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アニメ映画「クボ 二本の弦の秘密」感想・評価:クボとは何者で彼の目的は何なのか

サマリー


2017年11月日本公開のアメリカ製作ストップモーション・アニメ ファンタジー冒険ドラマ
監督 トラヴィス・ナイト(KUBO/クボ 二本の弦の秘密)
声の出演 ●矢島晶子(クボ)
●田中敦子(サル/サリアツ)
●ピエール瀧(クワガタ/ハンゾウ)
●羽佐間道夫(月の帝:ライデン)
●川栄李奈(闇の姉妹)
●大原さやか(闇の姉妹)

映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』予告編

 

ストップモーション・アニメ(人形を少しずつ動かして撮影し、それを連続再生させて動いているように見せかける技術)なんだけどもの凄くイマジネーションが掻き立てられる。そして日本が舞台となっている不思議なドラマだ。

この斬新な物語は日本人が創ったものではないことに二度驚く。この大推薦アニメをじっくりと堪能してほしい。素朴なアニメの中に片目の少年クボの壮絶な人生が描かれる。アカデミー長編アニメ映画賞、視覚効果賞にノミネートされていることからも作品の評価の高さが伺われる。実に丁寧に作られている、人形に血が通っているようだ。

アニメーション製作会社「ライカ」のCEOトラヴィス・ナイトが監督している。彼は日本文化に興味を持っており、黒澤明、宮崎駿に影響を受けたと言っている。だからこの物語は僕らに懐かしさを感じさせるのか?

ここに出て来る少年クボは左目が無い、彼は三味線で折り紙を操り不思議な物語を見せてくれる。彼のこの妖術は母から譲り受けたものだ。母親もクボも何かにおびえながら暮らしている・・・何故なのか?

話のスジを少し紹介すると。片目の少年クボは岸壁の洞窟で母サリアツと暮らしている。彼には折り紙を三味線で操る特殊な能力がある。村へ出かけては折り紙を動かして物語を村人に聞かせる。それによってお金を稼ぎ生計を立てている。

しかし彼は日暮前までには母のもとに帰らねばならない決まりになっている。ところがあるお盆の日、彼は掟を破ってしまう。夜になって彼の前に現れたのは「闇の姉妹」だった。彼女たちは母の妹だと言う。

闇の姉妹はクボの残った右目を祖父の「月の帝」ライデンに捧げろと襲ってくる。そこに突如 母が現われクボに「父の刀、鎧、兜を探し出しなさい」と魔法の力で遠くに避難させる。

気付いたクボは北国の吹雪の中にいた。そこには不思議な雌ザルがいて何かと面倒をみてくれる。サルは母親がクボに与えたサル人形の化身だと。そして母親は死んだがサルに魂が乗り移っているとも言う。旅の途中、記憶を持たない侍「クワガタ」が仲間に加わる。

二人と一匹は母から言われた「父の刀、鎧、兜」を探す旅に出る。果たしてこれらを見つけることが出来るのか、クボの手に一筋の黒髪を残して別れ別れになってしまった母は本当に死んでしまったのか・・・・。

その後のストーリーとネタバレ

まず刀は「がしゃどくろ」を倒して手に入れる。鎧は水中の魔物と闘いみつけることが出来た。ところがその時「闇の姉妹」のうちの一人が現われる。サルは傷を負いながらも姉妹の一人を倒す。

残るは兜だ。クボは夢の中で兜がハンゾウ邸にあると思い込む。しかしここに「闇の姉妹」の残りの一人が現われてクワガタは倒されてしまう。実はクワガタはハンゾウであり「闇の姉妹」に記憶を消され姿も変えられていた。

サルはクボに「母親は月の帝の娘で、地上の侍ハンゾウを倒しに来た」「ところが母親はハンゾウを愛しクボをもうけてしまう」と真実を告げる。

クワガタ(ハンゾウ)は死に、サルは母の妖術が切れて人形に戻ってしまう。クボは兜が故郷の村にあることを知りそこに向かう。そこで兜を手に入れ、月の帝との最終決戦を迎える。

クボは「父の刀、鎧、兜」を揃えたにも係らず、月の帝ライデンが変身した怪物には歯が立たない。クボは母の髪、父ハンゾウの弓の弦そして自分の髪の毛を三味線に張り、思いっきり弦を鳴らす。

その時不思議な現象が起こる。怪物は年老いた老人に戻ってしまう。しかも自分に記憶が無い。村人が集まり、月の帝ライデンは実はこの村を治めていた心優しい人物だったのだ。

死んだ人は永遠に生きている人々の心の中で生き続ける。クボの傍らには父と母が微笑んでいた。

レビュー

哀愁を誘うストーリーにはグッと来てしまう。結局、サルは母クワガタは父だったんだね。そして亡くなった母の髪、父の弓矢の弦を三味線に張る。この二本の弦に加えて自分の髪の毛を使った魔法の三味線を弾くことによって月の帝ライデンは本当の自分の姿を知ることになる。

企画段階で「侍ファンタジー叙事詩」に監督のトラヴィス・ナイトがのめり込んだ。そして日本の浮世絵や水墨画などに着想を得て「動く木版画」のような映像に仕上げた。

見てて古く懐かしいような映像なんだけどこれがすこぶるクールに感じる。しかもアクションシーンは半端ない躍動感を感じる。世界中で絶賛された理由が分かる。

最先端のCGばかりではなく、こんなストップモーション・アニメ手法でも新しさを感じさせる。映画の奥の深さを見せつけた珠玉の作品だと言える。

 

TATSUTATSU

 

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