海外ドラマ

海外ドラマ「エレメンタリー ホームズ&ワトソンin NY シーズン4」感想・評価:ホームズの親父モーランドは腹黒い男なのか?

サマリー


★★★☆☆(お薦め)

2012年からアメリカで放映されたホームズ&ワトソンのテレビドラマ

2012年~シーズン1
2013年~シーズン2
2014年~シーズン3
2015年~シーズン4
2016年~シーズン5

製作者 ロバート・ドハティ
原作 アーサー・コナン・ドイル
出演 ●ジョニー・リー・ミラー(イーオン・フラックス、エレメンタリー ホームズ&ワトソンin NY)
●ルーシー・リュー(チャーリーズ・エンジェル、カンパニー・マン、キル・ビル Vol.2、エレメンタリー ホームズ&ワトソンin NY)
●エイダン・クイン(月下の恋、ホームズ&ワトソンin NY)
●ジョン・マイケル・ヒル(ホームズ&ワトソンin NY)

「エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY シーズン4」予告編

アメリカで人気の高い、シャーロック・ホームズ ドラマの第4弾だ。ひょうきんでおとぼけ者のホームズをジョニー・リー・ミラー、目のつりあがったおばさん顔のルーシー・リューがワトソンだ。

ホームズにイギリス人俳優ジョニー・リー・ミラーを抜擢したところは、原作に敬意を表したものなのか?アメリカは人種のルツボだからキャストを白人、東洋系、アフリカ系とバランス良く配置している。

それに引き替えベネディクト・カンバーバッチの「シャーロック」は白人キャストで固めている。やはり国によって嗜好が異なるのか?

ジョニー・リー・ミラーとルーシー・リューのコンビがうまく馴染んできた。当初、ワトソンが女性と言う事で面食らったが男女の組み合わせもなかなかいいね。ルーシー・リューのファッションに、特に女性ファンは要注意だ。

ところでルーシー・リューは49才だ、美貌に陰りが見えてきた、それにジョニー・リー・ミラーは45才で、額の後退が最近やや気になる。でもこのドラマは中身で勝負だ。

40分の中に起承転結を盛り込み、スピーディな展開で一話完結、実に小気味いい。次から次へと見たくなるし親しみがわいてくる。ジョニー・リー・ミラーはカンバーバッチのように華はないが、こんなおっさんが身近にいたら人生楽しいだろうなと、勝手に想像してしまう。

初めての人のために少し解説をしておくと、イギリス ロンドンのスコットランドヤード(ロンドン警視庁)で顧問をしていたホームズは薬物依存を断ち切るためにニューヨークに移住する。

ホームズには父親から依頼された付添人ジョーン・ワトソンが付く。ワトソンは医者だが過去の医療ミスと言うトラウマを抱えている。二人は当初、犬猿の仲だった。

ところがワトソンはホームズの天才的な推理力と緻密な観察力によって難事件を解決に導く凄さを目の当たりにする。逆にホームズはワトソンの医学知識、犯罪捜査への助言に非凡なものを感じる。そしてそのうち、お互いを認め合い、協力して難事件に挑んでゆく。

ニューヨークのマンションは広く、二人は同居している。マンションにはおびただしいカギ、使い捨て携帯、蔵書、パソコンなどが所せましと置いてある。ホームズは動物好きで屋上にミツバチを飼い、ペットは陸ガメのクライドだ。

ホームズとワトソンはニューヨーク市警のトーマス・グレッグソン警部(エイダン・クイン)の下で働いている。グレッグソン警部の部下にマーカス・ベル刑事(ジョン・マイケル・ヒル)がいる。

兄のマイクロフト・ホームズ(リス・エヴァンス)はシーズン2から出て来る。そしてシーズン4の目玉はシャーロックの父親モーランド・ホームズ(ジョン・ノーブル)が出て来る。モーランドは大資産家だが腹黒い、けっこう闇でやばい仕事をしているようだ。

その他重要な「M」と呼ばれるモリアーティ役のナタリー・ドーマーなど登場人物が多彩だ。モリアーティは女性のジェイミー・モリアーティとなるのだがアイリーン・アドラーと同一人物とは・・・。

ジェイミーは悪の組織の親玉だがシャーロックを愛しておりベッドインまでしてしまう。現在は牢屋に入って絵を描いている。見はじめると癖になるから要注意だ。

なお、日本語吹き替えは三木眞一郎と田中敦子だ。原題の「ELEMENTARY」とは初代シャーロック・ホームズを演じたウィリアム・ジレットが舞台で使った名せりふ「Elementary,my dear Watson(初歩的なことだよ、ワトソン君)」から取られている。

シーズン4の見どころと解説

ホームズは禁を破って薬物にまた手を出してしまう、それに暴力事件も起こす。これが原因でグレッグソン警部から市警顧問を打ち切られる、自業自得だ。彼はしかたなくCIAの顧問を引き受けるが制約が多く、なかなかなじめない。

それでも難事件を解決し、ワトソンだけでも顧問を継続させようとホームズは骨を折るがうまくゆかない。そんな時に、彼の父モーランド・ホームズ(ジョン・ノーブル)が現われる。そしてニューヨーク市警の顧問に戻すことは簡単にできると言う。

ホームズとワトソンはモーランドに借りを作るのは嫌だが、今回は仕方なく父親の力を借りる。そして市警の顧問に復帰する。

モーランド・ホームズが何者かに命を狙われている。当初、彼は息子のシャーロックが係っていると勘違いしていた。シャーロックは父を憎んでいたが殺すようなことはしない・・・では誰がモーランドを狙っているのか。それにワトソンの妹(腹違いの)が出て来るからさらに必見だ。

ネタバレ

モーランド・ホームズは誰かに命を狙われる。恋人のサビーヌが殺害され、自身も重傷を負う。シャーロックがこの事件の真相を究明する。

ジェイミー・モリアーティは逮捕されたが彼女の組織は残ったままだった。組織の長を誰にするか後継者争いが始まった。その候補の一人にモーランド・ホームズがいたのだ。そして彼を暗殺しようとしたのは現在の組織の親玉、ジョシュア・ヴィクナーだった。

ジョシュア・ヴィクナーはオックスフォードを卒業し博士号を2つももっているインテリだ。しかもジェイミーの父親なのだ。ところが彼は激しい性格で組織の親玉には向かないと考えた幹部の一人ハシェミ女史はモーランド・ホームズと組んでジョシュア・ヴィクナーを殺害する(モーランドは殺害には関与していない)。

結局ジェイミー・モリアーティの後釜に収まったのは、何とモーランド・ホームズと言う皮肉な結果になってしまった。そしてモーランドはイギリスに帰国する。彼は組織を内部から合法的な組織に変えようと努力する。

シャーロックは自分の母親がモーランドから冷遇され寂しく亡くなったことを恨んでいる。しかし事実は、母が麻薬常習者であったことが分かる。シャーロックは父親と和解する。大ドンデン返しの結果だが次回が楽しみだね。

TATSUTATSU

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