サマリー
2015年日本公開のイギリス・アメリカ・フランス・スウェーデン合作のサスペンス映画、監督・脚本はローワン・ジョフィ、主な俳優はニコール・キッドマン(アイズワイドシャット、めぐりあう時間たち、コールドマウンテン)、コリン・ファース(英国王のスピーチ、裏切りのサーカス、キングスマン)、マーク・ストロング(裏切りのサーカス、ゼロ・ダーク・サーティ、記憶探偵と鍵のかかった少女、イミテーション・ゲーム)である。
製作総指揮をリドリー・スコット(エイリアン、ブレードランナー、ブラック・レイン、ブラックホーク・ダウン、プロメテウス、キングダム・オブ・ヘブン、エクソダス、オデッセイ)が務めており、原作はS・J・ワトソンの「私が眠りにつく前に」である。
ある女性が朝目覚めると、隣りに見知らぬ男が眠っていた。その男は夫だと言う、そして彼女は10年前に交通事故で脳に損傷を受け、毎朝起きると前日までの記憶を失っているとのことであった。
また、自分には子供がいるのにどうしたのかと男に尋ねると、息子は既に病気で亡くなっていると言う。彼女は何故だか夫に対して、恐怖に近い違和感を感じる。
ある日彼女のもとに病院の主治医から、おかしな連絡が入る。数週間前から治療の一環として、彼女自身で毎日の映像をカメラ撮影し日記として残しているとのことである。しかもこのことは夫に秘密にされていた。
カメラの音声映像を見返したり、主治医の話を聞くと、彼女は暴漢に襲われ記憶障害になっていたとのことである。夫の話と食い違う、また夢の中に頬にキズのある男が現れたり、白日夢を見たりする。
彼女は自分の身に起きる様々な異常な出来事の原因をさぐろうと行動を起こす。
製作総指揮がリドリー・スコットであることと、豪華なベテラン出演者を並べていることから、これは面白いかなと思って観てみたが、残念ながら「はずれ」であった。
結局彼女の不倫が事の始まりで、結末がスルッとすべってしまっている。まあ、美人のニコール・キッドマンが出ているので目の保養の為に観るしかないね。
彼女は高額ギャラ女優だが、何故か彼女の主演作はあまりヒットしない・・・・・今回もジンクスが当たったようだね。
ストーリー
ストーリーを紹介すると、クリスティーン(ニコール・キッドマン)が目覚めると、隣りに見知らぬ男が眠っていた。また、寝室やバスルームだけでなく家全体も見覚えが無い。
見知らぬ男はベン(コリン・ファース)と名乗り、夫だと言う。彼の説明では彼女は10年前に自動車事故で記憶障害になり、朝起きると前日までの記憶を全くなくしてしまい、20代の記憶に戻ってしまうとの事であった。
彼女とは14年前に結婚し、今40歳である事も告げられる。そして壁のボードには彼女の個人的な事とか、一日のやるべきことが細かく書かれてあった。
夫ベンは近くの学校で教師をしており、毎朝出勤する。
そんな彼女に、ドクター ナッシュ(マーク・ストロング)と言う見知らぬ男から電話がはいる。彼は彼女の主治医で治療の一環として数週間前から日々の映像をカメラで撮り、保管しているとのことであった。
この治療は、夫のベンに内密に行われており、カメラの隠し場所はクローゼットの奥とのことであった。また、彼女の記憶障害は、暴漢に襲われた時に頭を強打されたことが原因で、夫の話しとの食い違いに呆然とする。
彼女は暴漢に襲われ瀕死の状態で、ある工業団地内で発見されていた。
ドクター ナッシュは論文執筆のために、ボランティアで彼女の治療に当たっていた。そして毎日彼女に電話し、治療を施していた。
彼は彼女が男にレイプされ血だらけで発見された場所を見せ事実を直視させることによって、彼女の記憶を呼び覚まそうとしていた。
ドクター ナッシュは彼女に色々な画像・写真を見せ、特に反応の大きかった物をピックアップした。その中に女性の写真があり「クレア」と名前が書かれてあった。
彼女はベンにクレア(アンヌ=マリー・ダフ)の事を聞いてみるが、彼は彼女のことを隠そうとしていた。クリスティーンはクレアの写真を見ることによって、昔の記憶が断片的ではあるがフラッシュバックのように甦る。
そして自分は妊娠し、子供を出産していた事を思い出す。学校から帰ってきたベンに彼女は自分の子供はどこにいるのと尋ねる。
彼は子供は病気で死んでしまったと言う、子供の名前はアダムで8才の時に、髄膜炎に罹って・・・・・。彼女は泣き崩れる。
彼女は悪夢を見る、夢の中で自分を襲った男の名前がマイクではないかとぼんやりと思い出す。
彼女はドクター ナッシュの治療中に、彼の名前がマイクであることを知り慌てて逃げる。彼は彼女を追いかけ鎮静剤を注射し、彼女を家に運ぶ。
彼は彼女に電話し、「あなたは僕を暴行犯だと勘違いしている」この現象は精神病患者によく見られる「作話」と言う現象で、自分の記憶の穴を埋めるために、自分に都合良い話を作ってしまうことだと説明する。
そして彼は彼女に「あなたは私を頼りにし過ぎるあまり、お互いに好意を持ってしまいそうだ」と言い「医者として失格だ、後任の医者を紹介する」とまで言う。
そしてドクター ナッシュはクレアの連絡先を教えてくれたばかりか、「君は4年前に離婚している」と告げられた・・・今一緒に住んでるいる男はいったい誰なのか。
クレアに連絡を取る、彼女は毎日あなたから連絡が入るのを待っていたと言う。そして天文台で会う約束をした。
彼女が言うには「あなたは別の男と浮気をしていた」、そして私がベンを慰めている内に彼と関係を持ってしまったと告白された。また帰り際に、ベンから長い間預かっていた手紙を手渡された。
手紙の内容は離婚した原因が書かれてあったが、ベンは今でも彼女を愛していると締めくくられていた。彼女はベンに今以上の愛情を感じた。
彼女は帰宅したベンにドクター ナッシュの治療のことや、クレアのことを全て話した。ところがベンは突然彼女に平手打ちをして部屋を出て行ったしまった。
このことを彼女はクレアに電話した、彼女がベンに連絡を取ったところ、この4年間クリスティーンに会ったことは無いとの返答であった。しかもベンの右頬にはスキーで怪我した傷跡があるとのことであった。
クレアはクリスティーンと暮らしている男は、ベンではないと結論付ける。
果たして彼女と暮らしている男は誰なのか、続きは映画を観て頂きたい。
ネタバレ
帰ってきたベンは彼女の不審な行動に感づく、彼女は家から逃げようとするが、ベンは彼女を後ろから羽交い絞めにして麻酔薬を嗅がせ眠らせる。
そして、いつもの朝を迎える、彼女は昨日の事を何も覚えていない。
ベンは何も知らないクリスティーンと今日は記念日だと言ってルネッサンス・ホテルへ行く。(彼女との不倫の記念日であることを後で知る。)
ホテルの部屋に入ると、彼は自分はマイクだと言い、嘘をつくのはもう飽き飽きしたと告白する。そして彼女の夫ベンはクリスティーンを置き去りにして逃げてしまったと。
後に残された彼女を引き取り、長い間守ってきたのは僕だと、君を本当に愛しているのは僕だけだと強い口調で話す。
突然フラッシュバックの様に彼女の記憶が戻る。このホテルはマイクとの不倫が始まった場所である。
彼女は遊びのつもりでマイクと付き合ったが、マイクは本気であった。彼はこのことを彼女の夫に電話で話すと言う、必死に止める彼女に暴力を振るい、その暴力が止まらなくなった。・・・・・・その結果彼女は重傷を負うことになる。
マイクは実は隠れたDV男であった。
クリスティーンは過去の記憶が戻り、部屋から逃げようとするがマイクに捕まり暴力を振るわれる。彼女は必死で逃げようとするが、マイクの暴力はエスカレートするばかりで、このままでは殺されると抵抗する。
そして近くにあったアイロンで彼の頭を強打し、ホテルの廊下へと逃げる。
彼女は病院に収容される、しばらくしてドクター ナッシュが現れ、元夫ベンと息子のアダムが見舞いに来ていることを告げる。
彼女はベンの話を聞き、近くに来たアダムを抱きしめる、そして涙を流す。
レビュー
結局、クリスティーンはマイクとの不倫によって身の破滅を招く。マイクが隠れたDV男であるのが誤算で彼に半殺しにされる。そして記憶障害を起こしたことによって、彼(加害者)と4年間も暮すことになる。
マイクとしては一人ぼっちの彼女を引き取って、4年間も面倒を見てきたのに、最後には裏切られたと言う感じだね・・・・・・・同情する部分も少しはあるな。
ストーリーにもっと身の凍るようなサスペンス要素を盛り込んで欲しかったね。何だか結末があまりにもつまらない。ハッピイエンドにこだわり過ぎたように感じる。
また最後に出て来た、もと夫ベンも何故だかさえない。こんな夫が亭主だったら浮気でもしたくなるかも知んないね。妻に浮気されても、女々しく今でも愛していると言っている・・・・・・・14年も経ってておかしいよね。
また彼女はドクター ナッシュとも危ない関係になって行く・・・・・・・彼女の本質は結構悪女かもしれないね。彼女の怖い悪女路線を強調した方が2転3転して面白かったかもしれない。
最後にくれぐれも浮気には注意しましょうね・・・・・・これがこの映画の教訓かな。
辰々
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