SF

映画「ジュピター」感想・評価‐地球の支配者ジュピターとは何者なのか

サマリー

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映画『ジュピター』予告編

2015年公開のアメリカSF映画、監督はウォシャウスキー姉弟(マトリックス、クラウドアトラス)、主演はチャニング・テイタム(G.I.ジョー)、ミラ・クニス(ブラック・スワン)である。

この映画は抜群の映像美とアクションの素晴らしさには目を見張るが、残念ながら途中で寝てしまいました。製作に膨大なお金(100億円以上)と時間がかかっているらしいが、もっとストーリーを何とか出来なかったのかと残念に思う。

ウォシャウスキー姉弟の作品においては特にマトリックスが素晴らしく、これには完全にはまってしまったが、これ以降の作品(マトリックスの続編も含めて)にはぱっとしたものが無い・・・・・もう才能が枯渇してしまったのか。

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主演の大男チャニング、派手すぎる顔のミラは日本人好みではないような気がする。厳しいことを言うようだがウォシャウスキー姉弟の復活を次回作で期待するしかない。

ジュピターとは天体が好きな父親が娘につけた名前である。ところがこの娘が地球の所有者としての資格を持っていることが明かされる。

彼女が即位すれば、地球の支配者(女王)となるが、それを阻止するために全宇宙を支配する一族の長兄バレムは彼女の命を狙う。果たして彼女はバレムの毒牙にかかるのか、それともそれをかいくぐって地球の支配者になるのか・・・・・。

 

ストーリー

ストーリーを紹介すると、ジュピター(ミラ・クニス)は強盗に父親を殺され、母親と二人暮らしである。日々家政婦やらトイレ掃除やら貧しい生活が続いている。

彼女はこんな生活から抜け出たいといつも考えていた。そして彼女は卵子を売ってお金を儲けようと病院に行くがそこで異星人達に殺されそうになる。

そこに突然ケイン(チャニング・テイタム)が現れ、危機一髪助け出される。

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ケインはジュピターの素性を知っており、彼女を守る役目を与えられていた。彼は地球上での兄貴分スティンガー(ショーン・ビーン:ロード・オブ・ザ・リング)のアジトに行く。ケインは人間と犬の遺伝子のハイブリットであり、スティンガーは人間と蜜蜂のハイブリットであった。

スティンガーは敵に寝返り、ジュピターをタイタス・アブラサクス(ダグラス・ブース)のもとに連れてゆく。彼は全宇宙を支配する一族の次男であり、地球を手に入れるためにジュピターと結婚しようとしていた。

ジュピターはアブラサクス一族の母(殺されたとのことである)の生まれ変わりであり、一族にはバレム(エディ・レッドメイン:博士と彼女のセオリー)、カリーク(タペンス・ミドルトン)、タイタスの三人の子供がいる。彼らは不老不死で1万数千歳の年をとっている。

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人間は地球上で生まれたのではない、地球上の恐竜を滅ぼした後、人類は別の星から地球に移植されたとのことである。そして繁殖した地球人を収穫し、人間を原料として生命の源「命水」を搾り取ろうとしていた。

タイタスは「私と結婚すれば地球を助ける」との約束し、ジュピターは渋々承諾する。彼女は果たしてどうなるのか、地球の運命は・・・・・、また捕らわれたケインは殺されてしまうのか。

ネタバレ

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ジュピターの味方である、イージス軍が彼女を取り戻すために進軍を始める。イージス軍に助けられたケインや一旦は味方を裏切ったスティンガーも改心し、戦闘に加わる。

ジュピターとタイタスの結婚式にのり込んだケインは彼女を奪い返すことに成功する。

ジュピターは地球に戻るが、彼女の家族はバレムに連れ去られた後だった。バレムの要求はジュピターの即位を放棄させることであった。

彼女はバレムの所におもむく、バレムは地球の人類は資源の1つでしかない、そしてアブラサクス一族はその資源を使って商売をする大企業であると・・・・・・。

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ケインは一か八か木星の大赤斑に向かって飛行艇を操縦してゆく、この先にはジュピターがいる。彼女をバレムから奪え返しに行くのだ。

飛行艇が通過したことによってケインの要塞の重力殻に穴が開き、要塞が影響を受ける。要塞は穴からガスが流れ込み、崩れてゆく・・・・・ジュピターもバレムも建物から外に弾き飛ばされる。

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そしてジュピターはかろうじてつかまった階段で通路に避難するが、そこにはバレムが隠れていた。彼との一騎打ちとなり、彼女はバレムを突き落す。

建物が崩れ落ち、ジュピターも奈落の底に落ちてゆく・・・・・そこにケインが現れ危機一髪、救われる。彼女は地球の女王となり、ケインと一緒に地球を守って行く。

レビュー

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この映画では人相の悪い方たちが正義の味方で、端正な顔立ちをしたイケメンが悪役になっているのが面白い。特にバレム役のエディ・レッドメインは精神に異常をきたした冷酷な悪役を演じており「博士と彼女のセオリー」のホーキング役とは正反対である。

宇宙人には、人間とトカゲ、ゾウ、フクロウ、ネズミなどのハイブリット種がいっぱい出てきて面白いが、メイクに時間がかかっただろうなーなんて想像してしまう。

またラナ・ウォシャウスキーはトランスジェンダーで性転換手術をして男から女になっている。2010年以前はウォシャウスキー兄弟と言っていたが、今ではウォシャウスキー姉弟となっている。

物語的には、少々古臭いスペースオペラ的になってしまっている、つまり中世の歴史物語を宇宙に置き換えただけの感じがする。

どうしても「マトリックス」が凄かっただけに、いつも期待して裏切られてしまう。次回作の原作や脚本を才能のある若手に任してはどうか・・・・なんて気になっちゃうね。

辰々

 

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