サマリー
★★☆☆☆(そこそこ面白い)
2019年11月日本公開のアメリカ製作ホラードラマ
監督・脚本 マイク・フラナガン(オキュラス/怨霊鏡、ドクター・スリープ)
原作 スティーヴン・キング「ドクター・スリープ」
出演 ●ユアン・マクレガー(スター・ウォーズシリーズ、ブラックホーク・ダウン、ゴーストライター、ドクター・スリープ)
●レベッカ・ファーガソン(ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション、ガール・オン・ザ・トレイン、ドクター・スリープ)
●カイリー・カラン(ドクター・スリープ)
●クリフ・カーティス(サンシャイン2057、ラスト・ナイツ、ドクター・スリープ)
1980年に公開されたスタンリー・キューブリック監督・脚本・製作「シャイニング」の続編として「ドクター・スリープ」は作られた。「シャイニング」は「ホラー映画の偉大なる古典」として今だに大きな影響を与え続けている。
「シャイニング」の予告編
雪に閉ざされた山奥のホテルの管理を任された家族。彼らは冬の間、このホテルに住み込む。ところが父親ジャックのアルコール依存症が再発し狂ってゆく。そしてホテルに巣くう悪霊にそそのかされ妻と息子を殺そうとするのだが・・・。
ここで言う「シャイニング」とは特別な力のことで、テレパシーや霊的なものを感知する能力のことだ。この映画の公開に当たってキューブリックとキングが大喧嘩している。映画が原作と全く異なるストーリーに再構成されているからだ。ところがこれが世界中で大ヒットする。
「監督・脚本 マイク・フラナガン」
「シャイニング」を見た人の多くは期待して「ドクター・スリープ」を見ると思う。ところが心理ホラーで怖がらせてくれるかと思っていたものがアクション・サスペンスになっている。それにこれが全く怖くない。
「スティーヴン・キング」
「シャイニング」を持っている少年少女たちの魂を喰らう「不死族」たちとの戦いが描かれる。最後には例のホテルを最終決戦場に選んだ40年後のジャックの息子、ダニー。彼と最強の「シャイニング」を持つ少女が「不死族」に立ち向かう。これって「X-MEN」じゃないの・・・。
超能力者同士の戦いだと思って見ればそんなに腹も立たない。まあ、あるレベルはクリアーしているから「怖くないホラー」として見に行ってもいいのかな。映画が「スリープ」だからと言って客席での「スリープ」は禁止だよ。
話のスジを少し紹介すると。幼いころ展望ホテルで受けた傷が40年後になっても消えないダニー・トランス(ユアン・マクレガー)。彼はアルコールにおぼれ、点々と各地を放浪する。
ニューハンプシャー州フレイジャーにたどり着いた彼はビリー・フリーマン(クリフ・カーティス)と知り合う。親切なビリーによって「断酒会」に入れてもらい一から出直そうとするダニー。
この町のホスピスで働くようになったダニーは他人の死が分かるようになる。死ぬ間際の老人たちに寄り添い、最後の瞬間を見届ける。彼はいつしか「ドクター・スリープ」と呼ばれるようになる。
ダニーは30キロ先の街アニストンに住む少女アブラ(カイリー・カラン)と仲良くなる。実は彼女は今までにない強力な力「シャイニング」を有していた。二人は遠く離れていても「シャイニング」で意思の疎通を行う。
ある日アブラが「シャイニング」を持つ少年の死を感じ取る。彼女はローズ(レベッカ・ファーガソン)をリーダーとする不死族「真の絆」によって少年の魂(シャイニング)が食われたことを知ったのだ。
アブラは不死族「真の絆」と対峙しようとする。そして「シャイニング」の能力に目覚めつつあるダニーは少女に協力する。しかし、ローズ達も特殊な力を持っており、このままではアブラが危ない。
ダニーはローズを倒す場所として、あの忌々しい展望ホテルを選ぶ。果たして彼はなぜここを選んだのかそして戦いはどちらに軍配が上がるのか・・・。
その後のストーリーとネタバレ
ダニーは友人ビリーの力を借り不死族をアブラをおとりにして倒そうと考える。彼らは銃弾を浴びれば煙となって消えてゆく。ところが戦いの中でビリーが犠牲となって死んでしまう。
ダニーとアブラは途方に暮れるがまだ、ローズが残っている。彼はローズを忌々しい展望ホテルにおびき寄せ決着をつけようと車を走らせる。
展望ホテルに着いたダニーはアブラを車に残し、中に入ってゆく。非常用の電気をつけ、自家発エンジンを稼働させる。ホテルは生気を取り戻したように輝き、悪霊たちが蘇る。彼らはダニーの来訪を喜んでいるようだ。
ローズがホテルに到着する。ダニーとアブラはローズを心の迷路に誘い込む。そして、ハロランからもらった箱を頭に思い浮かべる。今は亡きハロランは40年前にダニーを救ってくれていた恩人だ。この箱の中にローズを閉じ込めようとしたがうまくゆかない。
ローズは迷路を抜け出し、ホテルに入ってくる。そしてダニーを押さえつけ、「シャイニング」を吸い取ろうとする。その時、ダニーは頭の箱に封印してある悪霊たちを解放する。
ホテルの悪霊たちはローズを襲い、彼女は煙となって消えてゆく。次にダニーが襲われる。彼の体は乗っ取られるがアブラによって一時的に正気を取り戻す。彼は悪霊たちを浄化するため、自家発をヒートアップさせ火災を発生させる。
火災はダニーを閉じ込めたままホテルに燃え広がる。そして、ダニーもろとも炎によって悪霊たちは浄化されてゆく。アブラは外から燃え盛るホテルを見ているしかなかった。
ダニーは亡くなってしまったがアブラはいつでも彼の霊を呼び出すことが出来る。彼女は展望ホテル237号室にとりついていたバスルームの亡霊と対峙する。そして彼女はそのバスルームに入ってゆくのだった。
レビュー
僕は結末がよく分からない。ダニーを終始おびえさせていたバスルームの亡霊とアブラが対峙するのだ。アブラは自分の力「シャイニング」によって霊を浄化しようとしたのか・・・?
悪霊はダニーと一緒に浄化されてしまったはずだ。何故バスルームの亡霊だけが現れたのか・・・続編につなげたいのか、よく分からない。
冒頭にも書いたが心理ホラーが「X-MEN」のような超能力者バトルになってしまった。僕としてはスタンリー・キューブリック監督「シャイニング」のようなイメージでの続編を期待していた。
ただ、展望ホテルの懐かしい映像が再現されていた点は評価していいかもしれない。ここのシーンではドキリとした場面があった。昔を思い出したね。
TATSUTATSU
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