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アニメ映画「未来のミライ」感想・評価:くんちゃんが5つ世界へリンクする大冒険物語

サマリー


2018年7月公開のスタジオ地図製作ファンタジーアニメ
監督・脚本・原作 細田守(時をかける少女、サマーウォーズ、おおかみこどもの雨と雪、バケモノの子未来のミライ
声の出演
●上白石萌歌 ⇒ くんちゃん
●黒木華   ⇒ ミライちゃん
●星野源   ⇒ おとうさん
●麻生久美子 ⇒ おかあさん
●吉原光男  ⇒ 謎の男
●宮崎美子  ⇒ ばあば
●役所広司  ⇒ じいじ
●福山雅治  ⇒ 青年(ひいじいじ)

「未来のミライ」予告

山下達郎「ミライのテーマ(Short Version)」

山下達郎「ミライのテーマ(Short Version)」

 

アットホームで楽しいアニメだ、家族連れで見に行ったら最高かも。でも僕のようにひねくれたじじいにはやや物足りないかな。無邪気な子供時代を思い出して幼稚園児 目線で見てみよう。

この映画で細田守監督は何が言いたかったのか・・・「家族の愛」そして「子供は宝」なんだろうね。山下達郎のテーマソングが実にいい、これを聞きに行くだけでも価値がある。

幼稚園児の男の子くんちゃん(4才)が主役だ。愛情を一身に受けていたのに妹のミライちゃんが生まれてから両親は妹につきっきりだ。くんちゃんは癇癪を起して何故か5つの世界へ冒険の旅をする・・・不思議だ夢の中なのか。そして多くの人に出会って、多くのことを経験して自分を少しずつ成長させてゆく。

5つの世界とは

●愛犬ミニチュアダックス「ゆっこ」の世界

●妹ミライちゃんの世界

●おかあさんの子供時代の世界

●ひいじいじの青年時代の世界

●くんちゃんの自分探しの世界

この5つの世界なんだけど、驚くことに「おとうさん」の世界がスッポリと抜け落ちている。全編を通して影の薄いおとうさんに同情したくなる。

やはり、今や「おかあさん」が家庭では主役なのだ、主夫のおとうさんはキャリアウーマンのおかあさんに叱られながら子育てや家事をするのが微笑ましい。今や亭主関白は流行らないね。

物語のスジを少し紹介すると。くんちゃんの家はおとうさんが設計した部屋に壁のないだんだん畑のような細長い建物だ。家の真ん中には1本のカシの木が植わっている。

くんちゃん遊び部屋は道路に近いところにある。おかあさんがあかちゃんの妹を連れて帰ってくる。妹の名前は未来ちゃんだ。

未来ちゃんが来た日からおとうさんもおかあさんも妹にかかりっきりだ。一人ぼっちにされたくんちゃんは面白くない。しょっちゅう癇癪を起す。

ある日カシの木の近くで不思議な男に出会う。その男はくんちゃんが生まれる前からこの家のあるじだ。でもくんちゃんが生まれてからは主役が交代したとさびしいそうな顔をする。

後ろを見ると尻尾がある・・・ミニチュアダックスの「ゆっこ」なのか。男の尻から尻尾を抜き取り自分のお尻に刺して犬のように4本足で家じゅうを駆けずり回る。

次に癇癪を起した時に未来から来た妹ミライちゃんに会う。中学生くらいのミライちゃんはお雛様を早く仕舞って欲しいと言う。婚期が遅れるのがその理由だ。くんちゃんとミライちゃんと謎の男はおとうさんに見つからないように、そっとお雛様を段ボールの中に片付ける。

今度は知らない街にくんちゃんはいた。建物の陰で泣いている女の子がいた。でもそれは嘘泣きで「ネコが欲しいと」感情を込めて手紙を書いていたからだ。

どうもその少女はおかあさんのようだ。女の子はくんちゃんを家に連れて行ってくれた。そして家の中を引っ掻き回して遊びだした。ところが少女のおかあさん(今のばあば)が返ってきてもの凄く怒られる。おかあさんは今でも片付けが苦手だ。

さあて、くんちゃんは次に激しいエンジン音を聞く、果たしてそこはどこだろーか。古ぼけた街並みが見える・・・。そしてくんちゃんが最後に行き着くところとは、そこは何処だろう?

その後のストーリーとネタバレ

くんちゃんは古い小屋の中にいた。正面におとうさんに良く似た青年(ひいじいじか?)がバイクを整備していた。くんちゃんを見つけると乗ってみるかいと言う。でもくんちゃんは怖くて乗れない。

青年はそんなくんちゃんを馬に乗せてくれた。馬を走らせると怖くて前が見られない。青年はしっかり遠くの正面を見るんだとコツを教えてくれる。そしてバイクにも乗せてくれる。バイクで風を切って町中を走る。

現実世界に戻ったくんちゃんはひいじいじの言うとおり遠くをしっかり見て自転車に乗る。補助輪を外したての自転車はゆらゆらあぶなかっしいがくんちゃんは自分の力で乗りこなす。それを見ていたおとうさんは大喜びだ。

夏休み旅行の準備の最中、おとうさんが出した青いズボンが気に入らずくんちゃんは一人で家出すると言い出す。リュックにバナナとジュースを詰め込み振り向くとそこは田舎の無人駅だった。

高校生(くんちゃんの成長した姿)から「みんな楽しみにしていた夏休みだろう」と諭される。列車が来る、高校生は「乗っちゃあダメだよ」と止めに入るが頑固なくんちゃんは乗ってしまう。

たどり着いた先は大きな駅だった。くんちゃんはこの駅で迷子になる。ロボットのような駅員さんから身元を聞かれるが、おとうさんの名前やお母さんの名前が答えられない。

駅員は「行き場の無い子供の行き先は一人ぼっちの国です」と座席がガイコツの恐ろしい列車に乗せられそうになる。近くには赤ちゃんの未来ちゃんが乗り込もうとしていた。

くんちゃんは未来ちゃんを乗車口から引き戻す、そして「くんちゃんは未来ちゃんのお兄ちゃん」と叫ぶ。その時、そらから中学生のミライちゃんが助けに来てくれた。

くんちゃんはミライちゃんと大空を飛び見たことのある街にたどり着く。空から我が家のカシの木が見える。ミライちゃんはカシの木が我が家の索引だと言う。くんちゃんがたどりづいた先は庭のカシの木だった。

結局、「ほんの些細なことがいくつも積み重なって、今の私たちを形作っている」・・・そういうことだ。

レビュー

細田守監督は身近なところからテーマを選定している。今の家族がいるのは先祖があるからだ。そして「命」の循環が続いてゆく。新しい命 未来ちゃんが生まれて来るけどひいじいじは亡くなって行く。

監督は子供は無限の可能性を秘めている。しかし成長するにしたがってありきたりの人間になってしまうと言っている。映画の中に成長した高校生のくんちゃんが出て来る。

高校生のくんちゃんは幼稚園のくんちゃんが電車に乗るのを止めようとする。でも幼稚園のくんちゃんはそれを押し切って電車に乗って冒険を続ける・・・子供が無限の可能性を秘めている貴重なシーンだ。

前にも書いたけどおとうさんの存在が薄い。でも彼は自宅にいてパソコンだけで食ってゆける、あこがれの「フリーランス」だ。僕もフリーランスにあこがれるけど半端無い実力が必要だね。

物語はカシの木から始まってカシの木で終わる。カシの木はくんちゃんファミリーの歴史だ。少々たいくつなシーンもあったけど純真な子供の心と行動を描いた秀作だと思う。ところであなたのファミリーツリーは?

 

TATSUTATSU

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