ホラー

映画「エスター」感想・評価:少女が養子として来てから明るい家庭が壊れてゆくちびりそうなホラーだ

サマリー


★★★☆☆(お薦め)

2009年日本公開のアメリカ製作大どんでん返し系ホラー映画
監督 ジャウム・コレット=セラ(蝋人形の館、エスター、アンノウン、フライト・ゲーム)
出演 ●ヴェラ・ファーミガ(ミッション:8ミニッツ死霊館、マイレージ、マイライフ、死霊館エンフィールド事件死霊館のシスターエスター
●イザベル・ファーマン(エスター、ハンガー・ゲーム)
●ピーター・サースガード(ニュースの天才、フライトプラン、エスター)
●ジミー・ベネット(エスター)
●アリアーナ・エンジニア(エスター)

『エスター (Orphan) 』予告編:2009年10月10日 全国ロードショー

 

ちびりそうな怖いお薦めホラーだ。結末が分かってしまうと面白さが半減するので、そこのところは要注意。ファミリードラマからスタートしてどんどん恐怖度が上がって行く。予想もつかない展開で少女が狂暴化してゆく・・・いったい何故なのか?

3人目の子供を流産で亡くしたケイト・コールマン(ヴェラ・ファーミガ)は悪夢に苦しめられ情緒不安定になっている。彼女は元アルコール依存症患者だ。

夫のジョン(ピーター・サースガード)は彼女の心をいやすため。孤児院からロシア出身の9才の少女エスター(イザベル・ファーマン)を引き取る。彼女は何処か大人びて、頭が良く、絵も上手だった。

エスターは息子のダニエル(ジミー・ベネット)とはなじめなかったが新しい妹となるマックス(アリアーナ・エンジニア)とは仲良くなる。でもマックスは生まれつき難聴で補聴器をつけている。

エスターは天使のように愛らしいがどこかおかしい。彼女は常に首や手首にリボンを結んでいたり、歯医者を嫌がったり、お風呂は一人で入り、しかもドアに必ず施錠する。

エスターはフリルのついたやや時代遅れの服を好む。小学校に登校すると、同級生から「おばあちゃんの服みたい」とからかわれる。ところが彼女をからかった同級生は滑り台の上から落ちて大けがをする。エスターが突き落としたのではないかと言う人もいたが彼女は知らないと答える。

コールマン家では彼女が来てから次々とトラブルが起こる。何故か母親のケイトにはよそよそしいがジョンには異常なほど懐いていた。彼女を引き取った孤児院のシスター・アビゲイルが家庭訪問に来る。アビゲイルはエスターの過去の出来事を素直に両親に報告する。

彼女が元引き取られた家族は火事で全員亡くなっていた、しかも放火だった。トラブルが起こった時には必ず彼女がいた、今回の縁組は間違っていたかもしれないと答える。そしてロシアの孤児院に詳しく彼女の生い立ちを確認すると言ってくれた。

シスター・アビゲイルはコールマン家から帰る途中、道に飛び出してきたマックスをよけようとして車を急停車する。車から出てきたシスターをエスターは金づちで後ろから殴り殺す・・・ついに彼女が本性を現し始めた。

この物語は「チェコの実話」を参考にしていると言われている。ベースになった実話が存在するとは・・・世の中には何があるのかわかったもんじゃないね。

その後のストーリーとネタバレ

エスターは金づちや血の付いた服を、ダニエルが使っているツリーハウスに隠す。ところがそこをダニエルに見つかる。彼女は彼を閉じ込めて小屋に火を放つ。彼は木の上から飛び降り大けがをして入院する。

その間、エスターはケイトが自分を虐待しているかのようにふるまう。そして周囲はケイトを追いつめてゆく。病院で彼女はダニエルを殺そうとするが未遂に終わる。その状況を察知したケイトは皆の前でエスターを殴り、拘束され、強制的に入院となる。

歯車はおかしな方へと動き始める。少し前に、ケイトはエスターが持っていた日記らしいものを調べた。そこには過去の父親らしい写真がはさんであり、本の最後に「サールン・インスティチュート」と記されていた。電話をかけてみるとそこは精神病院だった。

今は家にはエスターとジョン、マックスだけだった。ところが恐ろしいことにエスターはジョンを誘惑しようとする。ケバケバシイ化粧をし、黒いドレスをまとっていた。慌てたジョンは彼女と口論になり、「もうここにお前を置いておけない」と怒鳴る。

その頃、入院中のケイトに「サールン・インスティチュート」のヴァラヴァ医師から連絡が入る。医師は少女から家族を急いで避難させろと忠告する。そして警察を呼びなさいとアドバイスする。

精神病院に送った写真の少女(エスター)は少女ではないと信じられないことを言う。彼女は珍しいホルモン異常で下垂体性機能不全だ。外見は子供に見えるが記録だと1976年生まれのリーナと言う33才の女性だ。

非常に狂暴な患者で、この病院では拘束衣を着せていた。それでも暴れて首と両手首に傷跡が残っている。私の知る限りでは既に7人を殺害している。エストニアの家庭で養子になり父親の誘惑に失敗すると家族を皆殺しにした。そして、この精神病院に強制収容したが、一年前に脱走した・・・とのことであった。

ケイトは血の気が引いた。病院を抜け出すと警察に電話して、自宅に向かって猛スピードで車を飛ばす。そのころ自宅では逆上したエスターがジョンを殺害していた。

自宅に戻ったケイトはジョンの亡骸を見つけて泣き叫ぶ。しかし、娘のマックスがいる、彼女を見つけ助けなくてはと勇気を振り絞る。

ケイトはマックスを見つけ脱出しようとするが拳銃を持ったエスターが追いかけて来る。ケイトはエスターと取っ組み合いとなり氷の張った池に落ちる。そして、格闘の末、エスターは池の中に沈んでゆく。

レビュー

「チェコの実話(2008年)」とはチェコ国籍の33才の女が、13才の少年や少女になりすました「なりすまし事件」だ。盗んだ個人情報をつかって欧州各国をダマしていたらしい。

彼女は優れた演技力を持つ犯罪者か、或いは多重人格者なのか?事件の詳細は不明だがカルト集団が絡んでいたとの情報もある。この映画は2009年7月アメリカで公開されている。したがって、チェコの実話に影響された可能性がないとも言い切れない。

こんな事件が実際にあると思うとちびりそうだ。でもエスターのように狂暴でないのが救いだね。

TATSUTATSU

 

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