はじめに
ちょっと大げさなタイトルを付けたけど、気分転換だと思って見てもらえばいい。この中に気に入った映画があったらありがたいね。順位はあまり関係ないかもしれない。
人間誰しも人生に行き詰まったり落ち込んだりすることがある。僕なんか長い間生きてるし、今年でサラリーマン生活45年目だ。2度ほど死にかけたり、楽しいことより辛いことのほうが多かった。
長くサラリーマンやってると左遷も一度や二度ではない、もちろん栄転もあるけど。それに合わない上司に使えたことの方が多かった。仕事のミスも多かったし、逆に成果を上げたこともけっこうある。
毎日ベストを尽くしていれば、窮地に陥った時に助けてくれる人が必ず出て来るから不思議だ(世の中捨てたもんじゃない)。会社を去って行く人も多く見たし、病気で脱落してゆく人も多かった。
人生をマラソンに例えることが多い。僕も二度ほどフルマラソンに出た。ランニングの途中で猛烈に腹が減って、うどん屋に入ったり、ドリンクを飲んだり、歩いたり、道路わきで休んだり、また頑張って走ったりと確かに人生に似ている。
走らなければ追い抜かれるし、頑張ればライバルを追い越すことも出来る。しかし無理をすれば後半バテる、休んで水を飲まなければ脱水症状でリタイヤとなる。
人生ど根性で頑張れとは、僕は決して言わない。ダメなら最後は逃げたっていいと思う(周りに大きな迷惑かけない程度なら)。自分の人生だから自分の好きなように生きればいい。
ただ、アドバイスとして「健康と家庭はもの凄く大事だ」それに「働ける内が華、出来るだけ長く働いたほうがいい」。
定年後にあれもしよう、これもしようと考えない方がいい、歳をとってもけっこう忙しいからだ。60才を過ぎると目が疲れるし、根気が続かない、だからやりたいことがあったら若いうちからやった方がいいね。
元気が出る映画集として「涙が溢れるほど感動するお薦め映画ベスト20-これを見るまでは死ねない」も参考に・・・。
また、映画音楽を聴くのも心休まる「魅惑の映画音楽ベスト30:心に残る映像とミュージックを堪能すれば心身ともリフレッシュだ」をお薦めだ。
なお、「寝る前の5分で読むチョイ怖ミステリー」を始めました。よろしかったらのぞいてみてね。小説の中に「実話」がちりばめられている。あなたも、これらの事件に遭遇するかもしれない。
追加)クリスマスにはお薦め映画
第23位 すみっコぐらし
2019年11月公開のファンタジーアニメ映画
監督 まんきゅう
原作 すみっコぐらしチーム(サンエックス)
脚本 角田貴志
ナレーション ●井ノ原快彦
●本上まなみ
この不思議なアニメが大ブレイク。58万人を動員し興業収入7億円のヒットだ。このアニメのどこにこれだけの魅力があるのか・・・。子供や女性に人気がある。さあ、おじさんたちもトライしてみよう。
この映画を見て涙が流れる人は物凄く心がピュアな人だと思う。逆にケガレ切ったおじさんたちは眠りに入ってしまうかもしれない。じゃあ、お前はどうなんだと言われると。実は前半、眠りに入ってしまった。しかし、後半はほのぼのとした温かさに包まれ、癒されたようだ。
日本人は僕も含めて「隅っこ」が大好きだ、心が落ち着く。みんなに嫌われているゴキブリなんかは暗くて狭い隙間が好きなようだ。そう考えると、かつては僕らサラリーマンをゴキブリ亭主と呼んでいた。
高度成長期、残業続きで亭主は夜遅く帰り、ゴキブリのように冷蔵庫の中の物をあさっていたからだ。僕は長いサラリーマン生活(実に45年)で知らないうちにサラリーマン症候群を患ってしまった。とにかく忙しく働いていなければ落ち着かない。
こんな僕らのサラリーマン症候群を癒すのは、ピュアなアニメを繰り返し見続けることかもしれないね。ここに出てくるキャラは全く自己主張しない。できれば一日中カフェの「すみっコ」で仲間同士肩を寄せ合って過ごしたいと思っている。
ストーリーを少し紹介すると。ある日すみっコたちはお気に入りの「喫茶すみっコ」に出かける。やはり席はカフェのすみっコだ。まめマスターがコーヒーを入れてくれる。
「喫茶すみっコ」のアルバイト、おばけは地下室でお掃除をしている。そんな時に「とびだす絵本」を発見する。ところがおばけはその本に吸い込まれてしまう。そしてすみっコたちも全員、絵本に吸い込まれる。
絵本の中にはひとりぼっちの「ひよこ」がいた。そしてみんなは「ひよこ」のうちを探そうとするのだが・・・。詳細は「すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ」を見てね。
第22位 ボブという名の猫 幸せのハイタッチ
2017年日本公開のイギリス製作ヒューマンドラマ
監督 ロジャー・スポティスウッド(007トゥモロー・ネバー・ダイ、エア★アメリカ、ボブという名の猫 幸せのハイタッチ)
原作 ジェームズ・ボーエン「ボブという名のストリート・キャット」
出演 ●ルーク・トレッダウェイ(タイタンの戦い、ボブという名の猫 幸せのハイタッチ)
●ルタ・ゲドミンタス(ボブという名の猫 幸せのハイタッチ)
●ジョアンヌ・フロガット(ボブという名の猫 幸せのハイタッチ)
●アンソニー・スチュワート・ヘッド(ボブという名の猫 幸せのハイタッチ)
茶トラの可愛いオス猫が出て来る「奇跡と感動の実話」だ。薬物に溺れ、どん底まで落ちたストリート・ミュージシャンがボブという名のノラ猫に巡り合い、人生のセカンドチャンスに気づく。
ジェームズ・ボーエンが書いた「ボブという名のストリート・キャット」はイギリスで150万部以上のベストセラーなった。シリーズ物も合わせると1000万部を超える大ヒットだ。
猫好きの人には堪えられない、それ以外の人にも楽しめる作品だ。映画には実際にボブ猫も出演している。ほんわかとした感動の秀作に触れてみてはどうか・・・。
話の筋は、家庭環境の問題からジェームズ(ルーク・トレッダウェイ)は薬に手を出してしまう。彼はそれを止めることが出来ず、どんどん落ちてゆく、最後は路上生活者だ。
彼はストリート・ミュージシャンだがまともに歌を聞いてくれる人は数少ない、ゴミ箱をあさったり、道路で寝たりと日々生きてゆくのに精一杯だ。
ジェームズはしばらく薬を絶っていたが仲間のバズから誘われ、またやってしまう。車の中でこん睡状態のところを警察に捕まる。ソーシャルワーカーのヴァル(ジョアンヌ・フロガット)は彼を今度こそ更生させるため住居をあてがう。
久しぶりの屋根の下での生活に今度こそ薬から抜け出そうと決心する。そんな時に窓から茶トラのオス猫が迷い込んでくる。彼は自分だけでも生活が苦しいのに猫は飼えないと、猫の持ち主を探すがみつからない。
猫の面倒をみているとジェームズになつき離れない。隣に住むベティ(ルタ・ゲドミンタス)が遊びに来て、猫の名前をボブと名付ける。そこからジェームズとボブの不思議な関係が始まる。
見だしたら止まらない。日本は今、空前のネコブームだ。ネコたちは僕らの心を和ませる。あなたもこのドラマのようにネコがたまらなく好きになる。詳細は「ボブという名の猫 幸せのハイタッチ」を見てね。
第21位 蟲師
2005年からフジテレビ他で放映された異世界ファンタジーアニメ
監督 長濱博史
原作 漆原友紀「蟲師」
出演 ●中野裕斗(ギンコ役)
●土井美加(かたり、ぬい役)
●うえだゆうじ(化野役)
●小林愛(探幽役)
特別編 「日蝕む翳」
ノスタルルジーをかき立てるドラマだ。人間は一人で生きられないのに一人になりたがる。それに過去に決別したいのに過去に戻りたがる。そしてこのドラマの主人公ギンコの飄々とした生き方にあこがれる。でも彼はほとんどの記憶を失っているだけで壮絶な過去を持っている。
彼の本当の名前はヨキ、行商の母と死に別れ、女蟲師のぬいに助けられる。彼女も白髪・緑眼、片目が無い。彼女はヨキに蟲師としての基本を教え込む。ところが常闇(とこやみ)に潜む巨大な蟲・銀蟲(ぎんこ)に飲み込まれ消えてしまう。
ぬいは消える寸前、ヨキの左目を犠牲にさせて常闇から逃がす。白髪・緑眼となり左目を失ったヨキは村人に助けられる。その時の記憶として残っていた「ギンコ」が自分の名となる。彼には「蟲」が見え、「蟲」を呼び寄せる体質を持っている。そして蟲師を生業として旅を続ける。
ここで言う「蟲」とは昆虫や小動物のことではない。「すべての生命よりも命の源流に近いもの」「普通の人には見えない生命体の営みから起こる現象」を言う。わかり易く言えば「精霊・幽霊・妖怪」と言ったようなものだ。
そして「蟲師」とは「蟲」に関するあらゆる現象を取り扱う医者・研究者のことだ。「蟲」に取りつかれた人々から「蟲」を取り祓ったり、「蟲」に取りつかれた土地や物からも「蟲」を除霊する。しかし、「蟲」には種類が多く、一生に一度出会えるかどうか分からないモノも多い。従って文献を頼りに「蟲」の処し方を研究することも同時に行ってゆく。
物語の舞台は江戸時代と明治時代の間にある架空の時代だ。登場人物はギンコを除いて皆、和服だ。何故なのかギンコだけが洋服を着ている。背中に商売道具を背負い、常に蟲煙草をくゆらしている。この煙は蟲を寄せ付けない。
漆原友紀の傑作漫画がもとになってアニメが作られている。原作に忠実にアニメで再現させている点は監督の長濱博史の手腕によるところが大きい。2005年10月からフジテレビ他で放映され2006年末まで続いた。
仕事に行き詰まったり、人生に疲れたらこのアニメをじっくりと繰り返し見ることをお勧めする。人間なんて生まれて死ぬだけのちっぽけなものであることを痛感する。いっそのこと山に籠るのもいいかもしれない。自然と一体化すれば見えないものが見えてくる。それにひょっとしたらギンコに逢えるかも。詳細は「蟲師」を見てね。
第20位 マイレージ、マイライフ
2010年日本公開のアメリカ製作ヒューマンドラマ
監督・脚本 ジェイソン・ライトマン(JUNO/ジュノ、マイレージ、マイライフ)
出演 ●ジョージ・クルーニー(オーシャンズシリーズ、トゥモローランド)
●ヴェラ・ファーミガ(ミッション:8ミニッツ、死霊館、マイレージ、マイライフ、死霊館エンフィールド事件)
●アナ・ケンドリック(マイレージ、マイライフ、ピッチ・パーフェクト、ザ・コンサルタント)
ひたすら仕事に没頭してきたが、いつしか人生の黄昏時を感じるときがある。ライアン・ビンガム(ジョージ・クルーニー)は猛烈サラリーマンで1年の内300日、飛行機で国中を飛び回る。
彼の仕事は「クビ宣告人」だ。会社に変わって社員の首きりを代行する死神のような仕事だ。彼の当面の目標は1000マイル貯めて飛行機に自分の名前を残すことだ。
煩わしい肉親とも距離を置き、結婚なんかに興味はない。でも旅先で知り合ったアレックス(ヴェラ・ファーミガ)とは時々軽く情事を楽しむ。
ところが本社に戻ったライアンに上司のクレイグ(ジェイソン・ベイトマン)が新入社員のナタリー(アナ・ケンドリック)の教育係として面倒を見ろと言われる。ナタリーは出張を止めインターネットで首きりすべきと提案する。
ライアンはナタリーを連れて現場を体験させる。彼女は「クビ宣告人」の過酷さにショックを受ける。そしてライアンも自分の人生に寂しさを感じ始めていた・・・。
第19位 LIFE!
2014年日本公開のアメリカ製作ヒューマン コメディ
監督 ベン・スティラー(ズーランダー、LIFE!、ズーランダーNO.2)
出演 ●ベン・スティラー(メリーに首ったけ、ナイトミュージアムシリーズ)
●クリステン・ウィグ(LIFE!、オデッセイ、ゴーストバスターズ)
●シャーリー・マクレーン(アパートの鍵貸します、愛と追憶の日々、LIFE!)
●ショーン・ペン(シン・レッド・ライン、ミスティック・リバー、21グラム、ミルク、LIFE!、ザ・ガンマン)
1947年に公開された、ダニー・ケイの「虹を掴む男」のリメイクだ。女性に奥手、真面目、地味で平凡な冴えない男ウォルター(ベン・スティラー)は写真雑誌「LIFE」のネガフィルム管理担当者だ。
この映画では「世界を見よう、危険でも立ち向かおう。それが人生の目的だから」がスローガンになっている。ウォルターは同じ職場のシェリル(クリステン・ウィグ)に気があるのに声もかけられない。彼には空想癖があり、空想の世界ではシェリルを口説きまくっている。
ある日彼が会社に行くと「LIFE」誌廃刊のニュースが飛び込んでくる。そして事業再編を担当する新しいボス テッド(アダム・スコット)による厳しいリストラが始まる。
「LIFE」誌に写真を提供している冒険家のショーン(ショーン・ペン)はウォルターの今までの仕事ぶりに感謝し、プレゼントを送ってきた。中身は「素晴らしい仕事に感謝」のメッセージと革の財布が入っていた。
ショーンからは「LIFE」最終号の写真として25番目のネガを使うように指示が来ていた。ところがどうしても25番目のネガが見当たらない。
ウォルターはショーンに連絡を取ろうにも彼はグリーンランドに冒険に出かけてしまっていた。何としてでもネガを受け取ろうと、意を決してグリーンランドに向かうのだが厳しい一人旅が待っていた。果たしてネガを受け取ることが出来るのか、そしてネガには何が映っていたのか・・・。詳しくは「LIFE!」を見てね。
第18位 銀河鉄道の夜
1985年公開の劇場用アニメ映画(擬人化した猫によって描かれている)
監督 杉井ギザブロー(鉄腕アトム、悟空の大冒険、ルパン三世、銀河鉄道の夜)
原作 宮沢賢治「銀河鉄道の夜」
原案 ますむらひろし
声の出演 田中真弓(ジョバンニ)
坂本千夏(カムパネルラ)
堀絢子(ザネリ)
https://youtu.be/oedUd2oeXF8
宮沢賢治の傑作小説のひとつで特に有名だ。このアニメでは面白いことに登場人物が擬人化された猫になっている。物語はファンタジー要素を含み不思議な魅力がある。しかしやや暗い、ウツ(鬱)アニメの走りだと言っていいかもしれない。落ち込んでいる時にはやや暗いアニメがお薦めだ。
ジョバンニは漁から戻らない父のことで周りからいじめられる。彼は放課後アルバイトをして家計を助けている。パンと角砂糖を買って家に帰るが牛乳がまだ配達されてない、母は病気で寝込んでいる。
彼は夜に「銀河のお祭り」を見に行く。途中、イジメっ子のザネリ達に合う。ジョバンニは彼らとは別の方角に一人で向かう。天気輪の柱の丘で一人、星空を見ていた。
その時「銀河ステーション」と声が響き、気が付くと「銀河鉄道」に乗っている。さっき会ったカンパネルラも一緒だ。二人は銀河鉄道に乗って銀河の旅に出かける。
ところが楽しいはずの銀河の旅が寂しい結末を迎えてしまう。さてどんな出来事が待っていたのか・・・。
第17位 鑑定士と顔のない依頼人
2013年日本公開のイタリア製作 恋愛ミステリードラマ
監督・脚本 ジュゼッペ・トルナトーレ(ニュー・シネマ・パラダイス、海の上のピアニスト、マレーナ、鑑定士と顔のない依頼人)
出演 ●ジェフリー・ラッシュ(パイレーツ・オブ・カリビアンシリーズ、鑑定士と顔のない依頼人)
●ジム・スタージェス(アサイラム、クラウドアトラス、鑑定士と顔のない依頼人、ジオストーム)
●シルヴィア・フークス(鑑定士と顔のない依頼人、ブレードランナー2049)
●ドナルド・サザーランド(M★A★S★Hマッシュ、1900年、SF/ボディ・スナッチャー、鑑定士と顔のない依頼人)
この映画はサスペンスだけど素晴らしい絵画がいっぱい出て来る。ミステリーを楽しみながら美術品を眺めるのも悪くない。人生に疲れたら、仕事から離れ、素晴らしい芸術品を見ることをお薦めする。本物の芸術品に触れた時、疲れが吹き飛ぶかもしれない。
ヴァージル(ジェフリー・ラッシュ)は天才的な鑑定眼を持った美術鑑定士だ。しかし彼は生身の女性が苦手で恋愛などしたことのない変人だ。でも彼の趣味は女性の肖像画を集めることで、生涯を通して集めた作品を厳重に鍵のかかった部屋で眺めることを至上の喜びとしていた。
彼は美術オークションを主宰するが彼の盟友ビリー(ドナルド・サザーランド)と共謀して格安価格で肖像画を落札していた。彼のところに若い女性の依頼人から、両親が亡くなったので、遺品の美術品を鑑定し競売にかけてほしいとの連絡があった。
ヴァージルは最初、乗り気ではなかった。しかし指定された屋敷に伺うと、依頼主は隠し部屋に閉じこもり彼の目の前に姿を現さなかった。彼女はクレア(シルヴィア・フークス)と言い、「広場恐怖症」で長年引きこもり生活をしていた。
ヴァージルは帰ったふりをして、物陰から彼女を見る。思いもよらないことに彼女は驚くほど美しく、彼は心を奪われる。彼は女性と接したことが無いため、友人の機械職人ロバート(ジム・スタージェス)からアドバイスをもらいクレアとの距離を縮めてゆく。
ある日ヴァージルはクレアと直接対面することが出来た。そして彼はクレアに夢中になってゆく。果たしてクレアとヴァージルはどうなって行くのか、クレアの本当の正体とは・・・。
第16位 ムーミン谷とウィンターワンダーランド
2017年日本公開のポーランド・フィンランド合作パペットアニメ
監督 ヤコブ・ブロンスキ、イーラ・カーペラン
原作 トーベ・ヤンソン
声の出演 ●ムーミン(宮沢りえ)
●ムーミンパパ・スナフキン他(森川智之)
●ムーミンママ・リトルミイ他(朴璐美)
●神田沙也加:ナレーション
ムーミンをガキんちょアニメと侮ってはいけない。もの凄く癒し効果の高いアニメなのだ。精神的に疲れてきたら繰り返し繰り返し見てほしい。心の底からホッカホカになってくる。
この映画はパペットアニメ(人形のコマ撮りアニメ)なんだが、パペットアニメとしては「ムーミン谷の夏まつり(2008年)」「ムーミン谷の彗星(2010年)」に次いで第三弾だ。
1978年にポーランドで制作されたTVシリーズを再編集したもので、素朴で可愛くて温かみのあるアニメだ、途中で眠ってしまうかも知れないがそれでもいいと思う。
ムーミン一家は妖精なんだけど寒い冬は冬眠する。スナフキンは暖かい南の方に旅を続ける。ところがムーミンだけは起きててあちこち探検する。今年の冬は「クリスマスが来る」を「クリスマスさんと言うお客さんが来る」に勘違いし、お客さんの受け入れ準備を入念にする。
その他、劇場アニメ「ムーミン谷の彗星」も紹介しておく。1992年 斎藤博監督で制作された。
この映画は彗星がムーミンの世界に落ちて来るかも知れないというドラマだ。ムーミン達は天体望遠鏡が設置されたおさびし山にむかって、彗星が本当に落ちて来るのか調べに行くストーリーだ。
ここで初めてスナフキンと出会う。スナフキンは人間のように見えるが妖精とのことだ。寒くなるとムーミン谷を離れて南に向かって旅をするらしい。さて、彗星は本当に落ちて来るのかな?
第15位 ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
2012年日本公開のアメリカ製作ハートフル ヒューマンドラマ
監督 スティーブン・ダルドリー(めぐりあう時間たち、愛を読むひと、ものすごくうるさくて、ありえないほど近い)
原作 ジョナサン・サフラン・フォア「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」
出演 ●トム・ハンクス(プライベート・ライアン、グリーン・マイル、ブリッジ・オブ・スパイ)
●サンドラ・ブロック(スピード、デンジャラス・ビューティー、ザ・インターネット、ゼロ・グラビティ、)
●トーマス・ホーン(ものすごくうるさくて、ありえないほど近い)
●マックス・フォン・シドー(野いちご、エクソシスト2、デューン/砂の惑星、マイノリティ・リポート)
第84回アカデミー賞 作品賞・助演男優賞にノミネートされたスティーブン・ダルドリー監督の作品なんだけど賛否両論ある。
トーマス(トム・ハンクス)はアスペルガー症候群を抱える11才の息子オスカー(トーマス・ホーン)と「調査探検」と言うゲームをやり続けてきた。
彼は息子に「ニューヨークには幻の6区がある。一緒に探そう」と難問を出す。ところが「同時多発テロ事件」で父は亡くなってしまう。オスカーはそのショックで1年間、探検を中断してしまう。
ところがクローゼットから落ちてきた花瓶の中に「封筒に入った鍵」を見つける。そして封筒には「ブラック」と書かれてあった。オスカーは封筒の宛先の「ブラック」を探すために、ニューヨーク中の472人の「ブラック」を訪ね歩く。
果たしてオスカーは父からの難問「幻の6区」(本当はニューヨークには5区までしかない)を見つけることが出来るのか・・・。ニューヨークの人々はあの事件以来、悲しみを抱えていた。でもその悲しみを乗り越えて生きてゆかなければならないんだね。
第14位 思い出のマーニー
2014年公開の日本制作ファンタジー アニメ映画
監督 米林宏昌(借りぐらしのアリエッティ、思い出のマーニー、メアリと魔女の花)
原作 ジョーン・G・ロビンソン「おもいでのマーニー」
声の出演 ●高月彩良(佐々木杏奈)
●有村架純(マーニー)
●松嶋菜々子(佐々木頼子)
米林宏昌監督の最新作「メアリと魔女の花」が上映されたけど、僕は「思い出のマーニー」「借りぐらしのアリエッティ」の方が好きだ。この路線で透明感のあるアニメを作って欲しかった。
「思い出のマーニー」は第88回アカデミー賞長編アニメ映画賞にノミネートされたけど、ディズニー・ピクサーの「インサイド・ヘッド」に負けちゃったね、残念。
養女として育てられていたアンナ(高月彩良)は母や祖母が自分を残して死んだことを恨んでいた。里親の頼子(松嶋菜々子)はアンナに愛情を注いで育ててきたがアンナは心を閉ざし、感情を表に出さなくなってしまう。
ぜんそくの持病を持つアンナは発作で倒れる。学校からカバンを届けに来た同級生の態度からアンナは学校でも孤独を抱えていることを知る。医者のすすめから頼子はアンナを環境の良い所でしばらく療養させることにした。
札幌から電車に乗ってやってきた港町の入り江で見覚えのある古い屋敷を見つける。「湿っ地屋敷」と呼ばれるその屋敷はアンナの夢にも現れる。
ある夜ボートを漕いで「湿っ地屋敷」に出かける。そこで金髪のマーニー(有村架純)と言う女の子と出会い仲良くなってゆく。アンナはマーニーといつも楽しく遊ぶ。そして彼女の前では心を開き、感情を表に出すようになる。
廃墟だった「湿っ地屋敷」に住むマーニーとはいったい何者なんだろーか、実在の人物かそれともアンナの想像の中の少女か?詳しい記事は「思い出のマーニー」を見てね。
第13位 ヒューゴの不思議な発明
2012年日本公開のイギリス・アメリカ合作のファンタジードラマ
監督 マーティン・スコセッシ(タクシードライバー、レイジング・ブル、グッドフェローズ、ギャング・オブ・ニューヨーク、ディパーテッド、ヒューゴの不思議な発明、沈黙-サイレンス-)
原作 ブライアン・セルズニック「ユゴーの不思議な発明」
出演 ●ベン・キングズレー(名探偵シャーロック・ホームズ/最後の冒険、ガンジー、シンドラーのリスト、エクソダス:神と王、ザ・ウォーク、アサイラム、ヒューゴの不思議な発明)
●エイサ・バターフィールド(ヒューゴの不思議な発明、エンダーのゲーム、ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち)
●クロエ・グレース・モレッツ(キック・アス、モールス、ヒューゴの不思議な発明、イコライザー)
第84回アカデミー賞11部門ノミネート、5部門受賞した傑作映画だ。製作費170億円、3D映画・・・話題の大作だったが興行収入は残念ながら伸びなかった・・・ガキんちょ映画と思われたのかな。
世の中には、こんな作品けっこうあるね。凄いのに何故かヒットしない。でもこの映画を一回見たら病み付きになる。映像の美しさに目を見張ると思うよ。
1930年代のパリ、モンパルナス駅の時計台に隠れて暮らすヒューゴ・カブレ(エイサ・バターフィールド)は亡き父の残した機械人形を組み立てることを心のよりどころにしていた。
彼は父の残した手帳を頼りに部品集めに精を出す。ところがおもちゃ屋で部品を盗もうとしていたとき店の主人ジョルジュ(ベン・キングズレー)に捕まって、手帳をとられてしまう。
ヒューゴはジョルジュの養女イザベル(クロエ・グレース・モレッツ)と仲良くなり、手帳を奪い返すことに協力してくれると言う。次の日ヒューゴはジョルジュの前でおもちゃ修理の腕前を見せる。彼の腕前は父に教わったものだ。
その腕前を見込まれてジョルジュの店に雇われる。ある時イザベルのペンダントにハート型の鍵がついているのを見つける。そしてこのカギを使って機械人形を完成させ動かしてみると、不思議な絵と「ジョルジュ・メリエス」のサインを書く。
ジョルジュ・メリエスとはジョルジュの苗字であり、人形が書いた絵はいったい何を示そうとしていたのか・・・。
第12位 レッド・タートル
2016年日本公開の日本・フランス・ベルギー合作のファンタジーアニメ映画
監督・脚本・原作 マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット(お坊さんと魚、岸辺のふたり、レッドタートルある島の物語)
製作 鈴木敏夫、ヴァンサン・マラヴァル他
音楽 ローラン・ペレス・デル・マール
スタジオジブリ作品(「思い出のマーニー」「かぐや姫の物語」「風立ちぬ」)
マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットが米国アカデミー賞短編アニメーション部門を受賞した「岸辺のふたり」だね。このアニメを観れば何となく彼の作風が伝わってくる。
「レッドタートル」は色々なものを全てこさぎ落としたシンプルなアニメだ。言葉でさえも省略している・・・説明も一切ない。映画の宣伝文句「どこから来たのか どこへ行くのか いのちは?」がヒントになるのか。
これだけいい作品なのにまったくもって人気が無い、この原因の一つに「子供が見ても寝てしまうだろうな」的な難解ストーリーだ。「孤高の作品」「芸術過ぎる作品」「観客との対話の少ない作品」「退屈な作品」・・・製作者側の自己満足に付き合えないと言う事だ。まあ、僕としては好きな作品なんだけどね。
この映画はセリフが無いからうるさくないし、また、音楽も映像も素晴らしい。この映画を見ながら是非お昼寝をしてください。僕も見終るまでに二回寝落ちしてしまった。でもDVDなら巻き戻せばいい。
男は一人無人島に取り残される。イカダを作り外界へと漕ぎ出るが途中で何者かにイカダが壊される。そこに赤い大きなウミガメが現われる。
男はこのウミガメがイカダを壊していると考え捕まえ殺してしまう。ところがウミガメは不思議なことに女に変身する。そして男はその女と暮らして行くのだが・・・。
第11位 アデライン、100年目の恋
2015年日本公開のアメリカ製作SF恋愛映画
監督 リー・トランド・クリーガー(アデライン、100年目の恋)
出演 ●ブレイク・ライヴリー(ゴシップガール、アデライン、100年目の恋、ロスト・バケーション、カフェ・ソサエティ)
●ミキール・ハースマン(ワールド・ウォーZ、アデライン、100年目の恋)
●ハリソン・フォード(スター・ウォーズシリーズ、ブレードランナー、インディ・ジョーンズシリーズ、ブレードランナー2049、パワー・ゲーム、アデライン)
●エレン・バースティン(エクソシスト、インターステラー、アデライン、100年目の恋)
誰しも長生きをしたいと考える。出来る事なら29才の若さで永遠に生きられれば最高だなんて思うけど、もし娘がいれば、娘が自分より年老いて先に亡くなってしまう・・・考え物だね。
アデライン(ブレイク・ライヴリー)は交通事故によって冷たい川に転落し、呼吸も心臓も止まってしまう。ところがそこに稲妻が落ち、この電気ショックによって彼女は息を吹き返す。
偶然にも、2035年にフォン・レーマン博士が発見すると考えられる理論「DNAの電子圧縮論」によって彼女の細胞は時間による破壊作用をうけなくなってしまう。
彼女は29才の若さで永遠に生き続ける。彼女はこのため、各地を転々とし、偽造パスポートもいくつか持っている。恋も長続きしない。
彼女はニューイヤーパーティでエリス(ミキール・ハースマン)と言う青年と会い、恋に落ちる。エリスは両親に合わせたいと家に連れてゆく。そこには何と、昔愛し結婚まで考えたウィリアム(ハリソン・フォード)が彼の父親だった。
ウィリアムは年老いていたが、アデラインを見て心臓が止まるほどびっくりする。アデラインはとっさに母がお世話になったかも知れないと嘘をつく。ところがその嘘がばれることになる、その時彼女は・・・・。詳しいレビューは「アデライン、100年目の恋」を見てね。
第10位 リトルプリンス 星の王子さまと私
2015年日本公開のフランス・イタリア合作ファンタジー アニメ映画
監督 マーク・オズボーン(リトルプリンス 星の王子さまと私)
原作 アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ「星の王子さま」
声の出演 ●津川雅彦(飛行士)
●鈴木梨央(女の子)
●瀬戸朝香(お母さん)
●池田優斗(星の王子)
●伊勢谷友介(キツネ)
●竹野内豊(ヘビ)
●滝川クリステル(バラ)
ガキんちょ映画だと侮ってはいけない。人生への貴重なアドバイスがぎっちり詰まった名作アニメ映画だ。子供はもちろん疲れたサラリーマンに是非見てほしい。
人生には「ゴールデンルート」或いは「幸せへの階段を登れ」と言う考え方がある。いい高校に入って勉強して一流大学に入る、そして一流会社に就職する流れだ。しかしちょっと待って欲しい、この流れが幸せにつながるとは限らない。それが人生の面白さだ。
9才の女の子が主役だ。彼女はお母さんと二人暮らしで、キャリアウーマンのお母さんは娘に勉強漬けの日々を送らせている。彼女の当面の課題は名門校の試験にパスすることだ。
ところがある日彼女は隣に住む、年老いた飛行士を知り仲良くなってゆく。彼は大昔に砂漠で出会った「星の王子さま」の話をする。彼女はその話の虜になる。
勉強に身が入らなくなるが、彼女は毎日生き生きとしてくる。そんな時、年老いた飛行士は病気で入院してしまう。女の子は意を決し「星の王子さま」に会いに行こうとする・・・。
詳しいレビューは「リトルプリンス 星の王子さまと私」を見てね。
第9位 007ゴールドフィンガー
1965年日本公開のイギリス・アメリカ合作の007シリーズ第3弾
監督 ガイ・ハミルトン(007ゴールドフィンガー、007ダイヤモンドは永遠に、クリスタル殺人事件)
原作 イアン・フレミング「ゴールドフィンガー」
出演 ●ショーン・コネリー(007シリーズ、薔薇の名前、アンタッチャブル、インディー・ジョーンズ、未来惑星ザルドス、オリエント急行殺人事件)
●オナー・ブラックマン(007ゴールドフィンガー、ブリジット・ジョーンズの日記)
●ゲルト・フレーベ(007ゴールドフィンガー、素晴らしきヒコーキ野郎、パリは燃えているか)
●シャーリー・イートン(007ゴールドフィンガー)
●ハロルド坂田(007ゴールドフィンガー)
「007ドクター・ノオ」「007ロシアより愛をこめて」に次いで3作目だ。当時は2作目が抜群によかったことから、この作品は大味な駄作だと言われてきた。
でも僕はこの駄作が大好きだ。ボンドガール プッシー・ガロア(オナー・ブラックマン)、得体の知れないゴールドフィンガー(ゲルト・フレーベ)、その用心棒オッドジョブ(ハロルド坂田)と俳優・怪優が揃っている。
それに、ボンドカー アストンマーティン、主題歌をシャーリー・バッシーが歌って大ヒットさせている。まさに007シリーズの基本になる映画だ。この映画をじっくり見て気分転換してほしい。
ゴールドフィンガーがスメルシュ(ソ連の秘密組織)と結託して金塊を密輸しようとしているとの情報が入ってきた。ジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)はこの調査に派遣される。
ところが「グランド・スラム計画」なるものが秘密裏に進行していることを知る。果たしてこの計画はどのようなものか、そしてボンドはその計画を阻止できるのか・・・。
ボンドガールが何人か出て来るがやはりオナー・ブラックマンの色気にはまいってしまうね。
第8位 言の葉の庭
2013年公開の日本アニメ映画
監督・脚本・原作 新海誠(ほしのこえ、雲のむこう、約束の場所、秒速5センチメートル、星を追う子ども、言の葉の庭、君の名は。)
声の出演 入野自由(秋月孝雄)
花澤香菜(雪野百香里)
46分の小作品だけど、何回も見たくなるほど心に響く。「言の葉」とは「言葉」のことだ。大昔では「和歌」を表していたらしい。
言葉(和歌)とは心を種にして葉が茂るように広がってゆくもの。梅雨の時期の雨のうっとうしさを爽快な気分に変えてくれる、心洗われる恋の物語だ。
雨の日の映像が実に美しい、「実写」なのか「アニメ」なのか新海誠監督らしいやさしい表現だ。疲れたらこの新海ワールドに浸って見るのも悪くない。
靴職人を目指している、高校生になる秋月孝雄は雨の日はいつも学校をサボって、庭園で靴のデザインを考えていた。
ある日、朝からビール飲んでいる雪野百香里と言う、どこかで見覚えのある女性を知る。こうして雨の日の午前中だけの交流が始まる。
雪野百香里は味覚障害を患っていた。孝雄は彼女の為に靴を作ってプレゼントしようと考えるのだが・・・。
第7位 ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日
2013年日本公開のアメリカ製作 ファンタジー冒険映画
監督 アン・リー(グリーン・デスティニー、ブロークバック・マウンテン、ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日)
原作 ヤン・マーテル「パイの物語」
出演 ●スラージ・シャルマ(ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日、HOMELAND)
●イルファーン・カーン(スラムドッグ$ミリオネア、ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日、インフェルノ)
●タッブー(その名にちなんで、ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日)
●レイフ・スポール(プロメテウス、ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日)
この作品は第85回アカデミー賞で11部門ノミネートされ、監督賞・作曲賞・撮影賞・視覚効果賞の4部門を獲得した凄い映画だ。120億円もかけ3Dで撮られている。
バツグンの映像の美しさに目を奪われるが、難解なドラマだ。僕はこの映画の良さがなかなか分からなかったがバックに宗教的なものがあると聞いてやや納得した。
この奥深いドラマをじっくり見てほしい、人生とは大海原へ一人で漕ぎ出すのに似ていると感じるだろう。優しいだけでは生きてゆけない、虎のような強い心を持つとことだ。
16才のパイ(スラージ・シャルマ)は父・母と植物園や動物園を経営しているが、国からの補助金をストップされカナダへ移住しようとしていた。動物たちを船に乗せ航海に出るが海難事故で船は沈んでしまう。
生存者はパイの他、虎のリチャード・パーカーとオランウータン、ハイエナ、シマウマだけだった。しかし脚をけがしたシマウマをハイエナが襲い、またオランウータンも殺される。そのハイエナも虎に殺される。
後に残ったパイと虎は一緒に海を漂い続ける。かなりの日にちが経ち、パイは少しずつ虎とコミュニケーションが取れるようになる。そして色々な経験を経ながら生きるすべを学ぶが果たして、無事に陸地にたどり着けることが出来るのか・・・。
第6位 夜は短し歩けよ乙女
2017年公開の長編アニメ映画
監督 湯浅政明(夜は短し歩けよ乙女、夜明け告げるルーのうた)
原作 森見登美彦 小説「夜は短し歩けよ乙女」
声の出演 ●星野源(先輩)
●花澤香菜(黒髪の乙女)
●神谷浩史(学園祭事務局長)
●秋山竜次(パンツ総番長)
●中井和哉(樋口師匠)
もの凄くシュールでクールなアニメだ。こんな異常なアニメを見ながら憂さ晴らしするのもいいかも知れない。主演の「先輩」を星野源がやっているが、なかなか声優もうまい。この人のマルチ才能には驚く、一つぐらい分けてほしいね。
「先輩」はノーテンキで無邪気な「黒髪の乙女」に恋い焦がれる(実は彼女は酒を飲ましたら底無しのウワバミらしい)。彼は偶然を装って「黒髪の乙女」に「またあったね」と出会いを画策するが、自分から思いを打ち明けられない。
今は学園祭の真っただ中だ。「先輩」の数少ない友人の「学園祭事務局長」と「パンツ総番長」が学園祭を取り仕切り、盛り上げようとするが・・・。
これら異常な登場人物にさらに訳の分からない「李白」「樋口清太郎」「羽貫涼子」「東堂さん」「千歳屋」が絡む、もう説明するより、アニメを見てもらった方がいい。
第5位 僕のワンダフル・ライフ
2017年日本公開のアメリカ製作 愛犬 輪廻転生映画
監督 ラッセ・ハルストレム(ショコラ、シッピング・ニュース、HACHI約束の犬、マダム・マロリーと魔法のスパイス、僕のワンダフル・ライフ)
原作 W・ブルース・キャメロン「野良犬トビーの愛すべき転生」
出演 ●デニス・クエイド(ライトスタッフ、エデンより彼方に、デイ・アフター・トゥモロー、僕のワンダフル・ライフ)
●ペギー・リプトン(ツイン・ピークス、ポストマン、僕のワンダフル・ライフ)
●K・J・アパ(僕のワンダフル・ライフ)
●ブリット・ロバートソン(トゥモローランド、僕のワンダフル・ライフ)
人生に疲れたら犬を飼うのもお薦めだ。でも餌やりとか散歩とか大変なら犬と触れ合うのもいい。街角で犬を散歩させている人がいたら愛犬に触れさせもらおう。
犬は愛情を持って接してくれる人は識別できるようだ。だから優しく頭を撫でてあげよう。また、犬・猫の映画を見るのも心が安らぐ、純真な犬を眺めていれば少しずつ心がほぐれて来る。
この映画は特にお薦めだ。「犬と人間の極上のラブストーリー」が映画のキャッチ・フレーズになっている。ドッグは哀しいときも嬉しいときもずうっとそばにいてくれる愛すべき生き物だ。
彼らは言葉をしゃべれないけど体中で喜怒哀楽を示してくれるそして人間なら誰にでも懐いてくれる。でもピタッと来る主人とめぐり合うことはなかなか難しい。
犬は何回も生まれ変わって最愛の主人のもとに現れる。イーサンと犬のベイリーは小さいころから仲の良い友達だ。でもベイリーは年老いて亡くなってしまう。そして何回も生まれ変わる。
ある時、初老になったイーサンを見つける。はたして自分がベイリーの生まれ変わりであることを分かってくれるだろうか。この映画では仔犬たちは僕ら人間を幸せにするためにこの世に生まれて来るとしている。そう考えると僕たちは愛犬に最上級の愛情を注がないといけないね。
第4位 キューポラのある街
1962年公開の青春ドラマ
監督 浦山桐郎(キューポラのある街、青春の門、夢千代日記)
原作 早船ちよ「キューポラのある街」
出演 ●吉永小百合(キューポラのある街、青春の門、おはん、北のカナリアたち、母と暮せば、北の桜守)
●東野英治郎(七人の侍、用心棒、キューポラのある街、白い巨塔)
●浜田光男(キューポラのある街、愛と死をみつめて、1リットルの涙)
このドラマで吉永小百合さんの若い頃のはつらつとした演技を見ていると元気が出る。当時、共産主義の映画だとか、北朝鮮帰国運動を肯定的に描いた映画とか色々な批判があったが、青春を描いた映画としては名作のひとつだ。
キューポラとは鉄の溶解炉のことで舞台は埼玉県川口市である。浦山桐郎監督のデビュー作でブルーリボン賞作品賞、主演女優賞などを獲得している。吉永小百合さんが大女優になる片鱗がうかがえる映画だ。
中学3年の石黒ジュン(吉永小百合)は鋳物職人 辰五郎(東野英治郎)の長女でしっかりものだ。父の辰五郎は短気でいつも会社ともめ、クビになっている。そのため家計は火の車だ。
ジュンは就学旅行に行くのも、高校進学も諦めている。でもパチンコ屋でのアルバイトや担任教師の助力があって就学旅行に行けることになった。ところが再就職が決まった辰五郎はまたクビになる。
ジュンは途方に暮れ、女友達と遊び歩き、危うく不良少年に乱暴されそうになる。ジュンは高校をあきらめ、就職する。そして働きながら自立して定時制高校で勉強することに生きがいをみいだして行く。
第3位 草原の輝き
1961年日本公開のアメリカ製作 青春悲恋映画
監督 エリア・カザン(欲望という名の電車、エデンの東、草原の輝き)
出演 ●ナタリー・ウッド(理由なき反抗、草原の輝き、ウエストサイド物語、ブレインストーム)
●ウォーレン・ベイティ(草原の輝き、俺たちに明日はない、天国から来たチャンピオン、レッズ、バグジー)
青春時代の愛と悲しみを描いた作品だ。監督は名匠エリア・カザン、主演は若くして亡くなってしまったナタリー・ウッド、そしてこの映画でデビューしスター階段を駆け上って行くウォーレン・ベイティが出演している。
青春のほろ苦い出来事は誰でも持っていると思うが、たまにはこんなドラマを見るのも面白い。題名になっている「草原の輝き」はワーズワースの詩から取られている。
1928年のカンサス、高校3年のバッド(ウォーレン・ベイティ)とディーニー(ナタリー・ウッド)は恋人同士だ。でもディーニーの母親は厳格な女性で、軽はずみな行いをしないようにと教育を受けている。
バッドの父親は大金持ちの石油業者だが家庭では暴君のようにふるまう。バッドは自分の愛を受け止めてくれないディーニーに不満をもっている。ある日、バッドは同級生のファニタの色気に負けて関係を持ってしまう。
それを知ったディーニーは川に飛び込み自殺を図る。バッドに助けられるが、それいらい二人の歯車はかみ合わず、運命に翻弄されてゆく。
いい映画なんだけど、主演の二人は実生活では名うてのプレイボーイとプレイガールなんだ。だから映画はえいがとして現実と割り切って考えないといないね。
第2位 ローマの休日
1954年日本公開のアメリカ製作ロマンス映画
監督 ウィリアム・ワイラー(ローマの休日、ベン・ハー、コレクター、おしゃれ泥棒)
出演 ●グレゴリー・ペック(ローマの休日、アラバマ物語、マッケンナの黄金、オーメン)
●オードリー・ヘプバーン(ローマの休日、ティファニーで朝食を、マイ・フェア・レディ、暗くなるまで待って)
●エディ・アルバート(ローマの休日、史上最大の作戦)
彼女の黒い瞳と黒髪、そしてきゃしゃな体、「ローマの休日」で日本中のファンを虜にしてしまった。彼女は1993年に63歳の若さで亡くなっている。でも今だに人気は衰えない。
「ローマの休日」は彼女の24歳の時の作品で、相手役のグレゴリー・ペックは37歳だ。新人女優だった彼女はこの作品でアカデミー賞最優秀主演女優賞を獲得してスター階段を上って行く。光り輝いている彼女を見て気分転換することをお薦めする。白黒だって、古い映画だって、いいものはいいんだね。
某国のアン王女(オードリー・ヘプバーン)はヨーロッパ歴訪の疲れから、密かに城を抜け出しベンチで眠り込んでしまう。そこにアメリカ人の新聞記者ジョー・ブラッドレー(グレゴリー・ペック)が通りかかる。
ジョーが女性を介抱するが、彼女は家までついてきてしまい、昼まで寝込んでしまう。ジョーはこの見慣れない女性がアン王女だと気付く。カメラマンのアーヴィング(エディ・アルバート)を呼んで、王女の極秘ローマ探検をスクープしようと考える。
アンはサンダルを履き、美容院で髪を短くし、広場でジェラートを食べる。そしてジョーとスクーターを相乗りし、ローマ中を散策する。アンは名所・旧跡を自由気ままに回り、ローマを満喫する。
そしてカメラマンのアーヴィングがその場面を写真に撮り、スクープ記事をものにしようとするのだが、アン王女とジョーの間には淡い恋が目覚め始める。果たして恋の行方は・・・。
第1位 グラン・ブルー
1988年日本公開のフランス・イタリア合作海洋冒険映画
監督・脚本 リュック・ベッソン(グラン・ブルー、ニキータ、レオン、フィフス・エレメント、LUCY/ルーシー、ヴァレリアン千の惑星の救世主)
出演 ●ロザンナ・アークエット(グラン・ブルー、パルプ・フィクション、デブラ・ウィンガーを探して)
●ジャン=マルク・バール(グラン・ブルー、ヨーロッパ、奇跡の海、ダンサー・イン・ザ・ダークドッグヴィル)
●ジャン・レノ(グラン・ブルー、レオン、ミッション:インポッシブル、クリムゾン・リバー、ダ・ヴィンチコード)
心を癒すにはやっぱり海の底だね。この映画は透き通った海の底とそこで戯れるイルカの群れが美しい。海洋冒険家ジャック・マイヨールの世界だ。彼は「人」に間違えて生まれてきたイルカだ。
海の底は「音もなく、重力も無く、悲劇もない」世界。彼は「海底はつらい、上がってくる理由が見つからないからだ」そして「深く水に潜れば、深すぎてブルーは消え青空も思い出となる」と詩的な言葉を述べている。
リック・セラの音楽を聞きながら、このリュック・ベッソンの世界をじっくり冒険してほしい、心が透き通ってくるような気がする。
イタリア人のフリーダイバー エンゾ・モリーナ(ジャン・レノ)はある男を探していた。その男はペルー・アンデス山脈の高地にいた。彼の名はジャック・マイヨール(ジャン=マルク・バール)、氷結した湖に酸素ボンベもなく一人潜って行く。
ニューヨークの保険調査員ジョアンナ・ベイカー(ロザンナ・アークエット)はこの辺ぴな場所で彼に会い惹かれる。シチリア島のタオルミナで行われるフリーダイビングのコンテストにジャック、エンゾ、ジョアンナが再会する。
エンゾはこのコンテストの記録保持者だ。彼の記録をジャックは破る。そしてこの3人には不思議な運命が待ち構えていた・・・。
まとめ
気に入った映画は見つかりましたか。最後はやっぱり海の中に行きつくのが面白いね。誰しも海の中は気が休まるし、楽しい。酸素ボンベを背負って一度泳いでみたいものだ。
今回載せなかったけど、この他にもいろいろな映画がある。コメディでもいいしSFだって面白い。少し前に見た映画だけど「ブレードランナー2049」なんかも近未来の世界を見せてくれて刺激を受ける。果たしてこんな未来が待ち受けているのか気になる。
そしてアクション映画も気分転換にはお薦めだ「ワンダーウーマン」「ジャスティス・リーグ」何かがいいかもしれない。
最近話題になっている映画「ボブと言う名の猫 幸せのハイタッチ」なんか可愛らしい猫が出てきて癒される。ジェームズ・ボーエンの150万部を超えるベストセラーの映画化だ。茶トラの猫が凄く可愛いからお薦めだ。
動物の映画は癒される。彼らは人間と違って純粋に生きているからね。ああ、そうそう、最近大人気の「ボス・ベイビー」これは絶対お薦めだ。お腹がよじれるほど面白いよ。
なかなか難しいけど、人生を自然体で生きてみるのはどうだろうか。家族と緑に囲まれてのんびり暮らす。そこには欲望や妬みなどストレスになる煩わしいものはない。若い人には難しいかもしれないが「清貧」に生きてみるのもアリだね。映画「モリのいる場所」が参考になる。「心温まる日本映画ベストテン」もいいよ。
映画の映像を頭に浮かべながら映画音楽を聴くのも面白い。「魅惑の映画音楽ベスト30」なんかどうだろうか。
TATSUTATSU
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