを行う。
ところがそのプレゼンの最中に彼らはテロリストに襲われ、トニーは拉致されてしまう。しかも彼の心臓には爆発物の破片が突き刺さり、破片を磁力で引きつけなければ命が危ない。
彼は囚われの身となりながら、隠れて超小型熱反応炉「アーク・リアクター」を作り、これに接続するパワードスーツ「マーク1」を完成させる。
彼は「マーク1」を装着して敵を蹴散らし砂漠へと逃げ出す。そして米軍に何とか保護され九死に一生を得る。
アメリカに戻ったトニー・スタークは「マーク1」を改良し「マーク2」を作り、さらに最終形体「マーク3」によってアーマードスーツは完成する。
トニーはスーツを世界平和のために役立てようとするが副社長のオバディア・ステイン(ジェフ・ブリッジス)が会社を乗っ取ろうと極秘に同様なスーツを作り敵対する。
果たしてトニーはオバディアの対決を退けることが出来るのか・・・。
第12位 ニュー・シネマ・パラダイス
1989年日本公開のイタリア・フランス合作ヒューマンドラマ
監督・脚本 ジュゼッペ・トルナトーレ(ニュー・シネマ・パラダイス、海の上のピアニスト、マレーナ、鑑定士と顔のない依頼人)
音楽 エンニオ・モリコーネ
出演 ●フリップ・ノワレ(ニュー・シネマ・パラダイス、イル・ポスティーノ)
●ジャック・ペラン(家族日誌、Z、ニュー・シネマ・パラダイス、ジェヴォーダンの獣)
●サルバトーレ・カシオ(ニュー・シネマ・パラダイス)
映画の結末の感動シーンだ。
https://youtu.be/2AOWWTilu6Q
映画好きには忘れられない映画だ、もう何回観たか分からない。エンニオ・モリコーネの切ない音楽が郷愁を誘うね。
映画監督として成功したサルヴァトーレ(ジャック・ペラン)のもとに母から電話が入る。アルフレード(フリップ・ノワレ)の訃報だった。サルヴァトーレはベッドに横たわり、昔を回想する。
幼いサルヴァトーレは愛称トト(サルバトーレ・カシオ)と呼ばれていた。舞台はシチリア島、トトの父親は戦争に徴兵され、母と妹の三人で暮らしている。
村の唯一の娯楽は教会に併設された小さな映画館で世界の映画を見ることだ。ここでは世界中の情報が映画を通して入ってくる。特にアメリカの裕福な生活には驚かされる。
アメリカでは恋愛も大らかだ、でもキスシーンや裸体シーンは教会の方針でカットされる・・・ブーイングが出るけど仕方が無い。
トトは映写技師のアルフレード(フリップ・ノワレ)と仲良しになる。彼はアルフレードから映写機の使い方を教わる。ところがある日 映画館が火事になり、フィルムを持ち出そうとしたアルフレードは火傷で失明してしまう。
村に新しい映画館「新パラダイス座」が出来、トトは映写技師として働き始める。青年になったトト(マルコ・レオナルディ)は美少女エレナ(アニェーゼ・ナーノ)とのほろ苦い恋を経験し、軍隊に徴兵される。
除隊して戻ってきたトトは村の様相が変わっていることに寂しさを感じる。恋人エレナの消息も分からない。
アルフレードに会ったトトは彼から「この村にいてはいけない、外に出て自分の道を探しなさい」と自分の背中を押してくれる。トトは夢を実現させるため列車に乗ってローマに向かう。
映画の結末は涙が流れるほど感動する。是非お薦めだ。
第11位 ベスト・キッド
2010年日本公開のアメリカ・中国合作のカンフー アクション映画
監督 ハラルド・ズワルト(ベスト・キッド)
出演 ●ジェイデン・スミス(ベスト・キッド、地球が静止する日、アフター・アース)
●ジャッキー・チェン(ドランクモンキー酔拳、ポリス・ストーリー、ベスト・キッド)
●タラジ・P・ヘンソン(ベスト・キッド、ベンジャミン・バトン)
1984年の「ベスト・キッド」のリメイクだ。オリジナル版はラルフ・マッチオとノリユキ・パット・モリタの組み合わせだ。
2010年の「ベスト・キッド」リメイク版はジェイデン・スミス(ウィル・スミスの息子)とジャッキー・チェンの組み合わせで大ヒットした。舞台は北京だね。
主題歌はジャスティン・ビーバーとジェイデン・スミスが歌っている。映画の原題(The Karate Kid)は同じだけど空手⇒カンフーに変わっているところが面白い。
デトロイトから母シェリー(タラジ・P・ヘンソン)の転勤で北京に来た12才の少年ドレ(ジェイデン・スミス)はこの地にナカナカなじめない。
しかもチョン(ワン・ツェンウェイ)と言うカンフーの強いイジメっ子に狙われる。でも可愛い女の子メイ・リン(ハン・ウェンウェン)と知り合いになり、彼女に励まされる。
ドレは毎日チョンにいじめられることから、自分もカンフーを習って何時かは仕返ししたいと考えていた。
アパートの管理人ハン(ジャッキー・チェン)がカンフーの名人だと知って何とか教えを乞う事になる。ハンはドレと一緒にチョンの師匠マスター・リーと対面するが勝負を申し込まれてしまう。
近々武術大会があることからそこで勝負をつける、それまではドレをいじめないことを条件に承諾する。
ハンはドレにカンフーを教える代わりに上着をハンガーにかけ、それを着て脱ぎ落とし、また拾ってハンガーに掛ける動作ばかりやらされる。
うんざりするドレだが、この動作はカンフーを習ううえで基礎となることを理解する。そしてハンの指導の下、彼はカンフーを少しずつマスターしてゆく。
果たして武術大会でドレはチョンを倒す事が出来るのか・・・。
第10位 96時間
2009年日本公開のフランス製作スパイ アクション映画
監督 ピエール・モレル(96時間)
出演 ●リーアム・ニーソン(シンドラーのリスト、スター・ウォーズシリーズ、キングダム・オブ・ヘブン、96時間シリーズ、フライト・ゲーム、沈黙サイレンス、誘拐の掟)
●マギー・グレイス(96時間シリーズ、LOST)
●ファムケ・ヤンセン(96時間シリーズ、X-MENシリーズ)
●リーランド・オーサー(96時間シリーズ)
1作目96時間。
2作目96時間/リベンジ。
3作目96時間/レクイエム。
世界中でもの凄くヒットした映画だ。3作品作られているが残念ながら2,3作目は今一だったね。リュック・ベッソンが脚本と製作を兼ねている。
1作目の監督はピエール・モレルだけどリュック・ベッソン流のテンポの良さとバイオレンスを引き継いでいる。
原題の「TAKEN」とは捕えられる、捕虜にすると言う意味だね。邦題の「96時間」は誘拐された被害者が無事でいられる時間とのこと。邦題の方が緊迫感があっていいね。
主人公のブライアン(リーアム・ニーソン)は元CIAの工作員だが、今は要人のボディーガードをしている。彼には別れた妻レノーア(ファムケ・ヤンセン)と17才の娘キム(マギー・グレイス)がいる。
キムは友人のアマンダ(ケイティ・キャシディ)と二人でパリの旅行先で誘拐されてしまう。キムは携帯でアメリカにいるブライアンに助けを求めるが、電話は途中切れる。
ブライアンは誘拐現場に駆けつけ、犯人の残した痕跡をたどろうとする。残された時間は96時間・・・彼は獲物を追うオオカミになる。
誘拐組織は大変な男を怒らせてしまった。ブライアンはCIA時代に培った並外れた戦闘能力と世界を拠点とする人脈をフル活用して犯人を追いつめてゆく。
ブライアンは娘のためなら何でもする、パリのエッフェル塔だって破壊する勢いだ。このパワーが実に凄い、ところでリーアム・ニーソンは僕と同じ歳なんだけど。
第9位 スラムドッグ$ミリオネア
2009年日本公開のイギリス製作ヒューマンドラマ
監督 ダニー・ボイル(28日後、サンシャイン2057、スラムドッグ$ミリオネア、127時間)
原作 ヴィカス・スワラップ「僕と1ルピーの神様」
出演 ●デーヴ・パテール(スラムドッグ$ミリオネア、エアベンダー、チャッピー、ライオン25年目のただいま、奇跡がくれた数式)
●マドゥル・ミッタル(スラムドッグ$ミリオネア)
●フリーダ・ピントー(スラムドッグ$ミリオネア、猿の惑星:創世記)
●アニル・カプール(スラムドッグ$ミリオネア、ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル)
●イルファーン・カーン(スラムドッグ$ミリオネア、ジュラシック・ワールド、インフェルノ)
「スラムドッグ$ミリオネア」とはスラムの負け犬が億万長者なってゆく映画だ。インドが舞台だけどインド映画ではなくて、イギリス映画なんだ・・・でも最後はインド映画お決まりの「全員ダンス」で締めくくりだ。
第81回アカデミー賞では作品賞・監督賞をはじめ8部門受賞している・・・少し取り過ぎた感じはするけど。
インド ムンバイのスラム地区に育ったマジャール(デーヴ・パテール)はテレビのクイズ番組「クイズ$ミリオネア」に出演し、次々と難問をクリヤーしてゆく。しかし学校も出ていないマジャールが難問を次々正解してゆくのはおかしいと、インチキを疑われ警察に連行されてしまう。
警察での事情聴取で彼は壮絶な半生を語り始める。暴動によって両親を失ったマジャールと彼の兄サリーム(マドゥル・ミッタル)はスラム街の中で逞しく生き残って行く。
兄弟は同じように両親を亡くした少女ラティカ(フリーダ・ピントー)と行動を共にする。ところが孤児を使って物乞いで金儲けをするママンと言う男に捕まってしまう。
盲目の孤児は2倍稼げると言う理由から、歌の上手い子供は目を潰されてしまう。危うく目を潰されそうになったマジャールは兄の機転によって逃げ延びる、しかしラティカは捕まってしまう。
それから兄弟は盗みをしたり、色々な仕事をしながら成長してゆくのだが、マジャールはラティカのことが忘れられない。彼は彼女に巡り合うことが出来るのか。
テレビのクイズ番組「クイズ$ミリオネア」では9個の問題が出されてゆく。
第一問 1973年のヒット映画「鎖」主演俳優は誰か?
第二問 インドの国章には3頭の獅子が描かれているがその下に書かれた言葉は何なのか?
第三問 ラーマ神の描写で彼が右手に持つ物は何でしょうか?
第四問 クリシュナ神の歌を書いた有名な詩人は誰か?
・
・
・
これらの問題にマジャールが正解することが出来たのは、彼自身の過酷な経験が偶然にもこの問いの答えになっていたからなんだね。でも最後の問題は彼には分らない、果たして彼はどうするのか・・・。
第8位 おくりびと
2008年9月公開 日本製作ヒューマンドラマ
監督 滝田洋二郎(陰陽師、壬生義士伝、おくりびと)
音楽 久石譲
出演 ●本木雅弘(シコふんじゃった、おくりびと、天空の蜂)
●広末涼子(鉄道員(ぽっぽや)、おくりびと、WASABI、GOEMON、)
●山崎努(お葬式、マルサの女、おくりびと、日本の一番長い日)
●峰岸徹(ゴジラVSビオランテ、おくりびと)
●余貴美子(ホテル・ハイビスカス、おくりびと、武士の献立)
人間の「死」とか「死体」を扱っているのに、こんなに清々しい映画は久しぶりだ。世界中で戦争が起こっていて死体が道端に散乱している場面を見ることがある。でも日本では「死」・「死体」を厳粛なものとして生きている人間以上に丁重に扱う。
海外でも評判が良かったのは、そんな日本の風習が尊敬の目でみられたからだと思う。死体は「魂の入れ物」だから死んだ後も清めて「あの世」に送らなければならない。第81回アカデミー賞外国語映画賞を取れたのも当然だね。
舞台は山形県の酒田市なんだけど、僕はロケ地を見に行ってるんだ。映画を見た後訪れているから建物を見ているとその場面が目に浮かぶ・・・皆さんも是非行ってみたら面白いよ。
オーケストラのチェロ奏者 小林大悟(本木雅弘)は楽団が解散になってしまい職を失う。彼は妻の美香(広末涼子)と古里の山形県酒田市に帰る。
とりあえず就職先を見つけなければならない。新聞の求人欄で「旅のお手伝い」と書かれたNKエージェントの記事が目に入り高給に惹かれて訪問する。
社長の佐々木(山崎努)はロクに面接もせず大悟の採用を決めてしまう。仕事の内容を聞いた彼はびっくりする。「旅のお手伝い」とは旅行代理店ではなく、死者を清め送る「納棺師」だったのだ。
大悟は尻込みするが、社長の「給料 月50万円を保証する」との強引な引き留めで仕方なく承諾する。妻には「冠婚葬祭業」としか伝えられなかった。
最初の現場は孤独死した女性の腐乱死体の処理だ。これには大悟もまいってしまう。しばらくして「納棺師」の仕事が妻にバレ「そんなけがらわしい仕事は辞めて」と妻に懇願される。
態度を決めかねた大悟に腹を立て妻は実家に帰ってしまう。それに同級生からも白い目で見られる。大悟は退職を決意し社長に申し出るのだが・・・。久石譲の音楽が心に染み入ってくる、秀作だね。
第7位 千と千尋の神隠し
2001年公開の日本製作 ファンタジーアニメ ジブリ作品
監督・脚本・原作 宮崎駿
音楽 久石譲
声の出演 ●柊瑠美(荻野千尋/千)
●入野自由(ハク)
●内藤剛志(荻野昭夫)
●沢口靖子(荻野悠子)
●夏木マリ(湯婆婆/銭婆)
●菅原文太(かまじい)
サウンドトラックだ。
https://youtu.be/rnCrLIeSaxE?list=PLMgN2WMzDTYQmehMMegrHn1OF0Jud33Xv
宮崎駿の傑作だ、オリジナリティに溢れていてお化け屋敷のように何が出て来るか分からない。興行収入300億円と日本歴代興行収入ナンバー1に輝いている。最近では「君の名は。」が大ヒットしたけど追い抜けないだろうね。
これだけヒットした要因を考えてみると
1.バツグンに面白いオリジナルストーリー
2.10才少女 千尋の成長物語
3.映像の美しさと躍動感
4.音楽が素晴らしい
5.哲学的な要素を含んでいる
6.子供だけでなく大人も楽しめる
7.出て来るキャラクターがユニーク
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色々と取り上げたらきりがない。第75回アカデミー賞で長編アニメ賞を獲得している。
不思議な国に迷い込んだ10才の少女 荻野千尋(柊瑠美)と両親の父 明夫(内藤剛志)母の悠子(沢口靖子)。両親は屋台で無銭飲食したためブタに変えられてしまう。
千尋は不思議の国で逃げ惑うがハク(入野自由)に助けられ魔女の湯婆婆(夏木マリ)が経営する温泉旅館「油屋」で働くこととなる。名前は「千(せん)」と変えられる。
千は「油屋」で働くことにより、少しずつ成長してゆく。彼女は何としてでもブタに変えられた両親を助けなければならない。
色々な化け物や神様が出てきて面白い。特に魔女 湯婆婆(ゆばーば)と双子の姉 銭婆(ぜにーば)が面白い、皆に恐れられているが意外に優しいとこもある。
それからカオナシ、自分では何も出来ないくせに他人の威を借りて暴力的にふるまう嫌われ者・・・こういう人 人間にもいるよね。手から砂金を出すが、みんな偽物で土くれに変わってしまう。
千の味方になるハク、彼は竜の姿をした「コハク川」の神様だ。さて千尋はブタに変えられた両親を救うことが出来るのかな。ああ、そうそう台湾に旅行した時「油屋」のモデルになったと言われている建物(九フン)を見てきたよ。
幻想的な眺めで、客を誘うね。日本にも何カ所かモデルになった建物があるそうだよ。
第6位 セッション
2015年日本公開のアメリカ製作 ヒューマン音楽ドラマ
監督・脚本 デミアン・チャゼル(セッション、ラ・ラ・ランド)
出演 ●マイルズ・テラー(セッション、ファンタスティック・フォー)
●J・K・シモンズ(スパイダーマンシリーズ、クローザー、セッション、ターミネーター新起動/ジェニシス、ザ・コンサルタント、パトリオット・デイ、ラ・ラ・ランド)
最後の感動シーンだ。
https://youtu.be/Tkh5I9w4ySY
エネルギーがほとばしる凄い映画だった。この映画で監督のデミアン・チャゼル、主演のマイルズ・テラーが全世界に知られるようになった、出世作だ。演技の格闘技のようなドラマだ。
第87回アカデミー賞で5部門ノミネート、J・K・シモンズが60才で助演男優賞、その他編集賞、録音賞を獲得している。
さらにデミアン・チャゼルの才能は凄く、次回作「ラ・ラ・ランド」では第89回アカデミー賞に14部門ノミネート、監督賞、撮影賞、主演女優賞を始め計6部門獲得している。
彼の良さは「映画のツボを押さえている」と言うくらい脚本と演出がニクイ。とても若手監督には見えない、円熟さを感じる・・・次回作が楽しみだ。
蛇足だけど何故マイルズ・テラーは「ラ・ラ・ランド」の主演を蹴ったのかな・・・残念だ、彼が演技していたらもっと違った映画になってたかもしれない。
主人公のアンドリュー・ニーマン(マイルズ・テラー)はジャズ・ドラマーをめざし、アメリカ有数の音楽学校に入学する。そして彼は学内 最高の指揮者として名高いテレンス・フレッチャー(J・K・シモンズ)に認められ、彼のバンドに呼ばれる。
アンドリューは喜んで彼のバンドに出席する。ところがフレッチャーは完璧主義の鬼教師であることを知る。アンドリューの演奏に不満を持った彼は、頬を殴ったりイスを投げつけたりと徹底的にしごく。
泣きながら演奏に耐えた彼はフレッチャーを見返そうと指を血だらけにして練習に励む。ところが実力が上なのに彼は補欠として譜めくりしかさせてもらえない。
バンドのコアドラマーが譜面を無くしたことによって、アンドリューにチャンスが巡ってくる。彼は完璧に演奏をこなしフレッチャーの信頼にこたえたつもりだった。
ところがフレッチャーは三人のドラマーを競わせる。彼らを数時間にわたって戦わせ、最後までドラムをたたき続けたアンドリューがコアドラマーに選ばれる。
演奏会の当日会場に向かうバスが故障してしまったためレンタカーを借りる。が、今度はスティックを忘れてしまったことに気が付き心が動転する。
彼はあせって運転し、トラックと衝突 血だらけになる、果たして彼は演奏会場にたどり着くことが出来るのか。この映画でアンドリューは生意気で独善的で協調性がない「嫌な男」として描かれる。
彼は全てを犠牲にしても自分が優れたジャズ・ドラマーになれればいいと考えている。そのためには恋人ニコル(メリッサ・ブノワ)さえも捨ててしまう。そしてフレッチャーの鬼教師も度を越していて教え子を自殺に追い込んでいる。
この嫌な二人が火花を散らすところが見ものだ・・・現実にはこんな教師いるの?ただ演奏は見応えがある。詳しいレビューは「セッション」を見てね。
第5位 この世界の片隅に
2016年公開の日本アニメ映画 ヒューマンドラマ
監督・脚本 片渕須直(名犬ラッシー、アリーテ姫、BLACK LAGOON、マイマイ新子と千年の魔法、この世界の片隅に)
原作 こうの史代 漫画「この世界の片隅に」
音楽 コトリンゴ
声の出演 のん(北條すず)
細谷佳正(北條周作)
稲葉菜月(黒村晴美)
尾身美詞(黒村径子)
小野大輔(水原 哲)
潘めぐみ(浦野すみ)
牛山 茂(北條円太郎)
新谷真弓(北條サン)
岩井七世(白木リン)
小山剛志(浦野十郎)
津田真澄(浦野キセノ)
地味な映画だけど心にぐっと来る、涙がでそうだ。1944年(昭和19年)の広島・呉が舞台だ。当時の人々の暮らしぶりが克明に伝わってきて、丁寧に仕上げた血の通った傑作アニメだ。
原作はこうの史代のマンガだ。2011年にテレビドラマ化され、2016年に片渕監督によって長編アニメ化されている。封切り当初は全国63館だったが評判が口コミで広がり一年後には200館近くに広がった。
主演の北條すずの声を「あまちゃん」の のんが演じて話題となった。興行収入25億円と堅実な伸びを示している。是非見ることをお薦めする。
18才のどこか少しのんびりしたところのある すずは北條周作に見初められて、広島から呉にお嫁に来る。太平洋戦争の末期、物資が徐々になくなってゆく。こんな苦しい時代でも すずは持ち前の明るさと粘り強さで家庭を切り盛りしてゆく。
周作の姉の径子が娘の晴美を連れて下関から疎開してくる。すずは径子と最初 折り合いが悪かったが幼い晴美とはすぐに打ち解けた。
空襲がますますひどくなってゆく。ある日すずは晴美と出かけたが、爆弾の破裂によって晴美と自分の右手を吹き飛ばされてしまう。もう二度と好きな絵を描くことが出来ない。
径子は晴美を死なせたことですずを責める。すずは落ち込む日々が続き自分の居所を失ってしまう。そんな時広島に原爆が投下され、そして8月15日の終戦を迎える。
すずは慌てて広島の実家に戻るが母は行方知れず、父は亡くなる。妹のすみだけが生きていたが原爆症で苦しんでいた。これから先どうなって行くのか・・・。
反戦映画と言うより「すずと周作の純愛」映画と言った方がいいみたいだ。詳しいレビューは「この世界の片隅に」を見てね。
第4位 インビクタス/負けざる者たち
2010年日本公開のアメリカ・南アフリカ共和国合作のヒューマンドラマ
監督 クリント・イーストウッド(硫黄島からの手紙、ハドソン川の奇跡、アメリカン・スナイパー)
出演 ●モーガン・フリーマン(トランセンデンス、LUCY/ルーシー、オブリビオン、ラスト・ナイツ、セブン)
●マット・デイモン(グッド・ウィル・ハンティング、プライベート・ライアン、インターステラー、ジェイソン・ボーン、グレートウォール、オデッセイ)
「インビクタス」とはラテン語で「征服されない」「屈服しない」と言う意味になる。実話をベースにしているんだね。舞台は1994年の南アフリカ共和国、反体制活動家のネルソン・マンデラ(モーガン・フリーマン)は27年間も狭い独房に入れられていた。
彼は釈放されると大統領選に立候補し当選する。白人によって27年間も投獄されていれば、白人が嫌いになってもおかしくない。
ところがマンデラは白人に対しても黒人と同じように接する・・・なんと言う心の広い人なんだ。(ネルソン・マンデラは2013年に95才で亡くなっている。)
当時、同国のラグビーは白人のためのスポーツで、黒人はサッカーが主流だ。実際ラグビーのメンバー30名の内黒人はチェスター・ウィリアムズの一名しかいない。
マンデラ大統領はこのラグビーチーム「スプリングボクス」を国民融和の為に使おうとする。1995年のワールドカップ開催国となった南アフリカ共和国は、何としてでも自国チームを優勝に導こうと努力する。
まず、ラグビーを黒人にも浸透させようと努力する。「スプリングボクス」のメンバーは貧困地区の黒人の子供たちにラグビー教室を開催し指導する。
マンデラ大統領はチームの主将フランソワ・ピナール(マット・デイモン)を官邸に招いて勇気づける。ワールドカップが始まった、「スプリングボクス」は快進撃を続け国中を沸かす。
そして念願の決勝戦を勝ち取る、これに勝てば優勝だ、しかし相手は強豪ニュージーランド代表の「オールブラックス」・・・果たして決勝戦はどちらが勝つのか。
映画の中でマンデラが口にする言葉「我が運命を決めるのは我なり、我が魂を制するのは我なり」は英国のウィリアム・アーネスト・ヘンリーの詩「インビクタス」の一節なんだ。熱い男たちの闘いが描かれお薦めの映画だね。
第3位 ショーシャンクの空に
1995年日本公開のアメリカ製作ヒューマンドラマ
監督 フランク・ダラボン(ショーシャンクの空に、グリーンマイル、ミスト)
原作 スティーヴン・キング「刑務所のリタ・ヘイワース」
出演 ●ティム・ロビンス(トップガン、ジェイコブス・ラダー、ショーシャンクの空に、ミスティック・リバー、CODE46、宇宙戦争)
●モーガン・フリーマン(トランセンデンス、LUCY/ルーシー、オブリビオン、ラスト・ナイツ、セブン)
https://youtu.be/Cfcve3-Ur8k
感動の結末だ。
何回観てもいい映画だね。結末が清々しい、落ち込んだ時にはドリンキングより良く効くかもしれないね。是非じっくり見てほしい。ところでモーガン・フリーマンが二本続いちゃった、彼は存在感のあるいい俳優だねー。
地味な作品なんだけど、第67回アカデミー賞で7部門にノミネートされている。フランク・ダラボンの初監督作品で、彼はその他にもグリーンマイルやミストなどスティーヴン・キングものが多い。
誰しも人生とことんまで落ちることがある・・・世の中なんて理不尽なことばかりだ。でもこの映画の主人公のようにコツコツやってゆけば必ず前途が開けると思う。
優秀な銀行員だったアンディ(ティム・ロビンス)は妻とその愛人を撃ち殺した罪で終身刑を言い渡されショーシャンク刑務所に送還される。実は彼は冤罪なんだ。
刑務所の中では何でも調達できる「調達屋」レッド(モーガン・フリーマン)と仲良くなる。アンディはレッドから鉱物採集用の小さなロック・ハンマーを調達してもらう、それに壁を飾るリタ・ヘイワースのポスターももらう。
刑務所の中は暴力とイジメの世界だ、新入りのアンディにはナマキズが絶えない。彼を守ってくれるものは誰もいない、自分で生き抜いてゆくしか方法がないのだ。
アンディは銀行員だったことからハドリー刑務官(クランシー・ブラウン)の遺産相続問題についてアドバイスする。このことがノートン所長(ボブ・ガントン)以下看守たちに知られ、彼らの税務処理から資産運用まで任されるようになる・・・アンディは刑務所で一目置かれる。
アンディは劣悪な刑務所の環境を良くしようと粘り強く図書館づくりを始める。そして彼はノートン所長の不正蓄財にも力をかす。表面上は何事もなく時間だけが過ぎてゆく。
アンディは刑務所に入ってから20年後レッドに伝言を残して脱獄する。その脱獄の方法とは・・・映画見てね。
第2位 ボーン・アイデンティテー
2003年日本公開のアメリカ製作アクション・サスペンス映画
監督 ダグ・リーマン(ボーン・アイデンティテー、Mr.&Mrs.スミス、オール・ユー・ニード・イズ・キル)
原作 ロバート・ラドラム「暗殺者」
出演 ●マット・デイモン(グッド・ウィル・ハンティング、プライベート・ライアン、インターステラー、ジェイソン・ボーン、グレートウォール、オデッセイ)
●フランカ・ポテンテ(ボーン・アイデンティテー、ボーン・スプレマシー、死霊館エンフィールド事件)
●クリス・クーパー(ボーン・アイデンティティー、ボーン・スプレマシー、8月の家族たち)
●ブライアン・コックス(ボーン・アイデンティティー、ボーン・スプレマシー、ザ・リング、記憶探偵と鍵のかかった少女)
●クライヴ・オーウェン(キング・アーサー、クローサー、ラスト・ナイツ、トゥモロー・ワールド)
●ジュリア・スタイルズ(ボーンシリーズ)
ボーン・アイデンティティー
ボーン・スプレマシー
ボーン・アルティメイタム
ジェイソン・ボーン:詳細なレビューは「ジェイソン・ボーン」を見てね。
「ボーン・アイデンティティー」の主人公ジェイソン・ボーンは生身の人間なのに超人的な力を持っている。でも記憶を消されているから自分がいったい誰なのか分からない。
彼は自分に危険が迫ると体が自然に動いて相手を叩きのめしたのに驚く。彼には格闘技、武器の使用、サバイバル術、世界中の言葉、状況の瞬間的判断が出来る事など・・・エージェントに必要な全ての能力が備わっている。
彼はCIAが作り出した、最強の殺し屋なんだね。彼は自分のアイデンティティー(自分の素性、正体)を求めて行動を起こすのがシリーズを通してのテーマだ。
彼は要人の暗殺に失敗して重傷を負う。海に浮かんでいるところを漁船に助け出され、自分の断片的な記憶と皮膚の下に埋め込まれたマイクロカプセルの情報から、過去を遡る。
自分が「ジェイソン・ボーン」と呼ばれていることが分かる。さらに「トレッド・ストーン(踏み石)計画」の為に作り出されたCIAの工作員ではないかと自分を思い始めるが、計画の隠ぺいを図るCIAの殺し屋が動き出す。
ジェイソン・ボーンは単独で巨大組織CIAに立ち向かってゆく。彼に勝算はあるのか、そして「トレッド・ストーン(踏み石)計画」とは・・・。
一作目の監督はダグ・リーマンでそれ以降はポール・グリーングラスになっている。普通続編はあまり面白くないのが定説だ。でもこのシリーズはみんな質が高く期待を裏切らない。2003年から2016年まで実に13年も楽しませてくれている。
マット・デイモンを大スターに押し上げた代表作の一つだ。彼は俳優・脚本家・映画プロデューサーの顔を持っていて、どれも成功させている事を考えると才能の塊のような人間なんだね。
第1位 ロッキー
1977年日本公開のアメリカ製作ボクシング・ヒューマンドラマ
監督 ジョン・G・アヴィルドセン(ロッキー、ロッキー5、ベストキッドシリーズ)
脚本 シルヴェスター・スタローン
音楽 ビル・コンティ
出演 ●シルヴェスター・スタローン(ロッキーシリーズ、ランボーシリーズ、エクスペンダブルズシリーズ、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス)
●タリア・シャイア(ゴッドファーザー、ゴッドファーザーPARTⅡ、ロッキーシリーズ)
●バート・ヤング(ロッキーシリーズ)
●バージェス・メレディス(ロッキーシリーズ)
●カール・ウェザース(ロッキーシリーズ、プレデター)
ロッキー
https://youtu.be/3ajRd56jnLo
ロッキー2
ロッキー3
ロッキー4
ロッキー5
ロッキー・ザ・ファイナル
クリード~チャンプを継ぐ男:詳細なレビューは「クリード」を見てね。
なんてったって第一位はロッキーだね。今から40年前に、確か新宿の映画館だと思うけど、館内は立ち見状態の凄い熱気だった。映画を見た後はトリハダが立って興奮がなかなかさめなかった。
この映画は映像やストーリーもよかったけど、ビル・コンティのテーマ曲「Gonna Fly Now(今すぐ飛ぶ)」が盛り上げに貢献した。このミュージックを聞くと映画の場面が目に浮かぶ、既にスタンドナンバーになっちゃってる。
第49回アカデミー賞9部門でノミネートされ、作品賞・監督賞・編集賞を獲得している。主演のシルヴェスター・スタローンが脚本を書いている。ステディカム(カメラを安定させる支持機材)を使った手持ちカメラの迫力ある映像と編集のうまさがひかる。
110万ドルの低予算B級扱いの映画だったけど、これがアメリカで大ヒット1億ドル以上稼ぎ、全世界でも2億ドル以上の興行収入をあげている。そしてスタローンがこの1作で大スターに上り詰めた、まさにシンデレラストーリーだね。
「ローキーシリーズ」は6作作られていて、「クリード~チャンプを継ぐ男」を含めると7作だ。全部が全部いい作品とはいいがたいが、映画史に名を遺したシリーズだと思う。
もう今や落ちぶれてしまった「三流ボクサー」ロッキー・バルボア(シルヴェスター・スタローン)は食うために高利貸しの取立人の副業をしている。
ある日、彼は建国200年のイベントとして世界ヘビー級チャンピョン アポロ・クリード(カール・ウェザース)の挑戦者に選ばれてしまう。
このイベントは一種のお遊びのようなもので、ロッキーのリングネーム「イタリアの種馬」を気に入ったチャンピョンが企画していた。ロッキーは実力差がありすぎると断るが強引に話が進んでしまった。
ロッキーはトレーナーを昔の恩人ミッキー(バージェス・メレディス)に頼む。そしてスポンサーは彼の恋人エイドリアン(タリア・シャイア)の兄ポーリー(バート・ヤング)が務めている精肉屋だ。
ロッキーはミッキーの指導の下、今までで最も苦しいトレーニングをやり遂げる。試合前に「自分はアポロには絶対勝てない」でも「最終ラウンドまでリングの上に立っていたら自分がただのゴロツキでないことが証明できる」とつぶやく。
試合のゴングが鳴った、ロッキーはアポロに喰らいついてゆく、そして最初にダウンを奪ったのは挑戦者のロッキーだった。当初お遊びのつもりだったアポロは目の色を変えてロッキーに襲いかかってゆく。
ロッキーも倒されても倒されても起き上がり、アポロを追い詰めるのだが・・・・。結末が感動的だ試合の勝ち負けより「ロッキーとエイドリアンの愛の物語」だ。
まとめ
「レッドクリフ」
今回、元気・勇気・やる気が出て来る映画をまとめてみたけど、まだまだ紹介したい映画がいっぱいある。今の世の中つらいことが多いから、そんな時には映画を見て気分転換するのもいいかも。
「たそがれ清兵衛」
映画一本見るだけで元気が出ちゃうこともあるからあなどれないかもね。疲れた時なんかにドリンクのように良く効く映画を集めてみたけど、いっぱいあって載せきれない。
「燃えよドラゴン」
それぞれ好き嫌いがあるから、一応順位付けしたけど、順位なんて関係ないかも知れない。気に入った映画を繰り返し見るのも面白い。
「ダイ・ハード」
無名の俳優が一本当たったことによって大スターになってゆく、これは実力なのか、それとも運なのか。シルベスター・スタローンなんかオーディションに50回以上落ちている。でも自分の才能を信じ大きく飛躍している。
「キング・アーサー」
世の中なんて何が起こるか分からないから、挑戦はし続けた方がいいね。でもいつかは振り返って自分を見つめなおすことも必要だ・・・挑戦ばかりでも疲れるから。
「Shall We Dance?」
「Shall we ダンス?」
まあ、気楽に映画でも見て人生楽しむのもお薦めだ。最近見たジェイク・ジレンホール主演ボクシング映画「サウスポー」がなかなか良かった。
「サウスポー」
ジェイクの鍛え挙げられた肉体、彼は相手に攻撃させておいて、左のカウンターでしとめる。「ロッキー」と違ったリアリズムを感じさせる。
TATSUTATSU
未観ならば ストレイトストーリー セントオブウーマン スライディングドア 200本のたばこ アイデンティティー コントロール ノッキンオンヘブンズドア この辺も是非
まだまだ見てない名作がいっぱいあります。ありがとうございます、見てみます。また、遊びに来てくださいね。