コメディ

映画「フローズン・タイム」感想・評価:恋人にフラれ不眠症になってしまった男のラブストーリー

サマリー


★★★☆☆(お薦め)

2008年日本公開のイギリス製作エロ・コメディ&ロマンス・ドラマ
監督・脚本 ショーン・エリス(フローズン・タイム、ハイドリヒを撃て!
出演 ●ショーン・ビガースタッフ(ハリー・ポッターシリーズ、フローズン・タイム)
●エミリア・フォックス(フローズン・タイム)
●ショーン・エバンス(フローズン・タイム、刑事モース~オックスフォード事件簿~
●ミシェル・ライアン(フローズン・タイム)

https://youtu.be/0qypk2iyTqU

 

最初はつまらないエロ・コメディだと思ったけど意外と面白い。隠れた「秀作」と言える、お薦めだ。とにかく映像がキレイ、音楽も素晴らしい。それもそのはず、監督のショーン・エリスは写真家出身だ。

この映画は第78回アカデミー賞短編実写賞にノミネートされた「CASHBACK」の長編化だ。最近ではもの凄く残酷な映画[ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦]も撮っている。才能豊かな監督だ。

フローズン・タイムは女性のヌード(じじいのヌードも出て来るから要注意)がけっこう出て来るがあまりやらしくない。それどころか、女性の美しさを監督の感性で上手く映像化している、だから女性にもお薦めだ。

主人公のベン(ショーン・ビガースタッフ)は彼女のスージー(ミシェル・ライアン)にフラれたことによって不眠症になってしまう。人生一日8時間も増えたことになる。これは人生のキャッシュバックだ・・・お金に変えない手はない。

彼は真夜中のスーパーマーケットで働く。2週間も眠れず現実と幻想の間をさまよう。そして時間を止めたいと強く思った。そうしたら、自然と時間を止める能力を手に入れてしまう。

何時でも時間を止められる、時間が止まっている間、誰にも気づかれず動き回る。女性を裸にすることだって可能だ。でも女性を裸にしても、その美しさをスケッチするだけでいい。とにかく片っ端から女性の曲線美を描いてゆく。

スーパーマーケットには常にリーダーシップをとりたがる店長と毎日バカをやっているバリーとマット、カンフー気違いのブライアンがいた。そしてレジ係のシャロン(エミリア・フォックス)は気になる一人だ。

ベンは店長の企画したフットサル試合を通してシャロンと仲良くなってゆく・・・果たして二人は今後どうなってゆくのか。

その後のストーリーとネタバレ

フットサルの試合は大敗してしまったがシャロンとコーヒーを飲む機会が出来た。彼女は「自分の人生は一秒ずつしか進まない」と時間恐怖症を告白する。だからスペイン語を習って可能性を広げたいと言う。

ベンは画家になりたいと夢を語る。ベンには美を見つける才能があると彼女は言う。そして、見つけた美を描いて画廊に飾ることはステキだと。

店長から土曜日に誕生パーティをやろうと提案があった。そして、そこにストリッパーを雇って来いと指示があった。ベンは友人のショーン(ショーン・エバンス)のコネでストリッパーを探しに行く。

ベンは眠れなくなってもう4週間だ。一日8時間増えても時間の流れは変わらない、1分、1時間、1日と流れてゆく。彼はシャロンのことが頭から離れない、時間を止めては彼女をスケッチする。繰り返して何回も何回も描く。

仕事の帰り際にベンはシャロンからキスされる。その時、スージーからの呪縛が解け彼は何時間も眠り続ける。画廊主のプラウドから電話があり、「君の作品を集めて個展を開きたい」との申し入れだ。良いことは重なるものだ。

ベンはシャロンをエスコートしてパーティにゆく。パーティは盛況だ、多くの仲間が集まっていた。ところがその中にスージーもいた。彼女はベンとよりを戻したいと迫ってくる。シャロンはベンとスージーがキスするのを見てしまう。シャロンはショックを受け帰ってしまう。

ベンは時を止めたがどれだけ時を止めてもシャロンの気持ちは変えられない。彼は2日間も時を止め悩み続ける。そして彼女だけが動いてくれればと願う。それ以来彼女は仕事に来なくなった。

ベンは画廊主のプラウドに会いにゆくが、その出来事はバリーとマットがでっち上げたものだった。ところが画廊主はベンのデッサンを見て、彼の才能を見抜く。そして個展の開催が決まった。

ベンはシャロンに個展「静止した瞬間(A FROZEN SECOND)」に来てほしいと手紙を出す。個展は大成功だ、でもベンの心は暗かった。その時、シャロンが入ってくる。自分の顔のデッサンがたくさん展示されていた会場を見た彼女はベンの愛情を感じる。

そして二人は仲直りする。会場の外は雪だ、思わずベンは時間を止めた。その時、彼女だけが動き出す。

レビュー

もの凄く、映像の美しいドラマだ。女性たちのエロチシズムが伝わってくる、とてもきれいだ。物語はハッピーエンドで終わる。時を止める能力があれは、瞬間の美しさがいつまでも眺められる。

監督のショーン・エリスは女性が大好きだと言う。彼は女性の美しさをうまく引き出す天才だ。コメディ映画だけどしっとりとしたロマンス映画と言った方がいいかもしれない。

この映画に刑事モースのショーン・エバンスが出て来る。彼の若い時が見られるのも面白いね。

TATSUTATSU

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