ヒューマンドラマ

映画「ワイルド・ローズ」感想・評価:超ダメ女が自分の才能を信じ夢に向かって挑戦してゆく

サマリー


★★★★☆(見るべき名作)

2020年6月日本公開のイギリス製作ミュージシャン映画
監督 トム・ハーパー(ワイルド・ローズ
出演 ●ジェシー・バックリー(ワイルド・ローズ、ジュディ虹の彼方に、ドクター・ドリトル)
●ジュリー・ウォルターズ(ワイルド・ローズ、ハリー・ポッター)
●ソフィー・オコネドー(ワイルド・ローズ、ヘルボーイ、ナイル殺人事件)
●ジェイミー・シーヴェス(ワイルド・ローズ

映画『ワイルド・ローズ』予告編

 

この映画の魅力は何といっても主人公のローズを演じるジェシー・バックリーの演技力・歌唱力だ。超ダメ女を物凄く可愛く演じる。見ていて楽しい成功物語ではない、彼女は挫折し苦しみぬく、でも夢に向かって一直線。自分の才能を信じて疑わない。

舞台はイギリス。ローズ=リン・ハーラン(ジェシー・バックリー)は18歳で子供を産んで今は26歳、8歳になる長女と5歳の長男を持つシングルマザーだ。しかもドラッグの密輸容疑で12か月もムショ暮らし、やっと出れたと思ったらボーイフレンドと公園でセックスしちゃうと言うノー天気な超ダメ女だ。

でも彼女の歌の才能は抜群だ。将来カントリー歌手としてアメリカのナッシュビルで歌いたいと夢馳せる。母親のマリオン(ジュリー・ウォルターズ)は夢を諦め堅実な仕事をして子供を育てろと口うるさい。子供たちもローズに懐かない。

ローズは仕方なくスザンナ(ソフィー・オコネドー)の家の家政婦として働き始める。彼女は歌いながら掃除する。それを聞いた子供たちは母親のスザンナに彼女の歌声は凄いと話す。スザンナは彼女の歌の才能にほれこみ友人のラジオ・パーソナリティー、ボブ・ハリスに合わせる。

ローズはロンドンにゆき、憧れのボブ・ハリスに会う。彼は彼女に「自分の歌を作りなさい」とアドバイスをくれる。彼女はナッシュビルに行って一発あてたいとスザンナに旅費の支援を頼み込むが断られる。

しかし、スザンナは家でパーティをおこなうからそこで歌って沢山の人から支援をもらいなさいとチャンスを作ってくれる。ローズは夢にも登る心地だ。さっそく、昔のバンドメンバーを集めて本格的な練習を始める。

ところがスザンナの夫がローズの過去を調べたようで、パーティが終わったら出て行ってくれと強く言われる。彼は純真な妻や子供たちへの悪影響を危惧したようだ。彼女はショックを受ける。

パーティ当日、ローズはボロボロの状態で現れ、スザンナに自分がダメ女であることを打ち明け、歌うことなく去ってゆく。果たして彼女は歌を捨ててしまうのか・・・。

その後のストーリーとネタバレ

ローズは涙を流し母親マリオンの元に戻ってくる。マリオンはパン屋で20年働いて貯めたお金を娘に差し出す。このお金で「ナッシュビル」に言っておいでと。ローズはとても受け取れないと躊躇するが母親は夢を叶えなさいと背中を押す。

ローズは憧れのナッシュビルを初めて訪れる。彼女は安ホテルを予約しオーディション回りをしようと考えたがとにかく順番待ちでらちがあかない。ここは音楽のメッカ、競争が激しいのだ。

彼女は旅行者を装って伝説の舞台に入り込み、誰もいないコンサート会場でアカペラで歌う。スタート地点に立った瞬間だった。彼女の歌を聞いた関係者がプロデューサーに紹介しようかと持ち掛けられたが断った。彼女はイギリスにすぐに帰る。

そして一年後、超満員の舞台でカントリーを歌うローズがいた。客席には母親や家族、スザンナたちもいた。

レビュー

ナッシュビルはアメリカ合衆国、テネシー州にある都市だ。「ミュージック・シティ」と呼ばれるほど音楽が盛んなところだ。カントリー・ミュージック殿堂博物館、ベルコート・シアター、ライマン公会堂が観光客の人気スポットだ。

ミュージシャンであればこれらの舞台に一度は立って歌ってみたいと思うだろう。でも一流でなければなかなかこの舞台に立てるものではない。ローズはここに来て、ここからゼロスタートだと心に決めるシーンがジーンとくる。

今まで、無茶をして人に頼ることしか能のなかったローズが目覚める。そしてオリジナル楽曲を作って活動を再び始めるのだ。カントリーは白人の音楽だと言われる。アメリカだけではなく世界中にファンやアーティストがいる。

ジェシー・バックリーの歌声が心にしみる。カントリーになじみの無い方でも充分楽しめる。スターはこうして誕生するものだと見せつけられるドラマだ。歌を歌えることが何と素晴らしいことかと思うね。

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