ホラー

映画「エクソシスト」感想・評価:実話をもとにした見たら呪われる禁断のホラー

サマリー


★★★☆☆(お薦め)

1974年日本公開のアメリカ製作エクソシスト・ホラードラマ
監督 ウィリアム・フリードキン(フレンチ・コネクション、エクソシスト
原作・脚本・製作 ウィリアム・ピーター・ブラッティ(エクソシスト、エクソシスト3)
出演 ●リンダ・ブレア(エクソシスト、エクソシスト2)
●エレン・バースティン(エクソシストインターステラーアデライン、100年目の恋
●ジェイソン・ミラー(エクソシスト、エクソシスト3)
●マックス・フォン・シドー(エクソシスト、エクソシスト2、デューン/砂の惑星マイノリティ・リポートスター・ウォーズ/フォースの覚醒

『エクソシスト(The Exorcist)』 予告編 Trailer 1973.

テーマ曲

エクソシストのテーマ曲

 

今から50年近く前の映画だ。悪魔が憑依した少女を二人の神父が命を懸けて「悪魔祓い」をするドラマだ。今回、ディレクターズカット版を見てみた。当時、世界中を席巻した作品だが、今見返してみると丁寧に作られていたことが分かる。

それもそのはず、この作品は実話「メリーランド悪魔憑き事件」をモデルにしている。この事件は1949年のワシントン・ポスト紙に掲載されている。13歳の少年が悪魔に憑依されているとの判断のもと、二人の神父が二か月間に30回以上の悪魔祓いの儀式を行った。

    海外ドラマ「エクソシスト」

この間、ポルターガイスト現象をはじめとする超常現象が頻繁に起き、それを実際に見た人も多いとのことだ。事件は解決したが本当に少年が「悪魔に憑依された」のかそれとも「解離性同一性障害」「トゥレット症候群」「統合失調症」などの精神病だったのか今でも分からない。

エミリー・ローズ

もう一つ有名な実話を紹介しよう。「アンネリーゼ・ミッシェル事件」1975年ドイツ人の少女が「悪魔祓い」の最中に亡くなってしまった事件だ。これは映画「エミリー・ローズ」のモチーフになっている。しかしこれらは氷山の一角に過ぎない世界中見渡せばもっと多くの不可解な事件があると思う。

「アンネリーゼ・ミッシェル事件」

現代の世の中に「悪魔祓い」など信じないと言う人が多いと思う。僕もそうだ。ところが2017年に公開されたドキュメンタリー映画「悪魔祓い、聖なる儀式」を見てほしい。今でもこの儀式が行われており、教会に助けを求め殺到する人が絶えない。この現象は世界的に起こっている。病院に行っても病気の原因が分からず、最後は教会に頼るしかないようだ。つまり教会は心の支えとなっている。日本では神社・仏閣がこの役割をしているのか・・・。

日本では「狐憑き」(キツネの霊に取り憑かれた精神錯乱状態の人)や「こっくりさん」(テーブル・ターニングの一種と言われている)が有名だ。僕は実際に「こっくりさん」の最中に霊に乗り移られた事件(霊に乗り移られたかどうかは断言できないが)を知っている。とにかく催眠術や自己暗示にかかりやすい人は気を付けよう。

「サブリミナル効果」

映画「エクソシスト」の中には「サブリミナル効果」(潜在意識に刺激を与えることで現れる効果)が使われている。映画をよく見ると映像の中に「悪魔の顔」が埋め込まれている。これによって恐怖を盛り上げようとしている。でも実際、効果があったかどうかは何とも言えない。

海外ドラマ「エクソシスト」

またこの映画には都市伝説も加わっている。「この映画を見ると呪われる」「この映画を見ると悪魔に憑依される」とか「テーマ曲の中に豚の屠殺場の音が入っている」・・・などきりがない。映画監督役、カラス神父の母親役が映画の公開前に亡くなっているのは有名だ。さらに主役のジェイソン・ミラーが62才、キンダーマン警部補役リー・J・コッブが64才、二人とも心臓発作で死んでいる。当然、偶然だが・・・映画の宣伝になったことは確かだ。

「悪霊パズズ」

話のスジを少し紹介すると。イラク北部で遺跡調査をしていたメリン神父(マックス・フォン・シドー)は悪霊パズズの像を発見する。そして近い将来、この悪魔と対決しなければならないと悟る。

映画スターのクリス・マクニール(エレン・バースティン)は映画撮影のためワシントン近郊のジョージタウンに引っ越していた。彼女は一人娘のリーガン(リンダ・ブレア)と住んでいたが娘の具合が次第に悪くなる。

リーガンは人前でお漏らしをしたり、卑猥な言葉を投げかけたりと精神状態が不安定だ。心配したクリスは病院で精密検査をして病気の原因を調べたが、10人以上の医師が束になっても原因がつかめない。

そのうち、ポルターガイスト現象が起こり始める。リーガンの部屋は物が激しく飛び交い、ベッドが大地震が起こったように揺れる。そして娘に何かが乗り移ったような異常な行動を見せる。たまたま、訪ねてきた映画監督のバークが亡くなる。

彼の死体はクリス家の横の階段下で見つかった。この事件でキンダーマン警部補(リー・J・コッブ)が捜査に現れる。彼は聞き込みを始めるがバークの首がすごい力で180度後ろに捻じ曲げられている。階段から落下してもこんな風にはならないと考えていた。しかし、原因が分からない。

リーガンの様子がますます悪くなる。悪魔が乗り移ったようなひどい形相としわがれた声を発する。もうあとは教会にすがるしかない。友人のダイヤー神父経由でカラス神父(ジェイソン・ミラー)に悪魔祓いを依頼する。

果たしてリーガンは悪魔に憑依されたのか、そして悪魔祓いによって彼女を助けることが出来るのか・・・。

その後のストーリーとネタバレ

カラス神父は「悪魔祓い」をするにはイエズス会の承認がいる。そのためには「悪魔に取り憑かれた」と証明する何かが必要だと。そしてリーガンと面会する。

リーガンの中に巣くうものは「自分は悪魔だ」「リーガンが死ぬまでここにいる」と話す。そして「聖水」を恐れる・・・中身は水道水なのだが。不思議なうなり声を録音し、逆回転させるとそれは英語だった。「時間をくれ」「彼女を殺せ」「メリン神父を恐れろ」と聞こえる。

決定的なのはリーガンのお腹に「助けて」と浮かび上がった文字を見た時だ。カラスは急いで大司教の許可をもらう。そして教会は悪魔祓いの主任にメリン神父(マックス・フォン・シドー)を選ぶ。

もう一刻の猶予もならない。二人は法衣と式服、紫のストールをまとい、聖水とラテン典礼書を用意する。メリン神父は「本質の悪魔は1体(パズズ)だ」そして「絶対に悪霊と会話してはならぬ」と念を押す。

リーガンの部屋に入るとそこは別世界だ。異常に寒い。「悪魔祓いの儀式」を始める。聖書を二人で唱え聖水を振りかける。リーガンは口から緑色の液体を垂らす。ベットが激しく音を立て宙に浮かんで行く。天井が割れ、部屋は嵐のように荒れ、二人を吹き飛ばす。

リーガン首が回転し、体は宙に浮遊する。「キリストの力が汝を追う」と二人で唱え、体はベッドに戻る。彼女の体をベッドに括り付ける。二人は精魂尽き果て部屋を出て休憩をとる。メリンは心臓の持病が悪化し薬を飲む。

1人で部屋に入ったカラスはそこに幻影を見る。母がベッドに寝ている。そして「ディミー、何故私をこんな目にあわすの」と悲しい声で囁く。カラスはいたたまれない、心が折れ始める。部屋に入ってきたメリンはカラスを部屋の外に出す。

暫くして部屋に戻ったカラスはメリンが心臓発作で倒れているのを見る。慌てて蘇生を試みるが遅かった。それを見たリーガンが薄ら笑う。カラスは完全に自制心を失う、彼女につかみかかり「俺の体に入ってみろ」と何度も叫ぶ。

その時、異変が起きる。悪霊はカラスに取り憑く。窓にバークの顔が映る・・・カラスは最後の力を振り絞って窓ガラスを破って飛び降りる。階段を転げ落ちたカラスは虫の息だ。そこにダイアー神父が駆け寄りカラスの手を握って告白させる。ダイアーは「神に背きし過去の罪をすべて悔いるか」「汝に赦免を・・・」「父と子と聖霊の名において」と唱える。

クリスとリーガンは引っ越すことになった。リーガンは何も覚えていないようだ。ダイアー神父が最後のあいさつに現れる。リーガンは神父の服を見て突然ダイアーに抱き着き頬にキスをする。神父たちに世話になったことを思い出したようだ。カラスの形見のネックレスはクリスに持たせる。

キンダーマン警部補が現れる。彼はダイアーを昼飯に行こうと誘う・・・。

レビュー

監督のウィリアム・フリードキンは1971年の「フレンチ・コネクション」1973年のこの「エクソシスト」と大ヒットを連発する。特に「エクソシスト」は12億円の制作費に対し、440億円以上の興行収入を得ている。日本公開は1974年だがこれが日本でも大ヒット、ホラーの歴史を変えた。

ところが次回作の「恐怖の報酬」が大コケ、このあと目立つ作品はない。いわゆる一発屋で終わってしまった。ホラーに特化して作品を作ってゆけばもっと売れたかもしれない。

「エクソシスト」はシリーズ化され、1977年にジョン・ブアマン監督による「エクソシスト2」が作られたが今一だった。1990年「エクソシスト」の原作・脚本のウィリアム・ピーター・ブラッティが監督した「エクソシスト3」が作られる。

僕はこの「エクソシスト3」が好きだし、評価も高い。ブラッティ監督曰く、これが正統の続編だと言う。キンダーマン警部(ジョージ・C・スコット)を中心に物語が展開する。そして時間があれば「エクソシスト」の前日譚「エクソシスト ビギニング」を見るのも面白い。

「エクソシスト」の中で何故リーガンが悪魔に取り憑かれたのかその理由が弱い。そして映画監督のバークが何故殺されたのか・・・。そしてキンダーマンが石段の下で拾うパズズの像など引っかかる部分がある。でもそれらを差し引いても素晴らしい作品だ。

ワシントンD.C.近郊のジョージタウンにカラス神父が転がり落ちた「エクソシスト・ステップス」がある。時間と金があれば訪ねてみたいね。「見たら呪われる禁断のホラー」としたけど、僕なんか嫌と言うほど見まくっている。それでも今までしぶとく生き残っているから、だいじょうぶじゃないの?

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