サマリー
★★★☆☆(お薦め)
2019年アメリカで公開されたアメリカ製作ホラー映画(日本未公開)
監督 マット・ベティネッリ=オルピン、タイラー・ジレット(レディ・オア・ノット)
出演 ●サマラ・ウィーヴィング(レディ・オア・ノット)
●アダム・ブロディ(レディ・オア・ノット)
●マーク・オブライエン(レディ・オア・ノット)
●へんりー・ツェーニー(レディ・オア・ノット)
誰しも金持ちと結婚したいと思う。女性でいえば「玉の輿」とか「シンデレラガール」、男性では「シンデレラボーイ」と呼ぶのか。しかし、よく考えてほしい貧乏人が金持ちと結婚したって、必ずしも幸せになれるとは限らない。
世の中を見渡してみるとこんな悲劇をよく耳にする。今、世間をにぎわしているイギリス王室のメーガン妃(彼女は貧乏人ではないが)がそうだ。彼女に対しては人種差別とかしきたりとか、型ぐるしい王族の生活とか・・・我慢の限界を越したようだ。
「SUITS/スーツ」
彼女とヘンリー王子は高位王族の地位を退くと宣言している。もともとメーガン妃は海外ドラマ「SUITS/スーツ」の準レギュラーだ。彼女は美人で才能が有り、しかも運と度胸まで持っている。王族から離脱してもなんら生活に困らない。
この映画は貧乏人の娘が大富豪の御曹司と結婚することになる。そして彼女はみんなに祝福され、天にも昇るほどの幸福感を感じる。ところがこの名家はそんじょそこらの金持ちとはレベルが違う。ちびりそうなほど恐ろしいしきたりがあったのだ。
そのしきたりとは、そして彼女の命運は・・・。「レディ・オア・ノット」とは「準備はいいかな?」と言う意味だ。コメディっぽいホラーだからそんなに怖くない、軽快にサクサク見れるから女性にもお薦めだ。あなたはこの女性に感情移入して逃げ回ってみたら。まだ、日本未公開だけどそのうち見られるよ。
話のスジを少し紹介すると。グレース(サマラ・ウィーヴィング)は大富豪の御曹司アレックス・ル・ドマス(マーク・オブライエン)と結婚するとこになった。ル・ドマス家はややちょっと変わったところがあったがみんな優しく彼女を祝福してくれた。
グレースは幸せの絶頂で彼と寝室に入ろうとした。ところがアレックスはこの家のしきたりで夜にゲームに参加しないといけないと言われた。仕方なく彼女は彼の一族とゲームをすることになった。
彼女が引いたくじは「かくれんぼ遊び」だった。周りの一族はみな急に青ざめる。彼女は少し時間をもらって大邸宅の中のある場所に隠れる。ところがこのゲームは「夜明けまでに彼女を見つけて殺す」ゲームだったのだ。
彼女以外の家族はそれぞれにピストル、弓矢、ボーガン、斧などを持って彼女を探し回る。何も知らないグレースを捕まえたアレックスは彼女に事情を説明し、逃げることを手助けしようとする。果たして彼女の運命は、そして一族は何故こんなしきたりを行うのか・・・。
その後のストーリーとネタバレ
グレースはアレックスの話を冗談だと思っていたが、自分と勘違いしてメイドが撃ち殺されるのを見て悲鳴を上げそうになる。アレックスは必死に落ち着かせて彼女にスニーカーを履かせる。
彼はル・ドマス家に伝わる恐ろしい話をする。かつて彼の先祖が富と名声と引き換えにルベールと言う悪魔と契約する。悪魔からもらった箱にはカードが入っており、一族の結婚が決まれば、結婚相手がカードを引くゲームをすることになっていた。もし「かくれんぼ遊び」を引いてしまったら最悪の結果となる。
かつて祖母の結婚相手がそのカードを引いてしまったために弓矢で射殺されている。その時アレックスはまだ小さかった。それから30年も経つがこんなことはなかった。グレースが「かくれんぼ遊び」のカードを引く確率は低いとアレックスは考えていたのだ。
このゲームで夜明けまでに彼女を殺さなかったら家族全員が死ぬとの言い伝えがある。これには家族も半信半疑だが、万一を考え彼女を殺そうと団結する。アレックスの兄のダニエル(アダム・ブロディ)がグレースを見つけたが10秒間猶予を与えるから逃げろと答える。
グレースを逃がそうと邪魔をするアレックスに怒った家族は手錠で彼を拘束してしまう。グレースは家族と戦おうと腹を決める。壁に掛けてあるショットガンを持ち弾を肩にかける。ところがこれは装飾用の銃で弾は飛び出さなかった。
納屋に逃げた彼女はエイミーの幼い子供に手のひらを撃たれる。彼女は子供を殴り倒すが地下室に落ちてしまう。そこには過去殺された人々の死骸や動物たちがミイラとなっていた、彼女は恐怖にひきつる。何とかして地下室から這い上がり屋敷の外へと逃げようとするが執事に捕まってしまう。
ところが車の後部座席に縛られていたグレースの足蹴りによって執事は頭を強打され、車は横転する。彼女は逃げ出す。しかし、そこで待っていたダニエルに彼女は捕まる。
屋敷に運ばれたグレースはテーブルに仰向けにされる。そして儀式が始まる。代表者トニーが彼女に短剣を振り下ろそうとした時、家族全員が嘔吐する。ダニエルが家族に一時的に体が麻痺する薬物を飲み物に入れたようだ。
縄を解いてグレースを逃がそうとしたがそこに現れたチャリティにダニエルが撃たれる。しかしグレースはチャリティ殴り倒し、追いかけてくる家族に対しても反撃する。
そこに手錠を外したアレックスが現れ、自分への愛が消えてしまったと確信しグレースを拘束する。残った家族は彼女をテーブルに押し付け「悪魔よ万歳」ととどめを刺そうとした時、夜が明ける。
ル・ドマス家の人々は次々と体が破裂し死んでゆく。そして離婚したいと彼女は指輪を外しアレックスに投げつける。その瞬間に彼も爆発して即死する。
大量の血を浴びたグレースは一瞬現れて消えた悪魔ルベールを見る。屋敷は今までの惨劇で火事になっていた。屋敷から出てきた彼女に消防士が声をかける。
レビュー
富と名声を引き換えに悪魔と契約を結ぶドラマは多い。悪魔の要求は魂だ。このドラマでル・ドマス家は悪魔に生贄をささげることによって永遠に安泰だ。しかし、約束を破れば恐ろしい仕返しが待っている。
悪魔との契約をテーマにした作品として「ローズマリーの赤ちゃん」「エンゼル・ハート」「ヘレディタリー/継承」「アナベル 死霊館の人形」「死霊館のシスター」などがある参考に見てほしい。
普通は怖い映画が多いが、この「レディ・オア・ノット」はコメディ・タッチなので一般受けする。大富豪の中にはけっこう悪魔崇拝者がいると聞く。神を崇拝するのと同じように偉大なる力を持った者(悪魔)を単に崇めているだけか?
偉大なる力を持った者に自分を近づける或いは自分は偉大な力を持っていると信じれば何でもできるような気がするものだ。しかし、決して「悪魔と契約を結ぶ」ようなことをしてはいけない。
人間の「良心」が無くなってしまうからだ。このドラマでダニエルだけが正常な精神を持っている人間として描かれている。彼は「良心」を持っているが故にしらふではいられなかったのだろう。
世の中を見渡してみると「良心」を持たない人が増えているような気がするのは僕だけか。
TATSUTATSU
「死霊館シリーズ恐ろしいジェームズ・ワン ホラー映画ベストテン」
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