ホラー

短編映画「CURVE」感想・評価:奈落の底に落ちようとしている女の恐怖と悲劇

サマリー


★★★☆☆(お薦め)

2016年4月初公開オーストラリア製作・短編ホラー
監督・脚本・撮影 ティム・イーガン
プロデューサー アーレン・モリス
出演 ●ローラ・ジェーン・ターナー

CURVE from Lodestone Films on Vimeo.

たかだか10分の短編ドラマだ。この短編映画をまず見ていただきたい。そしてこのホラーは何を言おうとしているのか・・・。Twitterで評判になった動画だ。

薄暗い画面に恐怖が漂う。冒頭に激しい波が海岸に押し寄せるシーンが現れ。波の音と風の音がこだまする。見ての通り、女が切り立った崖の若干ゆるくなったカーブ状の棚にかろうじて引っかかっている。こんな状態で女は目覚める。

女の足の先には真っ暗な闇が大きく口を開けている。そしてその闇の奥底から叫び声とも思える恐ろしい唸りが響いてくる。女はとっさに落ちてはいけないと必死に両手で体を支える。

頭には打撲があり、右手は血みどろだ。血で滑ってしまう。女は血を衣服でぬぐい、手のひらに息を吹きかけ若干湿らせて落下を防ごうとする。上部は大きく開いていて曇り空が見える。

女は何とか上によじ登ろうとするが体を動かすとかえって下に滑る。遠くの方を見るとコンクリートの垂直の壁が周りを囲む。そこにはここと同じような場所がヒダのように無数に見える。

そして自分の正面には真っ暗な底なしの口を隔てて同じような壁がある。そして両手で体を支えたと思われる両手の跡が血痕として残っている。多分、体を支えきれずに落下したようだ。

暗闇の底から落下したと思われる男の叫び声と何かにぶつかった衝撃音が突然聞こえる。今度は女の叫び声が聞こえる。落下したようだ。

暗闇の底から何かをひっかいたような金属音が轟き、落下した者たちの叫び声が聞こえる。そして空から雷鳴とともに雨が落ちてくる。女は顔を引きつらせ、大声を上げる。雨は強くなって女の手を滑らせる。

女はとっさに首のネックレスを引きちぎり手に巻き付ける。何とか落ちる体を支えようとするが・・・。支えきれずに落下してしまったのか・・・。壁に激しく雨が降り注ぐ。

レビュー

奈落の底に滑り落ちる恐怖。あなたはこんな夢を見て目覚めたことはないだろうか。こんな夢を見た時には精神状態が物凄く不安定だ。気を付けなければいけない。何故ならある線を超えると精神状態が元に戻らないからだ。

僕はサラリーマン時代(今でもまだ働いているが)プレッシャーに押しつぶされそうになったことが何回かある。そして体は正直だ、持病の腸から下血していた。ある時には、胃潰瘍にもなった。

「ティム・イーガン監督」

なかなか、プレッシャーに勝てないときがある。夜、眠れないのだ。そしてうとうとすれば必ず悪夢を見る。起きれば汗びっしょりでしかも脂汗だ。こんな修羅場を乗り越えて人間しぶとくなってゆくが残念ながら乗り越えられない場合がある。

そんな時、必ず体が悲鳴を上げる。そして入院が避けられない。この短編映画を見て色々な感想がある。少し紹介しよう。これは「出産」或いは「堕胎」を表現したものと見る人がいる。胎児にとっては両方とも恐怖だ。

また、僕はウツボカズラやアリジゴクに落ちた虫たちの恐怖を現したようにも見える。登れども登れないどんどん下に落とされ死んでゆく。

また、悪人が落ちてゆく地獄のようにも思える。一度落ちたら二度と這い上がれない。さてあなたはどう感じるか。

TATSUTATSU

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