サマリー
2014年公開のアメリカサスペンス映画、監督はアダム・ウィンガード、主演はダン・スティーヴンス(ダウントン・アビー、誘拐の掟)である。
この作品は主人公が亡くなった戦友の家を訪問し、戦友の思いを家族に伝えることからスタートする。彼は不気味な存在で、善人なのか悪人なのか最後まで観ないと分らない。
戦友の家族は彼をゲストととして温かく迎える。そして家族から信頼されてゆくが、長女だけは彼に気を許さない。
前半までの展開はスリリングで面白いが、後半から主人公は殺人者に変貌し次から次に人殺しをしてゆく。つまり何のために周りの人間を容赦なく殺害するのか、そして彼を追い続けている謎の組織がある。
彼はいったい何者なのか、何の目的で現れたのか、最後まで観ても良く分からない。日常ドラマかと思って観ていると、映画は大きな反則を犯す。
意味不明のB級映画だが何故か引き付けられるのは、主演のダン・スティーヴンスの魅力なのかもしれない。まあ、暇つぶしに観るのもたまにはいいかも。
ストーリー
ストーリーを紹介すると、ある日デヴィット(ダン・スティーヴンス)と名乗る男が、一家を訪ねて来る。彼は戦死したケイレブの戦友で、彼の言葉を家族に伝えるために来たとのことである。
デヴィットの話を信じた家族は、彼を温かく迎える。そして礼儀正しく見えた彼を一家はしばらく滞在させることにした。
次男ルーク(ブレダン・マイヤー)の顔のアザを見たデヴィットは、彼が学校でいじめられていると感じる。彼はルークと不良仲間がたむろするバーにのりこむ、そして不良達を叩きのめす。デヴィットは自分で自分を守れとナイフをルークに渡す。
夜にデヴィットは長女のアナ(マイカ・モンロー)に連れられパーティーに行く。彼はアナの友人クリステンが元彼にしつこく付きまとわれているのを助ける、そして深い仲となる。
デヴィットはここで知り合ったクレイグに銃の入手を頼む。次の日彼はクレイグと銃の密売人と落ち合い、銃を手に入れる。ところが彼は銃を手にした途端に、二人とも射殺する。
アナは偶然デヴィットが携帯電話で誰かと話をしているのを聞く、その内容から彼女は彼に不審を抱く。彼女は直ぐにデヴィッドの事を軍に問い合わせる。
軍からの返答では、デヴィットは一週間前に火事で焼け死んだとのことであった。いったい今の彼は誰であろうか・・・・アナは恐怖を覚える。
ネタバレ
アナの母親ローラとデヴィットが洗濯物を干しているところに、カーヴァー少佐(ランス・レディック)と彼の特殊部隊が現れ、銃撃戦となる。
デヴィットは銃撃戦の中ローラを殺害し、カーヴァー少佐の部下全員を撃ち殺して逃走する。逃走の途中に遭遇したアナの父親スペンサーまでも殺害してしまう。
デヴィットはアナを探すためにクリステンが働いているレストランを訪ねる、彼はアナがいないと分るとクリステンを撃ち殺し、レストランを手りゅう弾で破壊する。
カーヴァー少佐はアナと一緒にルークの学校に向かう、その時彼の口から両親が殺されたことをアナは知る。そしてデヴィットは軍事実験によって超人的な能力を持っていることと、自分に危険が及ぶと周りの人間を殺害するようにプログラミングされている事も知る。
カーヴァー少佐はルークを見つけ逃げようとするがデヴィットに追いつかれ、高校教師とともに殺される。
アナは少佐の銃を拾い、デヴィットを撃つが彼は死なない、そして彼はアナの首を絞め、殺そうとする。あわやと言う時に、ルークがナイフでデヴィットを後ろから刺す。
デヴィットは仰向けに倒れて死ぬ、アナとルークは燃え盛る校舎から脱出し、救急車で治療を受ける。
ところが消防署の作業服を着た男が、よろけるように校舎から出てくる。そいつの顔を見たアナとルークは凍りつく、それはまさしくデヴィットであった。
レビュー
デヴィットは拳銃で撃たれようと、ナイフで背中や胸を刺されようと、死なない。彼はゾンビなのか何なのか、これは反則じゃないのか・・・・・。
せめて防弾チョッキを着ていたとか、傷口が再生する特殊な体質とか、説明がいるんじゃないだろうか・・・・やや消化不良である。
カーヴァー少佐が出てきて物語が面白くなるかと思えば、彼と彼の部下は全員デヴィットに簡単に殺されてしまう。それどころか周りの人間も巻き添えを食ってどんどん殺されてしまう。
前半が面白かっただけに、結末の落ちがB級過ぎる・・・・もっと何とかならなかったのか。結局デヴィットは単なる殺人鬼と言うことになっちゃうね・・・・・これでは面白く無いね。
辰々
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