サマリー
1998年公開のアメリカSF映画、監督・脚本はアンドリュー・ニコル、主演はイーサン・ホーク(プリディステネーション)である。全編を通して郷愁の漂う音楽は、マイケル・ナイマンが担当している。
ガタカとはNASAみたいなもので、惑星にロケットを打ち上げる「宇宙局」のことである。DNAの塩基の頭文字が名前の由来になっているらしい。
物語の冒頭には旧約聖書の言葉「神の御業を見よ、神が曲げたものを誰が直しえようか」とウィラード・ゲイリンの言葉「自然は人間の挑戦を望んでいる」が出てくる、これらの言葉に映画の内容が要約されている。
近未来においては、ほとんどの子供が遺伝子操作によって生まれて来るかもしれない。男女の産み分け、髪・肌・目の色や優れた体力・知力を生まれながらに持つことが出来る。
しかし、完璧な遺伝子を持っていても、それが全てとは言えない、不完全な遺伝子を持って生まれてきても、努力次第で欠点を克服することが出来る・・・・・・これがこの映画のテーマである。
映画はスタイリッシュでややカルト的な雰囲気を持っており、今でもマニアファンが多い・・・・・見ておいて損はない作品である。
主演のイーサン・ホークとヒロインのユマ・サーマンはこの映画の後、結婚している。
「お薦めSFパニック映画ベスト20-将来人類は滅亡するかも知れない」もアップしたよ。
ストーリー
ストーリーを少し紹介すると、ヴィンセント・アントン・フリーマン(イーサン・ホーク)は自然出産で生まれた「不適正者」であり、小さい時から病気がちで心臓疾患で短命と言われていた。
弟のアントン・フリーマン(ローレン・ディーン)は遺伝子操作によって生まれた「適正者」であり、兄よりも成長が早く、体力・知力に優れていた。
社会においてもこの「適正者」と「不適正者」の間には差別があり、ヴィンセントは宇宙飛行士を夢見ていたが叶わず、ガタカの室内清掃業者として働いていた。
ある日、闇のDNAブローカーから生体偽装により、ガタカの局員になれるとの情報を得た。完璧なDNAを持つジェローム・ユージーン・モロー(ジュード・ロウ)が血液・尿・指紋を提供してくれるとのことであった。
ジェロームは水泳の金メダル候補であったが、自動車事故のため下半身不随であった。
お金はかかるが、ヴィンセントはこの話に乗る。そして生体IDを偽装しジェロームに成りすまし見事にガタカの局員になる。
彼は努力に努力を重ね、土星のタイタン調査ロケットの宇宙飛行士に選ばれる。しかし、出発直前に彼の上司が殺される、しかも、その近くからヴィンセントのまつ毛が発見される。
果たして彼は目的を達成することが出来るであろうか。
ネタバレ
殺人事件の捜査にヴィンセントの弟のアントンが責任者として出向いてくる。そして捜査の網が少しずつヴィンセントに向かって狭まってくる。
ヴィンセントは同僚のアイリーン・カッシーニ(ユマ・サーマン)と何かに付き話が合い、デートを重ねるうちに彼女を愛するようになる。彼女は彼を疑いながらも、逃亡の手助けをする。
彼は弟のアントンの捜査網を何とかくぐり抜ける。そのうちに真犯人が見つかる、それはなんとジョセフ局長であった。
そしてロケットに搭乗する日が来た、ジェロームはヴィンセントに「宇宙に行ったら読んでくれ」と手紙を渡す。
全てが上手く行くかに見えたとき、搭乗前の抜き打ち生体検査が行われた、生体IDを用意してなかったヴィンセントは万事休すであった。
ところが、検査のレイマー医師は何も言わずに、ヴィンセントを送り出す。彼は以前からヴィンセントの偽装に気付いていたのだ・・・・・何故彼は見逃してくれたのであろうか。
ヴィンセントは宇宙ロケットの中でジェロームの手紙の封を切る、中には彼の遺髪がはいっていた。
ジェロームが焼却炉の中で自殺したことをヴィンセントは知らないであろう・・・・・・彼は一生分の血液・尿などの生体サンプルを残し、自分自身をこの世から抹殺したのであった。
レビュー
この映画で少しおかしいなと思う点がいくつかある。
まず、ネクタイを締めたスーツ姿でロケットに乗っている・・・・・宇宙服を着てほしかった。
次に、ヴィンセントの弟アントンが捜査に来ているのに、兄の顔が分からないとはおかしい。
また、生体認証で毎日血液サンプルを取るのはおかしい・・・・・未来でも網膜認証でしょう。
局長が人殺しをするとはやや突飛過ぎる・・・・・・・・・。
最後に、完璧なDNAを持っていたジェロームは自殺しようとして、車に飛び込み下半身不随となる・・・・何故なのか。
また、検査のレイマー医師は何故ヴィンセントを見逃してくれたのか・・・・・このシーンを考えながら見ると面白いですよ。
このカッコウでロケットに乗っちゃいます。
まあ、ケチをつけたらきりがない、若き日のイーサン・ホークとユマ・サーマン、そしてジュード・ロウを見て楽しめばいいのかなー。
TATSUTATSU
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