サマリー
2018年1月DVD日本公開のアメリカ製作サイコ・サンペンス映画
監督 ゴア・ヴァービンスキー(ザ・リング、パイレーツ・オブ・カリビアンシリーズ、キュア~禁断の隔離病棟~)
出演 ●デイン・デハーン(クロニクル、アメイジング・スパイダーマン2、キュア~禁断の隔離病棟~、ヴァレリアン)
●ジェイソン・アイザックス(ハリー・ポッターシリーズ、フューリー、キュア~禁断の隔離病棟~)
●ミア・ゴス(ニンフォマニアック、キュア~禁断の隔離病棟~、サスペリア)
https://youtu.be/f_S9ARs4upg
サスペンスドラマの結末知りたさに最後まで引っ張られたけど、オチがあまりにいただけない。途中まで期待を持たせたのは何だったのか。次から次へと謎が出て来るが、その謎を説明することも無く、最後はゴシックホラー仕立てで片付けちゃうなんて・・・。
日本で劇場公開されなかったのも何となく分かるような気がする作品だ。まあ途中までは面白いのでDVDレンタルで見るくらいなら損することもない。「働き過ぎは体に良くないね」という教訓が盛り込まれている・・・猛烈サラリーマンには受けるかもしれない。
最初、僕は主人公のロックハート(デイン・デハーン)が気違いかと思ったが、正常らしい。そして何故かウナギがいっぱい出て来る。日本人はうな重を想像してしまうから怖さが半減だ・・・何故ウナギなのか。そしてこのサスペンス映画をコメディだと思って観るとなかなか楽しい、試してほしい。
話のスジを少し説明するとウォールストリートで働く猛烈エリート・サラリーマン ロックハートは上司からスイスの療養所に行ったローランド・ペンブローク社長をすぐに連れ戻して来いと指示を受ける。会社の合併には社長の署名が必要だからだ。
彼はアルプスの麓にある高級療養施設に向かう。療養所に到着してもなかなか社長に合わせてもらえない。一旦ホテルに帰る途中、車が鹿と衝突し横転する、気が付いたロックハートは足を骨折し療養所のベッドにいた。
彼は松葉つえをつきながら療養所を探し回り、ペンブローク社長に面会できるが、ニューヨークには帰りたくないと言う。ロックハートは社長を説得し、一緒に帰ることを同意させた。
彼はこの療養所でどこか変わった少女ハンナ(ミア・ゴス)を見かける・・・ここで若い患者は彼女だけだ。彼女は「自分は特別よ」と言う。そしてここからは誰も出られないと・・・。帰る間際になって社長は姿を消し、ヴォルマー所長の話では病気が悪化して帰れないと不思議なことを言う。
ロックハートはヴォルマー所長を問い詰めるが突然、鼻血をだし倒れてしまう。ヴォルマー所長は「貴方の体も良くない治療すべきだ」と言う。彼は仕方なく所長の治療を受けることとなった。所長は「人間の体は65%が水だ、水を毎日飲みなさい」と言う。
この療養所の治療は特殊だ、酸素ボンベをくわえて水を満たしたタンクの中に入るが、そこでおびただしいウナギの幻覚を見る。彼は取り乱し死にかける、そしてそれから幻覚や幻聴に悩まされるようになってしまう。
果たしてロックハートは生きてこの療養所から出られるのだろうか・・・。そしてヴォルマー所長とハンナの正体は?
その後のストーリーとネタバレ
村の古い言い伝えに、約200年前この療養所の場所にフォン・ライヒマール家の城があったそうだ。当主の男爵は純血にこだわり妹に自分の子供を産ませようとした。ところが村人たちは男爵の目の前で妹を焼き殺したらしい。
何故なら彼は村人を使ってある医学的実験を行い、多くの村人が行方不明なっていたからだ。そして行方不明の村人が発見されたとき、その遺体はエジプトのミイラのように痩せ衰えていたとのことだった。
ロックハートはハンナを誘い、彼女の自転車で村へ行ってみることにした。パブに入ってハンナとビールを飲む。彼は真向かいにある動物病院に入ってこっそり盗んだペンブローク社長のカルテを見せる。獣医はそれを見てこの人は「慢性脱水症」だと言う。
ロックハートはビックリする、何故なら患者は毎日大量の水を飲まされるからだ。そして獣医から秘密の話を聞く、男爵の妻は奇形の子が母体を拒絶して子供が産めなかったとのことだった。
そこにヴォルマー所長が現われ、ロックハートとハンナは療養所に連れ戻される。暫くして彼の体には異変が起こる・・・あんなに丈夫だった歯が抜けるのだ。
ロックハートは仲良くしていたワトキンス夫人から不思議な話を聞く。男爵は妹と結婚し子供が出来た、そして村人が彼女を焼き殺す前に胎児を取り出して下水に捨てた。しかしその子供は生き残ったそうだと。
偶然入った部屋でロックハートは水の中に漂うペンブローク社長を見てしまう・・・彼は生きているのか死んでいるのか。そして、そうするうちにロックハートは自分がひょっとしたらオカシクなっているのではないかと疑う。
ロックハートは療養に来た患者たちに「我々は健康だ、病気にしているのは、この施設の水とヴォルマー所長だ」と叫んでも誰も信用しなかった。
ヴォルマー所長はロックハートに真実を話す「君が言うように、ここの水は有害だ、しかし適切に濾過すれば問題ない」この方法は男爵が考案した。そして「不老長寿のエキスを作った」。
その方法は、「人間を機械に入れ、ウナギの入った下水の水を飲ませて、水をろ過すると同時に不老長寿のエキスを抽出する方法だ」とロックハートを機械にかける。彼は生命のエキスを抽出され、少しずつ変わって行く、そしてここが最高の場所だと思うようになる。
そのころハンナは初潮を迎え、大人の女性になっていた。ヴォルマーは大人になったハンナを自分の妻にしようとしていた。そして療養所の特別室では結婚の儀式が始まっていた。
ロックハートはあることに気付いた、それはヴォルマーの部屋に飾ってある写真だ。それをよく調べてみると顔に包帯を巻いた男の横には幼いハンナがいた。ヴォルマーは実は男爵でハンナは彼の娘であると結論付けた。
ヴォルマーは自分の娘と結婚し、純血種を残そうとしているのだ。そう考えると彼は300年も生きてきたことになる・・・人間のエキスを摂取することによって生きながらえてきたのだ。
ロックハートはハンナを助けて療養所を出る決心をする。彼は初夜の儀式を妨害しヴォルマーに火をつける。そして床にまいた燃料にも火が付き瞬く間に療養所は大火に包まれる。ヴォルマーは顔から人口の皮膚を剥ぎとり、焼けただれた顔でロックハートを襲ってくる。
ロックハートがヴォルマーに押さえつけられ、あわやと言うときに、ハンナがスコップでヴォルマーを強打し、彼はウナギの水槽に落下し、跡形もなくウナギに食われてしまう。
ロックハートはハンナを自転車に乗せて療養所から脱出する。彼は今までにないほど、いい気分だ。
レビュー
ストーリーの設定に於いて、21世紀の現代と200年以上前から続くカルト集団とを結びつけることに無理がある。男爵は純血にこだわったが今の医学ではクローン人間が可能になっているから、説得力に欠ける。
それにウナギが300年も生きるとは。ウナギは体に毒を持っているから生では食べられません。ロックハートが多量のウナギを無理やり食べさせられる、普通は死んじゃうね。でも蒲焼にすれば安全だ。
また、老人から生命エキスを搾り取っているが老い先短い老人たちに、果たしてエキスは残っているのか・・・などと余計なことを考えてしまう。
返って、ダーク・エロティック・コメディにしてしまった方がもう少しヒットしたかもしれない。それにしてもデイン・デハーンはレオナルド・デカプリオに良く似ているね。間違えそうだ。
TATSUTATSU
映画[キュア]とは関係ない話で申し訳ないのですがよろしければ質問させてください。
これから私も映画の紹介ブログを作ろうかと考えていまして、参考のためにいくつかのサイトを見比べていたのですが、主に文章のみで構成されているレビューと辰々さんのように写真てんこ盛りのレビューに分かれていました、サイトを見る読者にとっては絵や写真があったほうが観ていて楽しいですしまた観たいと思うのですが、著作権に関してはどうなのでしょうか、何か工夫されているのですか?
迷惑であれば無視していただいてかまいません。
長文、失礼しました。
松下さんへ
コメントありがとうございます。著作権につきましては色々な意見や考え方があると思います。僕は映画のレビューをDVD、CD、原作本、フィギア等の販売の説明文と考えています。さらに新作映画については映画の宣伝の意味合いもあります。映画業界を微力ながら盛り上げたいと考えています。
返信ありがとうございます。参考にします。