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ハリウッド実写版「ゴースト・イン・ザ・シェル」感想・評価‐オオコケに終わってしまった残念


サマリー

2017年4月日本公開のアメリカ サイバーサスペンス映画
監督 ルパート・サンダース(スノーホワイト、ゴースト・イン・ザ・シェル
原作 士郎正宗「攻殻機動隊」
出演 ●スカーレット・ヨハンソン(her/世界でひとつの彼女アンダー・ザ・スキンシェフ 三ツ星フードトラック始めましたLUCY/ルーシーゴースト・イン・ザ・シェル
●ピルー・アスベック(LUCY/ルーシー、ゲーム・オブ・スローンズ、ゴースト・イン・ザ・シェル
●北野武(戦場のメリークリスマス、JM、ゴースト・イン・ザ・シェル
●ジュリエット・ビノシュ(存在の耐えられない軽さ、トリコロール/青の愛、ショコラGODZILLAゴジラゴースト・イン・ザ・シェル
●マイケル・ピット(ゴースト・イン・ザ・シェル
●チン・ハン(ダークナイト、コンテイジョン、ゴースト・イン・ザ・シェル

『ゴースト・イン・ザ・シェル』 本予告

今日、観に行ってまいりました。ウィークデイの昼下がりという事もあってじじいばかりだった。いかにじじいが僕も含めて暇なのかバレちゃってるけど、映画業界にとっては貢献していると思う。

映画の内容はコジンマリとまとまった感じで、期待したほどではなかった。ルパート・サンダース監督は押井守をリスペクトし過ぎているのか、アニメ版「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」の焼き直しになっちゃった・・・やや新鮮味不足だ。

このシリーズは世界中にファンがいるから結構プレッシャーがあったのかな、どうしても押井攻殻からはみ出せなかった、出来ればもっと冒険してほしかった。

シリーズ物として続編が決定されているのであれば、プロローグとしてはこれでもいいのかもしれないが・・・もし次回作を作るのであればいい意味で攻殻イメージをぶち破って欲しい。

電脳社会の世界観の広さ・深さ・混沌さをもっと表現してほしかった。また少佐が男どもをアゴでこき使うシーンが少なかった。今回、少佐は昔の恋人クゼ・ヒデオが出て来ることから女々しくなっちゃってた。

押井守は仮想現実社会、ネット社会を哲学的に難しく表現していたが、ルパート・サンダースはこれを分かり易く僕らに見せてくれた・・・でも逆にドラマの深みが半減した。

少佐(スカーレット・ヨハンソン)とバトー(ピルー・アスベック)はイメージ通りでぴったしだったね。でも荒巻大輔(北野武)、トグサ(チン・ハン)はアニメのイメージからずれてしまっている。特に北野さんはひど過ぎる、何を言ってるのかさっぱり聞き取れない。

少佐はミラ・キリアンと呼ばれていて、人間の脳を全身義体に移植出来た最初の成功例になっている。埋め込まれた偽の記憶と本物の記憶が干渉しあって時々デジャブを見る。

映画を一言で言えば「少佐の自分探しの旅」だ。彼女は「人形使い」を追ってゆくうちにクゼと言う男に遭遇する。彼は電脳をハッキングして自由自在に人々を操る。そして多くの人達の意志をネットの海の中で統合し肉体は滅んでもサイバー空間で生きようとする。

クゼは少佐の過去を知っている。彼は自分たちをこんなめに合わせた関係者に復讐してゆく。少佐は昔、誰だったのか、恋人のように親近感を感じるクゼの正体とは・・・。

2070年の近未来の世界に浸るのも悪くない。IT・電脳化・義体化技術は今と比較して数段優れているが、町はごみごみして汚くユートピアとは言い難い・・・将来こんな世界が来るのでは。

攻殻機動隊をあまり知らない人には受けるかもしれない、でも熱狂的なファンにとっては物足らない。公安9課と悪人たちとの緊迫したバトルシーンがもっと見たかった。

少佐が娼婦(と思うんだけど)と戯れる。生身の女と自分の全身義体を見比べているようだ。彼女は自分が人間ではなくてロボットに近いと思い込んでいるのかな・・・不思議なシーンだ。

ストーリー

2069年人間の義体化技術は頂点を極め全身義体に人間の脳を移植することに成功する。この全身義体化された女性こそがミラ・キリアン(スカーレット・ヨハンソン)つまり公安9課(電脳テロを取り締まるエリート集団)の少佐である。

彼女を作ったのは軍需企業ハンカ・ロボテイックス社のオウレイ博士(ジュリエット・ビノシュ)だ。彼女から「あなたはテロリストの襲撃を受けた難民であり、脳だけが生き残った」「そのため脳を生かし全身義体にした。でも人間の魂(ゴースト)を持ったれっきとした人間だ」と言われた。

少佐は全身義体によって超人となる。そしてその秀でた能力ゆえに公安9課を引っ張る実質的なリーダーだ。公安9課の課長 荒巻(ビートたけし)は少佐の後ろ盾であり、その人脈は総理大臣に直結している。

公安9課は事前にハンカ・ロボテイックス社のオズモンド博士(マイケル・ウィンコット)がテロ集団に狙われるとの情報を掴んでいた。少佐が現場に踏み込みテロリストを全員射殺したが、時すでに遅く博士は殺され、しかも芸者ロボットによって電脳をハッキングされていた。

ハンカ・ロボテイックス社の研究者がその他にも3人電脳をハッキングされ、それらを調査すると「クゼ(マイケル・ピット)」と名乗る犯人が浮かび上がってくる。彼は少佐に「ハンカと組めば破滅する」とメッセージを残していた。

軍のカッター長官(ピーター・フェルディナンド)は荒巻に「クゼを見つけろ」と命令する。少佐は危険だが芸者ロボットの電脳にアクセスし、ロボットを再プログラムしたあるクラブを特定する。

そのやくざが経営するクラブに踏み込むと事前に情報が漏れていたのか銃撃戦となる。クラブを制圧したかに見えたその時、少佐とバトー(ピルー・アスベック)は爆弾の破裂によって大ケガを負う。

バトーは目をやられ高性能義眼となる。少佐の体は損傷が激しく、損傷個所を新しいパーツに交換する。少佐は犠牲となったハンカの研究者の電脳を調べてゆくと「プロジェクト2571」の存在に突き当たる。

そしてこのプロジェクトの関係者が「クゼ」によって抹殺させられていた。次の標的はオウレイ博士だった。果たしてオウレイ博士も殺されてしまうのか。そして「プロジェクト2571」とは、「クゼ」の正体とは・・・映画を見る人はここまでだ。後は映画を見てからよんでね。

ネタバレとレビュー

オウレイ博士の乗った車はトラックに衝突され、危うく彼女が殺されかけた時、駆け付けた公安9課のメンバーに助けられる。

実行犯をとらえたが、この男も「人形使い=クゼ」に操られ偽の記憶を植え付けられていた。男を尋問している時、電脳に「クゼ」が乗り移ってきた。

これを逆探知し、クゼの居場所が特定出来た。少佐はその場所に急ぐ、しかしそれはワナだった。少佐はクゼと名乗る男に捕えられてしまう。

しかしクゼは少佐を殺そうとはせず、驚愕の事実を彼女に告げる。かつて少佐もクゼも反テクノロジー運動の同士だったのだ(しかも恋人同士だったらしい)。

彼らは軍に捕えられ「プロジェクト2571」の被験者にされてしまったのだ。つまりこのプロジェクトは人間を義体化して超人的兵士を作り出すことを目的にしていた。

クゼはその失敗例だ、廃棄されるところを逃げ出し、プロジェクトの関係者に復讐しようとしていた。少佐は成功例であるが、偽の記憶を植え付けられ今日に至っている。

クゼはその場から立ち去る。解放された少佐はオウレイ博士を問い詰める。「クゼの言ったことは真実なのか、私は被験者として何番目なのか」と・・・。

オウレイ博士は真実を話し始め、「あなたの前に98人の被験者がいた」と言う・・・少佐はいったい自分は誰だったのかと自分に問う。

カッター長官は秘密を知った少佐を「処分しろ」とオウレイ博士に命じる。ところが博士は自分の身を犠牲にして少佐を逃がす。オウレイ博士はカッター長官に撃ち殺される。

少佐はよみがえりつつある自分の記憶を手繰り寄せながらあるアパートに行く。アパートのある一室にはハイリ(桃井かおり)と言う老婦人が居た。

彼女の娘は素子と言い、失踪してもう死んでいるような口ぶりだったが、少佐を見て涙を流す。少佐も胸が熱くなりその場をあとにする。

過去の記憶が戻ってきた少佐はクゼ達と暮らしていた場所に立ち寄る。そこにはクゼが居て、彼が言ったことは真実であった。

そんな時、カッターに彼らの居場所は知られていた。彼らを抹殺するため多脚戦車と戦闘機を送り込む。多脚戦車は圧倒的な殺傷力で少佐を襲う。少佐は建物の柱の陰に隠れるが撃ち込まれた小型ミサイルによって破壊される。

戦車は次にクゼの頭を掴み握りつぶそうとする。ところが爆破されたと思っていた少佐が戦車のハッチに取り付きこじ開けようとする。

彼女の体と腕はこじ開けようとする力に耐え兼ね腕や背中の筋肉組織が破断しかかる。ハッチを開いた少佐の腕は引きちぎれるが、戦車の動きを止めることが出来た。

横たわったクゼは少佐に向かって「今からネットの海にダイブしそこで生きていくが、一緒に行くか」と問いかける。少佐は「まだこの世界に残る」と言う。

その時上空の戦闘機から放たれた銃弾によってクゼの頭部は破壊される。少佐も狙われたが公安9課のメンバーによって戦闘機は撃ち落とされる。

そして少佐のもとにバトーが駆け付ける。荒巻は総理の許可を得てカッターを拘束する。それからしばらくして少佐は草薙素子の墓を訪れる・・・そこにはハイリがいた。

全体を通してみると、この映画は押井守監督の第一作目「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」のリメイクだ。違うところと言えば「人形使い」がクゼに代わっているくらいだ。でも丁寧に作っている点は好感が持てる。

1982年に映画「ブレードランナー」が発表され、サイバーパンクの時代が到来する。1986年にはウィリアム・ギブスンによるSF小説「ニューロマンサー」が出てきて、1999年の映画「マトリックス」へとつながる。

この間の1995年に押井守監督によって士郎正宗原作の「攻殻機動隊」がアニメ映画化された。電脳が繋がるサイバー空間、ゴースト(人間の魂)、義体化、電脳のハッキングなどが斬新で「マトリックス」へも影響を与えたと思う。

でも今では次から次へと凄い映画が出てきて、ありきたりのCGやワイヤーアクションでは驚かなくなってしまった。この映画では100億円以上の製作費がかかっているけど、アメリカでの人気が今一らしい。

僕が考えるに少佐の凄さや、公安9課のメンバーの凄さがうまく描かれていない、それに悪役としてのクゼが弱すぎる。全世界を揺るがすような強力な敵に向かって、公安9課が立ち向かってゆくようなストーリーが欲しかった。

もし、次回作が作られるようなことがあれば公安9課と強力な悪の組織との総力戦を描いてほしい。少佐がエスパー的能力を発揮して部下の大男どもをこき使うシーンが是非見たい。

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TATSUTATSU

 

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