サマリー
1973年のイギリス・アメリカ製作のホラー映画、監督はジョン・ハフ、出演者はパメラ・フランクリン、ロディ・マクドウォール、クライブ・レビル、ゲイル・ハニカットの4人である。
冒頭に映画の説明として、「これは架空の物語であるが、ここで起こる現象は事実と思っていただいてもよい」となっている・・・・・・事実に基づいた物語なのかも知れない。
この映画は27人もの惨殺死体を出して忽然と消えた殺人鬼ダニエル・ベラスコの屋敷で、大富豪から霊魂の存在を確かめるよう3人が依頼される、報酬は一人10万ポンド(現在のレートで約2,000万円)、期限は一週間である。
そのメンバーは物理学者のバレット博士(クライブ・レビル)とその妻アン(ゲイル・ハニカット)、彼は霊魂や幽霊を全く信じていない、屋敷に測定装置と現在開発中のマシーンを持ち込み科学的に現象の解明を行う。
次に、心霊術では第一人者と言われている、フローレンス・タナー(パメラ・フランクリン)、そして前回の調査にも加わった霊媒師のフィッシャー(ロディ・マクドウォール)である。
霊魂を物理現象と考える博士と霊魂の存在を信じる霊媒師2名との対比が面白い。そして両者は対立してゆくが、不可解な現象が次から次に生じる。
果たして、霊魂とは存在するものなのか、あるいは物理現象の一種なのか、こんなクラシックなホラー映画を観るのもたまには面白い。
ストーリー
ストーリーを紹介すると、ダニエル・ベラスコの屋敷(通称「ヘルハウス」)に到着した4人はここで一週間滞在することになる。
屋敷は霧に覆われ、窓が無い、正面ドアから中に入ると、そこには霊気が漂い不気味な屋敷であった。
以前にも調査は2回行われており、8名が「ヘルハウス」の犠牲になっていた。ただ一人の生き残りはフィッシャーで彼はこの調査の後遺症で、頭がおかしくなったと言われている。
この屋敷には「感覚」があるとフローレンスは答える、彼女が最も霊感が鋭い、屋敷の中は広く豪華な調度品が並んでいる。
以前の調査でフィッシャーはこの家の何かに襲われたと言っている、これほど危険な目にあわされたのに彼は何故今回の調査に参加したのか・・・・お金目当てか、それとも真実を解明したかったのか。
屋敷の中には礼拝堂があり、ここが最も強い霊気を放ち、フローレンスはとても中に入れないと言う、彼女は屋敷内のささやき声も感じ取っていた。
彼女は家の中に何人かの魂を感じると言う。
ベラスコは兵器商の私生児で、名はエメリッヒ、生まれは1879年、屋敷は1919年に建てられたとのことである。そしてベラスコの容貌は悪魔の顔をした身長2メートルの巨人と言われていた、ダニエルは彼の息子と思われる。
フローレンスは屋敷の霊との交信を望む、そしてこの家は呪われおり、部屋には若い男の霊がいると言う。
彼女は心霊術を使って男の霊を呼び寄せる、そして霊は「何しに来たんだ」「出て行かないと殺すぞ」とフローレンスの口を通して叫ぶ。
また、この霊はフローレンスの寝室まで入ってきて、彼女をからかう・・・・何の目的で、彼女は若い男の霊はベラスコの息子ではないかと推測する。
バレット博士はフローレンスの交霊術を科学的に調査したいと、彼女の体にセンサーを取り付ける。彼女が催眠状態に入ると電磁放射がはじまるとともに、動力計の数値も上がりオゾンが発生する。
彼女の両手の指先から心霊体が糸の様に出てくる、突然彼女は叫び、催眠状態が解ける。心霊体は命のある有機体ではないかと博士は推測する。
朝食の時ポルターガイストが起こる、グラスが割れたり、皿が飛んだり、テーブルが大きく振動したり、しかもそれらは博士に向かって飛んでくる、霊の仕業なのか、フローレンスの仕業なのか分らない。
次はアンがねらわれる、彼女は夢遊病者の様にフィッシャーの前に現れ、彼を誘惑しようとする・・・・・彼は彼女の頬を叩き正気に戻らせる。
フローレンスはついにベラスコの息子の遺体を見つける、そして遺体を丁重に埋葬する。そして一見落着したかに見えたがその晩、彼女は黒猫に襲われる。
バレット博士はフローレンスにこの屋敷を出るように忠告する、しかし彼女は忠告をきかなかった。
彼女はエメリッヒ・ベラスコがダニエルも含める多くの霊を支配していると、従ってエメリッヒを見つけないとこの現象は収まらないと。
フィッシャーにも霊が襲いかかるが、何とか耐えている、彼は前回のことがあるから充分すぎるほど自分を自制している、霊を攻撃しないことが唯一生きる道だと考えている。
バレット博士は彼が作ったマシーンを屋敷に運び入れる、屋敷にはエネルギーが満ちている、そのエネルギーを中和するための機械だ。しかし、フィッシャーは博士に霊を攻撃しない様に忠告する。
そして、霊を攻撃した者たちは・・・・・20年前の調査でフローレンスと同じような霊媒師はベランダから飛び降り両足を骨折し、学者たちは死んだり、発狂したりしている。
そんな時、悪霊はフローレンスの精神だけではなく、肉体をも求める、彼女は拒み続けるが、ついにダニエルの霊に自分の体を与えてしまう。
彼女は悪霊に乗り移られたように、精神を病んで行く、果たして彼女は生きてこの屋敷を出られるのか、そして他のメンバーはどうなるのか映画を観て頂きたい。
ネタバレ
<これから先はネタバレするから映画を観てから読んでね>
バレット博士の解釈では、人間の体からは目に見えないエネルギーが放射される、そのエネルギーは電磁放射の一種(EMR)で周囲の空間を満たす。
この「ヘルハウス」も同じで、ある種の残存エネルギーが屋敷全体に充満している(電池と同じ状態)。従って屋敷の中に入ってくる人間は影響を受ける。
フローレンスはそれらを死者の霊力と言っている・・・・・博士は違うと否定する、エメリッヒ・ベラスコとかその息子の霊などいない。
彼女は霊は決して破壊できない、一時的に移動するだけだと、・・・・・・博士は私のマシーンが反電界エネルギーを放射し、この屋敷のエネルギーを中和してしまうと・・・・・両者の意見はぶつかり合う。
彼女は、それでは仕方がないと、機械を壊そうとする・・・・・フィッシャーと博士が必死に彼女を止めに入る。
彼女は気絶したが、起き上がり礼拝堂に行く、そして「ダニエル早く逃げなさい機械によって別の地獄に追われてしまう」と・・・・・。
ところが十字架が彼女に向かって落ちてくる、彼女はその下敷きになる・・・・・彼女は「よくもダマしたわね」と指で「B」の血文字を書いて絶命する。
残ったメンバーは機械のスイッチを入れ、屋敷の外に避難する。
しばらくして屋敷に戻って見ると、屋敷の中の霊気は完全に消えていた。バレット博士はこれで完全に終わったと自信をのぞかせる。
博士は記録をまとめていると、測定機器の針が動きだす・・・・・博士は霊気が戻ってくるとは信じられないとガクゼンとする。
そして、測定器が突然爆発し博士の顔を直撃する。
しばらくしてアンが博士を探し始める、彼女は礼拝堂の中で博士が死んでいるのを発見し、気が動転する。
アンはフィッシャーにこの屋敷から外に連れ出してと懇願する。
ところが、彼はここに残ると言う、そして礼拝堂に行くと・・・・・・今立ち去ったら僕の人生が無意味になると。
礼拝堂だけが不思議と霊気が残っていた、彼は原因を考え始める。
彼はフローレンスが残した「B」の血文字を見て、全ての原因はベラスコ一人が起こしたことを理解する。他には霊はいない、ベラスコが一人で色々な霊に成りすましていたのだ。
そして、死んだり、骨折した人々は全て脚をねらわれていた、霊は自分の脚に劣等感を持っていることを彼は理解する。
彼は礼拝堂の中で叫ぶ「ベラスコ、殺せるものなら僕を殺してみろ」と、そして「お前は変態のチビだ」と。
「娼婦から生まれた私生児だ」と霊を侮辱する・・・・・霊は怒って彼を襲うが、彼はひるまない。
彼は「エメリッヒ・ベラスコ」と叫びながら、念力を送ると礼拝堂正面のステンドグラスが割れ、隠し部屋が見つかる。
そして中を見ると、生きていると見間違うほどの綺麗に保存された「エメリッヒ・ベラスコ」の遺体があった。
「エメリッヒ・ベラスコ」は自分が背の低いチビである事を恥て両脚を切断し義足をつけて大男に成りすましていた。フィッシャーはそれを見事に見破った、ナイフでズボンを切り裂き確認すると、やはり脚は義足であった。
さらに彼は隠し部屋の内側が鉛で覆われていることも発見する、自分の魂を守る為の要塞をベラスコは完成させていたのだ・・・・・これではバレット博士の機械も役に立たない。
「エメリッヒ・ベラスコ」は未来を予見していたのだ、彼はひょっとしたら天才なのかもしれない。
フィッシャーはバレット博士のマシーンのスイッチを入れると、アンと一緒に「ヘルハウス」を後にした。
レビュー
バレット博士はフローレンスの交霊術を科学的に調査した時に彼女の指先からエクトプラズマと言う白い物質が流れ出す。
彼の分析では、この物質はちりや繊維などを含んでいるがそのほとんどは体から流れ出る有機体と言っている、昔はエクトプラズマの研究が盛んだった時期があった。
また、バレット博士は霊気の正体を、人体などから発生するエネルギーだと言っている。動物の中には電気ウナギや電気ナマズなどの強い電流を流すものがいる。
電気ウナギはその強力な放電で周りの生き物に影響を与える・・・・・・つまり電磁放射は誰でも持っている現象なのかもしれない。
この映像ネットで見つけました。
世界や日本にも幽霊屋敷は多い、これらは電池のようにエネルギーがたまった場所かもしれない。そして特に敏感な人はそれを霊気と感じるのか・・・・。
この物語はフィクションであるが、あながち作り話とは言えない、そのうち霊魂が何か分る日が来ることを祈っている。
僕の周りにも敏感な人がいて、彼らは幽霊や霊魂が見えると言う。そして恐ろしい所には近づかない・・・・素晴らしい防衛本能を持っていると思う。
この映像ネットで見つけました。
ある友人が言うには、夜遅くビルの中で一人残業をしていた、薄暗い廊下に出て見ると鎧をつけた落ち武者が廊下を歩いて居るのが見えたそうだ、それ以来彼は残業が出来なくなってしまったとのことである。
またある後輩は、人の背中に幽霊とも、悪霊とも思える何かが覆いかぶさるように憑りついているのを見たと言う。しかも明るい昼間でも見えると言う・・・・・・幸い僕の背中には何もいないと聞いて安心したことを思い出した。
お陰様で僕は鈍感なので幽霊を一度もみたことはない・・・・まあ、幽霊は見えない方がいいね。
辰々
ところで怖い映画を4連発で紹介するね。是非見てね「死霊館エンフィールド事件」
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