サマリー
2002年公開のアメリカSF映画で、監督はスティーブン・スピルバーグ、主演はトム・クルーズ(ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション、ジャック・リーチャー)である。原作はフィリップ・K・ディックの短編小説である。
スピルバーグとトム・クルーズががっちりタッグを組んだSF超大作とのことで、僕は大変楽しみにしていた。ところが当時おすぎさんかピーコさんがこの映画をケチョンケチョンに酷評していた。
僕は心配しながら映画館へ足を運んだが、実際見てみると大変面白く、映画はやっぱり自分で観なきゃなーと再認識した一作である。
この作品は145分と結構長くしかも、思った以上に複雑である。2回見ることをお薦めする。さらに未来の車工場や2054年モデルのレクサスが出てくるから注目だ。
プリコグと呼ばれる3人の予知能力者から構成された殺人予知システムが試験的に導入されていた。このシステムの凄いところは予知能力者達によって、殺人が事前に予知出来、事件が起こる前に犯人を逮捕出来ることである。
ニューロインと言う薬物中毒の母親から生まれた子供は12才までに死んでしまう。ところが稀に生き残った子供には殺人の予知夢を見る能力があることが長年の研究でわかっている。
3人の予知能力者は同じ夢を見る、ところがごく稀に夢が一致しない場合がある。この場合多数決(2名)によって予知夢の決定が行われる。
マイノリティ・リポートと言われる少数意見(1名)は、記録から削除される。そしてこの事が公になるとシステムの信頼性に疑問符がつく、これを恐れた当局がこの事実をひた隠しにしてきた。
しかし、このマイノリティ・リポートはプリコグの脳には記憶されており、消すことは出来ない。プリコグは人間であるが機械部品のように扱われる。彼らは培養液の中で生かされ、脳の信号をモニターに映し出される・・・・・プリコグには人権はないのか。
何故マイノリティ・リポートが生じてくるのか、またこのシステムを熟知した人間によって不正が行われる可能性はないのか。
さらに殺人を犯していないのに、殺人犯として捕まるのはおかしいのではないのか・・・・この点がこの映画の見どころである。トム・クルーズがまだ若くカッコイイ、また未来の進んだ世界を垣間見るのも面白い作品でである。
「トム・クルーズのお薦め・必見SF映画ベストファイブ」も見てね。
ストーリー
ストーリーを少し紹介すると、舞台の背景は2054年のワシントンD.C.である。犯罪予防局の刑事ジョン・アンダートン(トム・クルーズ)は殺人予知システムの実行責任者である。
日々の予知夢をチェックし、犯罪を未然に防止してきた。しかし、私生活はすさんでいた、6年前に息子のショーンが誘拐され、妻ララ(キャスリン・モリス)とも別居状態である。
殺人予知システムの全国展開の話があり、司法省調査官のダニー・ウィットナー(コリン・ファレル)がシステムの信頼性を調査に来ていた。
ダニーはこのシステムに懐疑的であり、問題点を見つけようと、色々とほじくり回る。
プリコグの一人アガサ(サマンサ・モートン)は突然、ジョンに昔の事件を見せる。・・・よほどの心的障害が大きくないと、このような「エコー」と呼ばれる現象は起きない。
この一件をラマー・バージェス局長(マックス・フォン・シドー)に報告するも、結論は出なかった。
ある日、システムのモニターを見ていたジョンは、そこに自分が写っているのを見て驚いた。しかも、拳銃で人を撃ち殺していた。
呆然と立ち尽くすジョンは、自分が殺人など犯すはずがないと、事件を解明するために逃走する。
追っ手をまきスラム街に逃げ込んだジョンは、町へ出れば網膜認証によってどこにいるのかわかってしまう。
ジョンはもぐりの医者に眼球を取り換えてもらう。
彼は犯罪予防局に忍び込み、アガサを奪って逃走する。アガサの脳の中には決して消すことの出来ない記憶(マイノリティ・リポート)があるはずだと。
この記憶と自分の事件はつながっているのか、ジョンは自分が殺人を犯すであろう場所にに向かって逃走を続けてゆく。
果たして、予知通り彼は人殺しをするのであろうか、それともこれは仕組まれたワナなのか・・・是非見て頂きたい。
レビュー
アガサの頭の中の「エコー」あるいはデジャブと言われるものの正体は別の殺人事件であった。殺人予知システムの盲点を巧妙についた別の殺人が行われていた。
このトリックが非常に面白い、そしてジョンの殺人予告も仕組まれたワナだった。しかし、彼は殺人を犯してしまう。
ストーリーが良く練られている・・・・一回観ただけでは複雑で分らない点もあったが二度見ることによって明確に謎が解けてくる。近未来の街の風景が面白い、また交通システムも飛躍的に進歩している。
警察も進歩し、かたつむりのような乗り物に乗って空を駆け巡る。警官たちは特殊なスーツを着ており、空も飛べる。また探査用の蜘蛛型ロボットも面白い。
未来の歓楽街も良く描けている。近い将来こんな風になって行くのかな。
ジョンとアガサは逃亡してゆくが、彼女は未来が見えるので警官の追跡を楽にかわす・・・このシーンも面白い。(こんな彼女がいれば宝くじも当たりそうだ)
全体を通し、細部までこだわっている、隠れた名作と言えるかもしれない。ただ、真犯人が突飛な感じがする、まあ大目に見ようか。
最後に、もし宝くじが当たったら、是非2054年モデルのレクサスを買いたい。なに、もう生きていないって・・・・・まあ生きていても運転どころじゃないよねえ。
TATSUTATSU
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