サマリー
2017年4月日本公開のアメリカ大災害パニック映画
監督 ピーター・バーグ(バトルシップ、ローン・サバイバー、バーニング・オーシャン、パトリオット・デイ)
出演 ●マーク・ウォールバーグ(ディパーテッド、パーフェクトストーム、ザ・ファイター、テッドシリーズ、ローン・サバイバー、トランスフォーマーシリーズ、バーニング・オーシャン、パトリオット・デイ)
●カート・ラッセル(ニューヨーク1997、遊星からの物体X、バニラ・スカイ、ワイルドスピードシリーズ、バーニング・オーシャン)
●ジョン・マルコヴィッチ(ザ・シークレット・サービス、マルコヴィッチの穴、バーニング・オーシャン)
●ケイト・ハドソン(あの頃ペニー・レインと、バーニング・オーシャン)
●ディラン・オブライエン(メイズ・ランナー、バーニング・オーシャン、メイズ・ランナー2)
●ジーナ・ロドリゲス(マイファミリー・ウェディング、バーニング・オーシャン)
昨日見てまいりました。この映画は世界最大級の人災と言われている「2010年メキシコ湾原油流出事故」をベースに作られているんだ。
あまりの映像のど迫力に目を奪われた。もの凄く男くさい映画だけど自分が掘削リグの上にいるような錯覚に襲われる。爆発で破片が飛んできそうだ・・・臨場感バツグンだ。
いったいどのような方法で映画が撮られたのか・・・メイキング映像がユーチューブにあるから参考にして。お薦め映画だけど恋人と一緒なら「美女と野獣」の方がいいかも。
この事故は世界中の誰しもが知っている。多量の原油が流出しメキシコ湾の生態系に大打撃を与えた。海岸に押し寄せる原油によって海鳥が飛べなくなってしまう・・・沿岸の生物にとっては地獄だ。
しかし、この巨大な施設を動かしていた当時の従業員たち(126名)の行動・葛藤・恐怖についてはほとんど知られていない。
このドラマはここで働いていた多くの人々にスポットライトがあてられている。事故はいかにして起きたのか、その時彼らはどのように事故の拡大を防ごうとしたのか、そしてどのように仲間や自分の身を守ろうとしたのか・・・。
この映画の為に、世界最大の石油掘削リグ「ディープウォーター・ホライゾン」のセットを実に8か月かけて作っている。実物の85%の大きさだ、足元は巨大なプールで水が張ってある。
つくづくアメリカの映画業界はビッグビジネスだなと感じるね。巨大建造物にはヘリポートもあるし、操作室には実物の配電盤や部品が使われている・・・丁寧に再現している。
事故原因は工期の遅れによる損害(1日遅れると約1億円の損害だ)を最小限にするため、本来しなければならない安全テストを省略した為である。
安全を確認しないまま操業を続け、海底油田から逆流してきた天然ガスに引火、大爆発を起こす。最新鋭の掘削リグで何重にも安全装置で守られているはずなのに、自然の力は予想をはるかに超えるものがあった。
掘削リグのデッキの広さはサッカー場くらいあり、その上に25層のやぐらがそびえる。デッキ下の居住区には146人の従業員が収容可能で、ジムや映画館も完備されている。
当時は責任者・技術者・作業者の総員126名が働いていた。彼らはいったいどうなったのか、どのように脱出したのか・・・そして犠牲者は。映画を見る人はここまでだ。
ストーリー
2010年4月20日 石油掘削会社トランスオーシャン社のチーフエンジニア マイク・ウィリアムズ(マーク・ウォールバーグ)は妻のフェリシア(ケイト・ハドソン)と可愛い娘と別れて、3週間出張しなければならない。
行先はメキシコ湾に浮かぶ世界最大級の石油掘削リグ「ディープウォーター・ホライゾン」、つまり海上の真っただ中だ。この施設は石油メジャーBP(ブリティッシュ・ペトロリアム)に現在リース中だ。
マイクはBP社の二人の役員を同行させている。彼は上司の掘削施設主任ジミー・ハレル(カート・ラッセル)とリグ・操縦士のアンドレア(ジーナ・ロドリゲス)と合流する。
「ディープウォーター・ホライゾン」のヘリポートに到着した彼らは、すぐに仕事に取り掛かる。現場ではケイレブ(ディラン・オブライエン)が忙しく掘削作業をしていた。
工期は50日ほど遅れ気味でBPの現場管理者ドナルド・ヴィドリン(ジョン・マルコヴィッチ)は仕事を急ぐよう現場に指示を出していた。
「ディープウォーター・ホライゾン」は最先端の技術を結集した石油掘削リグだが、故障が多くマイクはここに着くなり、電気系統の修理に追われるはめになる。
ジミーはドナルドが安全性を確認するセメント・テストを省略したことを聞いて激怒した。彼は次に負圧テストを採油前に必ずすべきと主張し、テストを実施したところ異常な数値がでてしまう。
ところがドナルドは「安全だ、問題ない」と言い張る。ジミーは仕方なく彼の指示に従い、掘削汚泥の除去が予定通り始まる。
現場で作業をしているケイレブは止めたはずの泥水がパイプから漏れ出しているのに気づく。しばらくしてメタンガスと原油がパイプから勢い良く吹き出し、ケイレブ達は吹き飛ばされる。
防噴装置が働かない、船位保持操縦士のアンドレアは計器の警告灯が点滅したのを確認して外部に救助を要請する。その時噴出したガスと原油に引火しすさまじい爆発が起こる。
この爆発によって吹き飛ばされたドアの下敷きになったマイクはやっとの思いでそこから這い出す。そしてけが人を救出し、次にジミーを探しに行く。
ジミーはシャワー室で爆発した破片が体中に突き刺さり、身動きの取れない状態だった。そこに現れたマイクはジミーを抱き起し彼の体を支えてブリッジへと急ぐ。
ブリッジに到着したジミーは緊急停止ボタンを押し、設備の悪化を回避しようとする。しかし度重なる停電が発生する。マイクは電源の復旧を試みるものの時既に遅く「ディープウォーター・ホライゾン」は炎に包まれる。
もう逃げ道がない、マイクと残されたアンドレアは支えあってやぐらを登って行く果たして二人はどうなるのか、そして多くの作業員は脱出出来たのか・・・・。
ネタバレとレビュー
緊急の応援隊が到着し、ヘリ・ボート・大型船がリグの作業者たちを救出する。ジミーは船の甲板で点呼を取るが何名かは応答がなかった。
やぐらを登って行ったマイクとアンドレアは最後の二人だ。彼らはリグのヘリポートまで行きつきライフジャケットを着る。
この高さからでないと炎がまだ広がってない海面へは飛び込めない。躊躇するアンドレアをマイクはとっさに海へと突き落とす。そして自分も海面へと飛び降りる。
海面に落下した二人はしばらく泳ぎ、ボートに救助される・・・ギリギリのタイミングだった。
犠牲者は11人にも上る。残念ながら彼らの死体は発見できず仕舞いだった。(映画のエンドロールではこの11人の写真が紹介されてゆく。)
「ディープウォーター・ホライゾン」は大型の船と同じだ、炎に包まれ4月22日に水深1,500mの海底へと沈没した。
7月15日の原油流出の封じ込め作業が完了するまで実に78万キロリットル(490万バレル)の原油が海に漏れ出た。まさに安全を軽視した人災としては世界でも湾岸戦争(600万バレルの原油が流出)に次ぐ最悪の惨事だ。
主演のマーク・ウォールバーグそれにカート・ラッセルは男くさい映画によく似合うね。残念ながら女性は紅一点のジーナ・ロドリゲスだけだ・・・男の職場だからしょうがない。
巨大なセットを組み立てそこでの映画撮影は本物のような重量感がある。もちろんCGも使っていると思うがCGだけでは出せない凄さを感じた。
ただ実話を正確に映像化しただけではシリアスになりすぎる危険性がある。やはりエンタメなので感動を呼び込むシーンは盛り込まないとね。
TATSUTATSU
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