サマリー
★★★☆☆(お薦め)
2016年放映のアメリカCBS TVドラマ
企画・製作総指揮 ポール・アタナシオ/フィリップ・C・マグロー博士
出演 ●マイケル・ウェザリー(NCIS~ネイビー犯罪捜査班、BULL/ブル)
●ジェニーヴァ・カー
●フレディ・ロドリゲス
●アナベル・アタナシオ
●クリストファー・ジャクソン
●ジェイミー・リー・カーシュナー
全米の新作TVドラマでナンバーワンを獲得し、全米視聴者数2,000万人を越えた大ヒットシリーズだ。派手なアクションシーンは無いが法廷ドラマの好きな人にはもうタマラないシリーズだ。
主人公ジェイソン・ブルを演じるマイケル・ウェザリーがハンサムで実に堂々としている。女性ファンの心をワシづかみするのは間違いない。彼が演じるブルには実在のモデルがいる。行動科学の博士号を持つフィリップ・C・マグロー博士だ。
ブルは弁護士ではないが彼をリーダーとするTAC(トライアル・アナリシス社)と言う会社を持っている。メンバーは
●ブル(マイケル・ウェザリー)⇒ 3つの博士号を持つ心理学者、リーダー
●マリッサ(ジェニーヴァ・カー)⇒ 国土安全保障省の元職員、データ分析のプロ
●ベニー(フレディ・ロドリゲス)⇒ 元検察官の弁護士、法律のプロ
●ケイブル(アナベル・アタナシオ)⇒ 凄腕ハッカー、ネットを操るプロ
●チャンク(クリストファー・ジャクソン)⇒ 一流のスタイリスト、イメージコントロールのプロ
●ダニー(ジェイミー・リー・カーシュナー)⇒ 元FBI捜査官、リサーチのプロ
この6人のチームで顧客から依頼された弁護を担当し、陪審員を味方につけ裁判を勝利に導いてゆく。しかし、悪人は弁護しないところがいいね。悪人を無罪にしてしまっては元も子もないからね。
陪審制について説明すると、民間から無作為に選ばれた6人~12人の陪審員によって、刑事事件では被告人の有罪・無罪が決定される。だからこの陪審員をいかに味方につけるかが重要だ。
TACのリーダー ブルは裁判は科学だと言い切る。法律だけでなく心理学、神経言語学、人口統計学を駆使して陪審員の心を読む。そしてどのような弁護をすれば陪審員の共感を得ることが出来るのか常に考える。
でもそれだけではなく、陪審員の性格に似せた人々を集め「模擬陪審」を何度でも繰り返す。そして最も効果的な弁護方法を選択する。
では陪審員の性格をどうやって把握するするのか・・・凄腕ハッカーのケイブルの出番だ。彼女はネット情報などからそれぞれの陪審員が保守的なのかリベラルなのか、どんな意見を持っているのかなどの情報を入手する・・・違法すれすれだ。
そしてデータ分析のプロ マリッサが400項目からなるマトリックスで的確に行動パターンを予測する。これらの情報からブルは裁判の前に評決を読む。陪審員は先入観を持って裁判に臨む、だからその先入観が読めれば裁判に勝つこともできる。
被告人や弁護士などの外見も重要だ、一流のスタイリスト、イメージコントロールのプロ チャンクが髪型から服装・ネクタイまで気を配る。
結局、我々は他人を評価する場合、外見や服装で無意識のうちに相手を判断してしまう。相手の中味はよく付き合ってみないと分からないからだ。
ブルは陪審員を見ることによって腹の底で何を考えているのか読む。この点は確かに天才だ。しかし彼らの腹の底を読んでも味方につけられなければ意味が無い。そして、裁判は彼が言うところの「科学」だけではない。この点は読み違いをしてしっぺ返しを喰らうときもある。
このドラマが受けるのはブルやそのチームの頭脳戦ばかりではない。ブルの相手を思いやる気持ちが感動を誘う。状況が不利な場合でもそれを何とか優勢に持っていくところがこのドラマの本当のキモか?
ブルも頭脳明晰で天才ではあるが心の中に弱い部分や過去 苦労した体験を秘めている。彼の人間的な魅力に僕らはまいってしまう。
このドラマがワンパターンに陥らないことを祈っている。全く新しい法廷ドラマ(弁護士が主役ではない)を是非観ることをお薦めする。
TATSUTATSU
この記事へのコメントはありません。