サマリー
2014年公開のアメリカサスペンス映画、監督はロバート・ルケティック、出演はリアム・ヘムズワース(ハンガー・ゲームシリーズ)、ゲイリー・オールドマン(裏切りのサーカス、ロボコップ、猿の惑星:新世紀、ドラキュラ)、アンバー・ハード(ラム・ダイアリー)、ハリソン・フォード(スター・ウォーズシリーズ、ブレードランナー、インディ・ジョーンズシリーズ、アデライン)である。
原作はジョゼフ・フィンダーの「侵入社員」で、巨大IT企業の熾烈な技術競争において、産業スパイにされた青年の苦悩と恋愛、友情をスタイリッシュに描いたドラマである。これだけ凄い俳優を揃えているのに、ドラマは冴えないどころがつまらない。
主演のリアム・ヘムズワースは身長191センチメートルの大男で、とてもIT業界のインテリには見えない(頭を使うより肉体派俳優の方が向いている)、またストーリーも平凡で、大企業のCEO達が若者をダマしたつもりが、逆に若者に仕組まれてFBIに捕まってしまう。
大企業のCEOが自らこんな危ない橋を渡るはずもないし、IT技術が欲しければ技術者を高額でヘッドハンティングすればいいだけの話である。現実味が薄いのでサスペンス映画と言うよりは、青春恋愛映画として観た方がいいと思う。
ライバル会社同士のカリスマCEOをハリソン・フォードとゲイリー・オールドマンが演じているのが見どころくらいかな、やはりもっとストーリーをひねって欲しかったね。ああそうそう、リチャード・ドレイファス(未知との遭遇、スタンド・バイ・ミー)も出ているね。
ストーリー
ストーリーを紹介すると、アダム(リアム・ヘムズワース)は巨大IT企業「ワイアット社」に勤める技術者であったが、なかなか目が出ず、自分への苛立ちのあまり、会社の経費を私的に使ってしまう。
このことが会社のCEOワイアット(ゲイリー・オールドマン)に知れることとなり、首を覚悟するが、彼はワイアットから極秘の仕事を依頼される。
その仕事の内容とは、ライバル企業「アイコン社」に入社し、新製品の情報を盗みだせというものであった。彼は仕方なくワイアットに従う。
アダムはうまく「アイコン社」に入社し、幹部社員のエマ(アンバー・ハード)に近づき恋愛関係となる。彼女のIDを盗み企業情報を入手してワイアットに流す。
また、アダムが開発したIT技術が、CEOのゴダード(ハリソン・フォード)の目に留まり、幹部への道が約束される。
ワイアットの話によると、彼はかつてゴダードを師と仰ぎ二人でコンビを組んでIT業界を席巻してきた。ところがゴダードは自分の地位がワイアットに脅かされるとみるや、彼を会社から追い出してしまった。
ワイアットは自分で会社を立ち上げ、「アイコン社」を追い上げるほどに成長している。そして「アイコン社」つまりゴダードに大きなダメージを与えようとしていた。
ワイアットはアダムが入手してくる情報には満足せず新製品スマートフォン「オキュラ」の情報を入手できなければ、お前を殺すと脅す。アダムは窮地に立たされる、果たしてどうなるのか、この後は映画を観て欲しい。
ネタバレ
アダムは仕事を理由に夜間の「アイコン社」に出社する。そして停電を装い監視カメラの目をかいくぐり、最も警備の厳しい、情報保管庫に侵入する。
そして新製品のスマートフォン「オキュラ」を盗もうとしたところに、突然ゴダードが現れる。すべて彼の仕組んだワナだったのだ。
そしてアダムに向かって、ゴダードはワイアットに「明日私の所に来い」と伝えろと本社ビルから追い出す。アダムはワイアットの秘書がゴダードとつながっているのではないかとピンとくる。
ゴダードが出した条件とは、「ワイアット社」の株をすべて半値で私によこせと言うものであった。つまり彼は「ワイアット社」を乗っ取るつもりであった。彼はワイアットの作ったプロセッサーが欲しかったのである。
ワイアットは刑務所に入るよりましだと、しぶしぶ書類にサインする。この一部始終をFBIが盗聴していた、アダムはFBIと手を組んでいたのである。
結局、ゴダード、ワイアット、アダムはインサイダー取引、産業スパイ、司法妨害などの罪で刑務所送りとなる。アダムは運よくFBIに情報提供したことによって、執行猶予となる。
彼は父の教えの通り、時間はかかるが会社を立ち上げ地道な仕事に励んでいた。そんなところにエマが現れ、彼はエマとよりを戻す。
レビュー
新聞でも、よくインサイダー取引や産業スパイの記事が載っている。IT業界は日進月歩だが、競争が非常に激しい、また特許紛争やヘッドハンティングも多い。
本来地道な作業をコツコツ積み上げる企業が成功してほしいが、でも今はそんな時代じゃないね、巨大資本・巨大ネットワークつまりパワーを持った会社が勝ち続け、それ以外は全て下請け企業になってしまうのかな。
この映画ではゲイリー・オールドマンやハリソン・フォードが腹黒く冷酷なCEOを演じているが、巨大企業を引っ張って行くには、きれいごとばかり言ってはいられないね・・・・・ただここまで冷酷ではないだろうがね。
辰々
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