SF

映画「リディバイダー」感想・評価:ダン・スティーヴンスが出ていなければ誰も見ないSFドラマだ

サマリー


☆☆(暇だったら)

2018年日本公開のアメリカ・オランダ合作SFアクション映画
監督 ティム・スミット(リディバイダー
出演 ●ダン・スティーヴンス(ザ・ゲスト誘拐のおきて美女と野獣リディバイダー、ダウントン・アビー、レギオン
●ベレニス・マーロウ(007スカイフォール、リディバイダー、リヴォルト)

映画『リディバイダー』予告編2018/6/9(土) ダン・スティーヴンス主演 最新鋭FPS映像で描く、映像ドラマ体感型SFクライシスムービー!!

 

ダン・スティーヴンスが出ていなければ、DVDで充分な作品だ。FPS一人称視点(一人称シューテイングゲーム)で描かれる映像はまるでニンテンドーのシューテングRPG「メトロイド プライム」をやっているようだ。

確かに一人称の視点は斬新だが、いかんせん主役のダン・スティーヴンスが飛んだり跳ねたりするところが見られない。映画館の中は貸切状態で自分ながらよく寝なかったなと思う。したがって彼のファンかシューテングRPGオタクにしかお薦めできない。(アメリカ・オランダでは一年前に公開されている。)

SFドラマとして発想は面白いがそれが映画に生かされていない。ひたすらドローン相手にシューテングゲームをやらされている状態でドラマの深みがまるで感じられない。

「リディバイダー」とは再分離装置あるいは再分離させる者と言う意味になる。現実世界は客観視点、複製世界(エコーワールド)は一人称視点をとっている。

話のスジを少し紹介すると。アインシュタインによって導き出された

E(エネルギー)=M(質量)C(光速度)2乗

つまり質量とはエネルギーであると言う事がスタートになっている。

近未来、エネルギー問題は次の技術で解消された。地球と全く同じエコーワールド(複製世界)を創りだし、複製世界の質量を光エネルギーに変換して地球に建てられた塔が吸収する。そして世界中にそのエネルギーを供給する。

理論的には正しかったが現実には塔が暴走する。オリジナルの地球から鉄道や飛行機などが消える。そしてそれはエコーワールドの空から降ってくる。このままでは地球は20時間9分後に崩壊してしまう。

NASAの宇宙飛行士だったウィル・ポーター(ダン・スティーヴンス)が呼ばれる。塔の研究責任者アビー(ベレニス・マーロウ)は彼に複製世界にワープし任務を果たしてほしいと言う。

ウィルは妹と彼女の息子を養っていた。この任務は死を伴う、しかし何もしなければ地球は滅びる。彼は妹と彼女の息子の将来に渡っての養育を条件に任務を受ける。

その任務とはリディバイダーと呼ばれるキューブ状の「再分離装置」を複製世界の塔の下にある端子盤に接続することだ。これによって複製世界は消滅し、地球は崩壊から免れる。

ウィル・ポーターは特殊な球体に入れられ複製世界にワープする。複製世界に到着した彼はリディバイダーと呼ばれるキューブを持って外に出るが回りに死体がいっぱい転がっていた。

彼は何が起こっているのか状況を把握することが出来ないまま、研究施設を抜け出し塔に向かう・・・果たしてこのミッションを成功させることが出来るのか。

 

ネタバレ

研究所は反政府組織の襲撃を受け壊滅状態だった。ウィルはリディバイダー(再分離装置)を持って、複製世界の塔に向かうがドローンの妨害に合ってなかなか進めない。

ウィルは近くで爆発が起き負傷してしまう。彼は反政府組織によって助けられ治療を受けるが時間が無い。反政府組織と政府組織の銃撃戦は激しくなるばかりだ。

ウィルは顔見知りの警備兵の力を借り、車を猛スピードで走らせる。車の荷台に積んだ機関銃でドローン撃破しながらやっとの思いで塔にたどり着く。

塔の端子盤にリディバイダーをセットし、接続しようとしたところ、拳銃で撃たれる。そこには複製世界のアビーが立ちふさがっていた。

アビーは「この世界を消してしまうつもりなのか」とウィルに向かって叫ぶ。ウィルは撃たれた腹を押さえてリディバイダーを起動させる。

この瞬間、凄い閃光が放たれ複製世界は消滅する。何とか間に合ったのだ、ウィルの犠牲によって地球は消滅を免れる。

レビュー

一人称視点は映画のイメージではなくテレビゲームのイメージだ。しかも自分が操作しているわけでもないので画面を眺めているしかない・・・ストレスがたまる。したがって緊迫感をあまり感じない、将来的には一人称視点は改良を重ねて、映画でも見られるようになってゆくと思うのだが?

ところで、映画のラスボスがアビーだったとは。現実世界のアビーからウィルはミッションを依頼されるが複製世界では敵になっている。ではウィルの複製はいるのだろうか・・・頭がこんがらがって来る。

映画を観る前にパンフレット買おうとしたら「置いてありません」と言われた。パンフレットも無いような映画を公開するのかと少々がっかりした。まあ、DVDが出たらレンタルして眺めるのがもっともお薦めだ。

 

TATSUTATSU

 

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