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映画「レッド・スパロー」感想・評価:アメリカに内通するロシアの二重スパイは誰なのか

サマリー


2018年3月 日本公開のアメリカ製作 米ソスパイ映画
監督 フランシス・ローレンス(コンスタンティン、アイアムレジェンド、ハンガー・ゲームシリーズ、レッド・スパロー
原作 ジェイソン・マシューズ「レッド・スパロー」
出演 ●ジェニファー・ローレンス(ウィンターズ・ボーン、X-MENシリーズ、ハンガーゲームシリーズ、世界にひとつのプレイブック、パッセンジャーレッド・スパロー
●ジョエル・エドガートン(エクソダス:神と王レッド・スパロー
●マティアス・スーナールツ(ロフト、リリーのすべて、夜が明けるまで、レッド・スパロー
●シャーロット・ランプリング(愛の嵐、エンゼル・ハートリスボンに誘われてアサシンクリードレッド・スパロー
●メアリー=ルイーズ・パーカー(レッド・ドラゴン、RED/レッドシリーズ、レッド・スパロー
●ジェレミー・アイアンズ(リスボンに誘われてバットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生アサシンクリードレッド・スパロー

「レッド・スパロー」日本版予告 第2弾 (2018年)

 

もの凄くよく出来たストーリーだ。最後まで息をつかせずに見てしまった。少々エロ・グロシーンがあるがお薦めスパイ映画だ。それもそのはず、CIAに33年間工作員として在籍したジェイソン・マシューズが書いたベストセラー「レッド・スパロー」がもとになっている。

この映画にはマシューズしか知り得ないスパイ現場の裏側までもが盛り込まれている。だから物語に深みがあり、終盤になるまで全く謎が解けない。後でネタバレするけど、映画を見る人は結末を知らない方がいい。物語は二転三転するから伏線を見落とさないようにじっくり見ることをお薦めする。

「レッド・スパロー」とは「赤い雀」と言う意味で、ロシアの女スパイのことだ。彼女たちはロシアのスパイ養成所で男を誘惑しコントロールするワザを習得する。ハニートラップに引っかかった男たちはアリ地獄に落ちたアリのように逃げられない。

少し前にシャーリーズ・セロン主演の「アトミック・ブロンド」と言う女スパイ映画が公開されているがこれよりも数段いい。主演のジェニファー・ローレンスが全裸で体当たりの演技をする。もう彼女の迫力にくぎ付けだ。

物語のスジを少し紹介すると、ボリショイ・バレエ団の花形バレリーナ ドミニカ・エゴロワ(ジェニファー・ローレンス)は足に大けがを負いトップの地位を失う。

彼女は病気の母親を一人で支えていた。しかしバレエが出来なければ住むところも追われる運命だ。彼女の叔父ワーニャ(マティアス・スーナールツ)は彼女の素質を見込んでスパイ養成所に入るように勧める。そうすれば現状の暮らしを続けることが出来る。ワーニャはロシア情報庁の幹部だった。

養成所では監視官(シャーロット・ランプリング)にしごかれるが、頭角を現したドミニカに重要な任務が与えられる。その任務とはロシア情報庁の上層部にいるアメリカへの内通者つまり「もぐら」を探り出せというものだった。

彼女はCIAの捜査官ネイト・ナッシュ(ジョエル・エドガートン)に接触し、ハニートラップで彼をコントロールしようとする。そして彼から内通者の情報を得ようとするのだが、彼とはただならぬ関係に落ちてしまう。

ネイトを愛してしまったドミニカは祖国を裏切るのか、それともそれは彼女の作戦なのか・・・・。

その後のストーリーとネタバレ

モスクワでネイトは「もぐら」と会っていた。そこに不審な車が近づいてくる。とっさにネイトは銃を二発 地面に打ち込み車を引きつけ逃走する。彼は「もぐら」を逃がすためにおとりになったのだ。そして大使館に駆け込む。

暫くしてネイトはモスクワを出国し今度はハンガリーのブダペストに移る。彼を狙ってロシアの誰かが接触してくるはずだ。案の定ドミニカと言う女スパイが接触してきた。ドミニカはネイトをハニートラップにかけてゆくが、逆にネイトを愛し始めてしまう。

ロシア情報庁のブダペスト支部はアメリカ上院議員補佐官のステファニー(メアリー=ルイーズ・パーカー)からお金と交換で情報を入手していた。この事実を知ったネイトはドミニカを使って偽のフロッピーにすり替えさせる。国を裏切った代償として彼女は指定口座に25万ドルを要求する。

ネイトは部下を使ってステファニーを拘束しようとしたところ、急に逃げ出した彼女は車にひかれて死んでしまう。この事件後ドミニカにはロシアに戻るよう指示が来る。戻ったところ祖国を裏切った容疑で拷問にかけられるが彼女は口を割らず解放される。

ブダペストに戻ったドミニカをネイトはアメリカに亡命するよう説得するが、彼女には祖国に残した母親がいる。そんな時にロシア側のスパイがネイトとドミニカの寝込みを襲う。男はネイトの首を絞め「もぐら」が誰か吐かせようとする。とっさにドミニカはロシア側のスパイを襲い手傷を負ったが殺してしまう。

ドミニカもネイトも体にダメージを受け病院に搬送される。ドミニカの病室にロシアのコルチノイ将軍(ジェレミー・アイアンズ)が突然現れる。彼はワーニャの上司でロシア情報庁ナンバー2の実力者だ。

彼は「私がもぐらだ」と白状する。彼は「妻が病気になった時アメリカの最先端医療を受けさせたいと申請したが却下され妻は亡くなった」と祖国に強い憤りを抱えていた。ネイトの口から自分の名前が出るのを結果的にドミニカが阻止したようだ。

コルチノイは「私がもぐらであることをザハロフ(キーラン・ハインズ)に伝えれば、お前は英雄でロシアに戻れる」と言い残して病室から消える。ドミニカはプリペイド携帯を使ってロシア情報庁のトップ ザハロフに連絡を取る。

暫くしてから、ロシアの「もぐら」とドミニカとのスパイ交換が真夜中に行われる。ところが「もぐら」なる人物は何とワーニャだった。二人はそれぞれの陣営に向かわされるが、交換の途中に隠れていたロシアのスナイパーによってワーニャは射殺される。

祖国に戻ったドミニカは英雄として扱われ、昇進してゆく。彼女のかたわらにはコルチノイ将軍がいつも通り椅子に座っていた。

レビュー

結末は大どんでん返しだ。実際の「もぐら」はコルチノイ将軍なのに、スパイ交換時に出て来るのは彼女の叔父ワーニャだった。彼女は叔父をもの凄く嫌っていた。自分を強引にスパイにしてしまった叔父が許せなかったのだ。そしてワーニャをトラップにかけてしまう。

多分25万ドルが入金された口座はワーニャのもので、さらに彼の指紋が付いたウイスキーグラスもネイトの部屋から見つかったように偽装している。そしてザハロフにワーニャが「もぐら」であることを吹き込む。これでワーニャは逃げられない。

ドミニカはコルチノイ将軍に借りを作り、昇進してゆく。母親を立派な住まいに住まわせ、前途洋々だ。結局二転三転したが彼女が米ソを翻弄し、しかも自分の出世に叔父を利用してしまう・・・よく考えれば恐ろしい女だ。

ハニートラップと言うと日本の某総理大臣が中国美女に引っかかっていたのが有名だ。男は美女に弱いねー、気を付けないといけない。

ところで最近、イギリスに亡命したロシアのスパイが神経毒によって殺されかけた、いまだにこんなことが続いているとはロシアの怖さを感じる。

しかし、時代はこんなアナログの世界からデジタル世界に変わっている。情報はコンピューターのハッキングによって盗む、そして国家を転覆させるのもサイバー攻撃だ。恐ろしい世の中になったもんだね。

TATSUTATSU

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