サマリー
007の記念すべき第一作だ。50年以上前のこの作品でジェームズ・ボンド映画の原型が全て形作られ、今日に至るまで継承されている、凄いことだ。(僕はまだガキんちょだった。)
テーマ曲、ボンドキャラクター、ボンドのファッション、ボンドガール、悪の秘密結社(無気味なボス)、そして銃口にボンドが現れるオープニングシーンなどなど、最初はゼロから作り上げるのに苦労しただろうね。
ただ今見ると、残念ながら最新作「スペクター」なんかと比較して少々チャチな感じがするのは時の流れのせいで仕方ない。
1963年6月日本公開のイギリス・アメリカ合作のスパイ映画、監督はテレンス・ヤング(007ロシアより愛をこめて、007サンダーボール作戦)、主演はショーン・コネリー(007シリーズ、薔薇の名前、アンタッチャブル、インディ・ジョーンズ)である。
原作はイアン・フレミング「007シリーズ」、日本公開時の邦題は「007は殺しの番号」、007のテーマ曲はジョン・バリーが担当(基本を作ったのはモンティ・ノーマン)した。
初代ボンドガールはウルスラ・アンドレス(カトマンズの男、レッド・サン)、公開当時はアーシュラ・アンドレスと言われていた。彼女は雑誌「プレイボーイ」でヌードになるなど、当時の若者にとっては「目の毒」だったらしい。
初代ボンドガールはハニー・ライダー役のウルスラ・アンドレス
この映画は当時のお金100万ドル程で作られたが、キューバ危機(米ソの全面核戦争への緊張状態、当時ソ連はキューバに核ミサイルを配備しようとしていた。)の影響もあって大ヒットした。
ドクター・ノオを演じたのは、カナダの俳優ジョセフ・ワイズマンで、両手が金属になった無気味で冷酷なボスを演じ大評判であった。これ以降出てくる冷酷なボスの原型になっている。
映画の舞台はジャマイカである、妨害電波を発して米国の月ロケット発射を失敗させようとの企みを察知したMI6(英国情報部)の諜報員が突然消息を絶つ。
殺人のライセンスを有する諜報員ジェームズ・ボンドがM(バーナード・リー:英国情報部の責任者)の命令によって派遣される。
彼はCIA(米国情報部)の協力を得て、妨害電波の発信元をドクター・ノオが所有する島「クラブ・キー」であると目星を付ける。
彼は協力者と「クラブ・キー」に潜入する、ここでたまたま貝殻を採取していた美しい娘ハニー・ライダーと知り合う。
ところが彼らはドクター・ノオに捕まってしまう。ドクター・ノオは原子力をエネルギー源とするアンテナを月ロケットに向け妨害電波を発信しようとしていた。
果たしてボンドは、月ロケットを墜落の危機から守ることが出来るのか、是非映画を観て頂きたい。
ストーリー
ストーリーを紹介すると、ジャマイカ駐在の英国諜報員ジョンとアシスタントのメアリーは3人の盲目を装った殺し屋に射殺される。
MI6本部では突然ジャマイカ支部からの通信が途絶えたことから不審に思い、責任者のMは殺しのライセンスを持つ007ジェームズ・ボンドを呼び寄せる。
彼はMの指示を受け、ジャマイカへ飛ぼうとするが、その前にMのアシスタント マネーペニー(ロイス・マクスウェル)といちゃつく。
ジャマイカに着いたところ、総督官邸からタクシーが迎えに来る。ボンドは極秘の任務なのにおかしいと感づき官邸に確認を取ったが、迎えを送っていないとの返答であった。
彼は茂みに車を止めさせ、誰だと運転手を問い詰める。運転手は反撃してきたが、ボンドは反撃をかわし彼を押さえつける、ところが運転手はスキをみて毒を飲み死んでしまう。
疾走した英国諜報員ジョンが最後に会ったのはデント教授(アンソニー・ドーソン)であった。ボンドはすぐに彼を訪問する。デント教授は何かを隠しているようだが、尻尾がつかめない。
ボンドはCIAのライター(ジャック・ロード)とその部下クォレル(ジョン・キッツミラー)に会う、ライターはアメリカは月ロケットの打ち上げでナーバスになっていると言う。
そして彼は妨害電波の出所として、中国人ドクター・ノオが所有する島「クラブ・キー」が怪しいが、見張りが厳しく上陸出来ないと言う。
ボンドはその夜恐ろしい毒蜘蛛に襲われる、デント教授が放ったものではないかと・・・・・・危うく難を逃れる。さらに車で出掛けた先で怪しげな車に追撃され、殺されそうになる・・・・・誰かが自分を殺そうとしている。
ボンドはクォレルを連れ、夜間密かにクラブ・キーに上陸する。この島で一夜を明かし、島を調べようとしたとき
貝殻を採取していた美しい娘ハニー・ライダーと知り合う。
彼女の父親はドクター・ノオに殺されたらしい、貝の調査でクラブ・キーに向かったまま行方不明となっている。
彼女は、この島が恐ろしい島とは気づいていたが、貝の採集に夢中になっているようだった。ところが島を見張る警備艇に見つかり、銃撃を受け彼らは必死に逃げる。
彼らは必死に逃げたが、クォレルは火炎放射器によって焼き殺され、残る二人はドクター・ノオに捕まってしまう。
ネタバレ
ボンドは岩に囲まれた個室に監禁される。しかし高圧電流の通った通気口を攻略し、ここから脱出に成功する。
彼は通気口から出て、放射能防御用スーツを着用し作業員に成りすます。そして妨害電波を発信する制御室に侵入する。
制御室のモニターには今まさにアメリカの月ロケットが打ち上げられようとしていた。そして妨害電波発信機が建屋から姿を現していた。
制御室にはドクター・ノオ博士他多数の作業員が働いていた。ボンドは原子力発電の冷却ポンプを止め、原子炉を制御できない様にしてしまう。
原子炉は発熱し水蒸気爆発寸前のレベルになる、そこにドクター・ノオが現れ死闘となる。ボンドは原子炉冷却用のプールにノオを突き落す、彼は鉄の手を持っているため這い上がれずプールの底に沈んでゆく。
ボンドはハニー・ライダーを見つけボートを奪い取って島を離れる。直後に島は大爆発を起こす。彼らを助けにCIAのライターが救助艇に乗って駆け付ける。
でもボンドとハニーにとっては余計なお世話だ、彼らはボートの中で抱き合ったまま、大海原をさまよう。
レビュー
007映画は紆余曲折あって、なかなか映画化が進まなかった。当初ボンド役には、ケイリー・グラントやロジャー・ムーア(三代目ボンド)などが候補に挙がっていたらしい、でもショーン・コネリーに白羽の矢を立てるなんて先見の明があったね。
冒頭にも書いたが、この一作で007全ての原型が出来上がったようだね、ただまだこの映画では、ボンドカーやQの秘密兵器はなかったけどね。
初代ボンドガールとしてウルスラ・アンドレスの出現が衝撃的だったね、しかも彼女のほかにもミス・マネーペニーを含めると5人の美女が出演している、今考えると豪華だったね。
ボンドのスーツの仕立ては素晴らしい彼の体にぴったりだ、そしてウォッカ・マティーニを飲みながらロンドンのカジノでトランプをやるこのシーンは結構よく出てくる・・・・・もう定番だね。
この映画に出演したM、ミス・マネーペニーはこれ以降レギュラーになった、でもQは次回作のデスモンド・リュウェリンが有名だね。
話しの流れ的には、アメリカの月ロケット打ち上げを阻止するドクター・ノオをやっつけるわけだが、CIAの活躍が影が薄いね・・・・MI6が深入れする必要もないと思っちゃうけど。
50年以上前だと日本もまだまだ貧しい時代だったが、こんな豪華な映画を観て、皆がボンドに憧れていたような気がするね。さらに次回作からもっともっと豪華になってゆく・・・・昔が懐かしいね。
僕が映画館で観たのが、ゴールドフィンガーからかな、当時は日本中凄い人気だったねー、次は「007ロシアより愛をこめて」でも観ようかな・・・・。
辰々
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