サマリー
2014年公開のアメリカンコメディ、監督・脚本・主演はジョン・タトゥーロである、めずらしくウディ・アレン(ブルージャスミン)が俳優で参加している。
冴えない中年男のタトゥーロがジゴロに変身し、女性たちを虜にする、大人向けの少しエロティックで上品なラブストーリーである。それに全編を流れるジャズが誠に心地よい。
いわば中年男性に楽しい夢のひと時を見させてくれるドラマで、観ていると自然に顔がほころんでくる。こんなに女性達にもてたらいいだろうなーと、うらやましく感じた次第である。
ウディ・アレンは監督・俳優としても素晴らしい才能を持っているが、このタトゥーロも負けず劣らずである。中年男の隠れた魅力を淡々と表現するタトゥーロが実に素晴らしい・・・・お勧めの映画です。
この映画を観て中年だって、まだまだ捨てたもんじゃないと元気を出してもらえたら最高である。
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ストーリー
ストーリーを少し紹介すると、3代にわたって経営してきた書店をたたむことになったマレー(ウディ・アレン)はさしずめ食ってゆく仕事を見つけなければならない。
彼は女医のパーカー(シャロン・ストーン:関連 ゴーン・ガール)から夜の恋人を誰か知らないかと相談をうける。彼女は夫から相手をしてもらえず欲求不満で爆発寸前である。
マレーは冴えない中年の親友フィオラヴァンテ(ジョン・タトゥーロ)にジゴロをやらないかと話を持ちかける。
彼も定職を持たずフラフラしていたが、つい最近花屋でアルバイトを始めたばかりであった。彼は自分みたいな男でも勤まるのかと思いつつ、仕方なく親友の頼みを承諾した。
ところが、彼は女性に対して優しいだけではなく、彼女たちの気持ちを掴むのが以外にうまい、しかも精力絶倫であったことから、たちまち人気物のジゴロになってゆく。
マレーとフィオラヴァンテはポン引きのダン・ボンゴ、ジゴロのヴァージル・ハワードと名前を変え女性たちの要望に次々とこたえてゆく。
口コミとは恐ろしいもので、彼の評判は欲求不満の人妻の間で話題となり、オファーが途切れない。しかし、しばらくして彼は愛の無い人妻とのセックスに疲れてくる。
そして彼は顧客の一人である、アヴィガル(ヴァネッサ・パラディ)を愛し始めるようになる。彼女はラビ(ユダヤ教の指導者)の未亡人であった。
彼の恋は成就するのか、戒律の厳しいユダヤ教の彼女は果たして心を開くことが出来るのか是非観て頂きたい。
フィオラヴァンテは外見は冴えない中年男であるが、何故もてるのか・・・この辺は映画でうまく表現されている。
まず夜の仕事でスーツを着ると長身のキリッとしまった男にうまく変身する。しかも彼には女性を虜にする隠れた才能がある。
ダンスの腕前やフラワーアレンジメントはプロ並みである、しかも料理も出来る。
彼は女性たちに、自分でアレンジしたフラワーアートをプレゼントととして持って行ったり、ちょっとした洒落た会話で彼女たちの緊張を解いて行く・・・さすがに経験豊かな中年である。
若くてハンサムでなくとも女心さえ掴めば、中年ジゴロは勤まるようである。ポン引きのマレーも女性との交渉が口八丁手八丁でうまく、実に面白い。
顧客に対し一晩1000ドルの料金を吹っかけるが、女性は大満足しフィオラヴァンテにさらに500ドルのチップまでくれる。
さらに3Pまで要望されるが、値段を2000ドルまで吊り上げる。マレーは親友から4割の手数料を取って、待望のソファーを購入する。
アヴィガルは未亡人になってから男性に触れられたことが無いとマレーに告白する。マレーはフィオラヴァンテを紹介する。そんな彼女を、彼は優しくオイルマッサージする。
彼女は何故か涙があふれて止まらない、男性に優しくされたことが、しばらくなかったからか・・・彼女はフィオラヴァンテに好意を持つ、しかしユダヤ教の厳しい戒律との板挟みになる。
彼は彼女を食事に招待する、自分のために料理を作ってくれる彼にすごく感激する。そして屋外でのデートで初めて自分の髪の毛を触らせキスをする。(ユダヤ教の厳しい戒律では許されないことである。)
彼女の幼なじみの警官ドヴィ(リーヴ・シュレイバー)はアヴィガルを愛しており、気が気じゃない、マレーを捕まえ彼らの関係を問いただし、裁判にかける。
しかし、アヴィガルが正直に彼とは怪しい関係でないことを説明し難を逃れる。そして彼女はフィオラヴァンテに別れを告げ、ドヴィと一緒になることを決心する。
この映画ではウディ・アレン演じるマレーも商売の才能が無いダメ男として描かれている。奥さんに食わせてもらっているような関係である。でもポン引きの才能があることだけは確かである。
しかしウディ・アレンはもう80才である、とてもそんな年には見えず元気である。しかも次から次へと作品を発表している、素晴らしいの一語に尽きる。
シャロン・ストーンのエロい女医も見事な演技だ、もう50才半ばを過ぎているのに顔も体型も若々しい・・・・欲求不満の中年女性を演じ大変面白い、しかもレズの女友達もいる。
さらにリーヴ・シュレイバーも出ていて、いい味を出している、ウルヴァリンやラスト・デイズ・オン・マーズなんかの役より今回の役の方が合っているのではないか・・・・・コメディ俳優に転向したら・・・。
フィオラヴァンテは失恋の痛手からニューヨークを去ると言い出す。マレーは彼を引き留めようとする・・・しかし彼の決心は固そうだ。
そんな時にカフェで偶然にも、凄い美人と知り合いになり名刺を渡す。フィオラヴァンテはマレーを見てニコリとする、またマレーも顔を見合わせニコリとする。
また、二人のコンビが再結成されるのであろうか・・・・。中年は失恋からの立ち直りが早いね・・・・・これからどうなるのかな。
TATSUTATSU
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