SF

映画「2001年宇宙の旅」感想・評価‐手塚治虫の不参加が残念

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【サマリー】

この映画は1968年の作品で今まで3回以上観ている。巨匠スタンリー・キューブリックの作品と言うことで是非観ておくべきだと思った、また当時テレビ等での宣伝もスゴかった。

ところが最初に劇場で観たとき、なんて難解で単調な作品だとがっかりした印象がある。エイリアンのような怪獣が出てきたり宇宙戦争が起こったりするようなわけでもなく、ドラマが宇宙空間で淡々と進んでゆく。

映画の最後に光のトンネルの中を延々と進むようなシーンが10分程続いたのには閉口してしまった。

ただ映画には空想の世界を感じさせないリアリティが確かにあった。

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この作品を今観てみた、46年も前の作品なのに、全く古臭さを感じさせない。こんな映画もあるんだなーと再認識した次第である。

まさにスタンリー・キューブリックは究極の宇宙映画を既に作ってしまった・・・大変な事をしでかしてしまったのかもしれない。それに映画の内容が斬新過ぎて、当時の時代ではついて行けなかったようにも思える。

この難解な作品を分かり易くした「2010年宇宙の旅」も後に見に行ったが、僕としてはこちらの方が当時は面白く感じられた。しかし、最近この映画を見直してみるとあまりに色あせてしまっているのにびっくりした。

【ストーリー】

映画のストーリーは、遠い昔サルの前に現れた、モノリス(黒い石版)に触れたサルが人類に進化する。

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人類が月に住むようになった時代、月で発掘されたモノリスに太陽の光が当たり強力な信号を木星に向け発信した。

人類以外の知的生命体を謎を探るため、宇宙船ディスカバリー号を木星に向かわせた。

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ディスカバリー号にはHAL9000と言われる人工知能が搭載されている。

このHALが狂いだし、乗り組み員を全員殺そうとする。

一人残った船長ボーマンはHALを無力化する。その時秘密にされた本当の使命が明らかになる。

ボーマンは木星にある巨大なモノリスヘ調査に向かう。

果たしてモノリスの正体は何なのか?モノリスは人類に対してどんな影響を与えるのか・・・・・。

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【レビュー】

僕が一番好きなシーンは、狂ったHALの暴走を止めるため、HALの体内とも呼べるコンピューター内部にボーマンが入り込む。

コンピューター内部も無重力状態にあり、空間に浮かんだボーマンは、HALの理論回路を遮断するため透明なクリスタル状のキーを次々に引き抜く。

HALの人工知能は少しずつ無力化されてゆく。HALはボーマンに必死にやめるよう懇願するが最後は声がかすれ意識か遠のいてゆく。

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後半のストーリーは二つある。一つは、HALが狂ってしまうこと、もう一つはモノリスの調査。私は、当初HALが狂った原因はモノリス(地球外知的生命体の痕跡)にあるのかと勘違いしていた。

このHALのエピソードが物語を複雑にしてしまっている。

人工知能が果たして人間を殺害出来るのか、はなはだ不思議である。コンピューターが故障した場合、マニュアルに戻るなり、あるいは、人を殺害しようとしてもリミットがつけられ何処かで殺害が止まるようになっているはずである。

また、船長以下乗り組み員が探査の目的を知らずHALだけが知っていた。

このエピソードはエイリアンなんかにも使われている。

素晴らしすぎる映画だから、テーマをモノリスの探索に絞ったらどうだったのだろうか。さらに登場人物をもっと増やし、人工知能も助け合って未知の領域への解明物語にしたらどうだったのか?

でもこんな考えは素人っぽくて面白くないのか・・・・。

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スタンリー・キューブリックは完全主義者で妥協を許さない、この映画を作るのに一流の人材を集めている。アーサー・C・クラークも参加している。実現しなかったが日本の手塚治虫にも声がかかった話は有名である。

火の鳥宇宙編、鉄腕アトムなどの思想が映画に盛り込まれたらどうなっていたかと思うと残念である。

この映画は、画面が白・黒・赤でまとめられている。これが宇宙船を含め本物らしい質感を出している。(ただ宇宙服だけはカラフルである。)

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音楽も素晴らしい、映像とピッタリ合っている。

終わり方では場人物はボーマン(キア・デュリア)だけである。シンプル過ぎて何の説明も無く難解である。彼はモノリスの中で不思議な体験をする。自分がどんどん老いて行くのを客観的に見る。

あそこにいるのは誰だ、自分なのか・・・・・そして新しい生命体に生まれ変わって行くのか?

これがこの映画のキモなのかも知れない。(登場人物が一人であれば映画を観ている人が感情移入し易い。)

最後にこの映画の反響は大きく、この後に作られる宇宙物はかなりの部分でこの映画の影響を受けている。宇宙物のバイブルである。SFファンは必ず観るべき作品である。

辰々

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関連:惑星ソラリス

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