サマリー
★★★☆☆(お薦め)
2020年8月日本公開のアメリカ製作冒険アニメドラマ
監督・脚本 ダン・スキャロン(2分の1の魔法)
出演 ●トム・ホランド(声:イアン・ライトフット)(白鯨との闘い、シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ、スパイダーマン:ホームカミング、2分の1の魔法)
●クリス・プラット(声:バーリー・ライトフット)(ゼロ・ダーク・サーティ、her/世界でひとつの彼女、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー、ジュラシック・ワールド、マグニフィセント・セブン、パッセンジャー、2分の1の魔法)
https://youtu.be/YZLegOdvHyA
エンディングミュージック「全力少年」
https://youtu.be/DPFDgGPGxDs
僕はガキんちょアニメはあんまり見ないんだけど、最近コロナで見たい映画が少ない。それに僕のような70近いじじいは刺激がないと脳がつるつるになってしまう。ということで映画館に駆けつけてみた。
やはり子連れが多い、特に母子のペアが多いように思う。今日は金曜日、お父さんはお仕事だ。夏休みもあと少しだから子供と一緒に涼しい映画館でお昼寝と考えたお母さんは多いに違いない。
とにかくお母さんも家事で忙しい、骨休めも必要だ。子供たちはポップコーンを食べながら映画にくぎ付け。僕も前半うとうとしながら夢の世界を漂ってみた。エンディング・ミュージックに「全力少年/スキマスイッチ」が流れる。あまりにこの映画にピッタリだ。
トイ・ストーリーのピクサーだから当たり外れが少ない。この映画は本国アメリカでは2020年3月に公開されている。残念なが例のコロナの影響を受け上映期間が短縮されたようだ・・・なかなか面白いのに運の悪い作品と言える。こんなことってあるんだね。
今回は兄弟愛がテーマ。冒険好きのウザい兄貴と内気な弟の絆が描かれる。舞台は人間世界ではなくファンタジー世界。主人公はエルフのイアン・ライトフット(トム・ホランド)、その兄のバーリー・ライトフット(クリス・プラット)だ。一言で言ってしまうとコメディアニメ版「ロード・オブ・ザ・リング」なんだけど、結末がヒトヒネリある。さて、そのひねりとは。
現代のファンタジー世界(ニュー・マッシュルームトン)は機械文明が進んで今では誰も魔法を使おうとしない。ユニコーンが道路際の残飯をあさり、妖精は暴走族となってしまっている。ドラゴン(名前:ブレイジー)も小型化し犬のようにペットになっている。
イアン16歳の誕生日に亡き父からのプレゼントを母ローレルから渡される。中を見てみると魔法の杖と父ウィルデンからの手紙が入っていた。その手紙には父さんを一日だけこの地上に呼び戻すことの出来る「復活の呪文」が書かれてあった。
魔法の杖に「不死鳥の石」をセットし呪文をとなえるが父さんは下半身しか現れない、失敗だ1/2しか魔法が使えない。石も粉々に砕けてしまった。途方に暮れるイアン。でも兄は二人で「不死鳥の石」を探しに行こうと言う。そして旅が始まる、果たして石は見つかるのか、それを使って父さんを蘇らせることが出来るのか・・・。
ところで、この映画の原題は「ONWARD」だ。前へ進めと訳すのかな。
その後のストーリーとネタバレ
兄バーリーはボードゲームにはまっている。そのゲームには「不死鳥の石」のある場所がほぼ分かっている。しかし、これはゲームだとイアンは懐疑的だ。でもゲームは真実をもとに作られているとバーリーは主張する。
さあ時間が無い、二人と下半身の父さんは兄の愛車グウィネヴィアに乗ってカラス岳に向かう。この時ローレルは子供たちを案じ1000年生きている酒場の女主人マンティコアを訪ねる。
マンティコアが言うには、「不死鳥の石」には恐ろしい呪いがかかっている。これを止めることが出来るのは名剣「呪いクラッシャー」だけだと。この剣を質屋から引き出すとローレルとマンティコアは後を追う。
カラス岳に向かう途中には「底のない穴」が立ちふさがるが魔法を使って何とか乗り切る。その先にはカラスの形をした岩があった。カラスのくちばしが指す方向に急ぐそして最後の難関、洞窟の中に入ってゆく。
洞窟の中には色々な危ない仕掛けが待っていた。それらを避け、何とか先に進むと地上に向かう竪穴があった。三人で協力して竪穴のフタを開ける。何とそこは街の中の古ぼけた噴水だった。ところが取り壊されそうになった噴水に秘密があった。
バーリーは噴水の上部に旅で入手した小物をはめ込む。その時、「不死鳥の石」が現れた・・・やっと見つけた。と思ったとたん呪いが蘇る。その呪いは周りの瓦礫を吸い寄せると巨大なドラゴンとなる。そして二人を襲い始める。
その時、ローレルが現れ「呪いクラッシャー」をドラゴンの体の中にある「核」に突き刺す。ドラゴンは一瞬体を止めるが傷が浅かったため前にもまして暴れる。
陽は水平線に沈もうとしていた。あと少ししか時間が無い、イアンは父さんの下半身に向かって復活の呪文を唱える。父さんは蘇る。しかし、ドラゴンが暴れイアンは近寄れない。
イアンは「呪いクラッシャー」を拾い上げドラゴンを倒す。ドラゴンを形作っていた瓦礫が彼の周りに落ちてくる。復活した父さんはそばにいたバーリーに話しかける。そして夕日とともに消えてゆく。イアンはその様子を瓦礫の中で見ていた。結局、父さんに会えなかったのだ。
気落ちしたイアンにバーリーは父さんからの言葉を伝える。父は「お前を誇りに思う」と言っていたよと。
レビュー
内気な男の子が主人公となるとストーリーが読めてしまう。彼は兄と冒険をすることによってたくましい男の子に成長する・・・ややありきたりの筋書きだね。
でも、結末はひねってある。あれだけ会いたかった父さんにイアンは会えない。この点がミソだ。彼は父さんに会ったらやりたいことを「父さんとやることリスト」にまとめている。
「キャッチボールをする」「運転を教えてもらう」「これまでの人生を分かち合う」・・・・などなどだ。でも映画を見た人ならもうわかっている。イアンの父さん代わりをしていたのは兄のバーリーだ。
「父さんとやることリスト」はすべてバーリーがやってくれていた。それをイアンは最後に気づくことになる。感動の兄弟愛だ。これで結末が締まる。
ところでエルフは妖精だよね。不死か長寿だ。お父さんが死んだなんておかしいと思っているのは僕だけか。最後に意地悪く突っ込んでみた。
TATSUTATSU
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