SF

映画「ワンダーウーマン」感想・評価‐ゼウスの娘として覚醒してゆくドラマだ


サマリー

2017年8月日本公開のアメリカ製作アメコミ スーパーヒーロー映画
監督 パティ・ジェンキンス(モンスター、ワンダーウーマン、ワンダーウーマン2)
出演 ●ガル・ガドット(ワイルド・スピードシリーズ、バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生ワンダーウーマン
●クリス・パイン(スター・トレックシリーズ、エージェント:ライアンワンダーウーマン
●ロビン・ライト(ドラゴン・タトゥーの女コングレス未来学会議誰よりも狙われた男エベレスト3D、ブレードランナー2049、ワンダーウーマン
●ダニー・ヒューストン(21グラム、ナイロビの蜂、トゥモロー・ワールド、ワンダーウーマン)
●デヴィッド・シューリス(ハリー・ポッターシリーズ、キングダム・オブ・ヘブンオーメン、ワンダーウーマン)
●コニー・ニールセン(グラディエーター、ワンダーウーマン)
●エレナ・アナヤ(ワンダーウーマン)

映画『ワンダー・ウーマン』日本版予告編2

昨日カミさんと観に行ってきました。女性監督映画とは思えないアクションの連続で141分間、あっという間に過ぎちゃいました。もちろん女性独特の感受性の細やかさやユーモアセンスも感じられてスーパーヒーロー映画としてこれだけヒットした理由が分かった・・・彼女の圧倒的な強さだ。

是非お薦めだ。恋人同士や家族連れで見るのもオーケーだね・・・楽しいこと請け合いだ。一人の女性の活躍によって戦争が終結する・・・弱弱しい男たちをしり目にガンガン敵陣に攻め入る彼女は幸運の女神だ。男たちがあとへとつづく。

ワンダーウーマンのダイアナ(ガル・ガドット)はゼウスの娘なんだ、だから神だ。そして宿敵のアレス(戦いの神)もゼウスの息子だ。お互い兄弟同士で戦うことになる。彼女は何のためにこの世に遣わされてきたのか・・・これがこの映画のテーマだと思う。

彼女は生まれて初めて見る男スティーブ(クリス・パイン)を気づかないうちに愛してしまう。結末は涙を誘う、結局ダイアナは「愛」によって覚醒し、自分でも信じられないパワーを放出する。

時代背景は第一次世界大戦が終盤を迎える1918年だ。現代から100年前の出来事だが神であるダイアナは年を取らない。やっと入手できた大昔の写真を見て、昔愛した男を思い出す。100年前の彼女は気の強い思春期の少女のようだった、でも今では思慮深い女性になっている。この物語はほろ苦い彼女の記憶のドラマだ。

少し物語のスジを紹介すると、女性だけのアマゾン族が暮らす外界から隔てられた島セミッシラ。ダイアナは王女ヒッポリタ(コニー・ニールセン)の娘として逞しく成長する。日ごろから島でナンバーワンの戦士アンティオペ将軍(ロビン・ライト)の手ほどきを受け、めきめきと強くなる。

ある日、島の近くに墜落してきた飛行機のパイロットを救う。彼はアメリカ軍のスティーブ・トレバー大尉(クリス・パイン)でイギリスで諜報活動している。彼がドイツ軍に侵入することによって戦争の鍵を握る機密情報を入手していた。

 

彼を追ってドイツ軍が島に現れるがアマゾンの女性戦士によって撃退される。スティーブはダイアナに外界では戦争によって多くの人々が亡くなっている、早く戦争を終結させなければならないと訴える。彼女は戦いの神アレスが復活し人間を操って戦争を起こしていると考える。

彼女は神をも殺すことが出来る妖剣ゴッドキラーと盾を持ち、ヘスティアの縄(真実の投げ縄)を携帯してスティーブと島の外へと漕ぎ出す。母親の王女ヒッポリタはこれがダイアナの使命であることを悟っていた。

スティーブとダイアナはロンドンに到着する。彼女の戦士の服は目立ちすぎるから、まず服を購入することから始める。ダイアナは見るものが全て目新しく好奇心が尽きない、アイスクリームなんかも食べてしまう。

スティーブはドイツの冷酷なルーデンドルフ総督(ダニー・ヒューストン)がイザベル・マル博士(エレナ・アナヤ)に開発させた毒ガスの処方箋が書かれた貴重なノートを持っていた。これを軍隊の作戦会議に持ち込むが、今は対話による休戦交渉をすべきとの意見が大勢を占めていた。

このまま毒ガス爆弾が使用されてしまえば多くの人々が犠牲となると考えたスティーブはダイアナや彼の仲間と独自に行動する決心を固める。彼は潜入の達人サミーア(サイード・タグマウイ)、狙撃手のチャーリー(ユエン・ブレムナー)、密輸業の酋長(ユージン・ブレイブ・ロック)を仲間に入れる。

さらに議会のリーダー パトリック・モーガン卿(デヴィッド・シューリス)が資金を援助してくれると言う。状況は整った、彼らはドイツ軍の毒ガス工場に向かって前線の軍隊とともに進軍する。その先には彼らを待ち受ける予想もしない出来事が待っていた・・・。

その後のストーリーとネタバレ

ここから先は、映画を見てから読んで欲しい。結末が分かっては魅力が半減するからね。

スティーブはダイアナと彼の同士たちと前線に向かう。そこではドイツ軍と連合軍が激しい火花を散らし、一歩も前に進めない。そんな状況を見たダイアナは一人で塹壕を抜け出し、敵陣へと突っ走る。

スティーブは慌ててダイアナを追う、それとともに連合軍も後に続く。戦況は連合軍に有利に働く、高い塔の狙撃兵へは盾を踏み台代わりにして大ジャンプで塔を攻略する。ドイツ軍の占領下にあった村は解放される。ダイアナはみんなにとって女神だ、仲間が集まって戦勝記念の写真を撮る(この写真が冒頭に出て来る100年前のアンティークとして彼女が探していた物だ)。

村は解放された喜びに満ち溢れ、かがり火を焚いてダンスを踊る。スティーブはダイアナを誘ってダンスを踊る、その時雪が降ってくる・・・彼女が生まれて初めて見る雪だ。

ダイアナはスティーブに「あなたの望みは何なの」と聞く。彼は「好きな女性と一夜を共にして朝食を一緒に食べる事だ」と言う。彼女は微笑み彼と建物に入って行く・・・。

次の朝、彼らはドイツ軍の軍服を着て、森の奥深く、敵の占領地へと向かう。そこでは将校を集めた晩さん会が開かれようとしていた。スティーブは情報を得る為そこに潜入する。ところがルーデンドルフ総督を殺そうとダイアナが突然入ってくる。慌てたスティーブは彼女をつかみ、そこから退散する。

工場ではイザベル・マル博士が開発した毒ガスが急ピッチで生産されていた。彼らはテストと称して、連合軍に奪還された村に向かって撃ちこむ、白煙に包まれた村は全滅する。

怒ったダイアナはドイツ軍の工場に乗り込みルーデンドルフ総督を殺そうとする。総督は特殊な強勢剤を吸い込み一時的に超人となるが、ダイアナのゴッドキラーに突き刺され死んでしまう。ところが総督に化けた戦いの神アレスを倒したものとばかり思っていたが何も起こらない・・・アレスは総督ではなかったのだ。

そこにモーガン卿が現われる。実は彼がアレスだったのだ、彼は総督やマル博士など多くの人々に悪巧みを吹き込み操っていたのだ。アレスはダイアナに向かって「欲深い人間を一緒に滅ぼそう、そして地球に平和をもたらそう」と提案する。

しかしダイアナはそんな話に耳を傾ける事など出来ない、アレスに戦いを挑む。ゴッドキラーをアレスに突き立てるが全く効き目がない、傷一つつけることが出来ない。それでも彼女はアレスに挑み続けるが歯が立たない。

毒ガス弾を積んだ大型輸送機が離陸しようとしていた。スティーブはダイアナに近寄り、形見の時計を預け、何やら叫ぶと輸送機に向かう。彼は輸送機を乗っ取ると上空に舞い上がる。毒ガスは可燃性ガスだ、彼は覚悟を決めると拳銃でガス弾を撃ち、大空で自爆する。

それを地上から見ていたダイアナはスティーブが最後に言った言葉「愛してる」が心に突き刺さる。彼女は真実の愛を知って覚醒する。そして彼女は自分自身を光の剣に変えアレスを貫く。ゴッドキラーと呼ばれるのは剣ではなく彼女自身であったのだ・・・。

これによって人々の心からアレスの悪巧みが消え、戦う意欲が消し飛ぶ・・・そしてすぐに戦争は集結する。100年後彼女はルーブル美術館で仕事をしていた。彼女は昔懐かしいスティーブの写真を見る。

レビュー

ワンダーウーマンは他のスーパーヒーローと比べて影が薄かったけど、この映画でかなり株が上がったようだ。それにヒロインを演じたガル・ガドット人気も急上昇している。彼女はイスラエル出身で黒髪と黒い瞳が美しい、もう少し小柄であれば日本人好みかも知れない。

そして彼女の恋人役のクリス・パインがこれまたいい役を演じたなあ。最後のほろっとさせるシーンで女性ファンのハートをワシ掴みにした。スタートレックシリーズでは冷静沈着なカーク船長もワンダーウーマンにほんろうされて形無しだね。

パティ・ジェンキンス監督でワンダーウーマン2も予定されているようで、次回作も楽しみだ。

TATSUTATSU

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