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映画「ヴァレリアン千の惑星の救世主」感想・評価:リュック・ベッソンが描く大いなる駄作

サマリー


2018年3月日本公開のフランス・中国・アメリカ・アラブ首長国連邦・ドイツ合作SFスペース・オペラ
監督・脚本 リュック・ベッソン(グラン・ブルー、ニキータ、レオン、フィフス・エレメント、LUCY/ルーシーヴァレリアン千の惑星の救世主
原作 ピエール・クリスタンとジャンクロード・メジエールの漫画「ヴァレリアンとローレリーヌ」
出演 ●デイン・デハーン(クロニクル、アメイジング・スパイダーマン2、キュア~禁断の隔離病棟~ヴァレリアン千の惑星の救世主
●カーラ・デルヴィーニュ(スーサイド・スクワッド、ヴァレリアン千の惑星の救世主
●クライヴ・オーウェン(キング・アーサー、クローサー、トゥモロー・ワールドラスト・ナイツヴァレリアン千の惑星の救世主
●リアーナ(バトルシップ、ヴァレリアン千の惑星の救世主、オーシャンズ8)
●イーサン・ホーク(ガタカ、トレーニング デイ、6才のボクが、大人になるまで。、プリデスティネーション、マグニフィセント・セブン、ヴァレリアン千の惑星の救世主
●ハービー・ハンコック(ヴァレリアン千の惑星の救世主
●クリス・ウー(ヴァレリアン千の惑星の救世主
●ルトガー・ハウアー(ブレードランナー、ヒッチャー、ザ・ライト

『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』日本版予告 (2018年)

 

巨匠リュック・ベッソンが180億円以上かけて駄作を作ってしまった。僕は原作マンガを読んでいないので映画だけの解説になるが。オリジナリティは確かに豊かで興味をそそられる。でもいかんせんストーリーが分かり難いし盛り上がりに欠ける。

おもちゃ箱をぶちまけたようなイメージで、気に入ったおもちゃがちらほらあるが、気に入らない部分も多い。大昔のエロチック・スペース・コメディ「バーバレラ」(ロジェ・ヴァディム監督)、気持ちの悪い「デューン/砂の惑星」(デヴィッド・リンチ監督)、あまりにつまらない「フラッシュ・ゴードン」(マイク・ホッジス監督)などの大コケ スペース・オペラを思い出させる。

   「バーバレラ」

ジェームズ・キャメロンの「アバター」のように単純なストーリーをアクションと映像美でみせる手法にすればよかったのか。とにかくシューティングゲームをやっているような感覚で次から次へと場面がかわり落ち着かない。

冒頭、デヴィッド・ボウイ「トム少佐」の歌に乗せて「アルファ宇宙ステーション」が出来上がるまでを描いた映像は出色の出来だ。それに続く温和なパール人達が住む惑星ミュールの滅亡シーンはなかなかいいのに・・・。

デイン・デハーンとカーラ・デルヴィーニュの若い男女が主役だ。期待していたクライヴ・オーウェンとイーサン・ホークが二人とも悪役で、まるで存在感が無い・・・もったいないなー(何を考えているのだろう?)。それにもう少し一般受けするように編集しなおせばそこそこ見られるようになるかも。

この映画はお薦めした方が良いのか悩む?映像が鮮やかで、オリジナリティに富んでいるので気分転換にはいいが、大金をはたいでまでも劇場に駆け付けるのはスペース映画オタクだけでいいのかな(ちなみに僕はオタク)。DVDが出てから見るのが正解かもしれない。

話のスジを少し紹介すると「アルファ宇宙ステーション」は米ソの宇宙船のドッキングからスタートし、2740年においては、千の惑星の住人が住み着き、銀河系における巨大な宇宙都市にまで発展している。

30年前、パール人達が住む惑星ミュールの近くで宇宙戦争が起きる。近くの惑星に知的生物が住んでいるのなら決して使ってはならない最終兵器を攻撃に使ってしまう。そのため、惑星ミュールは破壊される。生き残ったパール人達は宇宙をさまよい「アルファ宇宙ステーション」にたどり着く。

連邦捜査官のヴァレリアン少佐(デイン・デハーン)とローレリーヌ軍曹(カーラ・デルヴィーニュ)に国防大臣(ハービー・ハンコック)から極秘のミッションが通達される。

砂漠の惑星キリアンにある巨大市場で「ミュール変換器」の取引が行われると言う情報が入ってくる。この「ミュール変換器」とは膨大なエネルギー源を生み出す生き物で、銀河系に生き残る最後の一匹だ。この生き物を捕獲するのがヴァレリアン少佐達の仕事だ。

ヴァレリアン少佐は宇宙海賊のボス アイゴン・サイラス(ジョン・グッドマン)から「ミュール変換器」をかっぱらい、異次元空間に広がるビッグ・マーケットから命からがら逃げかえる。

ヴァレリアンとローレリーヌは「ミュール変換器」を「アルファ宇宙ステーション」に届ける。アルファにおいては謎の放射線汚染が広がっており、これに対処するためフィリット司令官(クライヴ・オーウェン)が責任者として派遣されていた。

ヴァレリアンとローレリーヌはフィリット司令官を護衛する役目を仰せつかるが、突如現れたパール人達によって司令官が連れ去られる。果たして彼らは何のために司令官を連れ去ったのか、そしてヴァレリアンとローレリーヌは司令官を奪還することが出来るのか・・・。

その後のストーリーとネタバレ

ヴァレリアンはあるパール人女性が夢の中に出て来る、そして自分に何かを訴えていることを感じる。彼はいつもローレリーヌを口説いていたが、それとは異なる未知の女性への不思議な感覚だ。

ヴァレリアンは連れ去られたフィリット司令官を乗せた飛行艇を追っかけるが「アルファ宇宙ステーション」最深部の無法地帯「レッドゾーン」近くで行方不明になってしまう。

慌てたローレリーヌは彼を探しに出かけ、岩の壁に激突し気を失っていたヴァレリアンを見つけ介抱する。彼を助けたと思っていたローレリーヌが今度はブーラン・バソール一族に拉致されてしまう。

彼はローレリーヌを追ってアルファいちの歓楽街「天国横丁」に潜入するがそこで客引きジョリー(イーサン・ホーク)の店に連れ込まれる。そこにはショーダンサーのバブル(リアーナ)がいた。

ヴァレリアンは何にでも姿を変えることの出来るバブルの協力を得て、ブーラン・バソール人に化ける。そしてローレリーヌの奪還に成功する。

ヴァレリアンは夢に出て来る謎のパール人に導かれ「レッドゾーン」に到達する。なんとそこにはフィリット司令官と彼を拉致したパール人たちがいた。パール人はヴァレリアンに自分たちの滅亡の歴史を説明する。

惑星ミュールで静かに暮らしていたパール人達を滅亡の淵に追いやったのは何とフィリット司令官だったのだ。彼は惑星ミュール近くでの宇宙戦争で部下の制止も聞かず最終兵器を使ったため、敵の宇宙船どころか惑星ミュールまで破壊してしまった。

生き残ったパール人達は死ぬ思いでここにたどり着いたようだ。そしてヴァレリアンの記憶の中に住むパール人の女性は死の間際に宇宙に向かって自分の精神を発信し、それをたまたまヴァレリアンが受け取ってしまったようだ。

ヴァレリアンはもともと惑星ミュールに生息し、パール人達が世話をしてきた「ミュール変換器」を渡す。この変換器にパールを食べさせることによって、新たなパワーが発生し惑星ミュールの再生にもつながる。

そんな時に「レッドゾーン」にフィリット司令官の護衛アンドロイド K-トロンと連邦の軍隊がやってくる。そして「レッドゾーン」に爆薬を仕掛ける。

K-トロンと軍隊は味方同士でありながら交戦する。そして爆薬が破裂するがその少し前にヴァレリアンとローレリーヌは「レッドゾーン」からの脱出に成功する。そして「ミュール変換器」を得たパール人達は自分たちの惑星を再生することが出来るであろう・・・。

ヴァレリアンはローレリーヌにプロポーズする。いつも話をはぐらかしていたローレリーヌも彼に根負けし了承する。二人は宇宙船の中で抱き合いキスをする。

レビュー

映像を見ていると色々な宇宙人や宇宙怪物が出てきて楽しいが、あまりにも奇想天外で話のスジがどうつながるのか理解できない部分がある。

惑星ミュールを失ってしまったパール人たちが「ミュール変換器」と呼ばれる小動物を使って、自分たちの惑星を再生しようと試みるがこんなちっちゃな生き物が星を再生できるとも思えない。

リュック・ベッソンの超現実趣味につき合わされた映画だけど、次から次へと目新しい映像とストーリー展開で何だかよく分からないが気分転換は出来たような気がする。

映画と言うより、テレビゲームの中にぶち込まれた137分間と言った方がいいのかな。しかしやっぱりこの映画はオオコケしたようで100億円以上の赤字を出したらしい。

リュック・ベッソンは才能ある監督なので、今回は今一だったが次回作に期待しよう。ああ、そうそうドーガン=ダギーズの吹き替えをThe Alfeeがやってたね。

TATSUTATSU

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