ヒューマンドラマ

映画「野球少女」感想・評価:天才野球少女は本当にプロ野球でやれるのか?

サマリー


★★★☆☆(お薦め)

2021年3月5日、日本公開の韓国熱血スポーツドラマ
監督・脚本 チェ・ユンテ
出演 ●イ・ジュヨン
●イ・ジュニョク
●ヨム・ヘラン
●ソン・ヨンギュ

映画『野球少女』予告編

 

134Kmの速球を投げる天才少女スイン(イ・ジュヨン)、彼女はリトルリーグから男子に混じって野球に打ち込んできた。小さい時には自分の方が数段うまかったのに高校生になって自分をはるかに追い越しプロ野球から誘われる幼馴染のジョンホ(クァク・ドンヨン)。

彼女の心境は複雑だ。でもプロに行くことは絶対諦めない。来る日も来る日もトライアウトを目指してグランドを走り続ける。そして筋力を鍛えスピードボールを投げようとする。でも見えない壁は厚い、絶望にさいなまれながらも前を向く。

女性で134Kmの速球を投げられるのはほとんどいない。でも男性に置き換えれば並以下の選手だ。男性では早ければ160Km以上の速球を投げられる。筋力が違うと言ってしまえばそれまでだが男と女の間には越えられない壁があるのも事実。

この物語にはプロを目指していたアン・ヒャンミ選手がモデルとのことだ。彼女でもプロの壁は厚い。プロ球団は勝ってなんぼの世界だ。華やかだがそれだけで女性を獲るわけには行かない。物凄く厳しい世界なのだ。

しかし、速球だけが通用するかと言えばそうとも言えない。「ナックル」という球種がある。スピードは105~110Kmと物凄く遅いがこれがなかなか打てない。

曲げた指の第一関節(Knuckle)部分でボールを握って球を突き出すように投げる。ボールはほぼ無回転になって打者のところで左右に揺れるように不規則に変化して落下する。日本では「ナックル姫」と呼ばれる吉田えりが有名だ。彼女は日本で初めてプロ野球選手になった女性だ(関西独立リーグ:神戸9クルーズ)。

スインはこの「ナックル」を使って、男たちに挑む・・・。彼女の「ナックル」を見たスカウトは興味を持つ。そしてプロレベルの打者を打席に立たせる。果たしてスインは本当にプロで通用するのか。

スインをバックアップするのは新任のコーチ、ジンテ(イ・ジュニョク)だ。彼はプロにあこがれプロにあと一歩まで近づいたが結局プロになれなかった男だ。プロ野球の厳しさを十分知っている。そんな彼はかつての自分をスインの中に見る。速球だけでは打者は抑え込めない、「ナックル」を組み合わせろと指導する。

スインの家は貧しい、ダメ亭主を抱え一家を支えるのは母(ヨム・ヘラン)だ。母はプロになる夢を捨てて、スインに早く働いてもらいたいと思っている。家では二人の衝突は絶えない。スインはトライアウトに最後の望みをかける。

非現実なテーマだが物語は出来るだけ現実味のあるように苦心して作られ監督の意気込みが感じられる。あなたもこの映画から勇気をもらってはどうだろうか。あり得ない話ではないと思わせてくれる。

TATSUTATSU

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