サマリー
★★★★☆(見るべき名作)
2023年10月20日 アメリカ製作 AIと人間の戦い・絆SF
監督・脚本・原作 ギャレス・エドワーズ(モンスターズ/地球外生命体、GODZILLAゴジラ、ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー)
出演●ジョン・デヴィッド・ワシントン(ブラック・クランズマン、TENETテネット)
●マデリン・ユナ・ヴォイルズ
●渡辺謙(インセプション、GODZILLAゴジラ、ゴジラ キング・オブ・モンスターズ)
●ジェンマ・チャン
2060年代、人類とAIロボット(この映画ではシミュラントと呼ばれる)との最終決戦が始まる。発端はAIがロサンゼルスに核を投下した。これによって100万人が瞬時に亡くなる。その跡地には「グランドゼロ」が作られ、AIを駆逐することをアメリカは誓う。
米軍は150兆円をかけ、軌道兵器ノマドを完成させる。この兵器は容赦なく軌道上からシミュラント(模造人間)達を抹殺してゆく。シミュラントは「ニューアジア」に集結し、人類に最終決戦を挑む。ここでは人間と彼らが今でも仲良く暮らしている。
「アメリカ・西側」と「ニューアジア」は分断され、10年にもわたる戦いが続く。ところが「ニューアジア」は最終兵器「アルファ・オー」を完成させたとの情報がアメリカにもたらされる。
潜入捜査をしていたジョシュア軍曹(ジョン・デヴィッド・ワシントン)は妻のマヤ(ジェンマ・チャン)をノマドの攻撃によって殺され失意のどん底にいた。
5年後、軍からマヤが生きている可能性があると言われ、最終兵器「アルファ・オー」の破壊とこれを作ったクリエイター(創造者)「ニルマータ」の暗殺を依頼される。
「ニューアジア」のある地区に数名からなる武装グループとともにジョシュアは目的の施設に侵入。ハルン(渡辺謙)率いるシミュラント達は必死に抵抗するが、突破されてしまう。
厳重に守られている扉の暗号を解読し、その中に踏み込んだジョシュアは超進化型AIの少女「アルフィー」を見つける。最終兵器とはこの少女のことだった。
彼はアルフィーを何故か破壊することは出来ず、部屋から連れ出し、二人の逃避行が始まる。アルフィーはノマド破壊のキーであり、ハルン達も米軍も血眼になって探す。
果たして超進化型AIの少女「アルフィー」はどんな力を持っているのか、そして少女を作った「ニルマータ」は誰なのか何処にいるのか・・・。何故、ジョシュアはアルフィーを破壊できなかったのか、そして本当にAIがロサンゼルスに核を投下したのか、真実が明らかにされてゆく・・・。
レビュー
この映画は「人類の傲慢さ」を徹底的に描いている。かつてはネアンデルタール人を始め多くの種を絶滅に追い込んできた人類(ホモサピエンス)。
その人類が全精力を上げて作り上げてきたAIロボット達。ところがAIがあまりにも進化し、人類にとって代わるのではないかと疑心暗鬼を募らせる。
AIロボット、シミュラント達は自分たちと自分たちを頼りにしてくれる人間を守るために戦うざるを得ない。激しい戦いの中で彼らの「愛」とは何なのか・・・。
自分を犠牲にしてまで「アルフィー」を守ろうとするシミュラント達、また、何故かジョシュアも命がけで少女を守ろうとする。久々に泣けるSFです。
僕にとっては最も好きなタイプのSFだ。さあ、ハンカチを持って映画館に駆けつけよう。133分ある大作だが飽きさせない、料金の価値は充分にあると「僕個人」は感じるね。
撮影はタイやインドネシア、ネパール、ベトナムなどが中心とのことだがスタジオでのCG背景撮影と比べて格段に美しい。ロケは大変だが質感がワンランク上がっている。
このロケ地で人類とAIが生死をかけて戦う。しかし、物量作戦になってしまえばAIに勝ち目はない。この劣勢をどう跳ね返せるのか。「ブレードランナー」「ブレードランナー2049」を思い出す。
人間は一度死んだら二度と生き返らない、ところがAIは壊れても修理すれば生き返る。そもそも死生観が違う。でもこの映画ではAIロボット シミュラントは心を持っているように描かれる。
それは人間の記憶を植え込まれているからだろう、そしてそれを土台としてどんどん人間に近づいてゆく、こんなことは現実としてありうるんだろーか。映画を見てて、そんなことを考えた。
TATSUTATSU
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