サマリー
★★★★☆(見るべき名作)
2018年12月日本公開のアメリカ製作ミュージシャン・ヒューマンドラマ
監督・脚本・製作 ブラッドリー・クーパー(アリー/スター誕生)
出演 ●ブラッドリー・クーパー(ハングオーバー、リミットレス、アメリカン・スナイパー、世界にひとつのプレイブック、海外ドラマ リミットレス、二ツ星の料理人、アリー/スター誕生)
●レディ・ガガ(アリー/スター誕生)
●サム・エリオット(マイレージ、マイライフ、アリー/スター誕生)
シャロー~「アリー/スター誕生」愛の歌
今年はミュージシャン映画の当たり年だ。「ボヘミアン・ラプソディ」、少し小粒だが「モダンライフ・イズ・ラビッシュ」そして「アリー/スター誕生」だ。
「スター誕生」のドラマは4回めのリメイクになるが今回はそれが現代風にアレンジされ最初の10分で僕の心を鷲づかみにした。一食抜いてでも是非映画館に駆け付けてほしい。この迫力は音響の良い映画館でしか味わえない。
何故、この映画がこれだけ心を揺さぶるのか。僕らがライブに参加しているように錯覚させられるからだ。それはカメラアングルにあるかもしれない。ミュージシャンになったつもりでステージから観客席を見渡す。まるで自分が演奏し、歌っているかのようだ。
ブラッドリー・クーパーは監督・脚本・製作・主演しかも歌まで歌っている。歌もうまい・・・でも歌手にはならないそうだ。そして、圧倒的な声量と存在感で僕らの心を揺さぶるレディ・ガガ。
彼らの才能には驚くしかない、一つのことを極めれば何でも出来てしまう典型的な例か。ブラッドリー・クーパーは初監督作品、レディ・ガガは初主演映画。それで、このクオリティの高さだ。少し才能を分けてもらいたいものだ。
「スター誕生」は使い古されたストーリーだ。ミュージシャンの頂点に立ったジャック(ブラッドリー・クーパー)はバーで歌っていたアリー(レディ・ガガ)の歌声に聞き惚れる。
そして彼女を舞台に引っ張り上げ「売り出す」。最初は嫌がっていた彼女だが、次第に売れはじめスターの階段を上って行く。それに対し、ジャックは難聴が悪化し、酒とドラッグに溺れ、落ちてゆく・・・。
二人は結婚し、愛によって支え合うが、ジャックはアリーの足を引っ張るようになる。頂点を極めた才能あるミュージシャンだが、次第に音が聞こえなくなってくる。彼にとっては死の宣告をされたようなものだ。音を頭の中で思い浮かべながら彼女のために作曲する。
アリーは自分のステージに上がってきてと出来ないことを彼に言う・・・・そして悲劇が訪れる。さあ、ハンカチを持って劇場に駆け付けてください。
その後のストーリーとネタバレ
ジャックは兄でマネージャーのボビー(サム・エリオット)と仲たがいする。ボビーは彼の元から去って行く。そしてジャックは取り返しのつかない大失態を犯す。
アリーの歌は売れ、ステージも超満員だ。そしてグラミー賞の有力候補になる。授賞式の日、夫のジャックと出席する。ところが彼は酒びたりで足元がおぼつかない。
そして最終選考の結果、アリーが選ばれる。壇上でトロフィーを受け取る彼女の横にいたジャックは酩酊し失禁する。せっかくの授賞式が台無しだ。
アリーのマネージャー レズ(ラフィー・ガヴロン)は怒って、アリーに近づかないでくれとジャックをなじる。彼はこの事件でかなりこたえたようだ。断酒を決意し、断酒会に出席するも長続きしない。
もともとジャックの片耳は聞こえない、しかし、もう一つの耳も悪化の一途をたどる。ミュージシャンとしてはもう致命的だ。アリーは家から出かける時に、ジャックに「私のステージに来て、迎えをよこす」からと嘘を言う。
アリーが出かけた後、ジャックはガレージで首を吊る。そしてその後、ジャックの追悼式にアリーは夫が残してくれた歌を熱唱する。
レビュー
この映画の企画は当初、監督クリント・イースウッド、主演ビヨンセが予定されていた。しかし、一転、二転、今回のキャストとなったいきさつがある。しかも、ブラッドリー・クーパーが監督としてオファーされた。
さらに音楽映画は曲も、もの凄く重要だ。ブラッドリー・クーパー、レディ・ガガ、ルーカス・ネルソンがオリジナル曲を共同で書いている。このオリジナル曲のインパクトが大ヒットのカギと言える。
冒頭の、カントリー・ロックの演奏はルーカス・ネルソン&プロミス・オブ・ザ・リアルが担当している。彼らの独特のサウンドに度肝を抜かれる。
そしてレディ・ガガのピアノ弾き語り・・・これはもうたまらない。彼女は才能の塊のような女性だ。レディ・ガガを主役に起用したことも大ヒットにつながったと思う。
最後に「心に響くミュージシャン映画ベストテン」もまとめて見たから参考にしていただければ有難い。
TATSUTATSU
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